出かけた先の避難を気にしていますか?

 大規模商用施設や宿泊施設などでもし災害に出会ってしまったら、あなたはどのように避難するのかを意識したことがありますか?
 災害が発生したときには、原則としてその場所の従業員がお客の誘導をしてくれるはずです。
 ですが、それが必ず行われるとは限りません。
 最近は従業員がパートやアルバイトが殆どというお店も珍しくありませんし、外国籍の日本語が通じない方がお仕事をされている場合もあるかもしれません。
 従業員がいても、きちんと誘導がしてもらえない場合も想定しておかないといけないのです。
 一般的に、避難誘導灯は必ず設置されていますから、それを確認すること。


 そして、出入り口や階段の近くには殆どの場合避難経路を記した案内図が掲示されているので、それを確認しておくことをお勧めします。

ホテルでは客室のドアに避難経路図が貼ってあることが多い

 また宿泊施設などでは、チェックインの際に必ず避難経路の確認をするように指示もされますし、宿泊室の扉の内側には避難経路を示したものが貼られていることが多いと思います。
 それらを確認し、面倒くさがらずに一度避難経路をたどってみること。それだけで、災害時の生存確率はかなり上昇します。
火災や地震といった大規模な災害が発生するたびに、命を守るためのさまざまなことが追加され続けています。
 ですが、それを活かすも活かさないもあなたの行動にかかっています。
 上手に活用して、いざというときに備えたいものですね。

自動車が水没したらどうする?

 今日も大雨が降っていてあちこちで被害が起きているようですが、大雨が降っているときに自動車で移動するときに気をつけなくてはいけないのは水没です。
 普段走っている道ではあまり意識していない「低地」や「アンダーパス」などは短時間に降る大雨で簡単に池となってしまうということを気をつけておかないといけません。
 自動車は案外と水に弱くて、車輪の半分以上が水に浸かると思ったように動けなくなり、吸排気系に水を吸い込んでしまうと、エンジンは簡単に停止してしまいます。また、ハイブリット車はバッテリーなどが水に浸かると電気系がショートする可能性もありますので、エンジン車よりもより水没に気をつけなくてはなりません。
 ただ、不幸にして車が水没したらどうするか?
 可能であれば、すぐに窓を開けて脱出を試みましょう。もっとも、最近の車はほぼ100%電気式のパワーウインドウを標準装備していますので、電気関係が水没してしまうと窓は開かなくなります。
 もしも流れがなく、車内に水が入ってくるようなら、車内と車外の水位が同じになった状態ならかなり重たいですが扉を開くことが可能です。
 最後に、水に流れがあったり深みにはまって緊急に脱出をしなくてはならない場合。この場合には、窓を破るしかありませんが、最近の車の窓は事故対策で頑丈にできていますのでちょっとやそっとでは割ることはできません。脱出用のハンマーでもフロントガラスは割れなかったという実験結果も出ています。
 なんにせよ、助かりたいと思ったら、まずは車を水没させないことです。
 大きく水がたまっているような場所は避けるか、または徐行して足下を確認しながら通過することです。
 勢いに任せて突破しようとすると、殆どの場合は突破できずに水没してしまい、自力脱出か、または救援を呼ぶ羽目になってしまいます。
 今回ご紹介したような、どれくらいの水深なら車のドアが開けられるのかということと、車の窓ガラスがどのような道具であれば壊せるのかということを実験した日本自動車連盟さんのサイトがありますので、車を運転される方は一度見ておいてください。
 なんにせよ、運転するときには普段から道路の高低差を確認しておき、大雨時にはそういうところを迂回して通るような意識漬けをしておくといいですね。

日本自動車連盟JAFユーザーテスト「水深何cmまでドアは開くのか?
日本自動車連盟JAFユーザーテスト「 水没した車の窓はどうやったら割れるのか?

自分の体を補助してくれる道具は予備を準備しておこう

 災害はいつ何時起きるかわかりません。
 そして、避難するときに慌てているとさまざまなものを忘れていくものです。
 その忘れ物を防止するために非常用持ち出し袋を準備するわけですが、案外と忘れやすいのが普段使っているさまざまな補助具です。
 例えば眼鏡。それから入れ歯、補聴器、杖等々。
 以前に「眼鏡と入れ歯はスペアを用意しよう」と書いたことがありますが、避難所で不自由なく過ごすには普段から使っている、自分の生活をサポートしてくれるアイテムが必須です。
 自分の生活に必要な補助具は必ずスペアを用意して非常用持ち出し袋に入れておくようにしましょう。
 わざわざ新しいものを非常用持ち出し袋に入れる必要は無く、補助具を買い換えたときに今まで使っていたものを非常用持ち出し袋に入れるだけで大丈夫です。
それらのアイテムは、確かに「少々不便」で交換したものでしょうが、もしそれすら無い状態だと動きがつかないくらい不便になってしまいます。
一番いいのは今使っているものを持って避難できるのが理想ですが、慌てて逃げないといけなくなったときに備えてスペアを用意しておくことで、最悪非常用持ち出し袋さえあればなんとかなるという状態にすることができます。
地震でぐちゃぐちゃになったなかからさまざまなものを探すのは困難ですから、探しているとどうしても避難が遅れてしまいます。
避難した後で身動きが取れないと言うことがないように、自分の行動を補償する補助具は必ず予備を用意しておきましょう。
それがあなたを助けてくれます。

火のことを知っていますか?

 「火遊びするとおねしょする」と、昔は言われていましたが、今、直火を見たことのある子どもさんがどれくらいいるのかなと思うことがあります。
 最近は紙巻きたばこやパイプたばこを吸う人が減りましたから、ライターやマッチを見ることも無くなりました。石油ストーブもファンヒーターや電気ストーブに取って代わられ、オール電化の家も増えているので普通に生活していると火を見る機会があまりないのではないでしょうか?
 先日、ある方がたき火の作り方を子どもに教えていたら、こどもがたき火をつかもうとして火傷したと言うことを聞きましたが、火が危険であり、怖いからといって全く触れない環境に置くと、かえって危険を招いてしまうということなのかもしれません。
 ただ、いざ災害が起きると嫌でも火を使わないといけない状況になりますので、意識して火を使えるようにしておかないと困ることになりそうです。
 たき火はハードルが高くても、例えばカセットコンロでお鍋や焼き肉をしながら火の取り扱いについて説明するのはどうでしょうか。火傷しない範囲で火に触れてみるのもいいかもしれません。
 なぜ怖いのか、なぜ危険なのか、そしてなぜ便利なのかをきちんと繰り返し説明してやると、子どもでも上手に、そして安全に火を使いこなせるようになります。

上手になると4歳児でも火の管理ができるようになる。

 人類の進化は火とともにありました。知っていれば、火は人の友として助けてくれます。
 もしもたき火をする機会があったら、ぜひ子どもと一緒に火をつけるところからやってみてください。その中で、火の便利さと怖さをしっかりと教えていただき、一緒に暖を取りながらお話ができるといいなと思います。

たき火は見ているだけで結構楽しい。小さな火の方が暖かくて使いやすい。

出入り口を確保しておこう

 災害時にさまざまな理由で今いる場所から移動しなければならなくなったとき、あなたのおうちはきちんとした脱出路が確保されていますか?
 例えば地震が起きたとき、部屋の開き戸がタンスや棚などが倒れ込むことにより動かなくなるような置き方はしていませんか?
 こと災害に関する限り、扉は引き戸の方が安全度が高いのでは無いかと考えています。ものが倒れても、引き戸であれば開け閉めをすることは可能です。これが開き戸だと、扉の前にものが倒れ込んでしまうと、もう開けられなくなってしまいます。
 もし開き戸のおうちの場合には、タンスや棚が直接扉の前になかったとしても、倒れたときに扉が動かなくなるような状態になりそうであれば、そのタンスや棚は場所を変えた方が無難です。
 また、通路や玄関にはなるべくものは置かないようにして、非常時には悩まずに外部に脱出できるように整備しておくことが重要です。
 最近では、開き戸に貼るタイプの非常用持ち出し袋入れも出てきているようですが、非常用持ち出し袋は導線を妨げず、かつ取りやすい部分に置くことが大切です。
 日本建築では、伝統的に引き戸が多いのですが。これは万が一の時の家屋からの脱出と扉を作るのが容易だったからなのかなと考えることもありますが、出入り口には、万が一に備えて扉が開かなくなるようなものは置かないようにすることが大切です。

地震あれこれ

 日本は地震大国だということはよく言われるところですが、あなたは地震についてどれくらい知っていますか?
 別に知らなくても困らないのですが、知っていると役に立つかもしれない地震の知識について、今回は整理してみたいと思います。

1.地震の種類

 地震とは、文字通り「地面が震える」ことで、大まかにわけるとプレート境界型と活断層型に分かれます。これがそれぞれどのようなものかということは、過去に「プレート境界型地震と活断層型地震」という内容で触れていますので、興味があったらリンク先をご覧ください。
理由はいろいろありますが、簡単に言うと何らかの理由で地球内部の力がぶつかる場所で起きるものだというイメージであればいいのかなと考えています。

2.震度とマグニチュード
 地震が発生すると、ニュースでは「この地震はマグニチュード4、震源は○○で深さは○○km。主な震度は、○○が震度4、××が震度2・・・」といった感じで伝えられることが多いですが、震度とマグニチュードの違いはご存じですか?
 「マグニチュード」は、地震そのものの大きさを表すものです。マグニチュードは1あがると強さが32倍になります。そのため、この計算で行くと地球上で起きる地震によるマグニチュードは10までだそうで、それ以上は地球が破壊されるレベルのエネルギーとなるため、地震としては想定しないことになっているようです。ピンと来ない方もいらっしゃると思うので、youtubeで「人の死なない防災」さんがアップロードしている「【マグニチュード比較】南海トラフの巨大さが体感できる動画」をご紹介しておきます。
 ともあれ、震源で起きる地震の強さを表すため、一つの地震ではマグニチュードは一つの表示となります。
「震度」は地震により発生した震動が伝わった場所の揺れの大きさを表すものです。距離や地盤の強度、震源の深さなどにより、同じ距離であっても異なる震度が記録されることが殆どです。

震源は一つなのでマグニチュードも一つ。同じ距離でも、様々な条件で伝わる振動が異なるため、震度は観測点の数だけ存在する。

マグニチュードの数値は一つしかなく、震度は観測点の数ほどあると考えておけば問題ないでしょう。

3.地震の揺れには周期がある
大きな地震になると、地面が殆ど揺れていないにもかかわらず、高層ビルが大きく揺れているような場合が見受けられます。
これは地震の振動が様々な波を持っていて、その揺れによるもの(揺れが一往復する期間を周期と呼びます)ためですが、大きな地震になるほどゆっくりとした周期の長い大きな揺れが発生するため、これを特に「長周期震動」と呼びます。
建物にはそれぞれ固有の揺れやすい周期というものが存在し、地震の周期と建物の揺れやすい周期が重なると共振現象が起きて建物が大きく揺れることになります。
建物が高層になればなるほど周期の長い大きな地震と共振しやすくなるため、より大きく揺れることになります。建物によっては数mの幅で揺れることも起こりますので、高層ビルの高い階はよりしっかりとした耐震対策を行う必要があります。
長周期震動については気象庁の「長周期振動について」でよりわかりやすく説明されているのでそちらを参考にしてください。

普段からあいさつだけはしておこう

 当たり前というと当たり前なのですが、あいさつは身を守るために非常に重要な役割を果たします。
 特に乳幼児を連れている場合には、少なくともご近所や町内の人にはあいさつはしておいた方が災害時には自分たちの身を守ることができると思います。
 よく「子どもを泣かすな」「子どもがうるさい」といって文句をいう人たちがいますが、文句を言ってくる人は、大概の場合男性または子育てをしなくてすんだ女性というパターンで、文句をつける相手を選ぶ傾向があるようです。
 一つには、自分が知らない相手であること。自分が知らなければ関係ない他人ですから、自分が快適であるためにはどのような文句を付けても問題ないと思ってしまうようです。
 二つ目には、守ってくれる人がいないこと。シングルマザーなどは格好の標的になってしまいます。
 これらの害を防ぐためには、それ以外の地元の人と顔見知りになっておくことが重要になります。
 それがあいさつをすることです。
 相手からあいさつが帰ってくるかどうかは問題ではありません。
 あなたがあいさつをすることで、相手はあなたを認識します。その時に子連れであれば、あなたが子育てをしているという認識を相手が持ってくれます。子ども好きな人であれば、立ち話くらいにはなるかもしれませんが、あなたという存在と、子どもがいるということ、そしてあいさつができるくらい常識的な人という認識があいさつをされた人には印象づけられることになります。
 そうすると、いざ災害が起きて地域の避難所に避難したときに、少なくともあなたと子どもは地域の住人であることが認識されているので、仮に子どもが泣いても文句がいいにくい状態が作れます。
 また、子ども好きの人がいれば文句を言ってくる人に先回りして気を遣ってくれることもたくさん出てきますので、あなたには味方がいるという認識になって文句が言えなくなるのです。
 仮に文句をつけてくるとしても、恐らく紳士的に「お願い」をしてくることになるでしょう。
 ついでに言うと、災害時で無くても何かの時に助けてくれるかもしれません。
 これらの支援は、あいさつをするという単純なことで受けることができるようになるのです。
 特に借家やアパート住まいなどで普段地域とあまり接点のない人は、騙されたと思って出会う人にあいさつをしてみてください。

気になるガサガサ音

 避難所で一夜を過ごすときには、他人の立てる音がかなり気になるものです。
 眠りの浅い人だと、誰かが音を立てるたびに目が覚めて寝られなくなってしまうということもよく起きるようです。
 足音や寝返り、いびきなどはある程度仕方がありませんが、防げる生活音は防ぐに越したことはありません。
 そこで、非常用持ち出し袋を作るときには、ガサガサと音のしない袋に入れるようにしましょう。
 よく買い物などに使うビニール袋は結構ガサガサしますので、身近にあって便利ではあるのですが、できればもっと柔らかいビニール袋だといいですね。ゴミ袋も行政が売っている可燃ゴミの袋ではガサガサ音を立てるものが多いので、昔ながらの黒い厚手のものを用意しておくといいと思います。
 また、非常用に準備されていることの多い保温用ブランケットも、ものによってはものすごくガサガサという音を立てるものもありますので、購入した後、一度確認してみることをお勧めします。
 非常用持ち出し袋にセットするときには、割と買ったままの状態で入れておくことが多いようですが、そうするとごみが増えて、何かものを袋から取り出すときにはガサガサどころではない音を立てる羽目になってしまいます。
 いろいろな道具はきちんと箱や袋から取り出し、使いかたを確認した上で非常用持ち出し袋に収めていくようにします。
 そしてその際には雨や水に濡れてもいいように、それぞれを防水袋に入れておくようにします。この防水袋も音のするものしないものがありますので、用意するときにはその辺を意識しておくとよいでしょう。
 そうでなくても不安な一夜です。なるべく神経に障る音は立てずに、いらいらせずに過ごせるといいですね。

口腔ケアに気をつけよう

 災害時に案外と気にされることがないのが口の中のケアですが、何もしないと後でさまざまな悪影響が出てきます。
 今回は口の中のケアについて考えてみたいと思います。

1.口の中を健康に保つには

 口の中を衛生的に保つ方法は、まず「歯をきれいにすること」。そして「口の中が乾かないようにすること」です。口にはさまざまな菌が住んでいますので、それらを増えすぎる前に排除することが口の中を健康的に保つ方法になります。

2.口の中がきれいでなくなるとどうなるの?

 普段でもそうなのですが、何もしないと歯に雑菌の塊である歯垢ができます。この歯垢は虫歯や歯周病といった歯に直接ダメージを与えるものだけでなく、さまざまな全身性疾患を引き起こす元になってしまうことがあります。健康な人であれば体内の免疫システムで体に影響がでないのですが、栄養状態が悪く精神的にも不安定になっている状態は免疫システムも低下しますので、普段元気な人でも病気になってしまうことが起こります。

3.ではどうするか?

歯ブラシがあれば、食後にしっかりと磨き口をゆすいで菌をはき出すことで、口の中の衛生環境を維持することができます。使用後の歯ブラシは、ティッシュペーパーなどで拭って衛生的に保つようにしてください。また、歯ブラシが無い場合には、歯磨き用ペーパー、少し湿らせたティッシュペーパーやガーゼなどで歯垢をこそげ取るように拭き取ります。マウスウォッシュがあれば、拭き取った後にそれで口をゆすぐとより効果的です。

4.まとめ

 災害が起きると食事と排便は意識しますが、案外と歯磨きをすることを忘れているものですし、支援物資として歯ブラシが届くのは割と遅くになると思われますので、自分の衛生環境を守るためには歯ブラシを非常用持ち出し袋や非常用備蓄品にセットしておく必要があります。
 また、普段から食後は歯磨きをする癖をつけておき歯ブラシを鞄に忍ばせておけば、災害の時にも歯ブラシが手元にあるという状況が作り出せるかもしれません。
 口の健康状態が自分の健康状態を決めるといっても大げさではないと思いますので、避難するセットの中に歯ブラシを加えるようにしてくださいね。
 ここで気をつけておいて欲しいのが、口をゆすぐ水が確保できないときには歯磨き粉は使用しないということ。歯磨き粉を使って歯磨きすると、歯磨き粉なしで歯を磨くときよりもかなり多く水を使用しますので、状況に応じて歯磨きの方法を使い分けるようにしてください。

自宅避難と避難所避難

 災害が起きると、とりあえず避難所へということが一般的に広がっているなと感じますが、避難所の収容人員は、そのエリアの居住人口に対して100%を超えることはまずありません。
 これは全ての人が避難所へ避難して避難生活を送るという想定では無く、基本は自宅で過ごし、何らかの理由で自宅に住めなくなった人だけが避難所に避難してくるという想定になっているからです。
 それに対して、避難場所はその地域の全ての住人を収容できるだけの数値を持っているはずです。避難場所は災害が発生している間一時的に避難をするところであり、生活するところでは無いという想定のためです。
 自宅が無事であれば自宅で生活をしてくださいというのが、行政の持っている災害に対する避難計画の基本的なところになりますので、防災を考えるときには、まず自分の家が安全かどうか、どのような災害では避難しないといけないのかということを確認しておかないといけないでしょう。
 行政の作っているハザードマップを見ると、洪水、津波、内水面越水、地すべり、急傾斜地などは全て記入されていますので、それを確認して避難すべき地域なのか家にいた方が安全なのかについて確認をします。
 次に、家が耐震構造になっているかを確認します。昭和58年が一つの境と考えて、それ以前の建物であれば木造は必ず耐震診断を受けておきましょう。家にいるときに地震が来て下敷きになってはなんにもなりませんし、家が崩れてしまったら自宅避難をすることもできなくなります。耐震診断を行うときには、市町村の補助がもらえる場合がありますので、やる前には市町村の建築担当課に相談をされるといいと思います。
 最後に、家の中の耐震対策をしておきましょう。揺れてものが倒れたりしないようにしっかりと固定し、自分や家族が下敷きにならないようにしておきます。少なくとも、寝る部屋とふだん過ごす場所だけはできるだけものを無くして揺れても安全が確保できるようにしておきます。
 とりあえず自宅を避難所として使うことが可能になっていれば他人に気を遣うこと無く自分のリズムで生活が出来るので、被災後のストレスも軽くすることができます。
 ところで、避難所のうち指定避難所は行政が被災後の物資や支援の供給場所としての機能も持たせています。
 ただ、この避難所に避難していないと物資や支援が受けられないということではないことに、避難所運営する側は注意してください。自宅避難者も避難者ですので、災害時の物資や支援の供給は当然受けられます。避難所に避難していないことを理由に物資や支援の供給を拒むことはできませんので気をつけておきましょう。
 理想は自宅避難で物資や支援だけを供給してもらう体制を作っておくことです。
 自分が命を繋げるように非常用備蓄品を準備しておくのはもちろんですし、なるべく自立していることが理想ではありますが、自宅に避難しているからといって避難所の物資や支援を受け取ってはいけないと難しく考えると普段使いできないくらいの非常用備蓄品となってしまいますから、使えるものは使うことを前提にして、さまざまな準備をするようにしてください。