自宅避難と避難所避難

 災害が起きると、とりあえず避難所へということが一般的に広がっているなと感じますが、避難所の収容人員は、そのエリアの居住人口に対して100%を超えることはまずありません。
 これは全ての人が避難所へ避難して避難生活を送るという想定では無く、基本は自宅で過ごし、何らかの理由で自宅に住めなくなった人だけが避難所に避難してくるという想定になっているからです。
 それに対して、避難場所はその地域の全ての住人を収容できるだけの数値を持っているはずです。避難場所は災害が発生している間一時的に避難をするところであり、生活するところでは無いという想定のためです。
 自宅が無事であれば自宅で生活をしてくださいというのが、行政の持っている災害に対する避難計画の基本的なところになりますので、防災を考えるときには、まず自分の家が安全かどうか、どのような災害では避難しないといけないのかということを確認しておかないといけないでしょう。
 行政の作っているハザードマップを見ると、洪水、津波、内水面越水、地すべり、急傾斜地などは全て記入されていますので、それを確認して避難すべき地域なのか家にいた方が安全なのかについて確認をします。
 次に、家が耐震構造になっているかを確認します。昭和58年が一つの境と考えて、それ以前の建物であれば木造は必ず耐震診断を受けておきましょう。家にいるときに地震が来て下敷きになってはなんにもなりませんし、家が崩れてしまったら自宅避難をすることもできなくなります。耐震診断を行うときには、市町村の補助がもらえる場合がありますので、やる前には市町村の建築担当課に相談をされるといいと思います。
 最後に、家の中の耐震対策をしておきましょう。揺れてものが倒れたりしないようにしっかりと固定し、自分や家族が下敷きにならないようにしておきます。少なくとも、寝る部屋とふだん過ごす場所だけはできるだけものを無くして揺れても安全が確保できるようにしておきます。
 とりあえず自宅を避難所として使うことが可能になっていれば他人に気を遣うこと無く自分のリズムで生活が出来るので、被災後のストレスも軽くすることができます。
 ところで、避難所のうち指定避難所は行政が被災後の物資や支援の供給場所としての機能も持たせています。
 ただ、この避難所に避難していないと物資や支援が受けられないということではないことに、避難所運営する側は注意してください。自宅避難者も避難者ですので、災害時の物資や支援の供給は当然受けられます。避難所に避難していないことを理由に物資や支援の供給を拒むことはできませんので気をつけておきましょう。
 理想は自宅避難で物資や支援だけを供給してもらう体制を作っておくことです。
 自分が命を繋げるように非常用備蓄品を準備しておくのはもちろんですし、なるべく自立していることが理想ではありますが、自宅に避難しているからといって避難所の物資や支援を受け取ってはいけないと難しく考えると普段使いできないくらいの非常用備蓄品となってしまいますから、使えるものは使うことを前提にして、さまざまな準備をするようにしてください。

携帯トイレと一緒に持つもの

携帯トイレ各種

 災害時に備えるものとして優先度の高い防災用品の一つに「携帯トイレ」があります。
 災害発生時、普通にトイレは使えないと思った方がいいです。
 特に水道管が破損してしまうと、トイレは汚物を流せなくなるために汚物まみれになってしまい、衛生的にも精神的にもよくない状態になってしまいますので、それを防ぐために避難所では最初はトイレを使わせない措置を取るケースが多いです。
 状況が落ち着いて、汚物を流すための水の確保ができて初めて使用が許されるようになるわけで、それまではトイレを使わずに自分の排泄物を処理しなくてはなりません。
 そこで出番となるのが携帯トイレですが、いざ本番のとき、あなたはこの携帯トイレを上手に使いこなすことができるでしょうか?
 あらかじめ使い方をしっかり読み込んだ上で使ってみないことには、なかなか上手に使いこなせないのが実態ではないかと思います。
 また、携帯トイレを使う場所も考えておかなくてはなりません。
 災害発生時にはトイレが封鎖されてしまうことが多いため、トイレに持ち込んで携帯トイレを使うというわけにはいきません。かといって、周囲の目の中で堂々とするわけにもいきませんが、最悪露天で排泄しないといけないことも起こりえます。女性の場合には特に使い方に気をつけないと、いろいろな意味でトラブルが起こってしまいます。
 そこで、お勧めする避難アイテムが「ポンチョ」。準備するポンチョはよくある半透明な安いものではなく、しっかりと色のついた、丈のあるゆったりとしたものを選ぶようにしておけば、防寒着や雨具としてだけではなく、ポンチョを腰に巻いたり、着たりすることで、用足しをしている光景を見られる心配が少なくなります。

百均のポンチョは色つきでも透けるので注意が必要

 理想としては小型のトイレ用テントを準備してその中でできれば一番良いのですが、嵩があるために普通の非常用持ち出し袋に入れるわけにはいきません。
 ポンチョを着た上で、周囲にタオルやブルーシート等を目隠しとして覆い、その中で用足しをすれば、そこまで神経質にならなくても排泄をすることが可能です。
 ただ、これは練習がいります。いざというときに慌てふためいても排泄物は待ってくれませんので、平時に携帯用トイレの使い方と一緒に目隠しの方法についても検討をし、準備しておくようにしましょう。
 また、使用後の携帯用トイレは消臭機能を持っているビニール袋に入れて口を縛っておけば臭いもなく快適にゴミ処理ができます。猫の砂があれば臭い消しとしては合格点でしょう。
 とにかく使ってみないことにはわかりません。
 どうやったら恥ずかしくないか、上手に使えるのかを考えて、実際に試してみることをお勧めします。

熱中症対策で摂る飲み物あれこれ

 熱中症対策と言うことで、毎年夏はさまざまな飲み物が飲むべきとか飲まない方がいいとか言われ、同じ飲み物でも評価が分かれることがあります。
 もうそろそろ夏も終わると思いたいのですが、今回は熱中症対策で誰がどんな飲み物を飲むべきなのかと言うことについて考えてみたいと思います。

1.スポーツドリンク

 ポカリスエットやアクエリアスと言ったスポーツドリンクは、熱中症対策としてまずあげられる飲み物ですが飲むべきという人と飲むなと言う人がいる飲み物でもあります。
 浸透圧が調整されているため体に吸収されやすく、水分だけで無く他に体に必要な塩分や糖分といったものも入っているので熱中症対策としては一番手近で一番飲みやすい飲み物です。
 問題になっているのは、その糖分です。元々スポーツドリンクですので、運動している人に必要とされる糖分がしっかりと入っています。そのため、体を動かさない人が多量に飲むと、糖分の過剰摂取が起こってしまうのです。
 糖分の過剰摂取が起きると吐き気や腹痛、意識がもうろうとしたりするペットボトル症候群になるのですが、これを熱中症の症状と勘違いしてさらにスポーツドリンクをがぶ飲みし、救急搬送されてしまったケースもあるようですので、炎天下で大汗を流して仕事をする方や走り回っている人には向いていますが、屋内の冷房の効いたところで飲む場合には、あまり向いているとは言えません。

2.経口補水液

 割と最近登場したスポーツドリンクよりも糖分を押さえ、ナトリウム分などの電解質が強化された飲み物です。
 元々下痢や嘔吐、発熱と言った病気に伴う脱水症状に対して使われているため医師の指導の下で使用するようになっている製品もありますが、そうでないものもあってちょっとややこしいです。
 医療用のものがあるくらいなので、正しく使えば非常に効果的。ポイントはちょっとずつ定期的に飲むことです。
 最も、経口補水液を口にしたときにこれがおいしく感じる状態であれば、軽度の自覚の無い脱水症状を起こしていることが考えられますので多めに飲むことをお勧めします。
 スポーツドリンクとは逆に、炎天下で激しい活動をしている人には糖分が不足しているので向きませんが、屋内の冷房の効いたところでの水分補給には非常に向いた飲み物です。
 市販品も多いですが、「水・1リットル、砂糖・40g、塩・3gを合わせてかき混ぜる」と経口補水液を手作りすることもできます。

3.麦茶

 夏場の飲み物の代表格というとこの麦茶です。割と最近までは「麦湯」と呼ばれていて夏場の滋養によいと飲まれていました。麦茶の原料は大麦で、体温を下げる働きがあることが知られています。
 塩分以外のミネラル分が豊富ですが、塩分と糖分が不足しており、今はどうかわかりませんが、30年前の運動部などではこの麦茶に塩をひとつまみ加えたものが定番アイテムとなっており、糖分を補うためにはレモンや梅干しのハチミツ漬けがよく出てきていました。
 安価で飲み過ぎても体調を崩さずに済むという点では安心して飲むことができ、誰でも安心して利用することが可能です。

4.水

水分のみ補充することができます。安心して飲むことができますが、飲み過ぎると下痢したりします。塩分やミネラル分、糖分といったものを何らかの形で補う必要がありそうですが、塩分飴などが摂取できれば、水で充分という考え方もできます。

5.ビール、コーヒー、紅茶、日本茶

 これらの飲み物は脱水症状を助長します。ビールはアルコール、コーヒー等はカフェインに利水作用がありますので、いくら飲んでも脱水症状がひどくなるだけです。よく「最初の一杯をおいしくするために汗をかいて水分は摂らない」という飲んべえの猛者がいらっしゃいますが、下手するとビールにありつく前に倒れますし、ビールを飲んでも体の脱水症状を助長するだけですのでお勧めはしません。

6.清涼飲料水

 さまざまなものが発売されていますが、いずれも糖分過多です。飲み過ぎるとペットボトル症候群になる確率が高いですし、乾きが満たされることもありませんので、熱中症対策としてはお勧めできません。ただ、水気のものがとりにくいときに自分が好きな味のものを飲むことで脱水症状を遅らせることはできるかもしれません。

7.甘酒

塩分を始めとするミネラルや糖分を効率よく摂取することができ、飲む点滴という方もいます。ただし水分の補給にはなりませんので、別途何か水分の取れる飲み物が必要です。

以上、いろいろと書きましたがそれぞれの飲み物の得手不得手があると思います。
一種類に固執するのではなく、いろいろな飲み物を組み合わせて上手に脱水症状を回避するようにしたいものです。
そして、調べられる範囲では調べていますが、ここに書いたのはあくまでも私見ですので、書いてある内容は鵜呑みにせず、裏付けを確認した上で自己責任で摂取してくださるようにお願いいたします。

お水を持って歩こう

 災害に備えるとき、非常用持ち出し袋や非常用備蓄品など、命を守るためのさまざまなアイテムを準備するように言われています。
 ですが、現実問題としてそれらを常に持ち歩ける状況にあるかと言われると、持って歩くことはできないのではないでしょうか?
 最近は持って歩ける「防災ポーチ」というものが登場してきましたが、これも意識していなければそのうちに持ち歩かなくなってしまうような気がします。
 では、いざというときどうするか。
 命を繋ぐための最低限のものを持っておくようにしましょう。
 最低限のもの、それは「水」です。
 実は災害時に一番必要で一番手に入りにくいものがこの「水」なのです。
 例えば地震で被災したとき、飲める水を持っているだけで安心感が違います。
 のどが渇いたとき、この水があるのとないのでは気持ちに雲泥の差が生まれますし、怪我をしたときや目にゴミが入ったときにはこれがあれば洗い流せて衛生的な状態を維持することができます。
 火事の煙に遭遇しても、袖口を濡らして口に押しつければ気管支を守り、呼吸を維持することも可能と、水があるだけで、自分の命を守れるレベルをぐっと上げることができます。
 サバイバルなどでは3日水が補給できなければ死んでしまうというような話がありますが、食料や他の生活物資はなくてもしばらくは生きられます。
 でも、水が無いとそもそもの生命維持ができなくなってしまうのです。
 そして、飲料に適する水を作るのにはさまざまな道具や時間が必要ですので、始めから飲める水を持っていたほうがいいということになるのです。
 たくさんあるに越したことはありませんが、水の重さはかなりなものです。無理して1リットルや500mlを持たなくても、最近は200mlくらいの小さなペットボトルもありますし、水筒に入れて普段使いするのもいいと思います。
 なんらかの形で、仕事や登下校で普段から持ち歩く鞄に水を1本忍ばせておいてください。それがあなたの命を守ってくれるのです。
 ちなみに、内閣府が提唱する水の確保量は1日3リットルだそうです。非常用持ち出し袋や非常用備蓄品では、それだけの量を見越して準備しておくようにしましょう。

災害対策も「段取り八分」

 マスコミなどで「事前に避難してください」と言う割に開設されないのが公設避難所です。
 最近は災害発生前から避難所開設するところも出てきていますが、開設に行政職員が派遣されることになっているような避難所だと避難が難しい状態になってから開設されることが多いのが現状です。
 避難所という場所の性格を考えると、「避難所開設」→「レベル3・避難準備・高齢者避難開始」という流れになっていないと対応が間に合わなくなります。
 石西地方では吉賀町がそのあたりに気をつけておられるようで早めの避難所開設がされていますが、避難所の運営については各自治会に任せているようだという話を聞いています。
 高齢者や障害を持つ方、避難路に不安のある方などは、「レベル3」が発令される時には避難ができないこともあるので、やはり避難所が事前に開設されていることは重要になると思います。
 ただ、闇雲に避難所を開設するといろいろと準備など大変になることも事実ですから、開設の無駄をなるべく減らすためにも「地域にどのような人がいるのか」「もし避難が必要だとするとその人にどんな支援が必要か」「避難完了までにどれくらい時間がかかるのか」ということを確認し、それをタイムラインに落とし込んで避難所を開設するというのは一つの方法だと思います。
 少なくとも、避難するときと同じように、避難所開設でも「いつ」「だれが」「どうなったら」「どのように」開設するのかを、その避難所を利用する、または運営する人たちの間で情報共有しておく必要があるでしょう。
 いつ避難所が開設されるのかということが共有化されていないと「早めに避難はしたものの、避難所が開設されておらず被災した」というような事態になりかねません。
 全てのお宅が災害に対して安全であればよいのですがそんなことはありませんので、早めの避難所開設をすることで自宅や避難路が心配な人が避難でき、その結果として最悪人命だけは守ることができるということができると思います。
 何も起きていない時だからこそ、何か起きたときの段取りを決めておくこと。
 よく「段取り八分」と言われますが、一度発生すると考える時間が余りない状態で行動を判断しなければならないのが災害です。
 自分自身の災害への備えはもちろんですが、避難所開設と運営といった共助部分の段取りもやっておかないといけないと思います。
 地域がその気になってないと、なかなか難しい部分ではあるのですが・・・。

避難の空振りをどう受け取めるか

 大規模な災害が起きそうだと判断されると、最近は早めに避難勧告を出す自治体が増えてきています。
 災害の発生が夜間や明け方が想定されるようなときだと、前の日の夕方、日のあるうちにレベル3「避難準備・高齢者等避難開始」が発令されることもしばしばです。
 でも、結果としてたいしたことなく終わることも当然多いわけで、梅雨時期や台風シーズンで避難所と自宅を行ったり来たりすることが続くと、「いい加減にしてくれ」と言いたくなることもありますが、空振りについてはそんなものだと思うしか無いのかなと思っています。見方を変えれば何事も無かったわけで、何事も無かったことを喜べる意識というのも大切なのかなとも思います。
人は自分の行動を正当化する理由を常に欲しがるものですから、空振りをプラスにとらえればその避難は成功したことになりますし、空振りをマイナスにとらえれば、気がついたら避難しなくなっているのです。
毎回「何事も無くて良かったね」で喜ぶことができるのであれば、仮に何度空振りがあったとしても「何事も無くて良かったね」で終わります。
「空振りさせやがって」と不満に思っていると、避難するのが馬鹿馬鹿しくなって、本当の災害時に逃げ遅れて被災してしまうことになります。
どちらも理性では無くて人間の感情の問題なので、無事で良かった、何事も無くて良かったね言える気持ちを作り上げておきたいですね。

窓ガラスの飛散に備える

 台風というと、雨ももちろんですが非常に強い風が特徴的です。
 そして、その強い風はいろいろなものを空に巻き上げて飛ばしてあちこちにばらまいていくわけですが、これが建物に当たるとさまざまな被害が発生します。
 例えば、瓦葺きの一戸建ての屋根に命中すれば瓦が割れてそこから雨漏りが始まりますし、壁に当たれば建材が壊れることもあります。
 そして、一番怖いのが窓ガラスに当たること。
 当たり方が悪いと窓ガラスが四散、ガラス片が飛び散って、その上台風の風雨も部屋の中を荒らし回ることになりますので台風が過ぎた後にはどうにもできない部屋が残されることになってしまいます。
 後で途方に暮れないためにも、窓ガラスが割れないようにする、また、仮に割れても破片が飛び散らないようにするという作業は必須となりますが、どんな方法が取れるのかについて考えてみたいと思います。

1.窓ガラスにものをぶつけない

 当たり前の話ですが、普通の窓ガラスであればものが当たらない限り割れることは殆どありません。そのため、雨戸や鎧戸、シャッターがあればそれを締めてしまえば、少なくとも窓ガラスが割れる心配をしなくても済みます。

2.当たっても大丈夫なようにしておく

 窓ガラスを合わせガラス(ペアガラス)にすると割れにくくなります。外側内側の両方に飛散防止フィルムを貼っておけば、窓ガラスが割れて飛び散る心配はしなくてもよさそうです。

3.ガラスが飛び散らない対策をしておく

 割れてしまうことを前提にして飛散防止対策を考えておくことも大切です。古典的ですが、窓ガラスに布テープを「米」の形に貼ったり、段ボールを部屋側から窓枠に貼り付けるという方法があります。また、裾の長いカーテンやロールスクリーン、ブラインドがあればそれらを使うことで窓ガラスの飛散を防ぐことは可能です。雨の吹き込みはありますので、それぞれを押さえるための対策をしておかなくてはいけません。

 窓ガラスを交換するのは非常に手間とお金がかかるものです。
 普段は普通に使えるのですから、問題が無いのに替えるのももったいない話ではあります。
 そこで、今ある窓ガラスに対策を施して、もし割れてもその場にいる人たちが怪我をしないように対策を講じておくことです。
 もちろん、大前提として家の周囲に飛んでしまうようなものは置かないことがあげられます。
 事前に打てる手を打っておくことで、自分がより安全に災害をやり過ごすことができるように、今できる手を考えて対策をしておきたいものですね。

避難は安全な日中のうちにしてしまおう

 大きな台風10号がゆっくりと接近してきているようです。
 このまま行くと、どうやら西日本直撃コースのようで、益田市の安全安心メールでは「14日から風が強くなり、15日明け方には暴風域に入り大荒れの天気になる恐れがある」という情報が配信されています。
 今回の台風は強風域が非常に広くて「超大型の台風」という扱いになるようですが、とりあえず風が強くなる前に家の周囲の片付けをしてものが飛ばないようにしておく必要がありそうです。また、事故が起きる可能性が高くなりますので、風が強く吹き出してからの屋根の修繕や窓の補修などは絶対にしないでください。
 ところで、気象台や市町村と言った行政機関が発令する避難勧告や避難指示、レベル4、レベル5といったものは、昼夜を問わずに発令されます。そのとき、自分が避難すべき場所に避難することが可能でしょうか?
 今回の台風では、当地域は「15日の明け方には暴風域にはいる」恐れがあるそうです。そうすると、レベル4が発令されて15日の日中に避難しようとすると、視界の効かない足下も見えない暴風雨の中を徒歩で避難することになってしまいます。それは非常に危険なことですし、一つ間違うと遭難してしまうことにもなりかねません。
 また、もし夜中に発令されれば、真っ暗な暴風雨の中を視界も効かない状態で避難所まで移動しなくてはならず、避難する難易度は跳ね上がります。
 そのため、空振りになるかもしれませんが、天気の比較的安定している14日の夕方に避難所に避難することを勧めます。明るい中を避難するのと日が暮れてから避難するのでは避難のしやすさがまるで違います。
 場合によっては、まだ避難所が開設されていない時期かもしれませんが、台風の場合には進路予想ができますので、来ると分かっている、または来る可能性があるのであれば、影響の出始める前に避難所を開設すると、日中の避難がとてもしやすくなります。そして、大荒れになってレベル4やレベル5が発令されたとしても、とりあえずの安全は確保されている状況になるわけです。
 影響の出る前の日中に避難することは、正直に言って恥ずかしいかもしれませんが、安全を最優先に早めの安全な避難をしてほしいなと思います。
 大きな被害がでないことを祈ってはいますが、まずは自分の安全確保を考えて行動してください。

テクニックと備え

 防災の準備というと、なんとなくアウトドアやサバイバルというイメージをされる方もいらっしゃると思います。
 実際、「災害に備える」というようなタイトルのついた本やネット情報では、「水を浄化する方法」や「火を起こす方法」などが書かれていて、見るとかなりハードルの高い内容が書かれていることが多いです。
 ただ、これは災害時にそうしなければならないということではなく、災害時にはこういった方法もありますよという技術として知っておいた方が良い内容でしかないということを意識してほしいなと思います。
 例えば、火の起こしかたでも、ペットボトルや虫眼鏡、木の摩擦やファイヤスターターなど使わなくても、マッチやライターがあれば簡単に着火することができます。
 また、田舎ならともかく、大都市のど真ん中で裸火を使うことができるのかという疑問もあります。
 水の確保でも、高価な浄水器があれば確かに便利ではありますが、その値段で1週間分の飲料水が何本買えるかを考えたら、お水を買ってくる方が現実的かもしれませんし、そもそも浄水器で浄水して飲める水が確保できるのかという問題もあるでしょう。
 技術として知っておいたほうがいいとは思いますが、実際の準備としてはなるべく普段の生活と変わらないものを用意しておくということが重要だと思います。
 ペール缶コンロを作ったり使ったりするのは自信が無くても、カセットコンロなら簡単に使えるのでは無いでしょうか。
 また、飲料水もあらかじめ飲める水を用意しておけば、飲料水の確保であくせくする必要はなくなりますし、長期保存の水で無くても、普通に売っているお水を買い足していけば安く確実に更新をすることも可能です。
 このホームページでも空き缶を使ったご飯の炊き方を書いていたりしますが、鍋があればより確実に安全においしいご飯を炊くことが可能です。ポータブル電源が確保されているのなら、電気炊飯器を使うことも可能でしょう。
 災害の準備は、自分の普段の生活を維持できるための装備を用意すればいい話ですし、、予算の都合などで普段の生活が維持するための準備が難しいようなら、どのようにすれば代わりが用意できるかを考えて準備しておけばいい話です。
 「防災」というと皆さん難しく考えるのですが、要するに「普段の生活を確認し、状況が変わってもいかに質を落とさずにすむか」ということを考えて備える作業なので、難しく考えずにできるところから備えていけばいいのではないかと思っています。

生活弱者ほど防災対策を知っておこう

 発災してからしばらくして落ち着いてくると、避難所の生活リズムも確立されていきます。
 その中で、生活弱者の視点があるのかというと、ないと言わないといけないのが現状です。
 ただ、生活弱者がもし防災や避難所運営に詳しかったとしたら、避難所の生活リズムの中に生活弱者の視点を取り入れることが可能ではないだろうか、と考えています。
 災害が発生して避難所が立ち上げられるときには誰もが呆然とし、不安になるものですが、もし、そこで普段「生活弱者」とされている人が避難所設置の指示を出し、避難所の運営を主体的にすることができたなら、よりよい避難所運営が可能なのでは無いかと思うのです。
一般的に「避難所では生活弱者ははじき出されてしまう」ことが多いのですが、運営の核の部分に入り込めれば、うまく避難所運営ができている限りにおいては追い出される心配はないのではないでしょうか。
 そして、生活弱者が避難所で生活できる環境というのは、生活弱者で無い人が生活するにしても悪い環境ではないはずです。
 いろいろと考えてみるのですが、生活弱者が「お客さん」として避難所に入ってくると、これはそうで無い人がその手配をさまざまにしなくてはいけないことになり、非常に煩雑になってくるものです。
 ですが、最初から避難所の運営にそれが組み込まれているのであれば、仕組みを変更する必要が無いのでうまく回せるはずです。
 訓練時に「生活弱者だから」こそ積極的に参加して、避難所の設置方法や運営方法といったことに提案や協力をするのであれば、災害本番の時にも当然それが組み込まれていきます。
 生活弱者の実態と対応は、その立場にある人で無ければ完全には理解できませんから、災害時に立場の弱い生活弱者ほど、積極的に訓練に参加しておくべきなのではないかなと思います。
 そうすることで、避難所を運営する人たちにもそれなりの覚悟ができますし、そういう生活弱者がいるということを知ってもらっておくことも大切なことです。
 「迷惑かけてはいけない」とか「足手まといだから」とか、「どうせこのまま死ぬから」とか言っているうちは、避難所に入ることが受け入れてもらえないし、生活弱者への対応も当然してもらえません。
 自分の防災対策はもちろんですが、地域の防災活動にも参加することで生活弱者もそうで無い人も、お互いに安心して避難できる環境を作ることができるのではないかと思っています。