防災と減災

 当研究所の名前は「石西防災研究所」ですが、実は防災が完璧にできるとは思っていません。
 どういうことかというと、日本は災害列島と呼ばれるくらい災害の多いところであり、どこに住んでいても何かの災害は必ず起きます。
 安全な場所がない以上、災いが起きるのを限りなく0%に近づけることはできても、100%防ぐことはできません。
 例えば何十億円というインフラ投資を行っても、それ以上の自然の力が加わればかならず被害は出るわけで、もし完璧な防災ができるのなら、災害時の「想定外な事態」は発生しないのではないでしょうか。
 では、「災いを減らす」減災はどうか。
 発生した災害から受ける被害をできる範囲でなくしていくこと。
 全てを守るのではなく、できる範囲でできることを行い、結果として被害を小さくすること。
 例えば、事前にどんな災害が起きたらどこへ避難するのかや、逃げ出すタイミング、
それが減災で、これならさほどお金や労力をかけなくてもできるような気はします。

 発災しても一切の生活を変えないように備えるのが「防災」、発災したときに自分の命を守り、自分が生活し続けることができるようにすることが「減災」です。
 100%を目指さないのであれば、別にどちらでも構わないと思いますが、もしあなたが自分の財産を使って行動するとしたら、どちらを目指しますか。

【お知らせ】防災研修会を開催します。

 最近あちこちで災害が起きていますが、あなたがお住まいの地域の避難所はどのように準備し、どのように立ち上げたらいいか決まっていますか?
 避難所運営のイロハについてはさまざまなところで研修がされていますが、では、避難所設営の方法やどのような事前準備をしたらいいのかについて考えてみたことがあるでしょうか?

 今回はわかりきっているようで、改めて確認してみると割と漏れのある避難所の設営について「避難所設営、基本の「き」」というタイトルで、座学で一緒に勉強してみたいと思います。
 よく「段取り7割」といいますが、避難所の設置者が事前準備をきちんとしておくだけでいざというときに慌てなくて済みます。
 また、自分が避難所に避難したときに、設営方法を知っておくと段取りよく混乱なく開設をすることもできます。
 内容の詳細や申し込みにつきましては、当研究所のお問い合わせメールによりお願いいたします。

開催日時:2021年 8月28日(土)10:00~11:45
開催場所:益田市市民センター第103会議室(益田市元町)
募集人員:10名
募集方法:事前申し込み。定員になり次第締め切りとします。

参加費:500円(会場使用料、資料代)
携行品:施設運用をされる予定の方は避難所・避難場所予定施設の各部屋の寸法のわかる見取り図をご持参ください。
    
開催内容:1.避難所・避難場所の違い
     2.避難所を作るための下準備(個人編・施設編)
     3.実際に運用してみよう(HUG体験)

講 師:石西防災研究所・伊藤(防災士)

安否の確認方法を決めておく

公衆電話は災害時優先電話のため、つながる可能性は他の電話よりも高い。ただ、公衆電話を見つけるのが今の時代では困難になっている。

 地域の避難訓練のようにいつも家族単位でまとまって避難ができればいいのですが、実際に災害が発生するときには、家族の全員が揃っていてすぐに安否確認ができるという状況はあまりないと思います。
 家族の誰かが欠けている状態、へたすると自分一人で自分の安全確保をすることになるのですが、自分が安全だと分かった後、家族の安否についてどのように確認するのか、あなたは決めていますか。
 確認の方法はさまざまですが、電話やメール、ショートメールサービスやFacebookやLINEといったソーシャルネットワーキングサービスなどが代表的なものになると思います。
 確認方法はいくらあってもいいので、さまざまな手段を確保しておけばそれだけ安全度は上がりますが、発信する時間については少しだけ注意が必要です。
 というのも、大規模災害になると発災からしばらくの間は通信制限がかかってうまく連絡が取れなくなる可能性があるから。
 東日本大震災や熊本地震ではソーシャルネットワーキングサービスは比較的つながりやすかったという話が出ていますが、人口密集地では、パケット通信も飽和状態になる可能性が高いため、時間がかかるか、または発信できないという事態も想定できます。
通信規制がされている状態でいくら発信しようとしてもうまく行かない確率が高いですし、どうかすると電池ばかり消耗してしまうという結果になってしまいます。
 そこで、お勧めするのは発信する間隔をある程度空けてみること。
 30分に1回とか、1時間に1回に発信を制限することで、電池の消耗を押さえることができます。もし家族同士でやりとりをしようと考えるのであれば、とりあえず時間を決めておくとうまくつながる確率が上がるかもしれません。
 基本的には、通信環境がおかしなときには送受信時以外は電源そのものを切っておくこと。そうすることで電池の消耗をある程度までは押さえることができます。通信環境が悪い状態で普段の同じようなスリープ状態にしてしまうと、基地局の電波を常に探している状態になるため、電池が馬鹿みたいに消耗することを覚えておいてください。
 通信環境がまともなのが一番ではあるのですが、停電などで電源供給が停止すると、半日から1日程度で基地局が機能しなくなって携帯電話もパケット通信もつながらなくなります。
 停電状態で途中で通信環境がおかしくなった場合には、基地局の停止を疑うといいと思います。この場合にも携帯電話やスマートフォンは電源をオフにしておくことです。
家族の安否は、複数の通信手段で確認するようにし、合流する場所や時間も決めておくと、出会える確率はかなり高くなります。
 誰かの安否がわからないのは非常に不安なものですし、それが家族であればなおさらだと思います。家族や親しい人達の間で確認手段をしっかりと持って、早く安心ができるようにしておきたいものですね。

快適性と携行性

非常用持ち出し袋は作ったら一回背負って避難所まで歩いてみるといろんなことがわかる。

 ある程度大きな災害になってくると、避難先で過ごす時間が非常に長くなってきますから、なるべく快適な環境を作り上げて、少しでも心身にかかるストレスや負担を減らす必要があります。
 ただ、避難先まで持って移動することを考えると、できる限り軽量で小さくなっているほど持ち歩きがしやすくて助かります。でも、軽量で小さいものは使いにくいですし、それなりに使い勝手のいいものはお値段も高いです。
 非常用持ち出し袋はこの狭間を悩みながら作り上げていくことになります。
 普段から旅行や登山などをしている人であれば、それなりに荷物を小さくする技術を持っていると思いますが、そうでない人は、考えているものを一度使ってみるといいと思います。
 具体的には、非常用持ち出し袋の中の生活アイテムはキャンプ場などで借りることができますのから、そういったところで一度借りてみて試してみてください。
 また、何を重視するのかを考えて、一点豪華主義で準備する方法もあります。
 例えば、寝るための装備として考えてみます。
 必要なのは、とりあえず敷き布団と掛け布団と枕。
 敷き布団と枕についてはエアマットと旅行用空気枕を使い、掛け布団を封筒型寝袋にするとかなり快適な寝床ができあがります。
 これに耳栓やアイマスクを準備しておくと、ある程度快眠が確保できるのではないでしょうか。
 また、食事が重要だという人は、カセットコンロと鍋、それに缶詰などのアイテムを充実させておくと快適に過ごすことができます。
 カセットコンロはさまざまな種類があって、大きいものから小さいもの、カセットガスやOD缶とガスの種類もいろいろとあります。
 あなたが避難先でどれくらい普段と変わらない食事を作るかで、そのサイズや内容を変化させればいいと考えます。
 最近では百円均一でさまざまな道具が揃いますが、実際に使ってみると、使い心地が微妙なものもありますので、買ったらとりあえず使ってみて、あなたの生活にあっているかどうかを考えてみてください。
 もし合わないようであれば、合うものをいろいろと探してみることを勧めます。
 最後に、案外と見落とされがちなのがコップ。
 水は大きなペットボトルや給水袋で支給されますので、そのままで飲むことはかなり難しいですからマイカップは忘れないようにしたいですね。
 せっかく準備するのなら、壊れにくくて使いやすいものを探してみても楽しいのではないでしょうか。

洪水時の避難レベルと避難方法

 水害では避難レベルによって避難行動が変わってきます。
 今更ながらではありますが、今回は避難レベルと避難方法の確認をしてみたいと思いますので、おさらいという意味でご確認いただければと思います。

・レベル1

 災害の危険性があるかもしれないという状況なので、いつもよりも情報をこまめに集めるようにします。


・レベル2

 災害が発生するかもしれません。非常用持ち出し袋の中身の確認や買い足し、備蓄の確認などを行っておきましょう。
 天気がまだ安定している状態なら、一度避難先までの道順を確認してもいいと思います。

 レベル1、2については通常「レベル」という呼び方はされません。
 内閣府防災が定義しているのは気象庁が出す情報でレベル1を早期注意情報、レベル2を大雨・洪水・高潮注意報としていますが、避難準備する側としては、レベル1で注意報、レベル2で警報のイメージで捉えてもらえばいいと思います。

・レベル3 高齢者等避難

 高齢者や身体の不自由な人を始め、避難準備ができた人からあらかじめ決めている避難先に避難を開始します。
 基本は水平避難で、危険区域からあらかじめ決めていた避難先への避難となります。

・レベル4 避難指示

 災害の恐れが高くなっているので、危険地域に住んでいる人は可能な限り早く避難を開始します。
 場所によっては内水氾濫や堤防越水が起きていることもありますので、状況を見て避難先に逃げるか、近所の高い建物に避難するか、あるいは自宅で二階以上に避難するかを判断してください。

・レベル5 緊急安全確保

 これが発令されると、基本的に地域のどこかで災害が発生したと考えてください。
 洪水の場合は、避難所に避難するのは止めて自宅のなるべく高い場所へ移動し、あとは運を天に任せます。

 ポスターなどではレベル4で浸水の可能性のある地域の人は全員避難するように書かれてはいますが、できればレベル3発令後は避難準備のできた人からすぐに避難開始することをお勧めします。
 そして、避難先は複数考えておいて、一つの避難先に入れなくても他の避難先に入れるように考えておいてください。
 あなたの命を守るのはあなたです。
 自治体の避難情報がなかったとしても、身の危険を感じたら、可能な限り早く安全確保をするようにしてくださいね。

防災情報をどこから受け取るか?

 大雨に限らず、災害が発生しそうなときや災害の発生が予測されるようなときには事前に情報が欲しいものです。
 緊急時にはキャリア会社の携帯電話やスマートフォンであればエリアメールが入ってくることもありますが、これは本当に緊急時に来るので、台風や大雨だと家で安全な場所を探してじっとしているような状況になっています。
 そうならないためには、防災情報を事前にさまざまな形で受け取れるようにしておいたほうが安心です。
 例えば、都道府県にはそれぞれ防災メールがあって、登録をすると指定したエリアに何かあるとメールが送られてきます。
 指定の仕方によって送られてくるメールの種類も変わるので、自分が気になる内容を指定して送ってもらうようにしておくと、いざというときに早めの対応が可能になります。
 同じく、市町村でも防災メールを持っているところが多いですが、こちらは市町村内で発令された防災情報が送られてきます。
 地域によっては、防犯メールも兼ねているところがありますので、場合によっては必要のない情報も来るかもしれませんが、より細やかな情報が送られてくるのが強みです。
 スマートフォンであれば、設定によりますが、気象情報や防災のアプリを入れておくことで何かあれば画面に表示されます。
 また、気象庁の提供しているキキクルや国土交通省の防災情報提供センターなども確認すると、より詳しい情報が得られて判断の参考になると思います。
 高齢者の方の場合にはそれが難しいかもしれませんので、その場合にはアプリが使える家族・親戚の方が情報を受け取って、その高齢者の方に「逃げなきゃコール」をしてあげてください。
 防災に関する情報はさまざまな形で提供されていますので、それらを上手に使って、災害が起きる前に安全確保するようにしてください。

逃げる判断は誰がする?

 熱海ではひどい土砂災害が起きてしまったようで、被災された方へ心からのお見舞いと、行方不明の方の一刻も早い発見を願っています。

 さて、現在梅雨前線が活発化していてどこで大雨が降ってもおかしくない状況ですが、避難すべきかどうか、そして避難先や非常用持ち出し袋の準備は万全ですか。
 災害時に避難するかどうかの判断は、自治体がするわけではありません。
 災害時にいつ避難開始をするのかや、いつまで避難を続けるのかといったあなたが身を守る行動というのは、自治体ではなくあなた自身が判断すべきことです。
 ではなぜ自治体が避難情報を発するのかというと、内閣府防災が「避難情報に関するガイドライン」の中で「市町村長は、災害時には関係機関からの情報や、自ら収集した情報等により、的確に判断を行い、躊躇することなく避難情報を発令し、速やかに居住者等に伝えなければならない」と定められており、災害時には居住者等の主体的な避難行動を支援する情報を提供する責務を有するため、避難情報を出しているのです。
 つまり、その地域に危険が迫っているということはこの避難情報でわかりますが、いまあなたのいる場所がどうなのかということは考えられていないのです。
 今回の熱海では、警戒レベル3で大規模な土砂災害が発生したそうですが、それにより、恐らくまた自治体がマスメディアなどから責められることになるのではないかと思っています。
 実際のところ、現在の自治体は、どこも人不足、経験不足で災害に対する的確な判断ができるとはとても言えない状況です。
 一例を挙げるなら、災害時には、一般住民を始めマスメディアや国、その他さまざまなところから現在の状況についての問い合わせがきて、その電話対応に追われて現地の状況把握や対応ができなくなります。
 これは自治体職員を削減して非常時対応能力を低下させた結果であり、仕方の無いことではあるのですが、自分で避難の判断ができない人達や自分では何もせずに助けて欲しいという人達がいかに多いかが問題を悪化させているような気がします。
 くどいようですが、逃げる判断はあなた自身があなたのために行うあなたの命を守る行為です。
 自治体が判断している基本情報は、現在ほとんどインターネットで公開されていて、誰でも見ることができるようになっています。
 つまり、それらの情報を自分で読みに行って考えれば、避難情報があろうがなかろうが逃げるかどうかの判断はできるはずなのです。
 あなたの命を守るために、少なくとも避難開始のタイミングだけは決めておいてくださいね。

被災地支援の時のお願い

 災害が発生したというと、担当の自治体はさまざまな対応に追われるわけですが、その中でどうにもやるせなくなる対応があります。
 それは「被災地支援をしたい」という被災地以外からの問い合わせが異常に多くなること。団体や組織だけではなく、個人からの問い合わせもたくさん来ます。
 「支援物資を送る先を教えて欲しい」や「○○できるから現地との調整をしてほしい」など、さまざまな内容なのですが、ここで感覚の違いというのが出てきます。
 というのも、被災地ではまだ災害対応の真っ最中であることが非常に多いからです。
 救助、救命、道路開削、補給路確保、被災者対応など、災害の緊急対応は災害が収まってからが勝負です。
 マスメディアによる災害報道では、「災害が起きた」という過去形で報道されますが、被災している地域では、災害はまだ現在進行形。
 消防、警察、自衛隊、自治体、そして災害対応のプロ達がそれぞれの分野でその能力の全てを使って災害を終わらせようとしています。
 そんな状況で災害ボランティアや被災地支援の話をされても、まだ誰も対応ができませんし、へたすると邪魔にさえなってしまいます。
 せっかくの善意の申し出が、現地の救助や安全確保の妨げになってしまうことは、だれも望んでいないことではないでしょうか。
 繰り返しになりますが、被災地外から見ると災害は「起きたこと」という過去かもしれませんが、被災地ではまだ災害は現在進行形で「起きていること」なのです。
 とりあえず、現地が落ち着いて救助や安全確保が終わるまでは災害ボランティアや被災地支援の出番はありません。
 逆に言えば、現地が落ち着いてからが災害ボランティアや被災地支援の出番なのです。目安は、現地に災害ボランティアセンターが設立されたかどうか。
 発災後、およそ4日目から1週間くらいあとからが、災害ボランティアの出番だと考えて、それまでは現地への問い合わせも止めて、準備だけを進めておいてください。
 被災地復旧の主戦力は災害ボランティアですから、プロの仕事が終わった後で、思う存分復旧・復興の被災地支援をしてほしいなと思います。

大水のときの対処法

 大水が出るときには、基本的にその場所、あるいはその上流部で大雨が降ることが前提となります。ただ、大雨とはいっても、家の窓から見ているだけならそこまで危険は感じないかもしれません。
 安全な場所にいる場合にはそれでいいのですが、そうでない場所に住んでいる人やそういった場所にいる人は、普段から意識を高めて予防策を打っておくことが大切です。 

 安全かそうでないのかを知るためには、まず住んでいる環境が大雨で避難をしなければいけない環境なのかを確認し、意識しておくこと。
 土砂災害特別警戒区域や土砂災害警戒区域に入っている場合には、早めの避難をする必要がありますから、天気が怪しいなと感じたら天気予報や雨雲レーダーなどを確認し、大雨が降りそうな感じであれば早めに安全な場所に避難することです。
 また、洪水はその地域では雨が降らなくても流域全体での降水量が多ければ、晴れていても氾濫を起こしてしまうようなことがあります。
 川遊びや川のそばで何かしようとするときには、天気予報や雨雲レーダーだけでは無く、管理者が発表している河川情報にも目を光らせておく必要があります。
 あと、過去に地域で起きた洪水で被災しやすい場所を確認しておくことがとても大切です。それから排水路、河床、谷筋など、水の道ができやすい場所や地域内での標高が低い場所も要注意です。

 では避難が必要な場合にはどうすればいいのか。
 大雨や洪水という文字が気象予報に登場してきたら、すぐに高台に上がって降っている雨水が止んで状況が落ち着くまで様子を見ることが重要です。
 また、路上に溢れ出す水が見えたら、そこは可能な限り通らずに迂回して安全・確実性を確保して下さい。
 路上の水に流れがあって、水深がわずか数cmでも、足を取られてひっくり返される危険性があります。
 ひっくり返ってしまったら、骨が折れたり頭を打ってしまったりしてしまいますし、どうかするとそのままより深く早い水の流れに巻かれてしまうことになるかもしれません。
 水がくるぶしより深ければ危険だと考えて下さい。特に、視界が悪くなる夜間は危険になります。
 どうしても水の中を歩かなくてはならない場合は、可能な限り浅くてできる限り水が流れていない場所を探し、頑丈な棒を使って水の深さと水の下の地面の硬さを突っついて確認しながら歩くようにします。
 このときに使う棒は水の中や下を探るための道具ですので、杖のように体重をかけてはいけません
 また、子どもを連れているときには、できるかぎり持ち上げて流されないように運んで下さい。
 たまに見かけるのですが、水の中の避難時にお互いの身体を結ぶという記事があります。これは誰か一人が転ぶと全員巻き添えになって非常に危険ですから絶対にやらないようにしてください。
 また、濡れた状態で電気機器に触れたり、電気器具の近くを通らないように気をつけてください。水に濡れたり、足を水につけている状態で電気器具に接触すると感電する危険があります。
 もしも大雨や洪水で家から避難するときには、必ずブレーカーを切ってから避難するようにしましょう。

 ちなみに、突然大水に襲われた場合には、どこでもいいので少しでも高いところに避難します。それが無理であれば、できるだけ早く丈夫なものをつかんでください。
 万が一水に流されたら、大の字になって仰向けに浮かぶようにし、大きながれきや破片が自分に向かってきたら手で押しのけてください。
 また、障害物は必ず上を越えること。下をくぐろうとすると溺れる危険性があります。
 流されていくなかで、もしうまく何かを掴むことができたら、しっかりとそれを手で保持し、足を下流に向けて救助を求めます。
 ホイッスルがあれば無理をせずに存在を教えることができますが、ない場合には声や手の動きなど、誰かに見つけてもらえるようにできうる手段をとってください。
 ここまで読んでいただいて分かると思いますが、早く避難すれば濡れなくても済み、危険な目にも遭いません。
 命を確実に守るためには、空振り上等での毎回の確実な避難が第一だと覚えておいてくださいね。

お酒とたばことゲーム機

 非常用持ち出し袋や避難所での生活において、嗜好品はどう考えればいいかということをお問い合わせをいただくことがあります。
 結論から言えば、周囲に迷惑がかからなければたばことゲーム機については問題ないと思います。
 たばこは、確実な火の消火確認や煙、臭い、呼気など周囲への影響に気をつけること。ゲーム機は、音と光が周囲に迷惑をかけないこと。そして使うための電気は自分で準備すること。
 避難所や避難先では、どうしてもそういったものが苦手な人がいますから、そこを気をつけていただければいいと思います。
 ただ、お酒に関して言えば、避難中はできるだけ飲まないでほしいとお伝えしています。特に地震のように終わりの見えない不定期に続くような災害では、お酒を飲んで判断力や行動力が鈍った状態では避難行動や身を守るための行動を取ることができません。また、災害が収まった後でも、生活に不安があるときにお酒を飲むと決して気分のよいお酒にはならないでしょう。
 大抵の場合は悪酔いしてしまって周囲とトラブルになるか、あるいは飲んでも酔えずにそのうち病気になるか。どのみちいい結果にはならないと思います。
 ある程度復旧・復興のめどが立つまではお酒を一度止めてもらって、楽しい席から飲酒の再開をしたらどうかなと思います。
 嗜好品は人生を豊かにしてくれます。
 周囲の人が困らない程度の嗜好品を上手に使って、あなたの精神的な安定を保ち、上手に復旧・復興ができるようにしてほしいと思います。