【活動報告】都野津まちづくり協議会様で防災講話をしました

 2022年4月28日に、江津市都野津町の都野津まちづくり協議会様で、地域の方を対象に防災講話をさせていただきました。
 ご依頼の内容は「胸を張って助けてもらうには」。
 普段の防災講演会では救助の話ばかり出てくるのですが、助けられる方はどうしても負い目を感じてしまうので、胸を張って助けてもらうことができるようなお話をしてくださいとのことで、助けられる側の助けてもらうための準備や心構えについて1時間半に渡ってつたない話をさせていただきました。
 当日は江津市役所様の協力で、実際に使用する段ボールベッドやパーテーションセットも組み立てて展示してもらい、簡易トイレについては参加者の方に実際に設営してみてもらいました。
 助けてもらうためには、自分がなにを助けて欲しいのかを明確にしておき、助けてくれる人にきちんと伝えておくことが大切です。
 そして、地域に自分の存在をアピールしておくことで、いざというときに思い出してもらえるようにしておくことも、捜索時の優先順位を上げてもらうためには重要です。
参加された方に少しでも何か持って帰ってもらえるといいなと思いながらお話をさせていただきました。
 お忙しい中ご出席いただきました皆様、展示にご協力いただいた江津市役所の担当者様、お声がけいただきました都野津まちづくり協議会様、当研究所をご紹介いただきました県社会福祉協議会の当時の担当者様にお礼申し上げます。

仮設トイレと簡易トイレと携帯トイレ

これは仮設トイレ。おうちのトイレほどではないかもしれないが、それなりに快適。

 イメージがごっちゃになっているかもしれませんが、仮設トイレは現場事務所に置かれているような、独立したトイレのことです。
 くみ取りもでき、移動もできて災害後の避難所では結構よく見るトイレです。


 仮設トイレは、便器はあるが排泄物の処理をその都度行わないといけないトイレです。汚物を流したり貯めたりするのではなく、一回ごとに汚物袋をセットして、用を足したら凝固剤を入れ、汚物袋の口を縛って処分し、新しいものに取り替えるものです。
普段使っているトイレが使用禁止になってから仮設トイレが届くまで、さまざまな形で利用されます。
 そして携帯トイレは、便器はなく、消臭袋と凝固剤が一体になっていて簡単に持ち運びのできるもの。
 ざっくりとしたイメージになりますが、仮設トイレは行政などが手配するちゃんとしたトイレなのに対して、簡易トイレや携帯トイレは行政だけでなく、個人や自治会などでも準備しておく必要のあるものと考えてもらえばいいと思います。
 で、目隠しテントと簡易トイレを展示しておくと、よくいただく質問に「簡易トイレを持って避難するのは難しい」というものがあります。
 確かに、少しでも荷物を減らしたいときに簡易とはいえ便座まで持って避難しろというのはかなり難しい話です。
 ただ、ここで書いておきたいのは、避難のときに便器までは準備しなくてもよいというものです。
 あなたがトイレを使う頻度を考えてもらえればわかると思いますが、頻繁に使うのは小さい方で、大きい方は下痢でもしていないかぎり1日に数回程度ではないでしょうか。そうすると、数の多い小さい方に備えておけばいいということになります。
 小さい方はそこまでの場所をとりませんから、便座がなくても排泄は可能です。汚物袋と凝固剤さえあれば、とりあえずの排泄はできるわけです。

携帯トイレの例。男女兼用とかかれていても、大小兼用は少ないので注意が必要。

そして、簡易トイレは、大きい方でも小さい方でも、一回ごとに汚物袋を取り替えなければいけません。すると、小用まで避難所の備蓄品で対応しようとすると少々汚物袋を準備していてもあっという間に備蓄が底をついてしまいます。
そのため、携帯トイレを準備して、少しでも簡易トイレに負担をかけないようにしておく必要があるのです。
簡易トイレは大きい方用、携帯トイレは小さい方用と考えてもらえば良いと思います。
実際、携帯トイレとして売られている商品は殆どが小専用となっていて、大に対応しているものはごく少数です。そして、小専用は軽くてコンパクト。
女性は慣れないと使えないと思いますが、簡易トイレほどの設備がいらないので、非常用持ち出し袋にある程度入れても邪魔になりません。
避難する人が各自で小用を1日分持参すれば、それだけでも備蓄の消費量にはかなりの好影響を与えますし、避難中にもよおしても我慢せずに使うこともでき、精神的に落ち着けると思います。
もちろん、大小兼用の携帯トイレもありますので、それを持っていればより安心なのは間違いありません。
非常用持ち出し袋を作るときには、とりあえず1日分の小用携帯トイレを意識して準備しておくことをお勧めします。

子どもの避難と保護者のお迎え

 学校やスポーツクラブ、学童クラブなどにいた子ども達が災害にあったら、子ども達をどのようにして保護者に引き渡すのかをルール化して保護者と情報共有ができているでしょうか。
 災害で避難した子ども達は、恐らくみんな不安になっていると思います。
 保護者の顔を見るとほっとするのではないかというのは、なんとなくイメージができるのではないでしょうか。
 ただ、知りうる限りの施設では、避難や避難先は内部で共有されていますが、保護者や外部には公表されていないのか、いざというときにどこに避難していて、迎えにいけばいいのかを把握してる保護者はすくないような気がします。
 これは少しだけ困った話で、子どもを引き取る保護者側はこどもがどこにいるのかさっぱりわからずに被災地内を駆け回ることになってしまいます。
 学校もそうなのですが、できる限り保護者も避難訓練に参加してどのような訓練をしているのかをきちんと確認しておいた方がいいと思います。
 そうすれば、どこに避難する可能性があるのかがわかりますので、こどもの居場所も予測しやすくなるはずです。
 被災後は、できるだけ早めに子ども達を保護者に引き渡さなければならない。
 そのことを念頭において、さまざまな会議や文書で保護者には知らせておいて欲しいなと思います。

非常口の鍵

鍵の開け方は書いてあるが、小さいのでいざというときには読めない。

 災害だけでなく火災のときにもとても重要になるのが非常口です。
 普段はスタッフ専用出入口になっているか、もしくはまったく使わない純粋な非常用として作られている非常口の扉には、ほぼ確実に鍵がかけられています。
非常時にはこの鍵を解放して脱出するのですが、実はこの非常口の鍵は解除するのに決まったルールがないため、非常口を使う事態になったときには焦りながら鍵の解除方法と格闘することになります。
 カバーを外してロックを解除するといった単純な作業でも、焦っているときにはなかなかうまくいきませんので、そういった場所にでかけたときには、念のために鍵の解除方法を確認しておいたほうが安心です。
 本当のことをいえば、非常口には鍵はかけないのが一番いいのですが、非常口を使ってさまざまな悪事を働く人が出ることを考えると、そういうわけにもいかないみたいです。
 ちょっとしたことなのですが、そういった細部の確認が一秒を争うときにはとても重要になりますので、非常口の鍵、ちょっとだけ意識しておくことをお勧めします。

夜間の予報を気にしておこう

雨雲レーダーのエコーを見てみると、あちこちで線上降水帯ができていて、結構な雨が降っているようです。
大きな被害が出ないことを祈りますが、とりあえず人的被害が出る前に避難行動をとるようにしてください。
ところで、避難するときに一番怖いのは何だと思いますか。
さまざまなご意見があると思いますが、筆者自身は闇だと思っています。
日没から日の出前の間、いわゆる夜の間、大雨が降るときには暗闇と雨で非常に視界が悪くて周囲の様子がわかりません。
車を運転する人であれば、大雨の中での運転では、ライトをつけていても危険を感じたことがあるのではないでしょうか。
そんな状態でいざ避難といっても、避難指示が出てから逃げ出したのでは事故に遭いかねません。
避難所が遠かったり、自分の目や足に不安のある人は、気象庁などの予報で危険な期間が夜にかかっているのであれば、明るいうちに安全な避難所へ避難してしまいましょう。
そうすれば、いざというときにも慌てずに過ごすことができます。
そして、夜が明けてから家に帰れば、周囲もはっきりと見えて安全です。
さまざまな事情はあると思いますが、早めの行動で損をすることはありません。避難所を設置する方は大変かもしれませんが、自主避難先をきちんと決めてそこへ来てもらうようすれば、手間もさほどかかりません。
災害が起きてから救助に向かうよりもよほど建設的だと考えています。
ともあれ、大雨や台風など、避難が必要になるかもしれない時間を確認して、夜間に慌てないようにしておきたいですね。

気象庁レーダーナウキャスト(気象庁のウェブサイトへ移動します)

側溝に気をつける

 大雨が降るかもしれないという予報が出ていますが、あなたの家の周りの側溝はきれいになっていますか。
 側溝は排水路ですので、水をせき止めるものが中にない限りは降った雨を川などに運んでくれるありがたいものです。
 ただ、注意が二つ。
 一つは側溝の中が汚泥やゴミなどで底が埋まっていたり、水がうまく流れなくなっていないかを雨が降る前に確認しておくこと。
 二つ目は、あなたの家の周りの側溝が、周囲と比べて低地になっていないかどうかということです。
 水がうまく流れるためには側溝にゴミがあったり、汚泥などで浅くなっていたら困るのはわかると思います。
 低地の問題は、側溝の排水能力を超える雨が降ると、低地部分から水があふれ出してしまうからです。
 もしも家の周囲がその低地に当たるのであれば、周囲に土のうを積んでおいたり、あるいは雨の様子を見て早めに安全な場所への移動を開始したりといった方策を考えておく必要があります。
 当たり前のことですが、水は高いところから低いところへ流れていきます。
 周囲から低い場所にあなたの家や避難経路があるのであれば、他の人よりも行動を早くしたほうが安心です。

簡易トイレと汚物処理

携帯トイレ各種

 災害で通常のトイレが使えなくなったときに登場するのが簡易トイレです。
 時間の経過と共に工事現場で見るような使いやすくてきちんと仕切られた仮設トイレが到着したり、使えなかったトイレが使えるようになったりしますが、それまでは汚物を自分で処理する必要のある簡易トイレを使わなければなりません。
 最近では避難所の備蓄品や非常用持ち出し袋の中のアイテムとして常備されていることも増えてきましたが、いざというときにそれらの道具を正しく使うことができますか。
 こういった簡易トイレは使用一回ごとに凝固剤で固めた汚物の入った袋の口を縛って可燃ゴミとしてゴミ置き場に出しておかないといけないのですが、残念ながら汚物をそのままにしてしまう人が多いようです。
 張り紙などで意識させるようにしていても、普段の慣習というのはどうしても出てしまうので、次に使う人との間で大きなトラブルになってしまいます。
 普段の避難訓練や避難所設営訓練時に実際に使ってみないと身につかないような気がするのですが、トイレの問題は「汚い」とか「くさい」といった感覚が先に立ってしまって設置まではしても実際に使用するところまではいかないようです。
 ただ、使うときには本当に困ってしまう部分なので、とりあえずは使用から汚物袋の処分までを入れた訓練はしておいたほうがいいと思います。
 ところで、簡易トイレは汚物袋と凝固剤を一セットにして一回ごとに使用するのですが、あなたは自分が普段トイレに行く回数とその時の大小について大ざっぱでいいので把握していますか。

座るところは段ボールでもバケツでも作れるが、処理袋は用意していないと作れない。特に凝固剤がないと汚物が可燃物で処理できないので要注意!


 大小で使う簡易トイレが異なることがありますので、回数を把握したうえで非常用持ち出し袋に備える簡易トイレの数を確保して下さい。
 災害備蓄として避難所においてあるトイレの汚物袋と凝固剤の数は、例えば2000セットあると聞くと多いと感じますか、それとも少ないと感じますか。
 その避難所に避難する人が100人いるとします。そうすると、一人が簡易トイレを使用できる回数は20回。一日に5回トイレに行くとすると、4日分しかありません。
 もし避難者が1000人だとすると、たった2回分です。
 自分の備蓄を準備しておかないと、簡易トイレさえ使えなくなるということを知っておいてください。
 各人が自分の簡易トイレを持っているほど、トイレ事情には余裕が出てきます。
 食べたり飲んだりは我慢できても、出すのは我慢にも限界がすぐ来ますので、簡易トイレの準備と取り扱い方の熟知、そしてゴミ処理についての計画を作っておくことをお勧めします。

チャック付きビニール袋

防災ポーチや非常用持ち出し袋にはさまざまなアイテムが入っていると思いますが、汎用性が高いアイテムとして、ジップロックのようなチャック付きビニール袋を入れておくことをお勧めします。
ある程度以上の大きさのものであれば、中に衣類を詰めて枕代わりにしたり、水を運んだり、開封したお菓子類を湿気させないための保存に使ったり、使用済み紙おむつなど臭気のでるものを入れたり、濡れたら困る携帯電話等のアイテムを中に入れれば、雨天時の移動や避難でも安心して移動ができます。
さまざまなサイズがありますので、自分がよく使うサイズのものを用意しておくといいと思います。
筆者はジップロックをお勧めしていますが、これはチャックが二重になっていて液漏れ・臭気漏れがしにくいことと、触っているときのカサカサ音が殆どないからです。
夜間や静かなときのポリ袋などのかさかさという音は、案外と周囲によく響きますし耳障りでトラブルの元になります。
さまざまな場面で役にたつチャック付きビニール袋。防災アイテムの一つとしてお勧めします。

【活動報告】よつばキッズスクール様の避難訓練を見学させていただきました

益田市あけぼの西町にある民間学童施設よつばキッズスクール様の避難訓練を4月21日に見学させていただきました。
今回は火災想定で火災発生から避難の手順や消火について、実際に動いて確認をされていました。
外が雨天だったため、実際に予定している避難場所までの移動はしませんでしたが、初めてとは思えないくらい参加した先生方や子ども達の動きが機敏で非常に安心しました。
当研究所は今回は訓練内容を見させていただき、少しだけ火災からの避難についてのお話をさせていただきました。
また、施設的に気になったところをお話ししたところ、すぐに改善されたそうで非常にうれしかったです。
このよつばキッズスクール様では、毎月避難訓練を行うそうで、万が一に備えて定期的に訓練をするということは非常に大切だなと思っています。
今後もお手伝いできることがあれば当研究所も積極的に関わっていきたいと思っています。
今回避難訓練のお手伝いを快く許可いただきましたよつばキッズスクールの岩田先生を初めとする皆様方に厚くお礼申し上げます。

ボランティアの仕事の過不足

 災害が起きると、現在ではほとんど当たり前のようにさまざまなボランティアがやってきて復旧や復興のお手伝いをしてくれます。
 ただ、ボランティアがあれもこれもやり過ぎてしまうと、被災者は何もできなくなって、当事者なのにお客様になってしまうという不思議な状態になってしまいますので、ボランティアをするときには全てをやってしまわないように注意が必要です。
 具体的には、当事者が何を望んでいるのかをしっかりと確認し、その意思の範囲内でボランティア活動をすることです。
 時間がかかっても、当事者がどのように考えるのかをしっかりと聞き出して作業を行うことで、当事者の復旧への意欲が取り戻せます。
 ボランティア自身はあくまでも支援者なので、支援者が勝手にあれこれ決めて行動するのはまずいのですが、ボランティアの現場に出ると、割とそういった光景に出会うことがあります。
 困ったことに、ボランティアのベテランになるほど、当事者の感情ではなくて作業の効率や技術面からの判断をしがちになるので、注意が必要です。
 ボランティア、特にお片付けボランティアは、被災者の背中を押すのが仕事ではありません。被災者の気持ちに寄り添って作業をすることが大事です。
 ボランティアはあくまでも支援者。そのことを常に念頭において、やり過ぎないように、足りないことがないように、活動をしていきたいと思っています。