お酒とたばことゲーム機

 非常用持ち出し袋や避難所での生活において、嗜好品はどう考えればいいかということをお問い合わせをいただくことがあります。
 結論から言えば、周囲に迷惑がかからなければたばことゲーム機については問題ないと思います。
 たばこは、確実な火の消火確認や煙、臭い、呼気など周囲への影響に気をつけること。ゲーム機は、音と光が周囲に迷惑をかけないこと。そして使うための電気は自分で準備すること。
 避難所や避難先では、どうしてもそういったものが苦手な人がいますから、そこを気をつけていただければいいと思います。
 ただ、お酒に関して言えば、避難中はできるだけ飲まないでほしいとお伝えしています。特に地震のように終わりの見えない不定期に続くような災害では、お酒を飲んで判断力や行動力が鈍った状態では避難行動や身を守るための行動を取ることができません。また、災害が収まった後でも、生活に不安があるときにお酒を飲むと決して気分のよいお酒にはならないでしょう。
 大抵の場合は悪酔いしてしまって周囲とトラブルになるか、あるいは飲んでも酔えずにそのうち病気になるか。どのみちいい結果にはならないと思います。
 ある程度復旧・復興のめどが立つまではお酒を一度止めてもらって、楽しい席から飲酒の再開をしたらどうかなと思います。
 嗜好品は人生を豊かにしてくれます。
 周囲の人が困らない程度の嗜好品を上手に使って、あなたの精神的な安定を保ち、上手に復旧・復興ができるようにしてほしいと思います。

非常用持ち出し袋の防水対策はしっかりと

 非常用持ち出し袋を作るときに気をつけたいこととして、中のものが濡れたり汚れたりしないようにしておくことがあります。
 着替え、懐中電灯やラジオなどの電気製品、衛生用品など、濡れたり粉塵を被ると使えなくなったり使いにくくなったりするものが結構ありますので、対策はしっかりとしておく必要があります。
 方法はいろいろあるのであなたの実情にあったやり方をしていただければいいと思うのですが、例えば、防水仕様の非常用持ち出し袋なら中が濡れることはありませんし、外から中に水が入らないのなら中から外へ水が漏れることもないので、水の配給時に給水袋として使うこともできます。

防水リュックサックの一例。縫い目がなく、開口部を丸めてマジックテープで止めることで中に水が入らないようになっている。

 防水仕様でなくても、中に大きめのビニール袋を重ねて入れて、その中にものを納めれば防水仕様の非常用持ち出し袋と同じ効果を得ることができます。
 また、個別にジップロックなどの密封できる袋に収めていく方法もあります。密閉できる袋があるとさまざまな場面で重宝しますので、準備しておくといいと思います。
 せっかく準備していても、駄目になってはなんにもなりません。
 いざというときに使えるように、きちんと対策をしておくことをお勧めします。

車の避難は危険かも?

 水害からの避難では、避難勧告が出た段階では基本的に車は避難に使わない方が無難です。
 とはいえ、大雨が降っていて足下に流水の姿が見えると、歩くよりは車の方が安全に見えてしまうのも事実なわけで、実際に氾濫し始めた時期の避難は車を使うという人も多かったりします。
 ただ、多くの場合車が水没したり動けなくなったり流されたりしてしまい、歩くよりも危険な目に遭うこともしばしば。
 では、どうして水の姿が見えたら車を使ってはいけないのでしょうか。

1.車は簡単に流される

 感覚的に車は重量物だと思ってしまいますが、道路に接している面は、実はタイヤの4カ所、それぞれはがき1枚分くらいの大きさしかありません。
 地面に接しているこの部分の排水がうまくいかないと、水に持ち上げられてしまって車のコントロールがきかなくなってしまいます。
 高速道路などで起きることがあるハイドロプレーニング現象が、流水と車の速度、そしてタイヤの溝の状態で発生してしまうことになるのです。
 一度流されてしまうと、車はそのまま勢いに任せて流されていきます。へたをすると、車から脱出できずにそのまま水に呑まれてしまうことも起こり得ます。
 水が道路に溢れている状態では、車はかえって危険なことがあることを知っておいてください。

雨天時に初めてわかる摩耗タイヤの危険性(JAFのyoutubeチャンネルに移動します)

2.車は簡単に沈む

車が流される光景は水害関係の映像を見るとおなじみですが、車は簡単に沈む存在でもあります。
運転席や乗客がいる客室も完全防水ではありませんから、一度沈み始めると中まで水浸しになってしまいます。
最近は電動ウインドウが殆どですから、水で車の電気系統が駄目になってしまうと、ハンマーでもない限りは車から脱出できなくなります。
通勤経路でアンダーパスなどが存在している場合には、よくそこで水に突っ込むことがありますから、経路をよく考えて普段から意識するようにしないといけません。

3.吸気口に水を吸い込んだら終わり

クロスカントリーカーだろうがSUVだろうが、エンジンの燃焼構造は基本的に一緒です。
吸気口に水を吸い込んでしまったら、エンジンは動かなくなります。
よく水の中を移動している軍用車両があったりしますが、車の吸排気系は屋根の上に煙突のように突き出している道具(シュノーケル)があるから水の中をある程度まで移動できるのです。
吸気口が水面下になってしまったら、ほぼ100%動けなくなると思って下さい。

4.渋滞に巻き込まれる

田舎であれ都会であれ、車は道路を使って移動をします。
水が出るとその道路が寸断されてしまうため、あちこちで立ち往生する車が出てきます。
それに巻き込まれてしまうと、どうにも逃げようがなくなります。
早めの行動をすれば、そういった事態に巻き込まれる確率はかなり下がりますので、車で逃げるならとにかく早めの避難が重要です。

 普段はあまり意識していないのが水の怖さだと思いますが、車で被災すると非常に恐ろしい目に遭います。
 たくさん荷物が運べて雨にも濡れず、一時的な避難所の機能としても期待できる自動車。もしも車で避難するのであれば、人よりも早めの避難開始・避難完了をするようにしてください。

車両水没実験 ~増水時を想定した水没テスト~【JAFユーザーテスト】(JAFのyoutubeチャンネルに移動します)

冠水路走行テスト(セダンタイプ)【JAFユーザーテスト】(JAFのyoutubeチャンネルに移動します)

冠水路走行テスト(SUVタイプ)【JAFユーザーテスト】(JAFのyoutubeチャンネルに移動します)

水の特性とハザードマップ

 災害時に備えて、よくハザードマップを見ておこうという内容の話をします。
 ハザードマップは土砂災害特別警戒区域や土砂災害警戒地域、川の氾濫による浸水予想箇所などが記載されていて、災害に備えるときには非常に役に立ちます。

益田市のハザードマップの二条地区の一部の拡大図。河川氾濫は想定されていない地域なので、ハザードマップには土砂災害の情報だけが掲載されている。

 ただ、ちょっと気をつけておきたいのが内水氾濫といわれるもので、これは排水路の排水能力を超えた雨が降った場合に排水路から水があふれ出し、地域の低地を中心に水没してしまう状態を言います。
 この内水氾濫は情報は多岐に渡るためか、ハザードマップでもこれによる浸水情報を提供しているものは少ないようです。
 でも、水は高いところから低いところへ流れていくという特性が理解できていれば、とりあえずその地域でどこの土地が低いのかがわかればある程度の浸水予想場所はわかるわけです。
 山のてっぺんでもない限り、内水氾濫はどこでも起こりうることなので、地図をみて地域の低い場所を確認しておく必要があります。
 地図が読めない、あるいは読むのがつらい方は、国土地理院GSIMAPを使って色づけをすると一目でわかるものができます。
 この地図では、等高線を任意に設定できます。地域で低そうな場所はわかると思うので、その場所の標高を測ってそこから数メートル刻みで色を設定すると、一目で状態がわかります。

益田市の二条地区の例。標高70mを基準として、10m単位で色を変えている。周囲の谷から中央部の青い部分にかけて青色が濃くなり、低地になっているのがわかる。実際に中央部の水色部分では過去の大雨で床下浸水を起こしたことがある。

 オプション扱いの赤色立体地図をセットすると、よりはっきりとわかります。

赤色立体図にしてみると谷筋が集約しているのがはっきりと分かる。中央部の水色の部分は谷筋の水が集まることによって水没する危険があることがわかる。


 標高が高いからといっても洪水は起きる可能性がありますから、こういった地図を上手に使って、地域の安全性を確認していきたいですね。

国土地理院-GSI Maps(国土地理院のウェブサイトへ移動します)

医療と薬

 災害が起きたときに、どうかすると医療行為が止まってしまうことがあります。
 現在の医療行為はさまざまな場面で機械が無いとどうにもならなくなっているので、災害用の発電機が設置されてはいるのですが、災害の種類によってはその発電機が使えなくなることがあります。
 そうなると、医療機械だけでは無くて手続きや電子カルテに至るまで全てが止まってしまい、まともな診療ができなくなります。
 でも、例えば透析が必要な方などは待ってくれとなると生死の問題になります。
 そう言った場合には被災地以外の場所へ広域移動してもらって医療行為を受けてもらうのが現実的なやり方でしょう。
 被災した医療システムを復旧しようとしても、とても数日間で何とかなるものではありませんから、医療機器を使わないと命の危険がある方のために、医療機関は広域で連携しておいた方がいいと考えます。
 また、避難所での生活になったとき、医療体制が安定するまでの間は診察も検査も投薬もしてはもらえません。
 そのため、持病を持っている人は自分の薬をある程度非常用持ち出し袋に入れて置く必要があります。
 1週間から10日分くらいは予備があると安心です。
 かかりつけのお医者様に相談すれば、そう言った配慮をしてもらえることがありますので、ないと命にかかわるような薬を飲んでいる人は、事前に準備しておいた方がいいと思います。
 その上で、お薬手帳があれば、万が一かかりつけの医師や薬剤師との連絡が取れなかったとしても、そのお薬手帳に書かれている薬を見ることで、あなたを診てくれる医師や薬剤師はどのような症状でどのように薬を使っていたのかが分かって事故を防ぐことができます。
 生命に関するような医療行為や薬は、災害に対していくつも対策をしておいて無駄にはなりません。
 自分だけで対策をするのは難しいかもしれませんが、できる手を考えて打っておくことをお勧めします。

学校の危機管理

 文部科学省が各学校が持っている(はずの)危機管理マニュアルの見直し作業をするように通知を出しました。
 ただ、そうでなくても忙しい学校の教員にその作業ができるかどうかは正直疑問です。
 ちなみに、筆者が知っているいくつかの学校の危機管理マニュアルは、やたらと「適切に対応する」という文字が踊っていて、具体的には学校長を始めとする管理職のその場の判断に委ねています。
 こういったマニュアルだと管理職の存在や能力に依存することになります。管理職が優秀なら臨機応変に動けてよいのですが、管理職が事なかれ主義だったり、学校に不在の際に発生した危機については誰も対応ができないというまずい状態を招きます。
 でも、事細かく手順を書いておけばいいのかというと、そういったマニュアルではまず読んでもらえません。読んでもらえないならまだしも、最初から存在していないことにされてしまうこともよくあります。つまり、読んでいないマニュアルは普段存在していないのです。
 言い方は悪いですが、「あり得るかもしれない危機」は、毎日さまざまな「目の前の危機」に追われる教員の中では優先度がかなり低いのです。
 正直なところを書けば、マニュアルは現状でいいので教員の危機管理能力を底上げするのが一番いいのですが、今の状況を考えると望み薄です。
 そう考えると、子ども達の危機管理能力を上げていくしかありません。
 子どもに特化すれば、学校に頼らなくてもさまざまな場面でさまざまなやり方を使って教えていくことが可能ですし、子ども達の能力を嵩上げしていけば、やがて日本全体の災害対策が底上げされていきます。
 それで対応していくしか手がないのではないかという気がしています。
 もう一つ、教員は教育の専門家ではありますが、危機管理の専門家ではありません。
 学校の危機管理をまじめにやるのであれば、危機管理に長けた専門家を配置することも必要です。
 マニュアルだけ立派にしても、それが必要な状況になったときには役にたちません。
 とりあえずは、教員が危機管理ができるくらいの心の余裕が作れるような状況に環境を整えることが先決ではないかなと感じているのですが、あなたはどう考えますか。

【活動報告】災害ボランティアセンター運営者養成講座を受講しました

撮影許可を取っていないため、今回は看板だけ。

 去る6月22日、出雲市の朱鷺会館で島根県社会福祉協議会様主催の災害ボランティアセンター運営者養成講座を受講しました。
 災害時にボランティアを差配するボランティアセンターは、被災地の社会福祉協議会様を中心として設置され、被災地のさまざまなボランティア活動を支援する拠点となるところです。
 今回は4月に起きた松江市島根町の大規模火災で設置された災害ボランティアセンターの活動内容について松江市社協の方からお話を伺い、その後、日野ボランティアネットワーク様による災害ボランティアセンターの運営の考え方やコーディネートの方法の講習、演習などでボランティアセンター運営者としての立ち回り方について学習させていただきました。
 災害時に、被災地ではさまざまな形でボランティアが入って被災地支援を行うことになりますが、そのボランティアの調整や派遣、支援と言った業務は社会福祉協議会様だけで完結できるものではありません。
 縁の下の力持ちということで、目立たないけれど非常に大切な要となる災害ボランティアセンター。
 地元で災害が起きたとき、災害ボランティアとして従事することはもちろんですが、こういった支援側もお手伝いできるような研修体制を組まないといけないなと感じています。
 ともあれ、今回研修の場を設定していただきました島根県社会福祉協議会の皆様、講師をしていただきました松江市社協及び日野ボランティアネットワークの皆様にこころからお礼申し上げます。

【活動報告】自然体験会(初夏)を開催しました

 去る6月20日、みと自然の森で会員向けに自然体験会を開催しました。
 急遽の開催となったため、参加いただけたのが会員の一部になってしまったのですが、みと自然の森で川遊びをしました。
 ここの川は益田川の上流部になるのですが、地形上、雨が降ると一気に増水してしまうことがあります。
 そういったときにどう対処するかについて、空や山、川の様子を見ながら少しだけ説明し、あとは水遊びの時間。

川には何がいるかな?

 ちょうど川魚を見つけてしまって、子ども達は一気に捕獲モードに!
 2時間弱でしたが、たくさんの魚を捕まえていました。

網で魚掬い。上手に交代して魚を狙う。

 地元では「ドロバイ」と呼ばれるタカハヤ。結構すばしっこいのですが、彼らにとっては遊べる獲物だったようです。

捕まえたタカハヤ。時期的な問題か、まだそこまで大きいのはいなかった。

 食べても割とおいしい魚(あくまで主観です。そして骨はとっても硬い!)ではあるのですが、サイズが小さかったのでリリース。

石垣にいた蛇を捕まえる。

 他にも石垣に蛇がいたり、カエルが鳴いていたりと、のんびりした空気の中でちょっと早い夏の川遊びを堪能しました。
 参加してくれた会員の皆様にこころから感謝いたします。

飛散防止フィルムを貼ってもらった

 災害時には窓ガラスが割れて飛散して怪我をするということがよく起こります。
 最近では強化ガラスやペアガラスなどが主流になり、窓ガラスの強度自体はかなり上がっているのですが、それでも被災地に行くと割れたペアガラスや砕けた強化ガラスを見ることがあり、飛び散らないような加工は必要だなと感じています。
 特に、古い家屋では窓ガラスはさほど強度が無いので、住人を守るためにも飛散防止フィルムを貼っておいた方がいいと思います。
 割れても破片で怪我しないように、フィルムは部屋の内側に貼ることが大切です。そして、できるだけ空気やしわができないように丁寧に貼ること。
 そうすることで強度も上がりますし、見た目もきれいです。
 ただ、一つ問題になるのは、ガラス面が大きくなればなるほどうまく貼れなくなること。飛散防止フィルムはのりがついていて、それをガラス面にくっつけることでガラスの飛散を防ぐ構造になっています。ですが、のりの面をガラスにくっつけて貼り付けていこうとすると、風が吹いたりまくれたりして、のり面同士が貼り付いたり。一度くっつくと簡単には剥がれませんし、剥がれた場所はしわしわになってしまいます。
 というわけで、今回は飛散防止フィルムを貼るのに専門家に来てもらって、貼り方を教えてもらうことにしました。
 来ていただいたのは益田市美濃地町で「キラク内装」という内装屋さんを経営をしている澤木さん。
 さっそく貼り方について教えてもらいました。
 澤木さんによると、ポイントは次のとおり。

1.可能な限り、窓は取り外して作業する
窓を取り外して採寸する。原寸あわせだとフィルムが痛むので、計って切ってからの貼り付けとなる。
2.できるだけ窓の寸法に近いサイズでフィルムをカッティングしておく
一回りくらい大きめにカット。大きすぎると邪魔になり、小さいとカットが難しくなる。
3.窓ガラスの貼り付ける面はきれいにしておく
4.のり面どうしやガラスの変な場所にくっつかないように、石けん水をガラス面にしっかりと霧吹きで吹いておく
使用する石けん水の分量は、1リットルの水に対して合成洗剤1滴程度。それでのりの接着効果はきちんと止まるし、ガラスに貼った後に石けん汚れは出ないとのこと。
5.丁寧に貼り合わせ、空気や水はゴムべらを使って丁寧にしっかりと除去する

 いうことで、大きい窓ガラス4枚を1時間半程度で貼り終わってしまいました。

貼り終わったところ。肉眼では見えなかったが、フィルムの反射で一部が虹色になっている。


 作業工賃はそれなりにかかりますので全部を頼むわけにはいかないかもしれませんが、きれいでしっかり、手間なしでできる災害対策なので、風の当たる面や不安な場所だけでも専門家に貼ってもらうという選択肢もありではないかと思います。
 また、もし自分で貼られるときには、ポイントに注意すればそれなりにうまく貼れると思いますので、DIYでも上手に貼ってみてくださいね。

 キラク内装の澤木様、ご協力いただきありがとうございました。

防災グッズと日用品

非常用持ち出し袋の一例。家にあるものだけでも、実は結構作れたりする。

 防災のお話をしていると「防災グッズは高い」「場所を取るから用意できない」といった御意見をいただくことがあります。
 確かに御意見はごもっともです。防災グッズは汎用品に比べるとかなり割高ですし、普段使わないものを保管するのに場所も必要です。
 ただ、防災対策だから防災グッズで全て揃える必要はまったくありません。
 例えば、防災訓練などでよく出てくるアルファ米は軽くて大量に保管が出来、賞味期限も長く設定されています。
 その分1食あたりの単価は高くなっているのですが、これをご家庭で備蓄しておく必要があるかどうか。
 もちろんあるに越したことはないのですが、食べ慣れないアルファ米よりも普段食べている米を準備しておく方が負担も少ないですし更新も忘れずにできます。
 行政機関がアルファ米を整備しているのは、災害時にいきなり大量の食事を提供しなければならない状況が存在しているから。家で普段食べたり飲んだりしているのなら、何も無いという状況は少ないと思いますから、家にある食品を備蓄として上手に使えばいいだけの話です。
 水も同じで、個人宅では長期保存水を備蓄するよりも水筒や空のペットボトルを準備しておいて、災害時にそれに充填するようにしておけば用は足ります。
 必要なのは、全てを災害用として準備するのではなく、どこまで日用品を転用できるのか、どれは防災グッズとして専用で準備しておかないといけないかという交通整理です。
 日常生活で使っているものは殆ど災害時にも使うことができます。悩むのはトイレくらいではないでしょうか。
 トイレに関しては、普段から携帯トイレや非常用トイレを使って生活している人はいないと思いますので、いざというときに備えて防災グッズとして準備しておく必要があると思います。
 逆に言えば、それ以外は普段の生活の中にあるものを転用すればなんとかなるということです。
 普段の生活で使っている消耗品を少しだけ多く準備しておくことで、専用の防災グッズを買わなくても済みます。
 普段使いのものをどうやったら災害時に利用することができるのかを考えてみることも、災害対策としては面白いと思いませんか。