暑熱順化しておこう

 だんだんと暑くなってきましたが、暑いのが苦手だったり、暑いのが嫌な人は、割と早めにエアコンを使っているのではないでしょうか。
 普段であればそこまで問題にならないかもしれませんが、暑さに慣れておかないと、屋外へのお出かけ時や、もしも災害で停電してしまったときには暑さに耐えられずに熱中症になってしまうので注意が必要です。
 無理をする必要はありませんが、暑さに身体を慣らすことで身体の熱ストレスへの耐性があがり、熱中症になりにくくなります。
 これを暑熱順化といいますが、ちょうどだんだん暑くなってくる今の時期に暑さを身体に慣らしておくと、その後の夏がある程度過ごしやすくなると思います。
 暑さへの身体の慣らし方としては、軽い運動をすることです。
 暑熱順化は、身体の冷却機能を身体に思い出させる作業なので、身体を動かすことで汗をかいたり血流による体温調整がしやすくなったりし、結果的に熱中症を防ぐ効果が期待されます。
 本格的に暑くなってくるこれからに備えて、運動をして熱に強い身体を作る、暑熱順化をしておくようにしてくださいね。

懐中電灯の明るさを知っておく

懐中電灯類

 水害や台風など、ある程度来ることが予測できる災害のときには、日中明るいうちに安全な場所への避難を済ませることが基本です。
 ただ、突然やってくる大雨や夜中過ぎになって避難をしなくてはならないことも当然あるでしょう。
 そのときには基本の避難は徒歩になりますが、自分が使う懐中電灯の明るさを知っておかないと、いざ避難のときに全く役に立たない明るさだったということがあり得るからです。
 巷ではさまざまな懐中電灯が売られていますが、その明るさはかなりまちまちで車のヘッドランプよりも明るいものもあれば、明るくなっているのかなと疑問に思うくらい暗いものもあるからです。
 これはどちらが良い悪いというわけではありません。その目的によって使える懐中電灯が違うということです。
 夜間の避難に使うのであれば、できる限り明るい懐中電灯が欲しいですが、大雨でもはっきりと周囲の様子が分かるほど明るい懐中電灯だと、避難所についてからは明るすぎ、眩しくて使えません。
 逆に暗くて道は歩けないような懐中電灯は、避難所での生活では活動しやすい明るさになって割と重宝します。
 イメージとしては、避難のための懐中電灯と避難所で使う懐中電灯が必要だと考えて下さい。
 登山用の頭につけるヘッドライトはそのことが考えられていて、明るさが登山用とテント内用の二段階に切り替えられたりするものがたくさんあります。
 一口に懐中電灯と言ってもさまざまな種類がありますので、自分の普段の生活や利用頻度、使い勝手などを考えて、懐中電灯を準備しておくといいと思います。
 余談ですが、登山用のヘッドライトは非常に便利です。もしも懐中電灯を一つだけ用意するのであれば、高くても性能のよい、登山用ヘッドライトをお勧めします。

判断力を養う

 災害が発生したときに学校や学童クラブなどにいたときには、「子ども達は先生の指示に従いなさい」という教育をされています。
 これは子ども達よりも大人である教員などの方が正しい判断ができるということなのでしょうが、それは本当でしょうか。
 通常時はそれで問題ないと思うのですが、災害発生時には、とっさの判断と迷わない行動が必要になります。
 この判断や行動はそれまでその人がどうやって生きてきたかという人生に直結する話なので、自分で決めたことがない人にとっては判断も行動もできないということになります。
 ましてや、責任問題がついて回ることを考えると、どれくらいの大人が正しい判断をすることができるでしょうか。
 普段から行動基準を決めているのであればそれに従えば良いのですが、学校長や教頭、主幹教諭などの指示を受ければいいと考えている人では、まともに動くことすらできないでしょう。
 逆に、普段から防災教育を真面目に取り組んでいる子ども達の方が正しい判断ができると確信しています。
 判断と行動ができない人が指揮を執るとどうなるかは、東日本大震災のとある小学校の悲劇を考えればわかると思います。子どもも大人も関係ありません。普段から災害時にはどんな行動をすればいいのかを一緒に考え、話しておけば、いざというときにそれぞれが安全確保の行動をとることができます。
 もしあなたに子どもがいるのであれば、「いざというときには先生のいうことを聞くんだよ」ではなく、「いざというときには自分が安全だと思う行動を取るんだよ」と教えて下さい。
 自分の命を守るのは自分しかありません。
 過剰に大人に判断を任せるのではなく、子ども達も一人の人として自分の命を守る行動が取れるように、普段から意識するようにしてください。

悩ましいカロリー問題

 甘いものが摂りたいけどカロリーは嫌、という方が多いのか、巷ではカロリーオフやカロリー0の食べ物や飲み物がずいぶんと増えました。
 昔ながらの甘くてカロリーたっぷりといった不健康な食べ物や飲み物はずいぶんとその数を減らしているような気がします。
 そうでなくてもカロリー過多のこの時代、カロリーをいかに摂らずに済ませるかというのは贅沢といえば贅沢な悩みなのですが、それくらい当たり前に甘いものが摂取されているということなのでしょう。
 そういった日常生活の中では問題ないのですが、災害が起きたときに避難したり、長時間の徒歩帰宅などする場合には、このカロリー0が恨めしく感じることになります。
 徒歩での避難中や長時間掛けての徒歩での帰宅などの場合、身体にため込んだエネルギーだけでは活動をするのが難しくなるので、簡単にカロリーの補給できるお菓子やドリンク類は非常にありがたいものです。
 特にスポーツドリンクなどは電解質とカロリーの両方を一気に補給できる非常に優れた飲み物なのですが、ここにもカロリーオフやカロリー0の波が来ているようで、先日買ったスポーツドリンクにもでっかく「カロリー0」と書かれていました。

 このカロリー0やカロリーオフのお菓子やドリンク類を摂取すると、甘いものを食べているのに身体のエネルギー不足の状態が続くという嫌な状態になってしまいます。
 昔ながらのスポーツドリンクであれば電解質もカロリーもしっかりとある非常に頼もしいので、もしも可能であるなら、非常用持ち出し袋などにカロリーのしっかりとあるスポーツドリンクを一本入れておくといいと思います。
 ちなみに、ひたすら甘いだけのジュースだと、飲んだ後でその甘みの元を分解するための水が必要になって余計にのどが渇いてしまうので気をつけて下さい。
 常時と非常時にはカロリーの考え方も180度変わってきます。
 その場にあったアイテムを準備しておくことをお勧めします。

おんぶと抱っこ

 乳幼児とその保護者の方の研修会でよく出てくる話に、子どもとの避難では抱っこがいいのかおんぶがいいのかという質問があります。
 専門家によってさまざまな意見がありますが、筆者はどっちでもいいので子どもさんが慣れている方で、抱っこひもやおんぶ紐を使ってしっかりと固定し、保護者の両手が開けられるようにすればいいと思っています。
 というのも、最近の乳幼児は割と抱っこされ慣れているような気がするからです。逆に、おんぶ慣れしていないので、いざというときにおんぶをすると嫌がってしまうのではないかと思っています。
 人の身体の構造を考えるとおんぶの方が理にかなってはいると思うのですが、おんぶをしようとしてバランスを崩してしまっては何にもなりません。
 その子が慣れている方法で運んでやればいいと思います。
 ただ、どちらにしても子どもは運ぶ人の身体にしっかりと括られていなければ危険です。
 抱っこ、おんぶ、どちらでも構いませんので、固定は手だけではなく、道具を使って身体と身体をしっかりと繋げるようにしてください。
 また、子どもを担ぐ反対側に非常用持ち出し袋をつけると、両手を開けることができますので、子どものアイテムを追加して運ぶこともできます。
 あまり勧められるやり方ではありませんが、子どもと保護者、両方を守るためには必要な荷物ですので、そのことを考えて子どもさんを運ぶ方法を考えてもらえればと思います。
 ちなみに、ベビーカーは災害発生前の避難であれば使えると思いますが、災害発生中、あるいはその後では使うと危険なことがありますので、もしも何らかの事情でベビーカーを使うのであれば、可能な限り早めの避難をお勧めします。

自分の行動を記録してみる

 非常用持ち出し袋を準備するときによく聞かれるのが、「何をどれくらい用意すればいいのか?」ということです。
 それに対してで筆者はいつも「あなたは一日に水をどれくらい飲んでますか? トイレ、何回行ってますか?」と聞き返すようにしています。
 非常用持ち出し袋の水や食料、簡易トイレといったアイテムは、どれくらい準備すれば良いのかが人によってかなり変わってきます。
 よくトイレに行く人は簡易トイレの数も増えますし、逆は減ります。また、どれくらいの水分を摂っているかは意識していないとわからない話です。
 そのため、自分にあった非常用持ち出し袋を作るときには、まず自分の一日の行動を記録してみることをお勧めしています。
 記録してみると、案外水分を摂っていたり、思ったよりもトイレに行っている回数が多かったり、意外な発見が出てくると思います。
 そういったご自身の情報を基準にして、非常用持ち出し袋の中身を準備するようにすると、いざというときに必要なものが最低限は揃っている安心した状態が維持できます。
 さまざまなアイテム類を行政などの指示通りに準備すれはとりあえずは安心なのですが、重たいし嵩も大きいです。できるだけコンパクトにするためにも、ご自身の行動記録をまとめてみてはどうでしょうか。

【お知らせ】外あそびごはんの会を開催します。

 今年の2月、3月に開催して好評をいただいた外遊びごはんの会を、益田市喜阿弥町のデルマーレキアーミ様のご厚意で会場をお借りすることができ、開催することができることになりました。
 今回は海編ということで、うまくいくかはわかりませんが海水からの塩づくりや海辺で落ちている貝やいろいろなものを拾ってみるビーチコーミングなどをやってみたいと思っています。
 もし雨天の場合には、デルマーレキアーミ様の施設をお借りして、参加者みんなで生活できる避難所を作ってみたいと思っています。
 参加費は500円で募集は先着順ですが、以前の外あそびご飯の会開催時に新型コロナウイルス感染症の関係で急きょ参加できなくなった方を優先させていただきますので、それについてはご了承下さい。
 なお、当日は保護者カフェを同時開催します。こちらの飲み物はデルマーレキアーミ様のご厚意で無料で提供いたします。
 見知らぬ相手だからこそ本音で話せることもあります。お子様を送迎してきて一息ついていきませんか。
 応募や詳細の確認につきましては、添付のチラシをご覧下さい。ご参加をお待ちしております。

避難するときには何がいる?

非常用持ち出し袋に関する記事を見ると、これでもかというくらいさまざまなものが書かれていて、それを全部一つの袋に収めると結構な大きさと重量になります。
とはいえ、必要なものを集めていくとそうなるわけで、持って行くなということも言えません。
ただ、絶対に必要になるものはある程度わかりますので、今日はそれを紹介していきたいと思います。
まず、絶対にいるものの筆頭はあなたの個人装備です。
例えば、入れ歯、眼鏡、補聴器、杖といった道具類、常備薬や生理用品といった衛生用品といった、自分には必要だが他の人にとってはそうでもないものや手に入りにくくなるものだが、自分にとっては必要なものがこれに該当します。
これは自分で用意しておかないと誰も用意してくれませんので、必ず用意するようにしてください。
次は携帯トイレです。大小兼用のものが望ましいですが、なければ小専用でも構いません。一日にトイレに行く回数を確認し、その回数分は持参するようにしてください。
飲むことや食べることは我慢できても、排泄は我慢できません。災害時に断水するとトイレが使用不能になる場合がほとんどですので、トイレを汚物で汚染しないためにも準備しておいてください。
三つ目は飲料水です。一人1日3リットル準備しようといった記事も見かけますが、そんな量を持って移動するのは困難な人もいますので、500mlペットボトル2本程度を用意してください。
傷の洗浄やものを濡らしたりすることもあるので、お茶やジュースでは無く、水を準備しておくことをお勧めします。
四つ目が身体を冷やさないための道具です。例えば非常用持ち出し袋ではお馴染みになっているエマージェンシーブランケットや使い捨てカイロなどです。着替えや下着も一組は用意しておいてください。
脱ぐことは簡単にできますが、着込もうとすると着るための服が必要です。ただ、避難所にはそんなものはありませんので、自分で自分のものを持ち込む必要があるのです。
何も無ければ、せめて雨合羽くらいは準備しましょう。体温が保たれているのであれば、必要なのは周囲から体温を奪う風を防ぐ道具になるからです。
五つ目は時間を潰せるアイテムです。いきなり災害後から始まる地震はともかく、台風や水害といった事前に避難の可能な災害の場合、避難完了から家に帰ることができるようになるまでには半日から数日はかかります。
ただ寝ているだけだと、人間はだんだん不安になってくるものですから、余計なことを考えなくても済む、暇つぶしのアイテムを複数準備しておくといいと思います。
そして、最後が自分の好きな食べ物です。そんなに長い期間避難するわけではないので、自分が楽しめる食べ物を持参していきましょう。
臭いの強いものや煙の出るものは無理ですが、自分の楽しめる食べ物があれば、それだけで不安な避難所の時間が解消されると思います。
これらを準備した上で、あとはあなたの好みや必要性にあわせてさまざまな道具を準備するようにしてください。

非常食は何がいい?

非常食の一つの缶パン。吉賀町で作っている。ちょっと甘めが疲れたときにはうれしい逸品。

 結論から書くと、非常食は「自分のモチベーションが維持できる食べ物」を準備しろということになります。
 よく非常食として「アルファ米」や「乾パン」などが挙げられますが、これらの食事は本当の非常用です。
 例えば、地震が起きて家が倒壊してしまったといった非常事態に、調理器具が無くても食べられるこういった非常食を準備しておこうということで、災害で避難したら、何が何でもこれを食べなければならないというものではありません。
 台風や水害などでは、災害発生までの時間が割とあることが多いですので、一食分のお弁当を作ることもできると思います。
 この作ったお弁当も非常食になりますし、食べ慣れた味は自分のモチベーション維持にも貢献してくれますから、余裕があるならそういったものを準備することも大切です。
 また、普段食べないような高級食材の缶詰なども非常食にしておくといいかもしれません。非常事態だからといって、食事まで貧相にしたり非常事態に落とさなくてもいいのです。できるだけ自分が好きなものを食べて、避難中のモチベーションを落とさないようにしてください。
 ただ、多くの人がいる場所になりますので、臭いには気を遣う必要があります。あなた自身が良いにおいだと思っていても、周りにはそれが大嫌いな人がいるかもしれません。そうなると喧嘩になったりしますので、臭いの強いものは避けた方がいいでしょう。
 そして、もう一つ。
 大好きだからといって、お酒だけは避難中は飲まないでください。
 気持ちに不安がある状態での飲酒は、精神的にも肉体的にもよくありません。
 お酒は状況が落ち着いてから飲むことにして、間違っても非常食には加えないようにしてください。
 災害の起きる可能性のある期間は長くても数日ですので、自分が楽しくなるようなものを非常食にしておくとモチベーションが維持できていいと思います。
 あれこれ探して、自分が楽しくなる非常食を用意してみてくださいね。
 最後になりますが、お弁当を作る際には衛生には充分に気を遣ってください。保冷剤などで弁当が傷まないようにして、食べ残したものは処分するくらいの衛生管理でお願いしたいと思います。
 同じ理由で、生ものは止めた方が無難です。

高齢者等避難の意味

 昨年改正された避難レベルですが、その中のレベル3に「高齢者避難」というのがあります。
 改正前は「避難準備・高齢者等避難開始」という名称でしたが、「避難準備が目立っているのはいかがなものか」という偉い人達の議論の結果、高齢者避難からも「開始」が無くなってしまいました。
 ともあれ、高齢者等避難自体は改正前も改正後も変わりません。
 「このまま雨が進むと逃げる必要性が出てくるから、問題のある地域に住んでいる高齢者等準備に時間のかかる人は避難を開始して下さい」という意味合いですので、該当する人は準備して避難しましょう。
 もちろん健常者であっても早めに避難することは原則ですが、わざわざ「高齢者等」と謳っているには意味があります。前にもちょっと触れましたが、この「等」には高齢者の他に、障がい者や妊婦、乳幼児連れといった、準備にも移動にも時間がかかる人全てが含まれています。
 高齢者と若い人で考えてみたらよくわかるのですが、若い人と高齢者が同じスタートで準備したら、事前準備をしっかりとしていない限り、動きの速い若い人の準備の方が先に終わります。
 そして、移動するスピードも若い人の方が速いですから、避難所にたどり着くのも若い人が先になります。
 同時スタートになると、高齢者等が避難所にたどり着いた頃には、若い人で一杯で避難所に入れないという事態が起こります。
 でも、実際に避難所で手厚い支援が必要なのは若い人ではなく高齢者等に該当する人達なので、避難所に居る人と支援が必要な人がズレてしまうという問題が起こります。
 そこで、時間のかかる人達には早めに避難準備を始めてもらい、準備ができ次第避難をしてもらうというのが、この「高齢者等避難」に込められている意味なのです。
 もちろん、早く発表されるということは空振りの確立もそれなりにあります。でも空振りでも「何もないのに避難させやがって」ではなく「たまたま何もなくてよかったね」と考えて、馬鹿正直に発表されたら避難をしてください。
 人を安全に避難させ、そして必要な人を確実に避難所に収容するための警戒基準。
 それが高齢者等避難だと覚えておいてください。