【活動報告】青原小学校避難訓練を見学しました

 2024年1月17日、津和野町立青原小学校にて、地震からの避難訓練について見学させていただきました。
 生徒さんの数は少ないですが、淡々と、そしてきびきびと準備し、避難している光景はいざというときにも大丈夫だろうなという安心感を持たせてくれるものでした。
もちろん絶対ということはありませんので、引き続きしっかりとした訓練は必要だと思いますが、身を守るための避難訓練が校風になるような学校になればいいなと思います。
 また、見学後には管理者である校長先生、教頭先生から山のような質問もいただき、知っている事例を交えながら、わかる範囲で一生懸命こちらも説明させていただきました。
 避難訓練実施後に管理職の方から詳細な意見を求められることはほとんどないので、正直なところ驚くやらうれしいやらです。
 引き続きできる範囲にはなりますが、関りを持っていけたらいいなと思っています。
 この度見学を快くさせてくださいました青原小学校の皆様に、こころから感謝します。

【活動報告】防災体験会の講師をしました

 2023年9月2日に益田市のスカイファームで開催された「家族みんなでぶどう狩り&遊んで覚える防災体験」の防災部分の講師をしました。
 当日は中国労働金庫益田支店様のご依頼で、地震の話、防災ゲーム「地震がきたぞ!」、そしてアルミホイルとラップを使った容器を作る40分の体験会でした。
 屋外で小さな子供さん連れが多いこともあって、座って聞くのではなく、実際に体を動かす体験会をやってみました。
 最初は遠慮気味だった参加者の皆さんでしたが、防災ゲームではたくさんの人が参加してくれて、にぎやかなゲームができました。
 防災体験会の後にぶどう狩りが控えていたので、ぶどう狩りで食べたぶどうの皮を入れるアルミホイルの容器を作り、酸で溶けないようにラップをかけて、実際にぶどう狩りで使ってもらいました。
 蒸し暑い中、参加してくださった皆さんにはぶどう狩り前に、ちょっとだけ防災のことを知ってもらえたかなと思います。
 今回参加してくださった皆様、そしてお声がけいただきました中国労働金庫益田支店の皆様、ご協力いただきました益田地区労働者福祉協議会の皆様にお礼申し上げます。

【活動報告】長浜まちづくりセンターで防災研修会の講師をしました

 2023年5月13日、浜田市の長浜まちづくりセンターで地震に対する備えを中心とする防災研修会の講師をしました。
 当日は18名くらいの方にご参加いただき、予定していた起震車が雨天で来れなかったので、みっちり2時間に渡って研修をさせていただきました。
 長浜地区は山あり海ありで地区内でもさまざまな条件があり、それぞれに備えが変わってくるところです。
 参加者にはご家族連れ、特にお子様が多く、プログラムを子供向けに急きょ振りなおして、台車を使った揺れ体験や、地震の時の防御姿勢、部屋の見取り図を描いて危険な場所を探してもらう「おうちの安全チェック」などを体験してもらいました。
 休憩時には、参加してくれていた子供から「地震のとき、机の下でどんな格好したらいいか教えて」というご質問をいただき、その場にあった会議机を学校の机に見立てて、机の下での防御法を説明しましたが、実物があるともっとわかりやすかったかなと思いました。
 いざというときに自分の身を守るのが、大人でも子供でも変わりません。
 「地震の時には先生の言うことを聞きましょう」と学校では教えていますが、それでは先生がいないときには子供は自分の命を守ることができませんので、きちんとした地震の時の防御姿勢やその後の避難の方法などを、子ども達が自らできるように、しっかり伝えていきたいなと思っています。
 今回お声がけいただきました、浜田市の長浜まちづくりセンター様に、こころからお礼申し上げます。

【活動報告】青原小学校の避難訓練を見学しました

机の下に避難するときには足をしっかりと持つ。基本的な行動ができているのがすごいです。

 去る2月22日に津和野町立青原小学校で行われた避難訓練の見学をしました。
 当日は地震からの避難ということで、地震時の身の守り方から校庭への避難までを実際にやってみました。
 こういった訓練では、避難開始から避難完了までの想定で行われることが多いのですが、実際には避難完了後からが長い時間となりますので、その時間を安全に過ごすための対策もしておいた方がいいなと、避難訓練後の状態を見るたびに思います。
 先生方は一生懸命に取り組んではおられますが、やはり専門家ではないのでどうしても視点が学校や研修会などで教えられたものになってしまいます。
 そのため、訓練でどのような視点を持つのがよいのかや必要な対応方法などを専門家が助言できる環境ができるとよいなと思っており、当研究所もできる範囲で各学校に協力できればと考えています。
 このたび見学の機会をいただきました青原小学校の皆様にお礼申し上げます。

地震対策で一つだけするとしたら

家具を固定しないと、家具が倒れるだけでなく、中のものが散らかって相当危険になる。

地震への備えは結構悩む人が多いようです。
実際、いつ来るのか来ないのかさえわからない、でも絶対に起きることはわかっている災害なので、備えておけばいいのですが、備えが無駄になるかもと考えると備える必要性を疑問視してしまうという難しい災害扱い。
台風や大雨だと、最近の予報精度なら最悪でも数時間前には被害が予測できますが、地震はそういうわけにはいきません。
いきなり起きて、起きた時には勝負がついているのがこの地震という災害ですので、準備はしておく必要があります。
どんな準備をすればいいのかというと、とにかく自宅が倒壊しないこと、そして建物の中の家具などが倒れないようにしておくことです。
これだけであれば、絶対に必要で一度やればいい作業になりますので、とりあえずこの対策だけをしておくようにしてください。
ただ、倒壊を防ぐ耐震化や家具の固定ではお金がかかります。
お金をかけたくないのであれば、寝る場所だけでも補強をしておきましょう。
最近では丈夫で潰れない天蓋付きのベッドなどもありますので、そういったものを用意しておくのも手だと思います。
また、普段いる部屋から背の高い家具をすべて撤去することも有効です。
どうしても家具の撤去が嫌なら、家具と天井の間に段ボール箱をしっかりと詰め込むと、家具が転倒しにくくはなります。
地震のあとには、避難所は収容人員をはるかに超える避難者でいっぱいになります。衛生環境や治安が悪い避難所で起きる騒動を考えれば、自宅を災害後もそのまま使えるようにしておくことがどれくらい大事なのかイメージがつくのではないでしょうか。
しっかりと備えるようにしたいですね。

地震と準備

建物が耐震化されていても家具を固定していないと揺れで倒れてつぶされてしまう。そなエリア東京にて。

 他の災害と違って、地震は発生した時には勝負がついています。
 平時に家具を固定したり、建物の耐震補強をしたり、逃げるのであればどこへ逃げるのかなどの行動決定をしておくなど、しっかりとした備えが必要となります。
 それができていないと、地震が起きた時に倒れてきた家具や倒壊した建物のの下敷きになって圧死したり、大けがをしてしまったりします。
 重要だけれども、急ぎではないと考えている人が多い災害対策ですが、地震に関することは重要で急いで対策をしておいたほうがいいと考えます。
 誤解も多いのですが、地震そのもので死んでしまうことはほとんどありません。地震によって起きるさまざまな二次的な要因で人は怪我をしたり死んだりしてしまうのです。
 つまり、備えることができて、備えればけがや死ぬ危険性を低くすることができる災害なのです。
 あなたのお住いの建物や職場は、地震に対して対策をとっていますか。
 いざというときに怪我したり死んだりしないために、きちんと対策をとっておくことをお勧めします。

家具の固定はしていますか

 地震のときに身を守る上で怖いのは、落下物によるケガです。
 職場や外出中であれば吊り天井や照明、家であれば、照明や家具が問題となってきます。
 職場や出掛けた先での対応は自分ではどうにもできない部分も多いですが、家であればある程度は自分の思うように作業ができると思いますので、照明と家具の固定はすぐにでもやっておきましょう。
 借家の場合には家具の固定は難しいと言われますが、要するに家具が転倒するのを防ぐ作業をすればいいので、壁や天井に工具を使って固定をしなくても、家具が動き出さないように天井一杯まで段ボール箱などを詰めておけばいいのです。
 家具が倒れるときには、動き出すスペースと倒れるスペースがいります。家具と天井の間に空の段ボール箱でいいので詰めておけば、家具が動き出すことを抑えられるので、家具が転倒する確率をかなり減らすことができます。
 また、わざと壁に向けて少しだけ傾斜させておく方法もあります。ほんの少しの傾斜でも、地震のときには家具は転がりやすい方向に力が向きますから、人がいる側では無く壁側に家具がぶつかるようになり安全が確保できます。
 突っ張り棒やチェーンなどでしっかりと固定しておけば安全ですが、もしそれができなくてもいろいろな方法で家具を動きにくくすることはできますから、家具を置くときにはそういったことを考えて配置してほしいと思います。
 それから、家具の転倒方向に出入口を置かないことも重要です。出入口前に家具が倒れてしまうと、避難のときに扉が開かなくなったり、移動がしにくくなったりしますので、家具の方向はしっかりと考えておきましょう。
 家具が倒れてくると、それだけで大けがをしてしまうことが予測されますが、ちょっとした準備でそれを防ぐことは可能です。
 できないからしないのではなく、できないなかで何ができるのかを考えて、できる範囲でしっかりと備えておくようにしましょう。

「週間地震ニュース」をご存じですか

最近毎日のように日本のどこかが揺れていて、そのたびにニュースになっています。
ところで、どこでどのような地震が起きてどうなったのかをまとめているNPO法人があることをご存じですか。
その法人の名前は「NPO法人環境防災総合政策研究機構」。
災害に関するさまざまなことをされているところですが、ここが毎週「週間地震ニュース」をウェブ上で公開しています。
毎週どこでどのような地震があったのかが一目でわかる図や簡単な分析結果などが掲載されていて、地震を知る際には参考になると思います。
興味のある方は一度見ていただければと思います。

NPO法人環境防災総合政策研究機構

(週間地震ニュースは下の方にリンクがあります)

点で支える、面で支える

点で支えている突っ張り棒。支える家具と天井の強度によっては、突っ張り棒のある場所が壊れて倒れてしまうことも起こり得るので注意が必要。

 家具の固定をするとき、賃貸住宅だと壁への直接固定ができないことが多いので、家具と天井を押しつける突っ張り棒を使うことが多いと思います。
 でも、突っ張り棒で押しつけても、飾り天井などで天井の強度があまりない場合には、突っ張り棒で止めても、地震の時には突っ張り棒が天井にめり込んでしまって支えきれない場合も出てくると思います。
 そんなときには、天井と突っ張り棒の間に強度のある板を一枚挟んでみましょう。

重量物である冷蔵庫の転倒防止で突っ張り棒と天井の間に板をかませた。面で支えるので力が分散しやすく転倒防止には有利。

 突っ張り棒が直接天井に接していると、点で支えるしかありませんが、突っ張り棒のついた板なら、板が接している面全てが支えてくれることになります。
 天井の強度が心配なときでも、突っ張り棒からかかる力が板全体に散らばるため、点で支えるときに比べるとかかる力が小さくて済みます。
 突っ張り棒は非常に便利で強度もある耐震器具ですが、支える先の強度に応じて設置の仕方に気をつけたいですね。

お部屋の安全対策を考える

 ここ最近、毎日日本のどこかで地震が続いていて、昨夜は福島のほうで大きな地震がありました。被災された方にはお見舞い申し上げます。
 大きな地震を体験していても、時間がたつと忘れていくのが人間の常ですが、これだけあちこちで地震が続いていると、いつあなたのお住いのところに大きな地震が襲ってきても不思議ではありません。
 週刊誌では首都直下型地震や東海東南海トラフ地震を取り上げてない月はないくらい煽っているわけですが、あなたのおうちの地震対策は大丈夫ですか。
 特に、普段寝ている部屋については、いつ地震に襲われてもケガをしないように対策を講じておく必要があります。

 棚やタンス、本棚の固定や万一倒れてきた場合に就寝スペースにのしかかってこない方向にしておくことなど、やっておいたほうが良いことはたくさんありますが、その中でも照明については優先的に意識をしておいてください。
 照明器具にはさまざまな形のものがありますが、揺れに対する安全性を考えると天井直付けのLED照明が一番安全です。

 天井直付けのLED照明は非常に軽量で飛散するものもありませんので、他のものにくらべるとかなり安全です。

よくある和風ペンダントの照明。傘がガラスのものもあって、結構重たい。

 ペンダントタイプの照明だと地震の際に一緒に揺れて天井などに当たり、場合によっては落下する危険性があります。蛍光灯タイプもLEDタイプも重たいものが多いので、当たってケガをする危険性がありますので、ペンダントタイプを使うのであれば、ピアノ線などで傘と天井をしっかりと固定しておくようにしてください。
 また、天付けであっても白熱球や蛍光灯の場合には割れたり折れたりしてガラスの破片が飛び散る可能性がありますので、飛散防止対策されたものを使うか、あるいはカバーなどの対策をとって落下物でけがをしないように対策しておきましょう。

直管型蛍光灯には飛散防止膜付きのものもある。

 地震の時には、部屋の中心が安全だとされていますが、部屋の真ん中の天井には、多くの場合照明が置かれていますので、お部屋の地震対策をするときには忘れずに押さえておきたいですね。