マチ付きのレトルト非常食

非常食に使われる代表的なもの。インスタント食品、缶詰、そしてレトルト食品。

 非常食というと保存期間の長さからどうしても缶詰や乾燥食品が検討されがちです。
 ただ、最近はレトルトパウチでも常温でそのまま食べられて、賞味期限が長いものが出てきましたので、これらをレパートリーに加えることで豊かな非常食生活ができるようになって、ありがたいなと思っています。
 でも、レトルトパウチには大きな問題点が一つ。
 それは、封を切った後自立して立てられるものが少ないという点です。
 レトルトパウチは、その構造上マチが作りにくく、マチなしのものが殆どですが、いざ食べようとしたときにお皿の無い環境だと非常に使いづらいものになります。封を切ったレトルトパウチの容器は手で持つか何かで支えていないと、置くにおけない、置くとこぼれてしまうという悲しい状態になります。
 でも、このレトルトパウチにマチがついていて自立できるなら、仮置きができるためストレスを感じません。ほんの些細なことなのですが、神経が高ぶっているときにはその些細なことがイライラの元になったりしますので、決して侮ることはできません。
 で、今回見つけたのはそんなありがたいレトルトカレーです。

 商品はいなば食品さんの「甘口カレー」。リンゴとマンゴーが入っているとパッケージに書かれていますが、かなり甘口のため、カレーが食べられる年齢の子であれば、問題なく食べられると思います。マチ付きなので、写真のとおり自立していて、中にスプーンを入れてもひっくり返ることはありませんでした。
 温めなくてもそのまま食べられるとあったのでそのまま試してみたのですが、油でべたつくことも無く、まったく何の問題もなく食べられました。

 具材は少し少なめですが、ちゃんと鶏肉も入っていました。
 マチ付きで封を開けてもちゃんと自立してくれるのがありがたいです。

買ったのは2019.10.6なので、とりあえず1年以上は賞味期限がある計算になる。

 そして、賞味期限も買った時点で1年以上先!
 非常食に非常に向いた商品だなと、ちょっと感激です。
 ただ、問題点が一つ。

うちの研究員が踏んづけた結果、周囲には微妙にカレーの香りが漂うことに。
この蒸気口が開いてしまった結果らしい。

 それは、蒸気穴の存在です。容器のまま電子レンジにかけることができるため、蒸気抜き用の穴が開くようになっているのですが、袋を押さえつけたり踏んだりしたら、この蒸気抜き用の穴が開いてしまい、一度開いたら塞ぐことができません。
 そのため、この商品は他のレトルトパウチのように非常用持ち出し袋に「ぽいっ」というわけにはいかないみたいです。
 湯煎はできるみたいですけれど。

 そのまま食べられるとあるが、実際においしく食べられた。

 とはいえ、常温長期保存ができて味も良く、マチもついていて食べやすいこのカレー。
 いくつか種類もあるそうなので、見かけたらぜひ非常食として検討して欲しいなと思います。

体を冷やす方法あれこれ

 台風15号による停電は想定以上の被害が出ているようで、復旧に時間がかかっているようです。
 電力関係の方々が昼夜問わず復旧作業をされていますが、なかなか困難な状況とも聞きます。ぜひ安全第一で作業を続けていただければと思います。
 そして、台風一過で真夏並みの暑さが戻ってきました。その結果、冷房なしで殺人的な暑さを耐えないといけなくなるという過酷な状態になってしまいました。熱中症により亡くなる方も出てきています。
 熱中症の傾向については以前触れたことがありますが、今回は遅ればせながら「体の冷やし方」についていくつか方法を考えてみたいと思います。

1.なぜ体を冷やさないといけないのか

 人間の体は体の機能を維持するために体温を調整する能力を持っています。
 ただ、まだ調整能力が発達していないこどもや、調整機能が衰えている高齢者の方は、体の調整機能が環境の変化についていけず、熱中症になってしまうことがあります。
 そのため冷房などの外的要因で体を冷やしてやる必要がありますが、最近はやりの携帯扇風機にはお気を付けください。
 周囲の空気を顔に吹き付けると汗の気化熱で涼しく感じるのですが、高温になると汗が出る前に熱風で乾いてしまって熱中症を誘発してしまう危険性があります。もし使うなら、水をミスト上に吹き出せる構造を持ったものを使うようにしてください。

2.どこを冷やせばいいのか

 体温を下げるということを考えると、大きな血管が集まっている場所を冷やすのが効率的です。
 背中の肩甲骨の間、脇の下、太ももの付け根などがよく言われる部位ですが、冷やすのが難しい場所でもあります。
 また、夏場にできる野菜や果物には体を冷やす働きがありますから、そういうものを食べて体を冷やすこともいいでしょう。氷やアイスクリームなどの冷たいものも同様ですが、どちらも食べ過ぎるとお腹を壊したりします。
 今回、簡単に誰でもできてお勧めしたいのが「手のひらを冷やす」こと。
 手を水につけるだけでも体温を下げる効果が期待できます。
 手に冷たくしたペットボトルを持っているだけでも、体温が確実に下がります。先日テレビで実験していましたが、冷えすぎているとよくないようなので、凍っているペットボトルの場合はタオルを巻くなど、温度を少し上げる方がいいようです。
 また、濡れたタオルで熱を吸収しやすい頭などを冷やすのも効果的ですが、びちゃびちゃのタオルを使うと周囲の熱で逆に煮えてしまうこともありますので注意してください。
 また、いっそのこと水風呂に入ってしまうというのも涼を取るという点ではいいと思います。

 停電区域全域に電気を行き渡らせるのは無理でも、電源車や発電機を使えば、特定の施設を通電させ、冷房を稼働させることはできるのではないでしょうか。
 また、停電していない場所まで被災者を移動してしまう広域避難を行うのも効果的だと思います。移動手段を提供できれば、小さい子ども連れや高齢者を移動させることも用意だと思います。。
 停電も災害の一つと考えると、地域への支援や地域外への避難という選択肢はできると思うのですが、あなたはどう思いますか?

簡易トイレを作ってみる

 ちょっと前にトイレについて触れてみましたが、もう少し具体的に簡易トイレの作り方を教えて欲しいというご要望を頂戴しました。
 以前に「トイレ問題を考える」のなかで簡易トイレの作り方を書いたことがあるのですが、あれは便座や便器をそのまま転用する方法だったので、便座や便器が使えない場合どうするのかというご質問もあわせていただきました。
 理屈が分かれば「なぁんだ」というようなものなのですが、一度目で見てみるとよく分かるのかなと思いましたので、今回は簡易トイレを作ってみることにします。

1.材料

1)バケツ 1個
2)猫の砂 1パック
3)大きめのビニール袋 1枚

猫砂はお好みでどうぞ。個人的な感想を書くと、木からできているペレット状のものがお勧め

2.作り方

1)バケツにビニール袋を入れて口を折り返して拡げる

2)バケツの中に猫の砂を注ぎ入れる

3)バケツの上に座って用を足す

 バケツのサイズにもよりますが、おしりがはまって抜けなくなったり、うまく腰をかけられないことがあると思うので、バケツの上には段ボールなどで便座を作っておくといいと思います。
 結局のところ、排泄物を貯められる箱のついた座れるものであればいいという話になるので、コンテナボックスやゴミ箱、段ボール箱なども使えます。ただ、強度の問題がついて回りますので、くれぐれもおしりの載せ方には気をつけてくださいね。

自動車が水没したらどうする?

 今日も大雨が降っていてあちこちで被害が起きているようですが、大雨が降っているときに自動車で移動するときに気をつけなくてはいけないのは水没です。
 普段走っている道ではあまり意識していない「低地」や「アンダーパス」などは短時間に降る大雨で簡単に池となってしまうということを気をつけておかないといけません。
 自動車は案外と水に弱くて、車輪の半分以上が水に浸かると思ったように動けなくなり、吸排気系に水を吸い込んでしまうと、エンジンは簡単に停止してしまいます。また、ハイブリット車はバッテリーなどが水に浸かると電気系がショートする可能性もありますので、エンジン車よりもより水没に気をつけなくてはなりません。
 ただ、不幸にして車が水没したらどうするか?
 可能であれば、すぐに窓を開けて脱出を試みましょう。もっとも、最近の車はほぼ100%電気式のパワーウインドウを標準装備していますので、電気関係が水没してしまうと窓は開かなくなります。
 もしも流れがなく、車内に水が入ってくるようなら、車内と車外の水位が同じになった状態ならかなり重たいですが扉を開くことが可能です。
 最後に、水に流れがあったり深みにはまって緊急に脱出をしなくてはならない場合。この場合には、窓を破るしかありませんが、最近の車の窓は事故対策で頑丈にできていますのでちょっとやそっとでは割ることはできません。脱出用のハンマーでもフロントガラスは割れなかったという実験結果も出ています。
 なんにせよ、助かりたいと思ったら、まずは車を水没させないことです。
 大きく水がたまっているような場所は避けるか、または徐行して足下を確認しながら通過することです。
 勢いに任せて突破しようとすると、殆どの場合は突破できずに水没してしまい、自力脱出か、または救援を呼ぶ羽目になってしまいます。
 今回ご紹介したような、どれくらいの水深なら車のドアが開けられるのかということと、車の窓ガラスがどのような道具であれば壊せるのかということを実験した日本自動車連盟さんのサイトがありますので、車を運転される方は一度見ておいてください。
 なんにせよ、運転するときには普段から道路の高低差を確認しておき、大雨時にはそういうところを迂回して通るような意識漬けをしておくといいですね。

日本自動車連盟JAFユーザーテスト「水深何cmまでドアは開くのか?
日本自動車連盟JAFユーザーテスト「 水没した車の窓はどうやったら割れるのか?

アルファ米の白飯を野菜ジュースで戻してみた

 アルファ米というのは便利なもので、水を含む液体であれば一応は戻せるようです。
 いろいろな防災関係のホームページでさまざまな飲み物を使ってアルファ米を戻す実験をしているのですが、その中で目を引いたのが、野菜ジュースやトマトジュースで白飯を戻すというもの。
 アルファ米は製造会社さんがさまざまな努力をされており、発売当初に比べると格段に味はよくなっているのですが、どうしても特有の香りや食感があります。
 ですが、野菜ジュースやトマトジュースで戻せるなら、ひょっとしたらおいしいケチャップライスのようなものができるのではないだろうか。
 というわけで、実験してみることにしました。
 実験は防災マップ作りの最中、昼ご飯の一つとして作成することにしました。ケチャップライスは割と子ども達に好まれる味だと思うので、評判を確認したいということもあったからです。
 今回使ったのはアルファ食品の白飯。それにデルモンテの野菜ジュース170gを使います。

野菜ジュースを慎重に注ぐ子ども達

 注ぐ水の量は160gということなので、内部に引かれている線まで野菜ジュースを注ぎます。

入れるとこんな感じ。水よりも粘度が強いのが気になるところ

 あとは、口を止めて1時間ほど待つだけ。
 しかし、ここで問題発生。お昼前の空腹時間ですからとても1時間も待てやしない。というわけで、白飯+野菜ジュースはそのまま放置されて炊き込みご飯の食べ比べ+じゃがりこのポテトサラダに缶詰のデザートのお昼ご飯となりました。
 食後、入れ物を少しもんでみると、なにやらザリザリとした手触り。

口を開けるとまだら状態
ひっくり返してみると、アルファ米のままの部分が底にあった

 中を覗いてみると、どうやら野菜ジュースを吸い込んでいるところとジュースが届いていないところがあったみたいです。
 口を閉めて上下をひっくり返し、手で揉んでしばらくすると、ザリザリ感がなくなっていい感じになってきました。ただ、中を覗くと、色がまだらです。

できあがりはケチャップライスそのもの

 野菜ジュースを使うときには、注ぐ量は指定量よりも多めに加えてアルファ米がジュースを吸い込みやすいように中をかき混ぜる必要があるかなと感じました。
 さて、できあがった野菜ジュースご飯ですが、子ども達の3時のおやつとして試食してもらいましたが、適度な酸味が効いていて、水で戻した白飯よりもおいしいという意見をいただき、結局完食となりました。トマトが苦手で無ければ非常においしいです。
 この方法でいいなと思うのは、目先の変わったご飯を食べることで食事に変化を持たせることができることと、被災後に圧倒的に不足するビタミン類をさほど苦労せずに摂取することができること。
 今回は赤い野菜ジュースで試してみましたが、今度は緑の野菜ジュースでやってみようかなと考えています。

【開催報告】防災マップ作りを開催しました。

事前準備は前日に行いました。

 本日8月8日、高津公民館で地域の防災マップ作りを開催しました。
 今回のテーマは「高津小学校から高台の避難所への避難経路の確認」で、小学生4名が参加してくれました。
 午前中はコースを実際に歩いてみるということでしたが、曇り空のおかげでそこまで暑くならないうちに現地調査が完了しました。普段から道路や建物は意識しているようでしたが、地図を持って回ってみると、案外と安全に避難できる道が少ないことに気づいたようです。

 公民館に帰ってから、お互いの地図を確認して非常食を使ったお昼ご飯。

 今回は炊き込みご飯の食べ比べということで、尾西食品さん、アルファー食品さん、サタケさん、そしてモンベルさんのアルファー米ともう一つ缶詰の炊き込みご飯を用意しました。缶切りを見たことの無い子ども達はどうやって使うのか試行錯誤してなんとか開封することに成功しました。また、じゃがりこを使ったポテトサラダも作り、最後は缶詰のデザートで大満足だったようです。
 午後からは自分たちの記録を元にして地図を作っていきました。

 初めてする作業なので、子ども達はいろいろと試行錯誤の連続。スタッフは出したくなる口を押さえて作成を見守り、なんとか時間ぎりぎりに完成しました。
 いろいろと思うようにならなかったようですが、始めて完成させた防災マップ。
 参加してくれた子達からは「一人で逃げる場合と大勢で一緒に逃げる場合には使える道が違うのがわかった」「大きな道は車も多く通るので、たくさんの小学生がそこを横断できるかわからない」といった感想をいただきました。
 これを元に、またいろいろと自分や仲間の安全対策について考えてくれるといいなと思います。

皆さんお疲れ様でした!

 なお、今回は「社団法人日本損害保険協会」様の開催してる「小学生のぼうさい探検隊コンクール」に出すことになっています。
 コンクールをご紹介いただき、今回の防災マップ作りでもご協力いただきましたあるむ保険プランの大谷様にも、厚くお礼申し上げます。
 今回初めて防災マップ作りをしてみましたが、わずかな時間ではあっても、子ども達が得るものはとても大きく感じます。興味を持たれたら、ご家族でも学校でも職場でも、ぜひ一度作ってみることをお勧めします。
 また、一緒にやってみたいというお話がありましたら、ぜひ当所「お問い合わせ先」までご連絡いただければと思います。何かお手伝いできることがあるかもしれません。
 最後になりますが、会場を快く貸してくださった高津公民館様、参加してくれた子ども達、そして支援してくれたボランティアスタッフの皆様に心から感謝します。 ありがとうございました。

非常食を使う羽目になった

 本日は当研究所の川遊びの日でした。
 いつもの川のいつも遊ぶ場所に到着し、一同で思い切り遊んだ後で昼食となりましたが、ここで驚くべき事実が発覚。
 なんと、本日の昼食の主食である食パンを忘れてきてしまったのです。
 クーラーボックスに入っていたのはパンに挟むためのハムや卵サラダ、ポテトサラダ、チーズで、これではとてもお腹がいっぱいにはなりません。
 とはいえ、周囲10km圏内には食料品店は無く、非常用持ち出し袋や非常用備蓄品も持ってきてはいませんので、お腹の足しになるものは殆ど無い状態です。
 急遽非常用にと車に積んでいた、先日買ったフリーズドライのあんこ餅&黒みつきなこ餅の出動となりました。

あんこ餅と黒みつきなこ餅。「IZAMESHI」ブランドの高級品ではある。

 どちらも一袋ずつなのでお餅の数は正味12個。
 今回の参加者は6人でしたので、一人2個は食べられる計算になります。
 さっそく、あんこ餅の方を開けてみました。
中には乾燥餅が6個、あんこの元1袋、戻す用の水(40g)一袋、そして割り箸が入っていました。

 戻すための水が入っていないものが多いので、こんな風にオールインワンになっていると、いざというときに助かりますね。
 餅を戻すため、レトルトパウチの袋を破って中の水を加えます。

 水を注ぎながら餅の説明書を見ると「片側のトレーに添付のあん顆粒に水を小さじ一杯分(約5cc)を注いでよく混ぜてあんこを作ります」と書かれています。

裏には作り方が丁寧に書かれています。ろくに読みもしないで作ったのが間違いの元でした。


「もしかして作り方間違えた?」
 はいえ、もう作り出してますので修正も難しいです。結局、もちはそのまま戻し、戻した水のあまりを使って餡をこねることにしました。

簡単お汁粉の素に餅をまぶすような状態になりました。水が多すぎたのが敗因です。

 できあがったのは「かなり薄いあんこ」。「あんこ餅」というよりも「冷たい、小豆の入ってないぜんざい」を餅にまぶして食べるような感じでしたが、空腹は最大の調理人。皆さんご機嫌で食べることができました。

次は黒みつきなこ餅です。こちらも封を開けるとあんころ餅と同じように、フリーズドライの餅とそれを戻すための水がついています。そして、黒みつときなこの袋。

 こちらは水で普通に餅を戻し、トレーから水を切って黒みつときなこを振りかけます。この場合、黒みつが先なのかきなこが先なのかはかなり深刻な議論がされるところですが、お腹が減っているときには関係ないので適当に作って一同に配り、これまたご機嫌で胃袋に収まってくれました。
 このお餅のおかげか、午後からも元気に川遊びをすることができ、なんとか無事に終了することができました。
 今回は、まさかこのような事態になってしまうとは思っていなかったので「非常用持ち出し袋」を持ってきておらず、また非常用備蓄品として準備してあるアルファ米やその他非常食もまったく使えなかったわけですが、災害もたぶんこんな感じで予測していないときに来るのだろうなと思い、普段から持ち歩くものについてもう一度考え直す必要があるなと深く反省しました。
 あなたはこんな経験、ありませんか?

【開催報告】着衣水泳体験会を実施しました。

服を着てプールに入るのはやはり勝手が違うらしく、皆さん微妙に緊張した表情でした。

 去る7月28日午前10時から益田スイミング様で着衣水泳体験会を実施することができました。
 当日は久しぶりの良い天気にもかかわらず10名の方にご参加いただきましたことに感謝いたします。
 益田スイミング様の原田コーチと石川コーチにご指導いただき、柔軟体操の後はまずは浮き方から教わりました。

まずは浮く方法から。頭ではわかっていても、なかなか体は動きません。

 息を吸い込み、両腕を大きく拡げて体の力を抜いて浮く、ということだったのですが、試してみた所長はさっそく水没してしまいました。
 体に力が入っており、腰を中心に体が「く」の字に曲がっていたため浮力が足りず沈んでしまった、とのコーチの指摘。
 何度かやっているうちに、なんとか体を浮かせることができました。
 その後は、そのまま安全な場所へ泳いで移動するのですが、これまた力が入って沈没。久しぶりに水に入ったと言うこともあるのですが、やはりかなり勝手が違います。
 泳ぎ達者な参加者の皆様も、着衣だとかなり勝手が違うらしく四苦八苦。

なるべく顔をつけないで周りを見ながら泳ぐことが助かる秘訣です。

 水の中にいるときには服のおかげで浮力はできるのですが、服やズボンの生地がまとわりついて動きにくいのです。そして、水からあがると途端に服がまとわりついて重たくなります。
 着衣のままがいいのか、それともなるべく脱いだ方がいいのか、判断に迷う感じでした。
 その後は水に落ちてしまったときの安全な脱出方法についてレクチャーをしていただきました。
 落ちてしまったら、まずは周囲の確認。そしてなるべく体力を温存できる泳ぎ方で陸地を目指すということで、実際に事故を想定してプールサイドからプールへ落としてもらい、安全な場所まで泳ぐという体験をし、違いを確認すると言うことで靴とズボンを水中で脱いで泳いでみるという体験もしました。

危険は無いとはわかっていても、落ちる瞬間はやっぱりびっくりする。

 着衣水泳をしているときははっきりとわかりませんでしたが、靴とズボンを脱いだだけで格段に泳ぎやすくなり、それまで苦戦していた参加者の皆様もすいすいと泳いでいました。
 そして最後に救助の方法を教えていただきました。
 基本は溺れている人には近づかない。道具を使って救助すること、ということで、ペットボトルを遭難者に投げて浮かんでもらうという方法を教わりました。
 試しにペットボトルに水を少し入れて投げてみるのですが、なかなか上手に飛びません。これも経験が必要だなと感じました。
一番最後に、おまけとして水を一杯に満たした長靴を履いて歩くという体験をしていただきました。

思わぬ重たさによろけてしまう。長靴の重さは、水込みで片方2kg弱。

 今回の着衣水泳体験会では運動靴を履いてやりましたので、期せずして運動靴と長靴で水の中を歩いたらどうなるかを実体験していただくことができました。
 一番最初に履いた人はうまく歩けずによろけてしまいましたが、それを見ていた他の方は上手に歩いてみたり、中には水が入ったまま飛び跳ねる人がいたりと、普通では見られない体験ができました。
 体験された皆様からは「服を着たまま水に落ちたら、泳げると思っていてもけっこう難しい」「なるべく早く服を脱ぐほうが助かる可能性が高い」「泳げないけれど浮くことはできそうだ」「水害の避難の時には長靴より運動靴だね」「益田スイミングで体幹トレーニングしてるから水入り長靴のジャンプも余裕!」などといったご意見をいただき、賑やかに終了させていただくことができました。
 子どもさんは学校で着衣水泳をやる機会が増えていますが、大人の方はあまり体験する機会のない着衣水泳。私自身もそうでしたが、「知っている」ということと「体験している」ということはまったくの別次元の話だなとしみじみと感じました。
 なるべくたくさんの大人たちに体験していただきたいと思いますので、来年またできることを目指して頑張ります。
 今回の体験会の実施にあたって、ご参加いただきました皆様、そして開催に関して全面的にご協力いただきました益田スイミングの皆様に改めてお礼申し上げます。本当にありがとうございました。また、今回の趣旨に賛同してご寄付いただきました皆様にも感謝いたします。収支報告につきましては、別途個別にご案内いたしますことをご了解ください。

危険を体験しておく

 人間という生き物は、自分の経験則の中から現在の状況を推測して行動しようとする癖があります。
 一度にたくさんの情報を処理し、行動しなくてはいけないところからそういう癖があるらしいのですが、自分の経験則が少ないと経験豊富な人から見たらありえないようなミスをすることがあります。
 大人から見て子どもが危なっかしく見えることを考えればこの意味がわかると思いますが、さまざまな経験をすることは自分の判断や行動をより安全なものとするために絶対必要なものです。
 「危険がある場合にはそこから遠ざける」ことが現在の日本の多くの人の行動原理となっていますが、危険から遠ざけられて実際にその危険を体験していない人は、そもそも何が危険なのかがわからないという事態が起こり、避難が必要なはずの地域に住んでいるのに避難しなかったり、危険な場所に家を建てたりしてしまうのが現状です。
 自分が子どもの時に自分以外の誰かが危険から守ってくれていたことが原体験となってしまい、大人になっても自分で危険性を考えること無く、誰かが自分を危険から守ってくれると思い込んでしまっているのではないでしょうか。
 ただ、経験を積めばよいというものでもありません。自分の過去の経験で絶対にここまでは津波がこないと思い込んでいた場所が津波にのまれてしまった東日本大震災のようなケースがあります。災害の場合には自身の経験だけで無く、歴史からも学んでおく必要がありますが、ともかく知っておくことが一番大切なのだと思います。
 ところで、ここ最近でずいぶんとさまざまな災害を体験できる施設や装置が増えてきていますが、あなたはどんなものを体験したことがありますか?

 例えば、起震装置による地震体験。最近は装備も改良されて過去に起きたさまざまな地震を再現できるようなものも増えています。海溝型と直下型の違いが体験できるようなものもありますので、一度経験しておくと本番では慌てなくてすむと思います。
 また、消火器の使用訓練。消火器はいざ使おうと思ってもなかなかうまく使えないものですが、職場や地域の防災訓練等で使い方の訓練を受けておくと、いざというときに迷わず使うことができます。また、お近くで実地訓練が無い場合には、せめて映像による消火器の使い方の説明だけでも確認しておきましょう。(リンク先は福岡消防局のものです)
 他にも煙の中の避難が体験できる煙ハウスや、水害や津波が体験できるVRなどもありますので、そういったもので実際に起きたらどのような感じになるのかを体験し、経験して考え、本番に備えていくのがよいと思います。
 本来は、裸火や刃物なども実際に体験しておいた方がいいのですが、極端なまでに治安維持に傾いているこの国では、そういったものは生活から遠ざけられているのが実際です。
 ちょっとした時間を作って、たき火OKな場所でたき火をしてみたり、ナイフを使っていろいろな道具を作ってみたりすることも経験しておくことで、火や刃物の便利さと怖さを知ることが出来、生きた危険対策をすることができるのではないかと思います。
 体験したことのないものは、その危険性も理解できない。
 そのことを頭の片隅においていただき、機会を作ってさまざまな体験をしていただければなと思います。

 そういえば、最近はやっている着衣水泳体験のおかげで、子どもの川での溺死が急速に減ってきているという内容が書かれていたのを見つけました。
 大人の溺死者はあまり変わっていないそうなので、今後は大人も着衣水泳体験をしていく必要があるのだろうなと思っています。
 手前味噌で恐縮ですが、2019年7月28日に当研究所でも「大人の着衣水泳体験会」を益田スイミング様にて開催する予定になっています。
 危険を体験するという内容の一つとして、お近くの方は参加されてはいかがでしょうか?
 申し込みは益田スイミング様受付、または当研究所へのお問い合わせフォームにて可能ですのでご案内させていただきます。

節水型手洗い装置を作る

 災害時には水は貴重品となります。
 生活用水とはいえ、手洗いに使う水も普段のようにじゃぶじゃぶとふんだんな流水を使うわけにはいきません。
 ただ、そうはいっても手は洗いたいもの。
 そこで節水型の手洗い装置を作ってみることにしました。

・用意するもの

ペットボトル1個、穴を開けるための道具

穴が開けば釘でも安全ピンでも大丈夫。

・作り方

1.まずはペットボトルの下の方に穴を開けます。小さすぎるとうまく水が出ませんし、大きくなると水がこぼれてしまいますので、ちょっとずつ穴を拡げて、ちょうどいいサイズを探してみてください。

2.開けた穴を指で押さえて内部に水を入れます。

蓋がきちんと閉まっていれば押さえない限り水はこぼれない。

3.穴を指で押さえたままキャップを閉めます。これでできあがりです。

キャップの微調整が少し難しいが、慣れると思ったように調整できるようになる。

4.キャップを緩めると水が出てきますので、適当な量で手を洗い、キャップを閉めます。少量の水で手が洗える節水型手洗い装置ができました。

穴のサイズとキャップの閉まり具合で出てくる水の量がさまざまに変化しますので、平時にいろいろとやってみて好みの状態を把握しておくといいかもしれません。