【活動報告】高津小学校で防災クラブを開催しました

 2024年1月31日に、益田市立高津小学校で、今年度最後の防災クラブがありました。
 今回は、最初にクイズをし、それから正解のない答え探しというタイトルで、二つの問題を考えてもらいました。
 一つは800人いる避難所に届いた700個のロールケーキをどうするかをそれぞれ個人で考えてもらい、どう考えたかを全員に聞いてみました。その後、避難所が必要か必要でないかを二つのチームに分け、それぞれの立場から考えてもらいました。
 災害時には、さまざまな考え方でさまざまな人が動きます。その行動に後付けで文句を言うのは簡単なのですが、その時に最善を考えて行動するのなら、それが正解なんだと言う話で、一年を締めくくりました。
 一年間、よくわからないクラブ活動に参加してくれた子どもたちと、担当の先生、手伝ってくれたスタッフの皆様に、改めて感謝します。
 ありがとうございました。

【活動報告】高津小学校防災クラブを開催しました。

 2024年1月17日、午後は高津小学校の防災クラブ。
 前半、能登地震のお話を少しだけして、寒い時期にどうやって保温するかということで、ごみ袋を使った防寒着づくりをやってみました。
 毎年いろいろな防寒着ができるのですが、今年の流行は袖付き。
 そしてポケット付きとなったようです。
 部屋を暖めることも大切ですが、身体が作った熱を逃がさないこともとても大切です。空気を遮断できるゴミ袋は、体の内部の熱をそのまま閉じ込めてくれるので、思った以上に暖かいものです。おしゃれに、個性を出しながら、しっかりと暖かいものを作り上げていく子ども達。
 いざというときに思い出してほしいなと思います。
 今回参加してくれた子ども達、そして担当の先生に、こころから感謝します。

【活動報告】青原小学校避難訓練を見学しました

 2024年1月17日、津和野町立青原小学校にて、地震からの避難訓練について見学させていただきました。
 生徒さんの数は少ないですが、淡々と、そしてきびきびと準備し、避難している光景はいざというときにも大丈夫だろうなという安心感を持たせてくれるものでした。
もちろん絶対ということはありませんので、引き続きしっかりとした訓練は必要だと思いますが、身を守るための避難訓練が校風になるような学校になればいいなと思います。
 また、見学後には管理者である校長先生、教頭先生から山のような質問もいただき、知っている事例を交えながら、わかる範囲で一生懸命こちらも説明させていただきました。
 避難訓練実施後に管理職の方から詳細な意見を求められることはほとんどないので、正直なところ驚くやらうれしいやらです。
 引き続きできる範囲にはなりますが、関りを持っていけたらいいなと思っています。
 この度見学を快くさせてくださいました青原小学校の皆様に、こころから感謝します。

【お知らせ】ペット防災講習会を開催します。

能登半島で起きた大きな地震に被災された方にお見舞い申し上げます。

まだ全容がわかっていない状態ではありますが、現地の一刻も早い復旧と災害関連死がでないことを願っています。

ところで、災害のたびに問題にされるのがペットのことです。

もしあなたのおうちにペットがいたとしたら、災害発生時にそのペットをどうするかを考えたことがありますか?

また、避難してくるペットを受け入れる避難所や自主防災の方は、そのとき自分たちがどのようにすればいいのか、しっかりとわかっていますか?

今回はNPO法人人と動物の共生センター、NPO法人全国動物避難所協会の理事長である奥田順之先生とオンラインでつないでペット防災について一緒に考えてみたいと思います。

後半では、「ペットの防災・あなたの防災」として、いざというときを想定したワークショップを行います。

申込不要で参加費は無料となっていますので、この機会に災害時のペットについて考えてみませんか?

あなたのお越しをお待ちしております。

日時:2024年1月27日13時30分~15:30

会場:島根県芸術文化センターグラントワ多目的ホール

参加費:無料

※詳細はチラシをご確認ください。

【活動報告】高津小学校の避難訓練を見学しました

2023年11月7日に益田市立高津小学校で開催された避難訓練を見学させていただきました。
この小学校では年に2回大規模な避難訓練をしているのですが、今回は国道9号バイパスの脇に作られた緊急避難場所に生徒の半分が避難するということで、元々計画されている翔陽高校の校庭と二手に分かれての避難となりました。
地震発生、校舎からの避難、そして津波発生に対して高台への避難と3つの課題をどうやってクリアするのかを見ていきましたが、地震発生想定時に何の退避行動もとらないクラスがあったり、整然と並んで避難させようとしたり、校庭で全員が揃うまで待つなど、学校の訓練ならではの光景を見ることができましたが、生徒よりも先生の訓練について、少しやり方を変える必要があるのではないかと感じました。
また、今回避難場所として避難してみた、道路わきに作られた緊急避難場所は、ただの場所提供のために簡易照明以外何もないスペースです。
管理者が国土交通省となるため、市役所も具体的な何かができるわけではないとのことで、ここに避難した後、どのように移動してどのように引き続きの安全を確保し続けるのかについて行政機関同士の調整も必要なのかなという印象を受けました。
ともあれ、毎回、訓練のたびにいろいろな改善点を講評として挙げており、ほんの少しずつですが改善はされてきています。
せっかく訓練するのですから、訓練のための訓練ではなく、自分の安全を確保するための訓練になるといいなと思っています。
今回避難訓練の見学のお声がけをしてくださった高津小学校の先生方に感謝いたします。

【活動報告】高津小学校防災クラブを開催しました

 2023年10月11日、益田市立高津小学校で防災クラブを開催しました。
 今回は「ストローハウスを作ろう!」。
 ストローとクリップを使って構造物を作り、揺らして強度を確かめるまでがこのプログラムなのですが、1時間ではそこまでたどり着けないので、構造物を作るまでをやってみました。
 当日の子ども達の反応は、最初あまりよくなかったのですが、ストローとクリップで何かを作ってみるという発想が面白かったらしく、参加してくれた子供たちは楽しそうに組み立てをしていました。
 ただ、このプログラムは楽しめる子とそうでない子の差がはっきり出ます。器用さがなければなかなかうまく出来ません。
 三角形を基本にして組み立てていくということを最初に説明して作り上げていくのですが、なかなかうまくできず、あきらめてしまう子も出てしまいます。

 でも、終わってみると三角形を組み合わせた面白い形や、巨大な三角形を作ったりと、それなりに楽しんでもらえたようです。
 毎回どうやって伝えたらうまく伝わるだろうかと思いながら開催しているこのプログラムですが、参加してくれる子みんなに楽しんでもらうためには、もう少し講師側の技量がいるなと感じています。
 今回参加してくれた子ども達、そして担当の先生に、こころから感謝します。

【活動報告】高津小学校防災クラブを開催しました

 2023年9月20日に益田市立高津小学校で防災クラブを開催しました。
 今回は前回に引き続き救急救命のやりかたです。前回は心肺蘇生法とAEDの使い方をやりましたが、今回は外傷の手当てと安全地帯への搬送法です。
 夏休みが間に入ったので、まずは地震が起きた時にどうするのかということについて、過去のクラブの内容を思い出しながら実際に警報音を出して行動してもらいました。
 全員が机の下に入ったのですが、小学生は体の大きさがまちまちで、机の下にきれいに潜ることができた子もいれば、身体の大部分がはみ出している子もいて、いざというときどうしようという意見が出ました。
 なぜ机の下に入るのかを考えてもらったら、全員が「落下物から身を守る」と答えてくれたので、実際に頭上を確認し、どんなものが落ちてきそうなのかを確認してみました。
 大切なことは、警報が鳴ったら、すぐに頭の上や周りから落ちてきたり倒れてくるものがないかの確認をすること、そして、落下物から身を守るためには、とにかく頭を優先して守ることについて説明をしました。行動を教えることも大切ですが、なぜそうしなければいけないのかをしっかり理解してもらっておかないと、いざ地震のときには身を守れない行動につながってしまいますので、その行動を取る理由について、しっかりと考えてもらえたと思います。
 その後は、外傷の手当て。大地震が発生して大規模な被害が出ると、病院が非常時状態に入ることや、トリアージについて説明し、軽いけがは自分たちで応急処置することで悪化を防ぎ、結果的に助かる人が増えるということをお話しました。その後、二人一組で実際に圧迫止血法から包帯による固定までをやり、普段使ったことのない包帯に悪戦苦闘しながらも、なんとか無事に止めていました。
 それから、安全地帯への搬送ということで二人一組でやってみたのですが、これが案外と難しかったようで、あちこちでどうやると運びやすいかについて話し合っていたようです。
 最後は担架による搬送ということで、実際に学校に備えられている担架を使って搬送をしてみました。
 子どもたちからの要望で2回やってみたのですが、2回目の患者役が担架の上でじっとしていなかったことから危険と判断し、搬送を中止してスタッフがそれを引き取りました。
 参加した子供たちからは「担架に乗っている人が動くと運ぶのが難しい」という話から、「ケガで痛くて暴れる人をはこぶのは難しそう」「やってみないとわからない」といった意見を出してもらいました。
 時間いっぱいまでしっかりといろいろな体験をしてもらいましたが、本番時にケガをしたり、ケガしている人を見かけたら、今回のような技術を使ってうまく助かってほしいなと思います。
 今回参加してくれた子ども達、そして担当の先生、いつも手伝ってくれているスタッフに、こころから感謝します。

機能を止めない方法を作っておく

どのようなお仕事でも、その仕事が無くなったら困るという方が必ずいるはずです。
特に人にかかわる仕事の場合には、災害でその機能が止まるとさまざまなところに大きな影響が発生しますので、平時に対策をきちんと立てておくようにしてください。
特に保育園やこども園といった小さな子供を預かる施設、高齢者を受け入れるデイサービスなどは、その機能が止まってしまうと家族はその世話をすることになってしまって、おうちの片づけすらできないことになってしまうので、代替策を準備し、災害が発生した時には速やかに代替手段に切り替えるようにして、家族が復旧に専念できるような体制を構築しておく必要があります。
そのためには、保育園やこども園、デイサービスといった施設の職員さんのおうちの災害対策がしっかりとできていなければなりません。
施設のBCPはその施設だけで完結するものではなく、施設にかかわるあらゆる人やもの、組織といったところも含めての対策を作る必要があります。
施設だけではなく、さまざまな企業や組織においても同様です。
自分のところの仕事だけでなく、周囲の人やもの、組織とも連動してBCPを構築することが、地域の素早い復旧のための重要な項目となります。

避難所の準備はできているか

日本の災害でもっとも進化していない部分は、ひょっとしたら避難所なのかもしれません。
写真や絵が残っている1888年の磐梯山噴火の写真と、1959年の伊勢湾台風、そして2011年の東日本大震災、それぞれを比較すると、ほとんど同じ状況であることがわかると思います。
体育館などの広い施設に避難者が雑魚寝。プライバシーもなく、情報も生活用品の配布もでたらめ。トイレは汚くて衛生環境もかなり劣悪。
新柄コロナウイルス感染症の蔓延によってソーシャルディスタンスという言葉が生まれ、初めて避難所がすし詰めにならない状況が生まれましたが、今度は避難所に避難できない避難所難民が発生している事態になっています。
最近では自宅避難が前提だということになって、できるだけ避難所への避難者を減らす方向で国も広報を進めていますが、自宅避難できない地域もたくさんありますので、避難所にどのように収容するのか、そして避難所での生活環境をどれくらい快適なものにできるのかは引き続きの課題になっていると思います。
人によっては避難所を快適にすると避難所から出ないという人もいますが、災害という非常事態で、さらにプライバシーがなく、生活用品や生活リズムが自分の思うようにできない環境では、心身ともに疲弊してしまうのは、災害からの復旧には大変なマイナスになるということを忘れないでほしいと思っています。
海外では、大規模災害が起きるとすぐに仮設住宅などが設置され、長期にわたって避難所での生活を余儀なくされるケースは年々少なくなっています。
これは災害からの復旧にはその人が疲弊しない生活環境の確保が必要だと考えられているからではないでしょうか。
避難所を現状のまま長期間運用する気であるなら、それなりの生活環境を維持できるような整備が必要となります。
避難所の準備、当事者も管理者も、平時にしっかりと考えて準備しておく必要があるのではないでしょうか。

マニュアルはできるかぎり具体化する

 学校や施設、企業などでは、基本的には災害時の対応マニュアルが作られているはずですが、あなたはそれに目を通したことがありますか。
 もしも目を通したことがあるなら、書き方がどうなっていたのかを思い出してください。例えば避難なら「近くの公園や施設に避難」といった抽象的な書き方か、「〇〇公園の〇〇に避難」といった感じで具体化されていたでしょうか。
 面倒くさいことと時間が取れないこと、そしてわからないことや責任問題に発展することを恐れてだと思うのですが、防災マニュアルではとにかく抽象的な書き方をすることが非常に多いです。
 ただ、抽象的に書くと、いざ災害の時には非常に悩むことになってしまいます。例えば、具体的にどこへいつまでにどのように避難するのかがしっかりと明記されていないと、避難すべきタイミングを失ってずるずると逃げ遅れることになります。
 緊急時に備えたマニュアルでは、より具体化し、単純化しておくことが大切です。
 防災マニュアルを備える前提は「命を守ること」、そして「被害を軽減化する」ことですので、何を最優先するのかを取り決めたうえで内容を具体化してマニュアルは作成しておきましょう。
 作るまでは非常に手間がかかりますが、一度作ってしまえば毎年きちんと見直すだけで災害時の行動基準となるマニュアルが手元にあることになり、災害時から復旧、復興時の手順がはっきりとわかり、手順が組みやすくなります。
 また、もしもその防災マニュアルを使うことがあったなら、状況が落ち着いてから内容に足りないものがなかったかや段取りはうまくできていたかなど、次回に備えた検証と反映をしっかりと行っておきましょう。
 担当する各省庁がそれぞれの所管に応じて防災マニュアルのひな型を作っていますが、あれは必要最低限の記載がされているだけですので、実際には自分のところにあわせたカスタマイズが必要になります。
 ひな型に文字を入れて出来上がり、ではなく、その内容も含めてしっかりと検討し、自分のところにあった具体化されたマニュアルを備え付けるようにしてください。
 マニュアルができたなら、そのマニュアルはしっかりと所属する全職員に情報を共有化しておかなければなりません。全部覚えることができないとしても、マニュアルがどこにあってどのページを使うのかがわかれば、非常時には心強い存在になりますので、作成から共有化する作業までを一連の流れとして、しっかりと整えてほしいなと思います。