自宅避難と避難所避難

 災害が起きると、とりあえず避難所へということが一般的に広がっているなと感じますが、避難所の収容人員は、そのエリアの居住人口に対して100%を超えることはまずありません。
 これは全ての人が避難所へ避難して避難生活を送るという想定では無く、基本は自宅で過ごし、何らかの理由で自宅に住めなくなった人だけが避難所に避難してくるという想定になっているからです。
 それに対して、避難場所はその地域の全ての住人を収容できるだけの数値を持っているはずです。避難場所は災害が発生している間一時的に避難をするところであり、生活するところでは無いという想定のためです。
 自宅が無事であれば自宅で生活をしてくださいというのが、行政の持っている災害に対する避難計画の基本的なところになりますので、防災を考えるときには、まず自分の家が安全かどうか、どのような災害では避難しないといけないのかということを確認しておかないといけないでしょう。
 行政の作っているハザードマップを見ると、洪水、津波、内水面越水、地すべり、急傾斜地などは全て記入されていますので、それを確認して避難すべき地域なのか家にいた方が安全なのかについて確認をします。
 次に、家が耐震構造になっているかを確認します。昭和58年が一つの境と考えて、それ以前の建物であれば木造は必ず耐震診断を受けておきましょう。家にいるときに地震が来て下敷きになってはなんにもなりませんし、家が崩れてしまったら自宅避難をすることもできなくなります。耐震診断を行うときには、市町村の補助がもらえる場合がありますので、やる前には市町村の建築担当課に相談をされるといいと思います。
 最後に、家の中の耐震対策をしておきましょう。揺れてものが倒れたりしないようにしっかりと固定し、自分や家族が下敷きにならないようにしておきます。少なくとも、寝る部屋とふだん過ごす場所だけはできるだけものを無くして揺れても安全が確保できるようにしておきます。
 とりあえず自宅を避難所として使うことが可能になっていれば他人に気を遣うこと無く自分のリズムで生活が出来るので、被災後のストレスも軽くすることができます。
 ところで、避難所のうち指定避難所は行政が被災後の物資や支援の供給場所としての機能も持たせています。
 ただ、この避難所に避難していないと物資や支援が受けられないということではないことに、避難所運営する側は注意してください。自宅避難者も避難者ですので、災害時の物資や支援の供給は当然受けられます。避難所に避難していないことを理由に物資や支援の供給を拒むことはできませんので気をつけておきましょう。
 理想は自宅避難で物資や支援だけを供給してもらう体制を作っておくことです。
 自分が命を繋げるように非常用備蓄品を準備しておくのはもちろんですし、なるべく自立していることが理想ではありますが、自宅に避難しているからといって避難所の物資や支援を受け取ってはいけないと難しく考えると普段使いできないくらいの非常用備蓄品となってしまいますから、使えるものは使うことを前提にして、さまざまな準備をするようにしてください。

携帯トイレと一緒に持つもの

携帯トイレ各種

 災害時に備えるものとして優先度の高い防災用品の一つに「携帯トイレ」があります。
 災害発生時、普通にトイレは使えないと思った方がいいです。
 特に水道管が破損してしまうと、トイレは汚物を流せなくなるために汚物まみれになってしまい、衛生的にも精神的にもよくない状態になってしまいますので、それを防ぐために避難所では最初はトイレを使わせない措置を取るケースが多いです。
 状況が落ち着いて、汚物を流すための水の確保ができて初めて使用が許されるようになるわけで、それまではトイレを使わずに自分の排泄物を処理しなくてはなりません。
 そこで出番となるのが携帯トイレですが、いざ本番のとき、あなたはこの携帯トイレを上手に使いこなすことができるでしょうか?
 あらかじめ使い方をしっかり読み込んだ上で使ってみないことには、なかなか上手に使いこなせないのが実態ではないかと思います。
 また、携帯トイレを使う場所も考えておかなくてはなりません。
 災害発生時にはトイレが封鎖されてしまうことが多いため、トイレに持ち込んで携帯トイレを使うというわけにはいきません。かといって、周囲の目の中で堂々とするわけにもいきませんが、最悪露天で排泄しないといけないことも起こりえます。女性の場合には特に使い方に気をつけないと、いろいろな意味でトラブルが起こってしまいます。
 そこで、お勧めする避難アイテムが「ポンチョ」。準備するポンチョはよくある半透明な安いものではなく、しっかりと色のついた、丈のあるゆったりとしたものを選ぶようにしておけば、防寒着や雨具としてだけではなく、ポンチョを腰に巻いたり、着たりすることで、用足しをしている光景を見られる心配が少なくなります。

百均のポンチョは色つきでも透けるので注意が必要

 理想としては小型のトイレ用テントを準備してその中でできれば一番良いのですが、嵩があるために普通の非常用持ち出し袋に入れるわけにはいきません。
 ポンチョを着た上で、周囲にタオルやブルーシート等を目隠しとして覆い、その中で用足しをすれば、そこまで神経質にならなくても排泄をすることが可能です。
 ただ、これは練習がいります。いざというときに慌てふためいても排泄物は待ってくれませんので、平時に携帯用トイレの使い方と一緒に目隠しの方法についても検討をし、準備しておくようにしましょう。
 また、使用後の携帯用トイレは消臭機能を持っているビニール袋に入れて口を縛っておけば臭いもなく快適にゴミ処理ができます。猫の砂があれば臭い消しとしては合格点でしょう。
 とにかく使ってみないことにはわかりません。
 どうやったら恥ずかしくないか、上手に使えるのかを考えて、実際に試してみることをお勧めします。

お水を持って歩こう

 災害に備えるとき、非常用持ち出し袋や非常用備蓄品など、命を守るためのさまざまなアイテムを準備するように言われています。
 ですが、現実問題としてそれらを常に持ち歩ける状況にあるかと言われると、持って歩くことはできないのではないでしょうか?
 最近は持って歩ける「防災ポーチ」というものが登場してきましたが、これも意識していなければそのうちに持ち歩かなくなってしまうような気がします。
 では、いざというときどうするか。
 命を繋ぐための最低限のものを持っておくようにしましょう。
 最低限のもの、それは「水」です。
 実は災害時に一番必要で一番手に入りにくいものがこの「水」なのです。
 例えば地震で被災したとき、飲める水を持っているだけで安心感が違います。
 のどが渇いたとき、この水があるのとないのでは気持ちに雲泥の差が生まれますし、怪我をしたときや目にゴミが入ったときにはこれがあれば洗い流せて衛生的な状態を維持することができます。
 火事の煙に遭遇しても、袖口を濡らして口に押しつければ気管支を守り、呼吸を維持することも可能と、水があるだけで、自分の命を守れるレベルをぐっと上げることができます。
 サバイバルなどでは3日水が補給できなければ死んでしまうというような話がありますが、食料や他の生活物資はなくてもしばらくは生きられます。
 でも、水が無いとそもそもの生命維持ができなくなってしまうのです。
 そして、飲料に適する水を作るのにはさまざまな道具や時間が必要ですので、始めから飲める水を持っていたほうがいいということになるのです。
 たくさんあるに越したことはありませんが、水の重さはかなりなものです。無理して1リットルや500mlを持たなくても、最近は200mlくらいの小さなペットボトルもありますし、水筒に入れて普段使いするのもいいと思います。
 なんらかの形で、仕事や登下校で普段から持ち歩く鞄に水を1本忍ばせておいてください。それがあなたの命を守ってくれるのです。
 ちなみに、内閣府が提唱する水の確保量は1日3リットルだそうです。非常用持ち出し袋や非常用備蓄品では、それだけの量を見越して準備しておくようにしましょう。

災害対策も「段取り八分」

 マスコミなどで「事前に避難してください」と言う割に開設されないのが公設避難所です。
 最近は災害発生前から避難所開設するところも出てきていますが、開設に行政職員が派遣されることになっているような避難所だと避難が難しい状態になってから開設されることが多いのが現状です。
 避難所という場所の性格を考えると、「避難所開設」→「レベル3・避難準備・高齢者避難開始」という流れになっていないと対応が間に合わなくなります。
 石西地方では吉賀町がそのあたりに気をつけておられるようで早めの避難所開設がされていますが、避難所の運営については各自治会に任せているようだという話を聞いています。
 高齢者や障害を持つ方、避難路に不安のある方などは、「レベル3」が発令される時には避難ができないこともあるので、やはり避難所が事前に開設されていることは重要になると思います。
 ただ、闇雲に避難所を開設するといろいろと準備など大変になることも事実ですから、開設の無駄をなるべく減らすためにも「地域にどのような人がいるのか」「もし避難が必要だとするとその人にどんな支援が必要か」「避難完了までにどれくらい時間がかかるのか」ということを確認し、それをタイムラインに落とし込んで避難所を開設するというのは一つの方法だと思います。
 少なくとも、避難するときと同じように、避難所開設でも「いつ」「だれが」「どうなったら」「どのように」開設するのかを、その避難所を利用する、または運営する人たちの間で情報共有しておく必要があるでしょう。
 いつ避難所が開設されるのかということが共有化されていないと「早めに避難はしたものの、避難所が開設されておらず被災した」というような事態になりかねません。
 全てのお宅が災害に対して安全であればよいのですがそんなことはありませんので、早めの避難所開設をすることで自宅や避難路が心配な人が避難でき、その結果として最悪人命だけは守ることができるということができると思います。
 何も起きていない時だからこそ、何か起きたときの段取りを決めておくこと。
 よく「段取り八分」と言われますが、一度発生すると考える時間が余りない状態で行動を判断しなければならないのが災害です。
 自分自身の災害への備えはもちろんですが、避難所開設と運営といった共助部分の段取りもやっておかないといけないと思います。
 地域がその気になってないと、なかなか難しい部分ではあるのですが・・・。

避難は安全な日中のうちにしてしまおう

 大きな台風10号がゆっくりと接近してきているようです。
 このまま行くと、どうやら西日本直撃コースのようで、益田市の安全安心メールでは「14日から風が強くなり、15日明け方には暴風域に入り大荒れの天気になる恐れがある」という情報が配信されています。
 今回の台風は強風域が非常に広くて「超大型の台風」という扱いになるようですが、とりあえず風が強くなる前に家の周囲の片付けをしてものが飛ばないようにしておく必要がありそうです。また、事故が起きる可能性が高くなりますので、風が強く吹き出してからの屋根の修繕や窓の補修などは絶対にしないでください。
 ところで、気象台や市町村と言った行政機関が発令する避難勧告や避難指示、レベル4、レベル5といったものは、昼夜を問わずに発令されます。そのとき、自分が避難すべき場所に避難することが可能でしょうか?
 今回の台風では、当地域は「15日の明け方には暴風域にはいる」恐れがあるそうです。そうすると、レベル4が発令されて15日の日中に避難しようとすると、視界の効かない足下も見えない暴風雨の中を徒歩で避難することになってしまいます。それは非常に危険なことですし、一つ間違うと遭難してしまうことにもなりかねません。
 また、もし夜中に発令されれば、真っ暗な暴風雨の中を視界も効かない状態で避難所まで移動しなくてはならず、避難する難易度は跳ね上がります。
 そのため、空振りになるかもしれませんが、天気の比較的安定している14日の夕方に避難所に避難することを勧めます。明るい中を避難するのと日が暮れてから避難するのでは避難のしやすさがまるで違います。
 場合によっては、まだ避難所が開設されていない時期かもしれませんが、台風の場合には進路予想ができますので、来ると分かっている、または来る可能性があるのであれば、影響の出始める前に避難所を開設すると、日中の避難がとてもしやすくなります。そして、大荒れになってレベル4やレベル5が発令されたとしても、とりあえずの安全は確保されている状況になるわけです。
 影響の出る前の日中に避難することは、正直に言って恥ずかしいかもしれませんが、安全を最優先に早めの安全な避難をしてほしいなと思います。
 大きな被害がでないことを祈ってはいますが、まずは自分の安全確保を考えて行動してください。

各自の状況ごとに対応を考えておく

 避難訓練だと、家にいるか会社や学校にいるかというところで訓練を行うと思いますが、家族がバラバラになっているときの状況についてどうすればいいかということを決めていますか?

子ども達だけでも行動できるような意識付けが普段から必要なのかもしれない。


 例えば、子どもが学校や保育園、幼稚園、学童保育にいるときに大きな地震が起きたと想定します。
 そのとき、あなたはどれくらいの時間でこどもを迎えに行くことができるか考えたことがありますか?
 ある程度大きくなったら集合地点を決めてそこまで各自の判断でということも可能でしょうが、こどもがまだ小さいなら、必ずお迎えが必要となります。
 その時、あなたがいる場所から自分で歩いて子どもを迎えに行くことが可能かどうか。
 あなたが迎えに到着するまでの間、子どもの安全が確保されているかどうか。
 そして、子どもと合流後にはどこへ避難するのか。
 実は、家庭の防災計画はあなたや家族が所属するところの防災計画と連携させて考えておかないといけないものなのです。
 災害が起きたとき、家族がどこにいてどんな行動をとり、どこにいるのかを確認してお互いに知っておくことはあなたや家族の行動を安全にするためにも非常に重要なことです。
 例えば、子どもが安全に避難しており数日間は安全が確保されることがあらかじめ分かっていれば、自分の安全確保をしながら迎えにいくことができます。でも「すぐに迎えに来て」とされていれば、自分の安全は二の次にして子どもをなんとかして迎えに行こうとするのではないでしょうか。
 対応が分からず連絡もつかない状態になると、自分が危険だとわかっていても子どもの安否確認に走るものですから、何が起きたらどうなり、いつまで安全が確保されるのかは、平時にこそ確認しておかなければいけない内容です。
 また、逆に親がどう動いているのかがわからないと子どもが不安になりますが、どれくらい待てば迎えに来るかがわかっていると、不安ながらもしっかりと待っていてくれるものです。
 繰り返しになりますが、防災計画は単独では完結できないものです。
 職場や学校で計画ができていないのなら、自分でその部分は作っておく必要があります。
 目標はあくまでも「命を守り、命を繋ぐ」ことです。
 気がついたとき、少しずつでも自分がどう動けばいいかについて考え、家族や仲間と共有することを意識していただきたいなと思います。

台風の表現を知ろう

 なんだか台風が次々に発生しての日本の周囲にやってくるようですが、この台風を表す表現について考えたことがありますか?
 テレビやラジオなどで「大型で非常に強い台風」などという表現がされるとき、なんだかすごい台風が来ているということはイメージできると思うのですが、その台風は具体的にどんな台風なのかというと、説明に困ることも多いのではないでしょうか。
 今回は気象庁からの発表でよく使われる言葉について確認してみたいと思います。

1.強風域と暴風域

 台風の進路情報では「この台風は中心から半径40km以内は暴風域を伴い・・・」という表現がされることがあります。
 これはその台風の風の強さを表現しているもので、風速25m/s以上の部分は「暴風域」、風速15m/s以上の部分は強風域と表現されます。台風情報などで絵が描かれている場合には、黄色の実線で書かれているものがその台風の強風域、赤の太実線はその台風の暴風域を表しています。
 また、「○○m/s」という表示は10分平均の風速のことをいいます。

2.大きさと強さ

 台風の勢力を示す目安として使われる台風の「大きさ」と「強さ」 の表現ですが、 「大きさ」は強風域の半径を、 「強さ」は最大風速をそれぞれ示しています。具体的には、以下の表のとおりになります。

 ですので、最初の例にあるような「大型で非常に強い台風」の場合には「強風域の半径が500km以上800km未満で最大風速が44m/s以上54m/s未満の台風」ということを表しています。
 また、この条件に当てはまらない台風では大きさや強さの表現はしないため、「この台風は中心から半径40km以内は暴風域を伴い・・・」といった言い回しになります。

 知らなくても困ることはあまりない言葉ですが、使われる用語について、実は気象庁は明確に決めています。
 興味のある方は、一度気象庁のホームページを覗いてみてはいかがでしょうか?

風に備える

 台風が次々にやってきそうな気配ですが、あなたのお宅や職場などの風対策は大丈夫ですか?
 家の周囲やベランダといった場所には、案外と風に飛ばされるものが置いてあるもので、普段は問題なくても、台風などで大風が吹くとそこからいろいろなものが飛んでいってあちこちでダメージを与えてしまうことがあります。

この手の植木鉢やプランターは転がったり飛んだり落ちたりするので、必ず安全な場所に移動させること

 植木鉢やプランター、物干し竿といったアイテムは、風の当たらない屋内に移動させるか、風が吹かない場所へ移動させておきましょう。また、風でよく倒れるのがテレビアンテナです。
 アンテナ本体は無事でも、アンテナを構成する部品が飛んだり落ちたりすることがありますから、何事も無くても数年に一度でいいので電気屋さんに状況を確認してもらうことをお勧めします。
 また、サンシェードやタープと言った日差しを遮る道具も大風を受けるとひっくり返ったり飛んでしまったりしますので、これらの道具も畳むなり巻くなりして風の影響を受けないようにしておきましょう。
 それから瓦。仮に風で飛んでしまった場合、すぐに応急処置にかかることは非常に危険です。強風域を脱してから修理をするようにしてくださいね。
 また、屋根瓦が飛ぶことに備えてブルーシートを準備しておくことをお勧めします。災害が発生すると、屋根に載せても安心で日持ちするUVカット仕様のものや、厚手の#4000くらいのものはすぐに無くなってしまいます。
 薄手の#1500~#2000はせいぜい数ヶ月しか持ちませんので、これらを使う場合にはしっかりと点検をし、早めに屋根の修理業者さんに来てもらうようにしてください。
 ともあれ、災害が起きる前に対策を済ませておくことは鉄則です。早めの片付け、早めの避難、そして早めの判断を心がけるようにしてくださいね。

熱中症対策を考える

 全国的に梅雨明けした途端、気温が軒並み30度越えという暑さに見舞われていますが、あなたの体調管理は大丈夫ですか?
 急激な暑さのためか、熱中症で緊急搬送されている人が多いようですので、今回は熱中症対策について考えてみたいと思います。

1.熱中症ってなんだろう?

 熱中症は気温や湿度が高い環境にいることで発生します。
 原因は体内の水分や塩分などのバランスが崩れて体温調節機能が働かなくなり、熱が排出できなくなることによって起きるもので、体温の上昇やめまい、体のだるさ、ひどくなると意識障害や失神、けいれん、吐き気などさまざまな症状が起きます。
 炎天下にいなければならないと思われがちですが、家の中であっても室温や湿度が高い状態が続いていると熱中症になる場合がありますので注意が必要です。

2.対策は?

 とにかく無理をしないこと。寝不足や疲労があると危険です。
 また、室温や湿度がコントロールされていれば、熱中症を発症する確率は殆どありませんので、なるべく28度以下の涼しいところに身を置くようにしましょう。
 そして、意識的に水分と塩分をとることも大切です。このときに気をつけないといけないのは、スポーツドリンクを飲み過ぎないことです。スポーツドリンクは運動で消費したカロリー補充の目的もあって糖分が大量に含まれています。そのため、飲み過ぎると糖分過多によるめまいや吐き気、意識障害が起きることがあります。飲むのであれば、スポーツドリンクでは無く、経口補水液や塩を少し加えた麦茶などをお勧めします。

3.熱中症かなと思ったら

熱中症の分類と対処方法は次のとおりです。

 会話の受け答えがおかしくなったり、けいれんや運動障害、体が熱いなどの異常がある場合には、涼しいところに移動させて冷やしながら、大至急救急車を要請するようにしましょう。
子どもや高齢者などは体温調整機能が未熟だったり反応が落ちてきたりしているので、自覚の無いままに熱中症になっていることがあります。気温や湿度が高い状況の時には特に意識して気をつけるようにしてください。

なお、今回の記事は総務省消防庁の作成したパンフレット「熱中症を予防して元気な夏を!」を参考にしております。わかりやすく書かれていますので、ぜひご覧になり、熱中症にならない対策を行ってください。

「なぜそうなるのか」の理屈も知っておこう

 とある防災関係の講座で聞いた講師さんのお話です。
 あるところで防災講座を頼まれたその講師さんは、受講者と一緒にツナ缶ローソクを作ってみようと考え、依頼先のスタッフに「ツナ缶を用意してください」とお願いをしました。
 本番当日。ツナ缶ローソクの作り方を実演して見せた講師さん、最後の点火の場面で、ツナ缶ローソクにいつまでも火がつかずに慌てふためく羽目に。
 ツナ缶をよく見たら「水煮缶」と書いてあり、講師さんも受講者も「水煮じゃ火はつかないね」と原因がわかって大笑いしたそうです。
 講師さんは「ノンオイルのツナ缶」があることを知らず、依頼先スタッフは「ツナ缶ならなんでもいいのね」と思って準備した、その勘違いがこんな結果を生んでしまいました。

ツナ缶各種。左が水煮缶。上がノンオイルタイプ。右側が油漬けされているもの。一口にツナ缶と言ってもいろいろある。

 ツナ缶ローソクがなぜ燃えるのかと言えば、中にあるサラダ油が燃えてくれるのであって、ツナそのものが燃えているわけではありません。
 当研究所でも以前ツナ缶ローソクを作ったことがありますが、オイルが燃え切った後のツナ缶はしっとり気味のツナがきれいに残っていて、ロウソク使用後はおいしくツナをいただくことができます。
 オイルが入っていればとりあえず燃えると言うことはわかれば、例えばオイルサーディンなどの油漬けの缶詰であればロウソクがわりに使えそうだということがわかります。
 また、芯と燃える液体があればとりあえずのロウソクができることがイメージできれば、牛脂やバターなどでもロウソクが作れると言うことがイメージできるのではないでしょうか?
 災害時にはあるものでなんとかしないといけません。そのため、なるべく生活の質を落とさないための工夫をする必要があるわけですが、こういったちょっとした知識があるだけで「ツナの水煮缶」で「火がつかない?!」と慌てなくて済むわけです。
 世の中では防災時に使えるさまざまな代用品の提案がなされています。それを鵜呑みにするのではなく、なぜその代用品が使えるのかまで考えれば、他のもので代用できるかもしれません。
 さまざまな防災のテクニックやお話を聞くこともあるかと思いますが、道具の話では「なぜそんな風に使うことができるのか?」まで目を向けて見ていくと、いざというときに役立つと思います。