災害対策の勉強会や研修会をさせていただくと、毎回思うことがあります。
それは「子どもは素直」ということです。例えば、地震のときに「ダンゴムシのポーズ」や「重心を下げるためにしゃがむ」という話をすると、実際に揺れたときに習ったとおりダンゴムシのポーズやその場にしゃがむという行動を取ります。
大人はどうするかというと、様子を見ているだけ。大丈夫だろうと思っているのか、動いたら負けと思っているのかはわかりませんが、なかなか身を守るための行動を取ることが難しいようです。
地震や津波、大雨などで警報や「避難準備・高齢者避難開始情報(Lv.3)」が発表されたときにテレビやラジオでは盛んに「身を守るための行動を取ってください」といいますが、行動できない・しないということが多々あるようで、災害で命を落とすことがあるのも無理は無いなと思ってしまいます。
ある自治会でアンケートを採ったときの集計結果では「災害対策をしないといけないことは理解しているが、自分はやる気が無い」という結果になって少し考え込んでしまいました。
正直なところ、子どもは素直なので教わったことが起きると教わったように対策を取ろうとしますが、それを大人が邪魔しているというおかしな状態が起こることがよくあり、そのたびに犠牲者が出ているという話も聞くからです。
東日本大震災で津波に飲まれたある小学校では、子ども達が再三に渡って高台に避難しようと言っていたにもかかわらず、それを受け入れなかった大人達が避難をしようとした子ども達の邪魔をしたなどという出来事があったそうですが、おそらくそのときにはこの小学校だけで無く、そこらじゅうで同じような問題が発生していたのだろうなと思います。
大人は子どもに比べてさまざまな経験値を持っており、子どもに比べていろいろなことを効率よく無駄なくできるようになっていますが、あくまでも経験値から推測しているため、それまでの経験を超えたことが起こりうることをイメージできないという弊害も発生するのです。
また、「たかが災害で大騒ぎすると恥ずかしい」という意識もありますから、内心では逃げた方がいいかもと思っていても、それを押し殺して「避難不要」という誤った判断をしてしまうのです。
災害対策や避難訓練といったことを思い切り馬鹿にしている人もいますが、人間は練習や経験をしていないことには対応できません。特に大人になるととっさの判断が難しくなっていくのが常ですから、こどもに比べて余計でも訓練や練習をしておかなければなりません。
今の大人に比べると、子ども達はさまざまな機会で災害対策や防災を学んでいますから、「子どもだから分からない」や「子どもだから知らないだろうが」と言った大人な考えは止めましょう。
こと、災害対策や防災については今の大人達よりも遙かにしっかりと学んでいる子ども達ですから、彼らの意見に従ってみてもいいのではないかと思います。
その結果として災害から逃れられればいいですし、もし逃げる必要が無かったとしても、大人も子どもも実際に災害で避難した経験を積むことができます。
子ども達の意見や行動は災害対策をやっている方から話を聞いていることも多いですから、災害発生時には、あなたの判断の中に子ども達の意見を加えることをしてみてもいいのではないかと思います。
投稿者: 所長@管理人
避難所での感染症対策を考える
先頃国から新型コロナウイルス対策での避難所運営の方針について、事例が提示されました。
単純にいうと、「感染者の隔離」「感染した可能性のある人の隔離」「避難者が1m以上離れて生活できる生活空間作り」「感染者・感染の可能性のある人が健常者と接触せずに隔離場所へ移動できる動線作り」といった感じで、新型コロナウイルスに限らずノロウイルスやインフルエンザといった在来の感染症対策としても使える考え方になっています。
ただ、問題この新型コロナウイルス対策を実施すると、避難所の収容定員が大幅に低下してしまうことで、そのため今回の新型コロナウイルス対策の事例公表にあわせて避難所以外への避難や自宅避難などを平行して呼びかける内容になっています。
元々避難所は「自宅が住める状態ではない人」や「自宅が倒壊する可能性のある人」そして「その地域に生活の根拠地がない人」などが安全確保のために避難する場所なので、自宅の耐震強化や高台移転、歩いて避難できる範囲に避難を受け入れてくれる友達を作っておくといった対策で避難所への避難者を減らすことになります。
現在の国の方針では大規模な避難所を作ってそこを中心に地域の支援をしていくという感じになっていますが、感染症対策だけを考えた場合には、小規模な避難所をたくさん作ってそこを支援するような形に変更した方が感染症が発生した場合に被害を局所化することができます。
大規模避難所である指定避難所は物資や情報の集積所としての機能も備えていますが、サテライト型の小さな避難所を連携させることで、小回りのきく避難所運営ができるようになるのではないかと思います。
指定避難所が遠かったり小さかったりする場合には、家の近くの安全な場所を自分たちの避難所として設定しておくと、いざというときに安心ですね。
参考までに国が出した避難所の事例についてご紹介しておきます。
府政防第939号・消防災第87号・健感発0521第1号 避難所における新型コロナウイルス感染症への対応の参考資料について(令和2年5月21日)
虫対策を考える
災害が起きてさまざまな被害が発生すると、ある部分では虫との戦いになります。
ゴミの回収が進まなければあちこちに放置された腐敗するゴミから大量のハエが発生しますし、屋外や避難所での生活では蚊やダニといったものが被災者を襲ってきます。
衛生環境が整っている日本であれば、普段なら気にもしないことなのですが、災害で衛生対策が崩壊すると害虫が大量に発生し、それらによるさまざまな病気が発生することを考えておかなければなりません。
ゴミに関しては、少なくとも自分たちが発生させたゴミについてはゴミ袋に密閉して虫が入らないようにしておくことや、消石灰などを使って生ゴミの水分を抜いたり腐敗を防いだりという作業も必要になります。
蚊やダニに関しては、虫除けを使ったり、不用意に草むらに近づかないなどの方法で対処していく必要があります。
日本ではあまり発生することはないと思いますが、もしも吸血するタイプのダニが蔓延した場合には殺虫剤だけでは十分な効果が得られません。吸血する前であればガムテープなどに貼り付けて処分します。また、吸血をしている場合は頭がとれないようにダニを撤去する必要があります。
いずれにしても、害虫に対する対策は考えておいた方がいいので、虫除け等の忌避剤を準備しておくようにしてください。また、もしも害虫が発生した場合にどのような対策がとれるのかについて、非常用持ち出し袋の中身を見て考えておいてもいいと思います。
百均の懐中電灯で注意すること
夜間に災害が起きて緊急に避難することになったときや暗い中で作業するときなど、ライフラインが寸断されているときには何らかの照明装置を持っていないとよりは何もできなくなります。
ロウソクやたいまつ、サイリウムなどさまざまな照明器具はありますが、メジャーなのは懐中電灯だと思います。手持ちタイプ、何かに取り付けるタイプ、おでこにつけるヘッドライト、ランタンなどさまざまなものがあり、値段もピンキリです。
百円均一ショップでもさまざまな懐中電灯を売っていますので、防災用として一つ用意しておいた方がいいでしょう。
その際に気をつけないといけないのは、電池の種類です。百円均一で売られている懐中電灯は、登山用などの懐中電灯に比べて軽くて使い勝手のいいサイズがたくさんあるのですが、その代償として使われている電池が非常に手に入りにくいものになっていることが多いです。
特にボタン電池を使っているものは要注意です。災害後の救援物資ではボタン電池が来ることはほぼないので予備電池は必須です。電池の保存期限や照明として使える時間を考えた上で、ボタン電池を使うかどうかを決めてください。
また、電池の大きさと使える時間は同じタイプの電池であればほぼ比例していますので、重量と使い勝手、電池の調達のしやすさなどを考えて準備されることを勧めます。
ちなみに、少し値段が上がると充電池式の懐中電灯やヘッドライトを買うことができますが、懐中電灯やヘッドライトをよく使う人で無い限り、充電池式には手を出さない方が無難です。
発電機付きのものについては、発電の手間と発電量、そして照明として使える時間などを考えて購入されるかどうか決めることをお勧めします。
懐中電灯は現在売られているものは殆どがLEDですが、その特徴として光の直進性があります。光がまっすぐに届くので遠くを見るのには便利ですが、近くを見るためにはそれなりの工夫がしていないと見にくいものです。
値段の高い懐中電灯やヘッドライトはその辺りが考えて作られています。それが値段の差になっていて、百円均一のランタンと数千円のランタンでは光の見え方が全然違います。百円均一のランタンを使うなら、事前に試しておいて、光を上手に調整する作業をしておく必要があることに注意してください。
百円均一の懐中電灯は安くてそれなりにいい性能を持っています。消耗品や使い勝手を確認し、上手に使って欲しいと思います。
キャンプやピクニックをやってみよう
災害が起きるとさまざまなところで普段の生活と異なる日常がやってきます。ライフラインの途絶や避難所での集団生活、生活再建の悩みと、平時に考えてもげんなりとしてしまいそうな内容がたくさん並びます。
ただ、ある程度不自由な生活を試しておくことで、いざというときにこんなもんかと思えることも事実で、制御された状況下で不自由、例えばキャンプなどを体験していれば、いざ災害で本当に不自由な生活を強いられることになってもなんとなく落ち着いていられるものですから、何事も体験しておくことが大切です。
手近な不自由を体験するということでは、キャンプがお勧めです。最初は道具は全部レンタルでいいと思います。何をどのように使うのかを試行錯誤しながらやってみることで、自分たちの生活に最低限必要なものは何かが見えてきます。
これを何度か繰り返していくうちに自分たちが必要な道具や資機材が見えてきますから、それを非常用持ち出し袋として整備すればいいということになります。
いきなりキャンプというのには抵抗がある方は、ご近所へのピクニックでもいいと思います。非常食や携帯ガスコンロを使った昼食やおやつを出かけた先で作るだけでも立派な経験です。
防災グッズということで、政府や自治体等の公的機関からは非常用持ち出し袋の中身の一覧がよく公開されていますので、それらを非常用持ち出し袋に詰めてピクニックに出かけるだけでもいろいろと目線が変わってくると思います。
家族で一セットではなく、一人に一セット準備し、実際に持ってキャンプやピクニックにお出かけしてみる。そうすることによって非常用持ち出し袋の中身が本当にあなたが必要とするものに変化していきます。
ちょっとした機会に使うようにしておけば押し入れの奥にしまい込むようなこともないでしょうし、非常用持ち出し袋の存在も意識することができます。
まずは動いてみること。防災対策は知識だけで無く実践が重要ですから、気持ちのよい天気の時に、ぜひ一度やってみてください。理解できなかったことがいろいろと理解できるようになると思いますよ。
↓レンタル用品で一式借りたい人向けの参考リンクです。
面の支援、点の受援
災害発生後、日常生活を取り戻すまで、被災者はさまざまな形で支援を受けることになります。
ただ、支援メニューが画一的過ぎて受援者の希望と合っていないことがたくさん発生しており、さまざまな形で復旧の遅れを招く現状になっています。
支援をする側から見ると、なるべく多くの人に必要とされる支援を行いたいと思いますが、大規模災害だととても手が回りませんのでどうしても画一的な支援を行うことになってしまいます。
他方、受援者から見ると自分に本当に必要な支援メニューがなくて、何を頼むにしてもちょっと中途半端で困っているという現状があります。
例えば、食事で考えてみると支援する側はなるべく安い金額で多くの人に食事を提供したいと考えますが、受援者から見るとアレルギーや身体の問題のために特別の配慮が必要だったり、揚げ物などの油が強いものは食べられなかったり、白飯が固すぎたり柔らかすぎたりしてうまく食べることができないという状態になります。
受援者の視点で支援を行おうとすると、個別に必要とされる事項があまりに多岐に渡っていて、とてもその全てをカバーするような食事を提供することができないということになります。
そこから考えると、自分がなんらかの事情で食べられないものがあったり、好みがうるさかったりする場合には、自分で自分の安心・安全・満足のいくような準備をしておかなければうまくいかないということになります。
災害後に状況が落ち着くまではさまざまな形で混乱が生じてきます。そして、支援と受援にはかなりのずれが発生するということを頭の中に置いておく必要があります。
「自助が第一」と最近では盛んにいわれていますが、自分が納得のいく状況にするためには、自分で自分の必要なものを準備しておく必要があります。
自治体や支援団体が提供するのはあくまでも平均的な被災者に必要とされる支援メニューであり、誰か特定の人をイメージして作っているわけではありません。
さまざまな形で余計な苦労をしなくてもいいように、自分の必要なものについてはあらかじめ複数用意しておきたいものですね。
怪我をしない方法を考える
応急処置やけが人搬送などは、防災訓練ではかなりメジャーなメニューとなっていますが、いづれの訓練でも人がたくさん必要な内容になっています。
応急処置では心臓マッサージやAEDの使い方がよく出てきますが、これらは基本的に複数人で対応する訓練になっていると思いますし、けが人搬送はそのそも一人で搬送する訓練はほとんどやっていないと思います。
何が言いたいのかというと、訓練で複数人での救助を学んでいても、いざ本番のときには、場合によっては一人で状況に対応する必要が出てくることがあり、そんな状況におかれたときには何を優先すべきなのかがぐちゃぐちゃになってしまいがちになるということです。
けが人に一人で対応するには限界があり、恐らくは対応が間に合わないことも多くあるでしょう。そうなればそんな状況になってしまった人もそんな状況に出会った人も不幸になること間違いなしです。
これに対する対策はただ一つ。怪我をしないということに尽きます。
怪我をしなければ自分で移動ができる人であれば手はかかりませんし、応急処置をしなくても済むのであれば、その分避難が早く開始できます。
怪我をしない方法は、常に周囲の状況に関心を持つことです。歩いているところの両端や上空、地面。そういったものに関心を持って、「この場所で何か起きたらどうすればいいか?」を考えてみてください。
いつもの散歩や通学コース、いつも過ごす部屋や場所にどのような危険があってどうしたら怪我をしなくて済むのか。それを考えて対策をするだけでも、怪我をする確率はぐんと下がります。
かすり傷程度なら影響はないですが、大きな怪我をしないためにも周囲の状況は常に観察して危険な場所は通らないこと。そして怪我をしない方法を考えおくようにしたいですね。
訓練は嘘をつかない
非常時に、普段できていないことができることは殆どありません。
そのために防災訓練があり、施設等では毎月から年に2回まで幅はあるにしても何らかの災害対応訓練をしてできるように準備をしているわけです。
ですが、日常が忙しいことや、いつ起きるかわからない災害に備えることが無駄といった理由から、大抵の場合は防災訓練の計画をいちいち作らずに以前に作った訓練計画をそのまま再利用することになります。たまに担当者が訓練する理由をきちんと理解していつもと違った内容で訓練をしようとすると参加者から「余計な仕事をするな」と苦情が来るので、結局決まった内容を決まったとおりにする決まった訓練、いわゆる「訓練のための訓練」になっていくのがお決まりのパターンです。
まぁ、災害が訓練の通りに起きてくれるならそれでいいのですが、実際にはいつどんなことが起きるのかは誰にもわからないので、防災訓練もさまざまなバリエーションで取り組んでいく必要があります。
その地域で起きる災害を主軸に、時間や場所、状況を変えて対応を考え、実際に行動してみる。それにより訓練のバリエーションが増えるので、いざ災害の時にも慌てず冷静に自分の安全確保ができるようになります。
また、訓練と同時に備えも準備することで、大規模災害のときにも避難難民にも飢えや脱水にもならず、心身元気で災害を乗り越えることも可能になります。
防災とは「災害をいかに防ぐか」ではなくて「災害の被害をいかに極所化して受ける被害を押さえ、日常生活への復帰を早めることができるか」ということを考えなくてはいけません。最近いわれている「減災」は対策と備えを行うということなのですが、誰でもできる被害を最低限まで押さえ込む対策は訓練しかないと思います。
頭で考えるだけでは無く、実際に体を動かしてみないとわからないことがたくさんありますので、いろいろな機会を見つけて訓練するようにしてください。そして、訓練は失敗があって当たり前ですから、恐れずにいろいろな状況を設定して訓練をしてみてくださいね。
避難の行動開始のタイミングを考えてみる
避難するための鍵を作ろうということは過去に「避難開始のタイミングを考える」という記事で書いているところですが、いざ行動開始の鍵を決めようとしても、なかなかそれでいいのかという疑問が出てきて踏ん切りがつかないものです。
避難開始が早すぎるといろいろなところで支障を来しますし、遅すぎるとそもそも避難ができません。自分の避難開始の最良のタイミングが事前に決めたとおりでいいのかどうかは実際に起きてみないと分からないところではあります。
ただ「行動開始ってなんだろう」という方や「やっぱり不安だ」という方、「他の人はどんな基準で避難を開始しているのだろう」という方には、内閣府が出した避難行動の鍵となる「避難行動判定フロー」が一つの参考になるかもしれません。
ハザードマップで自分の住んでいる場所や働いている場所がどのような状況なのかを確認した上で、避難するタイミングはどうなのかをこのフローで確認すると、ある程度安全に避難ができると思います。
興味のある方はぜひフローを見ていただき、避難行動開始の参考にしていただければと思います。
「台風・豪雨時に備えてハザードマップと一緒に「避難行動判定フロー」を確認しましょう」(内閣府防災の該当PDFに飛びます)
災害に備える
新型コロナウイルス騒動がなんとなく沈静化しつつあるようですが、代わりに地震や風水害が発生してきそうな雰囲気です。
新型コロナウイルス騒動でいろいろと足りない物資がありますが、それでも他の災害に備えて準備はしておいたほうがよさそうです。
今回は災害に備えた準備について考えてみることにします。
1.耐震補強はできていますか
日本は地震大国であり、戦後から高度成長期にかけてが異常なほど地震が起きなかった期間であることはあまり知られてないのかなと思います。
その時代に建てられた建物は、地震に耐えられる作りになっているかどうかわかりませんから、お住まいのおうちが最近建てられたものでないのならば、耐震診断と耐震補強をすることをお勧めします。
寝てる時間だろうがトイレに入っている時間だろうが、地震はお構いなしにやってきます。耐震補強をすることが困難であるなら、せめて寝室は布団以外の家具は撤去してものに潰されないようにしておきましょう。
2.避難先を確認していますか
建物が倒壊したときや余震が続くときなどは自宅での避難が困難な場合があります。そんなとき、どこへ避難するかについて複数箇所候補をあげておいてください。
避難先は別に行政が指定する避難所や避難場所である必要はありません。自分の安全が確保されるのであれば、親戚や友人の家でもいいし、近くの公園や高台、裏山でもかまいません。また、自動車をシェルターとして使えるかどうかも検討をしてみてください。ただ、地震や津波では大規模火災が起きる可能性もありますので、周辺を住宅で囲まれた場所や燃えるものに囲まれた場所は避難先として選ばない方が無難だと思います。また、避難経路を複数準備しておいて、いざというときに慌てなくて済むようにしておきましょう。
3.非常用持ち出し袋はできていますか
非常用持ち出し袋は発災から支援が届き始めるまでの数日間、地震の身体的・精神的な健康を維持するために必要なものを入れた大切な袋です。
家族全員に一つずつ作っておくのはもちろんですが、できれば複数箇所に分けて保管しておくと全滅で悲しい思いをすることを避けることができます。もし全部無事であるなら気持ちに余裕ができますので、例えば倉庫や車の中、あるいは職場のロッカーなど、いくつかの場所にそれぞれ備えておくと安心です。
非常用持ち出し袋をすでに準備している人は、電池や非常食、水の賞味期限を確認し、問題があれば交換したりして、いざというときにきちんと使えるようにしておきましょう。
4.家族の中で「まず自分の身を守ること」を共通化していますか
災害が起きた後、一番怖いのは自分以外の誰かを迎えに行ったり、あるいは誰かが迎えに来るのを待っていて時間を浪費することです。
家族の共通ルールとして「災害が起きたらまずは自分の身の安全を確保すること」を確認しておいてください。命があれば必ず再開はできます。災害からの安全が確認できたら家族はどこへ集まるのか。底まで決めておければ完璧です。
災害は必ず起こります。いつ起きるかわからないだけで防ぐことも難しいですので、日頃からしっかりと準備をしていざというときに命を守れるようにしておきたいものですね。