経験則は当てにならない

 水害にしても、台風にしても、人間の人生数十年では体験できなかったような激しい災害が続いています。
 こういう状態が続いていると、よくある年寄りの経験則は役に立ちません。どちらかというと足を引っ張る方の経験則になってしまいます。
 日本の災害史を見ていると今の気象状態が異常というわけでもなく、どちらかというと昭和40年代から平成半ばくらいまでは他の時期と比べて極端に災害が少なかった時期だったのではないかと考えています。
 日本人の寿命が80から90歳だと考えると、平穏な時代を過ごしてきた人達が大多数な訳ですから、その経験則で安全の判断のされても間違うのは仕方が無いことだと思います。
 ただ、少なくとも気象に関しては情報技術が進んできていて、現在では被害がひどくなる前にある程度の予測ができるところまでは来ていますし、その情報を元に気象庁や自治体が災害に関する情報を早めに出すようになってきています。
 もちろん、あくまでも予測で情報を出しているので空振りもよくあります。
 そして、放っておくと人間は自分がしたくないことをしなくて済む理屈を見つけ出そうとします。「災害発生に備えた避難行動」などはその最たるもので、空振りが続くと「どうせ今回も何も起きない」と考えてしまい、そんなときに限って被災するということがよく起きます。
 学者の人達は地震も含めて災害が起こる確率をいろいろと出していますが、そこに済んでいる人間からすると、実際のところ災害は「起きる」か「起きないか」でしかありません。
 50年に1度や100年に1度の大雨が、ここ最近でどれ位降ったかを思い出してみてください。50年に一度とされる大雨が、立て続けに起きている地域がどれくらいあるか考えてみてください。
 災害の安全は「今まで何事もなかった」という経験則では図れません。
 不安を感じたら安全確保のための行動を取る。そういうことを常識にしていきたいですね。

【募集を締め切りました】防災マップ作りを開催します

 コロナウイルスの第二波が広がっていることもあり、絶対に開催しますと言えないところがつらいのですが、災害は待ってくれません。
 というわけで、新型コロナウイルスを警戒しつつ、去年行いました防災マップ作りの第二弾を開催することになりました。
 去年は避難路の点検を行いましたが、今年は若干方向を変えて、地域の安全な場所や危険な場所を調べて地図化しようと思っています。
 地域に新型コロナウイルスが蔓延した場合には中止となりますが、現在のところ何も無ければ以下のスケジュールで開催しようと考えております。
 興味のあります方は、当サイトの「問い合わせ先」から、題名に「防災マップ作り参加希望」とご記入いただき、氏名、住所、年齢、連絡先電話番号を添えてお申し込みください。
 折り返し詳細についてご案内いたします。
 地域の安全点検について興味のある方のご参加をお待ちしております。

開催日時:2020年9月26日(土)10:00~14:00
開催場所:連理松センター(旧高津児童館)
参 加 費:中学生以下無料、高校生以上一人500円(昼食代)
開催内容:益田市高津地区連理松センター周辺の安全な場所、災害時に役立つもの、
     危険な場所の調査と地図作り。
     昼食は防災食を試食します。
申込期限:2020年9月12日(土)15:00
問合せ先:石西防災研究所

【お知らせ】島根県立古代出雲歴史博物館で企画展「大地に生きる ~しまねの 災(さい)と幸(さち)~」が開催中です

 コロナ禍でなかなかお出かけも難しい状況ではありますが、島根県立古代出雲歴史博物館では、現在企画展「大地に生きる ~しまねの 災(さい)と幸(さち)~」が開催中です。
 展示内容は見ていないので詳細は書けませんが、案内文を読む限りでは、県内で発生した災害、そして災害とつきあってきた歴史についての展示がされているようです。
地震などを表す絵として「鯰絵(なまずえ)」がありますが、こういったものも展示されているようです。
 会期は9月6日まで。もうあまり期間がありませんが、災害とそれに関する歴史という切り口は非常に面白いのではないかと思っています。
 興味のある方は、コロナウイルス対策をしっかりした上でお出かけいただければと思います。また、ウェブ上でオンライン講座もあるようです。
 内容の詳細について、以下の島根県立古代出雲歴史博物館の企画展のページを参照いただければと思います。

企画展「大地に生きる~しまねの災と幸~」(島根県立古代出雲歴史博物館のウェブサイトへ移動します)

【お知らせ】防災関係コンクールのご案内

「防災ポスターコンクール」と「全国子ども防災作文コンクール」が開催されます。
対象や応募期間など、詳しくはリンク先をご覧ください。

防災ポスターコンクール(内閣府防災情報のページへ移動します)


全国子ども防災作文コンクール
(全国子ども防災作文コンクール事務局のサイトへ移動します)

【お知らせ】令和2年7月豪雨の寄付金受付について

 令和2年7月13日からの大雨では、島根県内では県の中央部を流れる江の川流域で河川氾濫が起き、美郷町、川本町、江津市で冠水などによる被害が発生しています。
 新型コロナウイルスの影響で災害支援ボランティアの取り扱いは地元など地域限定になっていたり、ボランティアの募集をしないことになったりしていますが、寄付金で支援を行うことは可能です。
 寄付金受付を行っているサイトをご紹介しますので、興味のあるかたは確認してみてください。

川本町:ふるさとチョイス災害支援(ふるさと納税による寄附です)

江津市:江津市HP【災害情報】災害支援寄附の受付開始(ふるさと納税による寄附です)

美郷町:該当ページが発見できませんでした。

「災害時に便利なアプリとWEBサイト」を紹介するリーフレットのご紹介

リーフレットで紹介されているアプリの一つ「Safety tips」の日本語版の画面。
天気や避難所案内だけで無く、災害とは何かを学べる「事前学習」や
簡単なコミュニケーションができるコミュニケーションボードもついていて便利。


 他の国から来て地域に住んでいる人が、地域活動に参加されることも増えてきました。日本に住む以上さまざまな災害と無縁ではいられないのですが、顔見知りになったとはいっても、お互いの意思疎通というのは、以前ご紹介した「voicetTra」などの翻訳ソフトを使っても、なかなか難しいところもあります
 とはいえ、災害時などの緊急事態には、どのような情報をどこで見たらいいのかくらいはきちんと伝えておきたいですよね。
 このたび内閣府防災が災害時に情報を集めることのできるスマートフォンアプリとWEBサイトを紹介するリーフレットを作成しました。
 内容は、本当にアプリとWEBサイトの紹介なのですが、その国の方が使っている言語があれば、このリーフレットを渡して説明していくと理解がしやすくなるのではないかと思います。
 また、災害に対する備えが勉強できたり、コミュニケーションボードが搭載されているアプリもあって、いざというときに途方に暮れなくてもすむかなと思えるくらいのないようにはなっています。
 どこの人であれ、災害なんかで死んでいい人はいません。情報がうまく伝わらなくて逃げ遅れてしまったと言うことが起きないように、地元の集まりのときなどに、こういったリーフレットを配って、地域の安全につなげていただければと考えます。

災害時に便利なアプリとWEBサイト(多言語)」(内閣府防災情報のページに移動します)

大雨の警報基準をおさらいしよう

 梅雨に入るのを待ちかねていたように県内では激しい雨が降るようになってきました。一部の地域では「大雨警戒レベル3」が発表されたところもありましたが、一口にレベルと言っても何をしたらいいのかピンと来ない方もいらっしゃると思います。
今回は現在の警戒レベルと以前の警戒名称、そしてそれにより住民が期待されている行動についておさらいをしてみることにします。

報道発表がレベル表示だけになったので、この警戒レベル表が頭に入っていないと訳がわからなくなる。

1.レベル1

 これはあまり意識しないと思いますし、報道発表などでもレベル1はでてこないと思っていいと思います。
 気象庁が大きな災害が起きそうだと判断したときに発表する「早期注意情報」がレベル1の基準となっています。
 これが発表されたら、家の周りのお片付けや雨樋、溝などが詰まっていないか確認し、できれば掃除をしておくといいでしょう。
 また、非常用持ち出し袋や備蓄品のチェックを行って、足りないものがあれば買い足したり交換したりするようにしてください。

2.レベル2

 気象庁発表の大雨注意報や洪水注意報がこれに当たります。
 避難経路の確認や避難所開設の時期の確認、避難に必要な資機材や車の燃料などを確認しておきましょう。
 また、大雨警報や洪水警報が発表されると、レベル3が発表されるかもしれないことを念頭に置くようにしてください。

3.レベル3

 以前の「避難準備・高齢者等避難開始」に該当します。避難準備とは言いますが、自宅や避難経路が崖崩れや水没の危険がある場所にあるようなら、準備ができ次第安全だと思われる場所に避難を開始してください。
 また、高齢者や要支援者など避難に時間がかかったり避難先に特定の資機材が必要な人は準備が完了次第安全な場所へ避難します。

4.レベル4

 以前の「避難勧告」「避難指示(緊急)」です。これが出るともうどこかで災害が発生していると考えても問題ありません。
 安全な場所への避難が難しくなっている場合には、自宅で上層階に避難する垂直避難を検討しましょう。可能な限り安全な場所へ避難してほしいという情報です。

5.レベル5

 「災害発生情報」で、これがもし発表されるとしたら、もう大規模な災害が発生していると考えて間違いありません。
 自分の周囲を確認し、現時点よりも安全が確保できる方法で、自分が生き残ることを最優先に行動しなくてはなりません。

 こうやってみると、レベル3とレベル4が重要な意味を持つと考えてよさそうです。
 レベル3とレベル4の違いははっきりとしないのですが、もしも避難所があなたや自治会の判断で開設できるのであれば、レベル3が出る前に避難所の開設をしておくことをお勧めします。また、逃げ込む場所が空けられていないと避難してきた人が途方にくれることになりますので、もし自分たちで開設が決められない場所が避難先になっているときには、避難所の開設時期について自分たちで明確に確認しておくことをお勧めします。
 これからの時期、大雨や大風が起こる可能性は高いです。
 気象庁や自治体が発表する警戒レベルを意識して、早めに行動するようにしておいてくださいね。

【お知らせ】大雨の災害レベルを表示する色が変更されます

 大雨での災害レベルについて、表示する色の変更をすることが発表されました。
 詳しくは内閣府防災情報のページの報道発表資料を見ていただきたいのですが、色の判別がしにくい人にもわかりやすくするということで、レベル4の赤紫が紫に、レベル5の紫が黒にそれぞれ変更されるとのことです。
 災害時に伝える情報の中で、色は割と大切な意味を持っています。色で現在の状況を伝えることができれば耳の聞こえない方や日本語が不自由な人でも状況がわかります。
 色の問題は結構悩む部分ではあるのですが、弱視や色弱な方でもきちんと情報がわかるようなはっきりとした色で伝えることができるのならいいなと思います。
 参考までに、変更前と変更後の色について比較したものを載せておきます。

注:この表の色は指定された色コードを使っていませんので、厳密には異なります。

 指定されている色コードとは少し異なる色になっていますが、内閣府防災担当の報道発表資料には色の指定コードも出ていますので、活用されるときには参考にしていただきたいと思います。
 ちなみに、この変更は遅くとも9月までに行って欲しいとのことです。

○参考資料
令和2年記者発表・公表資料一覧
大雨の警戒レベルをわかりやすく伝えるために5色の配色を定めました
(R2.5.29公表:pdfファイル 256.7KB)

江戸以前の災害記録が確認できます

 「温故知新」という言葉がありますが、災害対策を考えていくとき、その地域が過去にどのような災害に見舞われてきたのかを知らないと的確な対策を行うことはかなり困難だと思っています。
 ただ、いつどこで何が起きたのかを体系的に調べるのは難しく、片手間ではなかなかできることではありません。
 当研究所でも過去の災害記録を探すのにいろいろと悩んでいるのですが、このたび島根県古代文化センターが調査研究で作成した江戸時代以前の古文書に書かれた災害記事をまとめた一覧を公開してくれました。
 「前近代出雲・石見・隠岐災害記事目録」というタイトルのエクセルファイルで掲載されており、出典もきちんと書かれていることからわかりやすい資料となっています。もちろん全てが網羅されているわけではないと思いますが、調査できる範囲での資料が掲載されているので、出典を当たるに際しても非常に見やすく、手をつける場所を調べる手間が省けてとてもありがたいです。
 自分の住んでいる地方で過去にどのような災害があったのかを知るきっかけにできる便利な資料ですので、是非一度見てみてください。なお、資料の考え方についても同じコーナーに「本目録の解題」としてPDFで掲載されています。
 なお、7月10日から9月6日まで島根県立古代出雲歴史博物館で企画展「大地に生きる~しまねの災と幸~」が開催される予定になっており、この研究成果についても公表されるとのこと。
 新型コロナウイルス騒動で開催がされるかどうかはわかりませんが、興味のある方はそちらもぜひご覧になっていただければと思います。

古代文化センターデータベース」(島根県古代文化センターのサイトに移動します。該当記事は一番下の方にあります)」

企画展「大地に生きる~しまねの災と幸~」(島根県立古代出雲歴史博物館のサイトに移動します)

【終了しました】「島根県地域防災計画修正素案」に関する意見募集について

 島根県では現在「地域防災計画」の修正を行っているそうです。
 あまり目立ちませんが、県、市町村といった行政機関はこの防災計画を元に災害への対応を行いますので、災害が起きそうなとき、起きたときに何がどう動くのかを見て知っておいて損はないと思います。
 また、内容についての意見募集もしているとのことですので、気づいた点があれば意見を出してみてはいかがでしょうか。

 内容や詳しいことについては、リンク先の島根県防災危機管理課のサイトをご覧ください。