【活動報告】外遊びごはんの会を開催しました

 2022年2月27日に県立万葉公園で外遊びごはんの会を開催しました。
 当日は好天に恵まれ、総勢14名の子ども達がご飯づくりや秘密基地づくり、そのあとの自由遊びなど、さまざまな活動をして楽しみました。
 朝、一番最初は微妙に距離感のある子ども達でしたが、一緒に活動していくにつれて仲良くなってくれたみたいです。
 今回はプラスチッククッキングということでハイゼックス炊飯袋を使って炊飯してみましたが、説明通りに作っているはずなのに、できあがりはみんなまちまち。


 固いご飯から軟飯までさまざまなご飯となりましたが、みんな楽しそうに食べていました。
 一緒に作った豚汁はおうちによってかなり幅広い味の濃さの違いがあることがわかったりして、非常に面白かったです。


 このコロナ禍で、大勢の知らない子ども達同士が出会う機会がなかなか作れなくなっていましたが、ちょっとでも知らない子と一緒に遊ぶ楽しさを思い出してくれればいいなと思います。
 参加してくれた子ども達、会場の使用許可をくださった県立万葉公園、浜田から来てくれた臨時スタッフの皆さん。そして参加を許可してくれた保護者の方に、こころからお礼申し上げます。

地震、雷、火事、親爺

「地震、雷、火事、親爺」という言葉があります。
起こると怖いものの代表だそうですが、最後の親爺については、親爺では無く「大山嵐(おおやまじ)」だったのではないかとする説があるそうです。
親爺でも大山嵐でもどっちでも構わないとは思うのですが、筆者自身は「起こると怖いもの」の「起こる」が「怒る」に引っかけたしゃれなのでは無いかと思っています。
幕末の浮世絵では大山嵐ではなく親父が描かれていますので、その頃にはすでに親父だったようですが、語呂が良くて覚えやすいので、よく口にされたのではないかと思っています。
最近では親父の権威がほとんど無くなってしまったので、「怖いもの」には含まれなくなっているようですが、代わりに何を入れるのかでいろいろと面白い言葉を使うこともあるようです。
「地震、雷、火事」の後に続く怖いもの。あなたならはどんな言葉を入れますか。

地震、雷、火事、親爺」の語源が知りたい」(レファレンス共同データベースへ移動します)

浮世絵「地震、雷、火事、親爺」(消防防災博物館「其の四:地震、雷、火事、親父の話」へ移動します)

凍らせたペットボトルを準備する

 飲み終わったペットボトルに水道水を入れて冷凍庫で凍らせておくといろいろと便利です。
 保冷剤に比べると経費がかかりません。使用済みのペットボトルと水道水なので、割といくらでも手に入る材料です。
 そして、溶けたらそのまま飲料水に使うことができます。
 特に夏場などだと、クーラーボックスに入れておいて全体を冷やし、それが終わったら冷たい水として飲む。
 そうすると帰りは荷物が軽くなってご機嫌です。
 我が家では夏場は数を増やして用意しておき、涼しくなってきたら本数を減らしていますが、増減が簡単なので非常に助かっています。
 また、停電時に冷蔵庫の上部に入れておくと、しばらくの間冷気を維持してくれます。冷凍食品などを使うことはよくありますが、凍らせたペットボトルは、溶けた後も飲料水や生活用水にそのまま転用できるのが便利です。
 他にも発熱時にタオルを巻いて大きな血管を冷やしたり、暑い日の停電では、蓄電式の扇風機と組み合わせることで簡易冷風扇が作れたり、およそ冷やすことが必要なものには使うことができます。
 500mlのものを一本作っておくといざというときに重宝しますので、冷凍庫に余裕があるときにはやってみると便利だと思います。

紙コップで授乳する

 個人装備の中では普通のコップが入っていればいいと思いますが、ミルクを飲む子どもさんや衛生面で気を遣わないといけないような場合には、紙コップを準備しておくといいと思います。
 この紙コップと使い捨てスプーンがあれば、ほ乳瓶がない場合でもミルクを飲ませることが可能になります。
 ほ乳瓶は利用後に、「洗浄」→「消毒」→「乾燥」という手順を踏んでまた使うわけですが、災害後に水が不足する場合には、洗浄するための水が確保できないとほ乳瓶の衛生環境が保てないという問題が発生します。
 使い捨てタイプのほ乳瓶もありますが、一つの単価が高いことと、数日分の使い捨てほ乳瓶を持ち歩くのは、他のものを持って移動することを考えると現実的ではありません。
 そこで、紙コップに入れたミルクをスプーンで飲ませるという代替案が登場してきます。
 紙コップも使い捨てスプーンもさほど場所はとりませんし、衛生的にも管理がしやすいものです。
 ただ、これはあげる親ももらう子も練習しないとうまく行きませんので、普段の授乳の中で取り入れてやってみてください。
 母乳の方も同様で、災害後には心労やストレスから母乳がでなくなることもありますので、ミルクを飲んでくれるのかもあわせてやってみて欲しいと思います。
 紙コップでの授乳はあくまでも非常手段です。
 ただ、このテクニックを知ってできるかどうか試しておくことで、その後準備するものがいろいろと変わってきますので、できる範囲で試してみてくださいね。

まず上を見る

写真のような豪華な天井は、地震時には凶器になりうる可能性がある。

 あなたのお出かけ先で地震が起きたとき、あなたはまず何をしますか。
 建物外に逃げ出すとか、その場でダンゴムシのポーズをとるとか、柱のそばによるとか、人によっていろいろだと思います。
 また、あなたがいる場所がどんなところなのかによっても変わってきます。
 一つだけ共通して言えるのは、まずは上を確認するということです。
 地震の際に危険ものはいろいろとありますが、もっとも危険なものは上からの落下物です。高さがあるところからの落下物に直撃されると、場合によっては死んでしまうこともありますので、まずは頭上の安全を確認して下さい。
 まずければ、揺れていても少しでも安全な場所に移動しなければ危険です。
 逆に頭上に何も無ければ左右の安全を確認し、それでも大丈夫なら危険はかなり少ないと言えます。
 避難訓練で防災ずきんやヘルメットを被るのは、それだけ頭上から落ちてくるものが驚異ということですので、まずは頭上の確認を行います。
 気持ちに余裕があるようなら、移動しながら頭上の確認をするくせをつけておくと、いざというときの動きが早くできます。
 身を守る行動といういわれ方をしますが、その一番最初は頭上の安全確認。
 これを覚えておいて欲しいと思います。

マニュアルとパクリ

 学校や施設には必ず災害対応マニュアルが備え付けられているはずですが、そこにお勤めの方でそれを読んだことがある人はどれくらいいるでしょうか。
 マニュアルというのは、作業手引きのことですから、読んで中身が理解できるようになっていないと役に立ちません。
 ところが、作られたマニュアルを見ると、本当にこれで大丈夫なのかと思うものもたくさんあります。
 とあるところでは、なぜ災害対応マニュアルが必要なのかということや、作成した意義などが延々と書かれているのに、実働の部分では『管理者が判断する』としか書かれていないものがありました。
 確かに最終判断や起きたことの責任は管理者が行うべき性格のものですが、得てして管理者不在のときに災害対応マニュアルを見たいといけないような大きな出来事が起きたりします。
 災害対応マニュアルは「誰が」「どのタイミングで」「何を」判断し、「どこまで」「どのように行動するのか」について、誰が責任者になったとしても判断が可能なものを作っておかないと意味がないことになります。
 また、非常に良くできているマニュアルもあったのですが、その施設には無いはずの高層階からの避難手順が記載されていて、どこからか内容を拝借してきたのだなとわかることもありました。
 パクることは著作権法で定める範囲を守る限りはまったく問題ありません。
 よいものはりどんどんまねるべきですし、そうすることでより現実的なマニュアルが整備できます。
 ただ、パクった中身はしっかりと確認しておかないと自分のところとは合わない場所が必ず出てきますし、いざ本番でトラブルになるのも、そういったところだったりします。
 マニュアルは現実の行動に即して作成し、パクったら中身を必ず自分のところにあわせてカスタマイズすること。
 そして、出来上がったら実際にそのとおり行動してみることで、マニュアルにあるもの、ないもの、追加記入がいるもの、削除すべきものが次々に出てきます。
 防災訓練を経て、災害対応マニュアルをより実戦に即した形にしていくことが大切なのです。
 どこから拝借してきてもいいのですが、それをそのまま使ってお茶を濁すのでは無く、自分のところにあった内容に書き換えていく手間は惜しまないようにしてほしいと思います。

仕事と家族の行動

 あなたがお仕事をしていらっしゃる方だとしたら、あなたのお仕事は災害が発生した後、どのような対応をとるのかについてご存じだと思います。
 発災後すぐに帰宅できる方、発災後すぐには無理だがその日のうちに帰宅できる方、発災後ある程度落ち着くまでは帰宅できない方。
 お仕事によっていろいろだと思います。
 もしあなたが災害が起きたら家に帰れないようなお仕事をしているのであれば、家族がどのように動くのかについてしっかりと話をしておくことをお勧めします。
発災後は仕事に追われるものですが、家族が気になっているとなかなか仕事に集中できないものです。
 でも、家族がどのように行動しているのかがあらかじめ話してあれば、「現在はたぶんああいった行動をしている」というようなイメージができますから、ある程度落ち着いて仕事ができます。
 仕事が一段落して家族と合流しようと思った時も、家族がどこにいるのかはある程度予測ができるので、無駄な動きもしなくて済みます。
 また、家族にも帰れないことを宣言しておくことで家族もそのつもりで行動をするでしょうから、あらかじめの動きはしっかりと決めておいてください。
 その情報を家族で共有することで、より安全な行動が取れるようになると思います。

アルコール消毒とストーブ

 ストーブに限りませんが、火を扱っているときにアルコール消毒をするときは、火の周りには吹かない、かけない、拭かないを気をつけてください。
 当たり前だと思われることも多いと思いますが、火がついていることを意識せずにアルコール消毒を行って引火するということが起きないとも限らないからです。
 言うまでもありませんが、アルコールは可燃物です。アウトドアで直火を使う人なら、助燃剤や着火剤にアルコールが使われることをご存じなのではないでしょうか。
 アウトドアの現場でよく起きる事故の一つに、燃焼中の着火剤追加による引火というのがあります。
 アルコールは気化が早くて燃焼温度も低いことからとても着火しやすいものなのですが、火がうまくつかなかったり急いで火を大きくしようとして容器のまま着火剤を投入しようとして引火事故になっています。
 このコロナ禍でアルコール消毒はどこででも見るようになりましたが、使われる際にはくれぐれも火元に注意してください。

バケツのフタはありますか

 バケツの無いおうちもあるとは思いますが、できれば最低一つ、バケツは準備しておいてください。
 災害後、断水になったときにはこのバケツで水やお湯を運んだり、トイレが使えなければ汚物を入れたり簡易トイレに使ったり、洗濯や床下などの泥の運搬に使うこともできます。また、小さな子どもであれば、バケツにお湯を張って簡易浴をすることもできますので、小さなお子さんがいるおうちでは、優先度は結構高いと思います。
 バケツの大きさはいろいろとありますので、あなたが水を一杯に張って運べる程度の大きさのものであれば良いと思いますが、用意するバケツには、できればフタもつけるようにしてください。
 バケツにフタがついていると、吸水された水を運ぶときもこぼさなくて済みますし、汚物を入れるときにも臭いを封じ込めることができます。
 基本的にフタはばら売りになっていることが多いので、バケツを買うときにサイズを合わせて一緒に買うとサイズを間違えなくて済みます。
 単品では使い道がないバケツのフタですが、バケツとセットになると非常に使い勝手のよい道具になりますので、もしこれから備えるのであれば、一緒に購入しておくことをお勧めします。

間違えやすい生き物たちと防除

 家庭菜園などを荒らす生き物が出ると、その対策をする必要が出てきますが、その際に重要となるのは荒らしている敵を知ることです。
 当研究所にご相談いただいたとき、現地の痕跡や被害にあったもの、場合によっては監視カメラなどでそれが何かを判定していますが、相手を特定しないと効率的な対策が取れません。
 荒らしている相手を特定して、相手に応じた対策を取らないと、対策をしても意味がないと言うことになりますので注意が必要です。
 今回は石西地方で家庭菜園に出没する、見間違えやすい動物についてご紹介します。   使っている写真はいずれも大田市の三瓶自然館サヒメルに展示してある標本です。

1.タヌキ

 人里周辺の雑木林や藪林に住んでいます。木登りは得意ではありませんが、ある程度登ることはあるようです。
 雑食性で、木の実や果実、昆虫や小型動物の他、ゴミや残飯なども食べます。
特徴的なのはため糞をすることで、被害地の周辺を探してこれがあるとタヌキの犯行と予測することができます。
 後述のアナグマやアライグマとよく間違われます。

顔:目の周りが黒く、アライグマと間違われることが多いです。
体色:濃い茶色のことが多いです。
尾:太くて短め、縞模様はありません。尾が縞模様だと、アライグマになります。

2.アナグマ

 人の住んでいるところの近くの雑木林や藪林に住んでいて、よくタヌキと間違われる生き物です。
 雑食性で、人家の周辺ではゴミや残飯なども食べます。
 名前のとおり、頑丈な爪で穴を掘って生活しており、場所によっては何世代にもわたって掘られた穴に住んでいることもあります。
 木登りはへたくそですが、太くて短い足と長い爪は穴を掘ることに非常に向いています。

顔:目の周りが縦長で黒くなっています。
体色:薄い茶色
尾:割と細くて短く、縞模様はありません。

3.アライグマ

北米原産でとあるアニメブームで日本に入ってきたものが野生化した特定外来生物です。
見た目は非常にかわいいのですが、凶暴で危険です。
雑食性で運動能力も高く、水が平気なことから昆虫や小型動物だけでなく水中に住む両生類や魚もえさになります。
木登りが得意で、器用な前足を持っており、わずかな隙間からでも侵入することができます。

顔:眉間から鼻筋にかけて黒くなっています。
体色:茶色から灰色まで茶系統でさまざまな色があります。
尾:長くて太く、縞模様がある。

4.ハクビシン

外来生物か在来種かで揉めることもある小型の動物です。
木登りが非常に得意。住宅の屋根裏を巣にすることがあり、糞尿による悪臭や足音による騒音が起きることがあります。
植物中心の雑食性で、果樹が好物であることから、果樹園などで被害が起きることがあります。

顔:ハクビシンという名前のとおり、おでこから鼻にかけて白い筋が通っています。
体色:頭部は黒、胴体部は灰色から薄茶色であることが多い。
尾:細長く、尾の根元から少し離れると濃い色に変わる。

それぞれに特徴があって対策も異なるのですが、共通する対策は次のとおりです。

1.えさを与えない

 野生動物は基本的にえさがあるのでやってきます。
 えさがなくなれば来なくなりますので、収穫物は全部採ること、生ゴミや摘果した作物を放置しないことが大切です。
 また、餌付けは絶対に止めましょう。


2.防護柵の設置

 野生動物のえさは人間にとっての収穫物でもあるので、撤去ができない場合もあると思います。
 その場合は、収穫までの間収穫物の周囲を防護柵で囲ってしまうのが一つの手です。
 ただ、トタン柵もメッシュ柵もちょっとした足場などがあると登って突破されてしまうので、防護柵を設置するときには注意が必要です。
 電気柵を正しく張るのが一番効果的ですが、張り方にコツが必要なのと、導入費用がある程度高くつくのが難点です。
 たまに家庭用電源から直結して電気柵を作る人がいますが、誤って人が触れると死んでしまうことがありますので絶対に止めてください。

3.生息場所の撤去

菜園の周囲の見通しがよいと、野生動物は警戒しますので、周辺の草刈りや藪の撤去、山の抜開などをすると効果が大きいです。
家の屋根裏や床下などに巣を作ることがありますので、定期的に点検して穴を塞ぐようにしてください。

4.捕獲

上記の3つをやっても駄目なら捕獲という手段を使います。捕獲では小型の箱わなを使うようにしてください。
箱わなを設置しても、猫など駆除対象の生き物以外もかかることが非常に多いので、毎日の点検と管理は欠かせません。
また、一定の条件を満たしていない場合には必ず有害生物捕獲許可が必要になりますので注意が必要です。

 収益を得るための農業であればともかく、家庭菜園にはなかなか手がかけられないかもしませんが、これらの生き物を放置すると数が増えて手に負えなくなってきます。
 見かけてから対策をするのではなく、いるかもしれないと思って事前に対策をしておくといいのではないでしょうか。

 有害生物対策で詳しいことが知りたいと思った方は、島根県中山間地域研究センターのウェブサイトをご覧ください。


各種の対策パンフレット(島根県庁中山間研究センターのウェブサイトへ移動します)