アウトドア用ガスバーナーの注意点

シングルバーナーは個人用鍋であるコッヘルに収まるように作られていることが多い。

 前回はカセットコンロについて触れてみましたが、今回はアウトドアで使うガスコンロ、ガスバーナーについてです。
 アウトドア用のガスバーナーはカセットボンベではなく、アウトドア用のガスカートリッジを使います。
 巷ではカセットボンベをCB缶、アウトドア用のガスカートリッジをOD缶と呼ぶそうなのでここではその表現を使わせていただきますが、OD缶はCB缶に比べると次のような違いがあります。

1.取り付け口が違う

OD缶はバーナーとねじで繋がっていることが殆ど。

 CB缶はマウントに取り付けて押しつければガスの供給が始まりますが、OD缶はガス圧が高いためか取り付け部分がネジ状になっていて、マウントはねじ込んで接続するようになっています。
 このおかげで缶とバーナーがしっかり固定され、缶をバーナーの支えに使うことが可能になっています。

2.内容量が多い

大きいタイプは470g。CB缶は250gなので、ほぼ倍入っている。

 アウトドアで使う都合上、一般的にはカセットボンベよりも内容量が多く重たいことが多いです。

3.CB缶よりも手に入りにくい

 カセットボンベはどこででも手に入りますが、ガスカートリッジは売っているところが限られています。サイズもいろいろあります。

4.寒冷地でも使える

 CB缶の寒冷地仕様よりもOD缶の寒冷地仕様の方が温度の低下には強いようです。OD缶には、缶を暖めるための専用ヒーターもあったりします。

5.値段が高い

OD缶はその目的上、コンパクトで軽量という機能が要求されることが多いです。
そのため、カセットコンロよりもかなり値段が高くなっています。

次に、OD缶を使ったガスバーナーを使うときの注意点は次の通りです。

1.なるべく純正カートリッジを使うこと

基本的には自社のガスカートリッジが推奨されています。接続部の形状はまったく同じなのですが、内部に一部違いがあるということです。
ただ、メーカーによっては汎用性がある取り付け部にして、ガスカートリッジはどこでも大丈夫というようなものもあるようですので、買うときには確認した方がよさそうです。

2.あまり重たいものは乗せない

 ガスバーナーは前提条件が一人または数名の料理を作るという目的ですので、安定性よりも持ち運びのしやすさが優先されています。
 そのため、バーナーの上に大きな鍋などをのせると重心が高くなって不安定となりひっくり返ってしまうことがよくあります。
 その場合にもガスの供給は止まらない場合が多いので、大火事になることが想定されます。

低い位置で使えるようにOD缶と離れて使えるようになっているバーナーもある。

3.手に入りにくい

CB缶のようにどこででも売っているわけではありません。メーカーによりますが純正品が手に入りにくいものもあります。

 ここで書いているOD缶のガスバーナーはシングルで持ち運びが簡易なものを指していますが、オートキャンプなどではこのOD缶が取り付けられるコンロ、ツーバーナータイプもあります。
 CB缶に比べると高くて重たいOD缶ですが、CB缶よりもガスの容量が多いので保管場所があまりとれない人には非常に向いていると思います。
 ただ、原則は屋外使用であることとあまり重量物が載せられないことを考慮して、自分の目的にあったものを準備しておいてくださいね。

カセットコンロの注意点

大出力が使える大型のカセットコンロ。大人数の鍋などを作るときに活躍する。

 災害時の準備用品としてよく書かれているカセットコンロ。
 アウトドア用品などでは非常にコンパクトに収納できるものも出ています。
 カセットボンベ自体も比較的割安で用意でき、簡単に取り扱えることから準備を推奨されているものですが、用意する際に気をつけておかないといけないことがあります。
 今回はその注意点についていくつか考えてみたいと思います。

1.カセットコンロってなんだ?

 カセットコンロは、読んで字のごとくカセットボンベを使う簡易型コンロのことで、イワタニの製品がかなり有名ですが、高いモノから安いものまでいろいろと出ています。
 アウトドアで使われるものはガスバーナーとも呼ばれますが、こちらは次回で取り上げたいと思います。

左がOD缶、右がCB缶。見た目から異なるが、両方ともガスボンベ。

2.カセットコンロを使うときの注意点

 カセットコンロは普通のガスコンロの構造がコンパクトになっているものです。
 そのため、簡単に使うことができるのですが、次の点に気をつけておく必要があります。
(1)基本的には純正品を使うこと

 カセットコンロのメーカーはいろいろとありますが、大抵の場合「純正のカセットボンベをお使いください」と書かれています。同じようにカセットボンベにも「○○専用」という記載がされていることが多いです。
 純正品でない場合、事故が起きたときに保証が受けられないということが大きいですが、他にもカセットボンベによっては火力が足りなかったり、逆に火力が強すぎたり、セットしたら微妙にガスが周囲に漏れるようなものもあるようです。
 カセットコンロとカセットボンベの関係についてはいろんなホームページでいろいろと書かれているところですが、純正品を使うということを基本にしておいてください。
(2)ゴトクの上に収まるように暖めるものを選ぶ
 カセットコンロはコンロの中にガスボンベを組み込む構造になっています。
 そのため、コンロのゴトクからはみ出すような鍋や鉄板を使うと、ガスボンベが異常に加熱して爆発する事態が生じてしまうことがあります。
 よく起きるカセットコンロの爆発は、大概の場合鍋や鉄板がガスボンベの上に達していてボンベが異常加熱して起きているものです。
 自分が使おうと思っている鍋や鉄板を確認し、ゴトクの中にきちんと収まるようなカセットコンロを選んでください。
(3)換気に気をつける
 カセットコンロは気軽に使えるものですが、ガスと酸素を燃やして二酸化炭素を形成していることに変わりはありません。
 利用するときには、意識して換気をするようにしてください。
(4)カセットコンロには寿命があることを意識しておく
 カセットコンロはパッキンや内部部品にゴムを使っていますので、長年使っていたり、使い方を誤っていたりすると、ゴムが腐食したり、劣化したり、ガス漏れなどが起こることもあります。
 利用前はカセットボンベが繋がる部分等のゴムの状態を確認し、劣化しているようならカセットコンロごと交換するようにしてください。

 普段から日常的に使っていれば、かなり便利だと感じるカセットコンロ。
 防災用品として眠らせておくのはもったいないので、意識して使うようにしたいですね。

非常時に頼りになるラジオ

 災害に関する情報は刻一刻と変化していくので、可能な限り最新の情報を得て行動するようにしたいものです。
 その際、情報を得る機材はどのようにしたらよいでしょうか?
 スマホ、ラジオ、テレビ、防災無線など、いろいろな手段が考えられますが、お勧めなのはラジオです。
 スマホやテレビでは、その画面を見ないと詳細な情報がわからないことがよくありますが、もともと音で情報を伝えるラジオは、耳があれば情報を手に入れることができるようになっているため、避難しながら、避難所を設営しながら、休憩しながらと、作業しながら最新の情報を手に入れることができるからです。
 最近ではスマホでもラジオの聴けるアプリが登場していますのでそちらでもいいのですが、例えば津波警報などで避難している最中は、次々に受信するエリアメールや緊急メールでまともにラジオが聴ける状態ではないと考えられます。
 個人的にラジオが好きということはあるのですが、バッテリーの持ちやチャンネルの自由度を考えると、重量がかさむにしてもラジオを一台は持っていた方がいいと思います。
 一時ほどではありませんが、やはり携帯ラジオの需要はあるようでさまざまな形のものが発売されています。また、発電機を搭載して電池が切れても一応使えるという防災ラジオも多数発売されています。
 ラジオを選ぶとき、案外と気にしないのですが入れ替えた電池でどれくらい聞けるのかということが実は重要になっていたりします。

発電機内蔵のラジオの発電機はあくまでも緊急用と考えた方が良い。予備電池は必ず用意しよう。

 安いラジオだと単三2本で30時間程度、良いものになると300時間以上聞くことができ、当然電池が長持ちする方が災害時には有利と言うことになります。
 また、使う電池ですが軽量な単四電池よりも大きな単三電池、それよりも大きな単二電池の方がそれぞれ電池は長持ちします。
 重量とコストを考えて、自分にあった機材を用意しておきたいものです。

蚊の対策を考える

 災害が発生すると、自宅避難しているにしても、避難所に避難するにしても蚊との戦いが待っています。
 電源が復旧するまではエアコンや扇風機は使えませんから、昼夜問わず扉や窓を開けて風を通すことになりますが、網戸なしで開放してしまうと、そこから蚊が大挙してやってきて、避難者のそこかしこを刺して血を吸っていきます。
 すると、刺された場所を手で掻くことにより、刺された場所が化膿してしまったり、日本脳炎などの病気をもらってしまうことにもなりかねません。
 網戸があればよいのですが、大規模な避難所になるような施設の場合、空調に頼ることが多いため網戸がないことが大半です。そのため、出入り口以外の開口部には網戸用の網をガムテープなどで貼り付けておく必要があります。
 また、蚊を寄せ付けないという点からみると、蚊取り線香なども備え付けておかないといけないかもしれません。
 最近では、「ワンプッシュで1日蚊が来ない」「ワンプッシュで二週間は大丈夫」などというような製品も出ていますが、これらの製品は噴霧した周囲のものに付着して蚊を撃退するという構造になっているそうなので、モノがあまりなく広い出入り口のような場所だと効果があるのかどうかは正直分かりません。

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 キンチョールなどの殺虫剤もありますが、不特定多数の方が寝起きする場所で噴きまくるのは衛生環境上好ましくない状態を生み出してしまいます。
 対策としては、出入り口に誘虫灯を設置して電撃で焼き殺して侵入を防ぐか、出入り口にも網戸などをつけて開放しないといった複数の対策を考えておかないといけないでしょう。
 また、蚊を発生させないという対策も有効に働きそうです。
 例えば避難所周辺の蚊が沸きそうな場所の水を全て無くしてしまう方法や、避難所周辺の藪があれば全て刈ってしまえば、蚊の発生量は格段に押さえることができます。
 もちろん、非常用持ち出し袋の中には虫除けや、刺されたときに備えてかゆみ止めや虫刺されに効く薬を入れておくことも重要です。
 いずれにしても、自宅または避難する予定先の環境を確認し、蚊の発生しそうな場所や潜んでいそうな場所を確認し。対策しておくことはかなり大事なのでは無いかと思います。

【活動報告】「防災ポーチ作り講座」に参加しました

 2019年6月1日に益田市の吉田公民館様主催による「防災ポーチ作り講座」が開催され、当研究所からは所長とS研究員が受講者として参加させていただきました。
 今回の講師である防災士の黒澤様のお話では「災害を想像すること」が非常に大切であり、各地で起きる災害がもし自分の住んでいる地域で発生したらどのようにするかを、先日各世帯に配布されたハザードマップを確認しながら想像してみるとよいというお話がありました。
 そして、防災リュックと防災ポーチの違いについて「防災リュックは備えておくもの」であり「防災ポーチは日常使いでき、かつ被災時に使える最低限のものを持ち歩くためのもの」との説明がありました。

幅20.5cm、高さ15.5cmの百円均一のポーチ。ものはたくさん収まるが、重くすると持たなくなるという問題をどう解決するかが鍵。講師の方は、普通のポーチで自分の防災ポーチを作り上げていた。

 それから基本的な防災ポーチということで、今回は「絆創膏5枚」「個別包装されたマスク1枚」「ポリ袋2枚」「ウエットティッシュ1組」「ホイッスル&小型ライト1組」「飴2個」「マジックペン1本」「付箋紙10枚」をポーチに入れてみました。

今回作成した防災ポーチの中身を並べてみた。コンパクトだが、基本的に必要なものは揃っている。

 各シーズンによってこれに汗ふきシートやカイロ、保湿クリームなどが加わったり外れたりと、普段使いすることで自然とアイテムが更新できる仕組みになっていることを伺うことができました。また、手ぬぐいを一枚入れているとさまざまなことに使えて便利というような話もありました。
 その後、このポーチに「自分に必要なものを足してみよう」ということでグループ討議が行われ、エコバッグやソーイングセット、歯磨き用シートやガム、カード型拡大鏡、ポケットティッシュ、輪ゴム、新聞紙など、その人にとって必要だと思われるアイテムがいろいろと出てきました。
 ただ、あれこれと欲張るとポーチに収まらなくなって結局持ち運びしなくなるという問題が発生するため、ポーチに収めるものの最低ラインをどのように設定すれば良いのかということで参加者がいろいろと首をひねっていました。
 講師の方からは、これに家族やペットの写真、保険証のコピー、スマートフォンの充電器、衛生用品などが良く追加されるアイテムだという話がありました。
 他にも「ポリ袋は何枚程度あればよいのか?」や「刃物を加えるのはどうだろうか?」などといった質問も出され、非常に和やかな空気で講義時間を過ごすことができました。

参加者の発言を黒板にまとめたもの。予想もしなかったものがたくさんでて、確かに必要だと思わせるものがいろいろと出ている。

 講座の最後にはこの講座からどのようなことを考えたかという主催者からの問いがあり、「習ったことを持ち帰って周囲の人に伝えていく」「持ち歩くことが大切」「被災しても年数が経つと忘れてしまうのでこういう機会にそれが思い出せて良かった」などという意見や「避難にはスニーカーが必要で、ベッドの下にはいつも置いてある」「避難して一番困るのはトイレットペーパーの在庫」というようなお話もありました。
 いずれにしても、十人いれば十通りのセットができるというこの防災ポーチ。
 自分なら何をセットするかを考えて作ってみてはいかがでしょうか。
 最後になりましたが、講師の黒澤様、そして主催された吉田公民館の皆様にお礼申し上げます。

会場には市販の避難セットも展示されていた。文具メーカーのコクヨが出している防災バッグで、いろいろなものが収められている。ただ、普段持ち歩くには笠があるかも。

トイレと水と体温維持

 災害が起きて困るのは、最初がトイレ、そして渇きであり、体温を維持するための何らかの仕掛けも必要です。
 困る順番はいろいろ変わりますが、最初にトイレをあげてみます。トイレについては、くみ取り式以外は停電時には使えないですから、大量の人が避難してくる避難所だと、自分で使う携帯トイレは必須の道具です。
 大小兼用のものを持ち歩ければ一番よいのですが、せめて小用だけでも数回分は準備しておきたいですよね。

用途にあわせていろいろな携帯トイレがある。百円均一店でも扱っているので、少なくとも複数個は携行しておきたい。

 そして、トイレが収まると次は喉の渇き対策です。正直なところ被災時に一番大変なのは「飲料に適した水の入手」だと考えています。
 日本は安全な飲料水を意識することなく手に入れることのできる世界でも珍しい国ですが、災害が起きると安全な飲料水を手に入れるのが至難の業となります。
 張り巡らされた水道設備は損壊して止まり、コンビニやスーパーなどで手に入れられる水はあっという間に売り切れ、酒やコーヒー、ジュース類では喉の渇きは収まらず、という困ったことが発生します。
 そうなったとき、あなたならどのようにして安全な飲用水を手に入れますか?
 浄水器を使うのも手ですし、簡易濾過器を作ったり蒸留装置を作るのもありですが、いずれにしてもかなりの労力が必要ですし、できあがった水の安全性が完全に担保はされていないのが実際です。
 いろいろ試行錯誤はしてみるのですが、結局のところ数日分の飲料水はペットボトルなどであらかじめ準備しておいた方が安全で早いなと考えています。
 もちろん、清浄な井戸やわき水で災害後でも安定したきれいな水を手に入れられるようなところなら、そんな準備は不用かもしれません。
 ただ、出かけている先や仕事中に被災したときにどうすればいいのかを考えると、普段持ち歩く鞄にちょっとした水筒やペットボトルを忍ばせておいた方が安心です。

お水のペットボトルはなぜか容器が弱いものが多いので注意。
気をつけないと、カバンの中でべこべこになる。

 水は重たいですから大量に持ち歩くことも難しいですので、200ml~250mlくらいで充分。渇きを凌げればよいのです。
 防災セットによっては、15mlくらいのちょっとした水をレトルト加工した小さな袋に詰めてあるものもありますが飲んだ気がしないという難点もあります。
 普通の水のペットボトルで構わないと思いますが、余裕があれば毎日詰め替えることで水道水でも問題なくできます。
 また、地震を除く災害では大抵の場合準備するための時間が確保できます。その間にポリタンクや鍋、風呂桶などに清潔な水を貯めておくという方法も採れそうです。
子どもや高齢者のいるおうちでは、特にしっかりとした準備をしておく必要があります。
 1人一日3リットル。ここまでは難しいかもしれませんが、せめて喉の渇きを癒やせるくらいの水は普段から身につけておきたいものですね。
 最後に体温維持。これはとにかく濡れないことです。できれば薄手でいいので着替えがあると、濡れたままでいるよりは遙かにましですし、重ね着すれば寒さ対策にもなりますのでいいと思います。
 また、フェイスタオルかバスタオルが一枚あると汗や体についた水気の拭き取り、肩にかけて気休めの防寒などにも使えますので準備しておくといいでしょう。
 そして風に当たらないこと。暑いときには風で涼を取りたくなるものですが、汗をかいた状態で風に吹かれると必要以上に体温が下がってしまい、低体温症になる危険性があります。
 以上、いろいろと書きましたが、普段から持って歩くものとして
1.携帯用トイレ数個
2.飲料水
3.着替え、タオル
を意識しておくと、いざというときにあなたの身を助けてくれますよ。

新聞紙の憂鬱

 防災の研修などにいくと、よく出てくるのが「新聞紙を利用した○○」。
 たき付けになったり、掛け布団になったり、腹巻きになったり、添え木やスリッパ、食器に至るまで、この新聞紙は大活躍します。
 防災の本にも「新聞紙は1~2週間分は取っておくようにしましょう」と書かれたものがあったりするくらい、新聞紙は防災と切り離せない存在なのだといえるでしょう。
 ただ、私自身は「一般家庭でどれくらい新聞を取っている人がいるのかな」という疑問を持っています。
 日本新聞協会の統計によると、最新の数字では1軒に対して0.7部の配達状況となっています。
 2007年までは少なくとも1軒に1部は配達されていたそうですから、ここ十数年でかなり購入の数字が下がっていることになります。
 実際、研修会場に来た人たちの新聞は当日のものも多いです。コンビニなどで買ってくるか、職場からもらってくるかという方もかなりいらっしゃいました。

コンビニで売っている新聞紙。いろいろと便利ではあります。

 こういう状況で「いざ災害」が起きると、大活躍してくれるはずの新聞紙がどこにもないという妙な状況になってしまうことが予想されます。
 最近の世の中の動きを見ると、新聞の情報よりもインターネットの情報の方が早いことや、新聞を読むまとまった時間が取れないというのもわかるのですが、このまま行くと「防災アイテムとしての新聞紙」を手に入れるのに四苦八苦しそうな気がします。
 そう思っていたら、インターネットの販売サイトで「無地新聞紙」と書かれた印刷前の新聞紙の束を売っていることに気がつきました。

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 新聞紙と同じ素材の紙をそのまま束にして販売していて、インク写りせずに新聞代一月分で10kg以上買えるとしたら、紙だけの需要で考えるとこっちの方がお得な感じがしますし、チラシが入っていないことも魅力になるかもしれませんね。
 ともあれ、意識していないと新聞紙を手に入れるのも難しくなっているおうちの場合には、何らかの形で災害に備えた準備をしておく必要がありそうです。

直管式蛍光灯の飛散防止対策

 直管式の蛍光灯。
 ちょっとした広い部屋では普通に見ることができた照明器具でしたが、省エネルギーで長寿命、環境負荷の軽減、ちらつき無く安定した光量が確保できる、軽量などといった理由で、順次LED照明に切り替わってきていますし、メーカーの生産も縮小や終了といった状態になっているようです。
 でも、少し前の事務所や倉庫、納屋などではまだまだ普通に使われていたりします。
 この直管式の蛍光灯、管が長いために管にかかる力に弱いという弱点があり、地震などの災害が起きたときには割れて飛散してしまう危険があります。

 LEDに変えてしまえという話もありますが、引き続き使いたいという方は、安全確保のために蛍光灯カバーをつけるか、飛散防止用チューブやフィルムを貼り付けたものを使ってみてはいかがでしょう。
 先では蛍光灯は無くなるかもしれませんが、それでも使っている間安全を確保することが可能です。
リンク先は蛍光灯カバーです。検索エンジンで「蛍光灯」「飛散防止」と入力するといろいろと出てきますので、気になったら調べてみてくださいね。

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災害とプロパンガス

 オール電化のおうちで無ければ、大抵の場合どこかでガスを使っているのではないでしょうか。
 家庭で使うガスには都市ガスとプロパンガスがあるのですが、石西地域ではプロパンガスしか該当が無いので今回はプロパンガスについて触れてみたいと思います。

プロパンガスのボンベはチェーンで固定していないと災害時に凶器になる。
左上に見える四角いのがマイコンメータ

■プロパンガスの性質

①空気よりも重い
プロパンガスは空気よりも重いので、漏れたら低いところにたまる性質があります。そのためガス警報器は低い位置に取り付ける必要があります。
ちなみに都市ガスは逆に空気より軽いためガス警報器は高い位置に取り付けています。
②臭いがついている
プロパンガスそのものは無臭ですが、漏れたときにわかるようにガス特有の臭い(いわゆるガス臭)がつけてあるそうです。ちなみに、タンクの残量が少なくなったときにもこのガス臭いにおいがすることがあります。
③燃焼には大量の酸素が必要
プロパンガスは燃焼するのに大量の酸素を必要とします。そのため、しっかり換気がされていない環境で使用すると不完全燃焼となって一酸化炭素が発生することがあります。
一酸化炭素は無臭で、異常に気づいたときにはすでに一酸化炭素中毒により体が動かなくなっていることがありますのでご注意ください。
④ボンベ(容器)に入っている
プロパンガスは圧力をかけて液化した状態でガスボンベに詰められています。そのため、ボンベをゆすると液体の動くような音がします。
ただ、危険ですので家にあるガスボンベはゆすらないようにしてください。

■災害時にはどうなるのか

 最近のプロパンガスのメータは電子化(マイコンメータ)されており、ガス漏れや震度5以上の揺れを感知したときにはガスを自動的に遮断する保安機能が搭載されています。
 そのため、以前は「地震だ、火を消せ」と言われていましたが、現在では「まずは身を守る」に変わっています。
 もし地震に遭遇したら、まずは身を守り、揺れが収まってから、点火スイッチ(器具栓といいます)がオフであることを確認し、ガス栓を閉め、容器についている容器バルブも閉めてから避難します。容器バルブに表示されているはずですが、バルブは右側に回すと閉まります。
 水害や土砂災害など他の災害の時にも、容器バルブは可能な限り閉めて避難するようにしてください。
 これが閉まっていないと、建物が被害を受けてバルブに繋がったホースが外れてしまったときにそこからガスが噴き出し、ボンベが火炎放射器になったり、水の上だと魚雷のように動き回ったりしてかなり危険な状態になります。

■復旧のさせ方

 まずは器具栓が完全にオフになっていることを確認します。そして、使っていないガス栓が閉まっていることを確認し、使うガス栓を開放します。
 それから容器バルブを左に回して開放し、マイコンメータの復帰ボタンを押します。
 すると、マイコンメータの赤ランプと液晶が点滅しますが、これはマイコンメータがガス漏れのチェックをしている状態ですので、およそ1分から3分くらい様子を見ます。
 異常がなければ赤ランプと液晶の点滅が消えますので、そうなったらとりあえずは安全に使うことができます。もしもこのときに復帰しない場合には、どこかに異常が起きていますのでその状態ではガスは使えません。
ガス取扱業者さんに来てもらって速やかに点検してもらいましょう。

■災害に使えるプロパンガス

 プロパンガスは要するにでっかいカセットコンロなので、最悪ボンベとコンロがあれば使うことが可能です。
 ボンベの容器バルブをきちんと閉めていれば、仮にボンベが流されても中のガスは無事であることが多いですので、ガスコンロとの組み合わせで比較的早い段階から火を確保することが可能になります。自治会などで防災用品を用意されるときには、屋外用の大火力なガスコンロを準備しておくと、いざというときの選択肢が広がると思います。
 また、プロパンガスは建物一軒ごとに設置されているため、その家屋のガス供給系統が無事ならすぐにでも利用を再開することができますし、仮に家が被災して使えなかったとしても、ボンベは移動させることができるため、安全な場所へ移動して使えるという非常に災害に強いという特長を持っています。
 交換の手間がかかりその分単価も高いとされるプロパンガスですが、上手に活用できれば非常に頼もしい存在であることは間違いありません。
 ガス漏れには十分に気をつけて、安全に使っていきたいですね。

缶の開け方あれこれ

 最近は缶切りの入らない缶が殆どで、レトルトパウチ食品の普及などもあって「缶切り」を知らない人もいるようです。
 普段ならばそれで支障は無いのですが、実は災害用備蓄品として準備されている缶詰は缶切りが必要なものがかなり多いので、せっかく食べられるものをもらったのに、開け方がわからなくて食べられないという悲しい事態に陥る可能性があります。
 そこで、今回は缶の開け方についていろいろと考えてみたいと思います。

1.缶切りを使う
これは王道中の王道。缶を開けるために作られた道具なので非常に使いやすいです。いくつかのタイプがありますが、非常用持ち出し袋に一つ入れておいてもいいかもしれません。

2.こする
缶詰は筒に底とふたをつけた構造になっています。そのため、筒と底の継ぎ目が取れれば開けられるということです。
レンガやコンクリートブロックなどのざらざらした面に缶を押しつけてひたすらこすると、やがて継ぎ目が取れて開けられます。
ただ、作業の効率的に底を押しつけることが多いと思われますので、缶詰の中の汁はこぼれてしまうと思ってください。

3.とがったものを使う
時間はかかりますが、釘や錐、ナイフでも缶を開けることができます。
やり方は簡単で、ふたにとがったものを押しつけてひっぱたき、穴を開けます。
その作業を繰り返すことで、いつかは缶のふたが開きます。かなり面倒ではありますが・・・。

十徳ナイフやサバイバルセットの中には缶切りがついているものもありますから、余裕のあるときに一度やってみてどんな感じになるのかを体験しておいた方がいいような気がします。