ポリ袋を使いこなす

普段何気なく使っているポリ袋。
これが災害発生時には大活躍することをご存じですか?
大きいものから小さいもの、透明なもの、不透明なもの、持ち手のあるものないもの等々、一口に言ってもさまざまなものが存在しますが、今回はこのポリ袋の使い方についてです。

大きなポリ袋(ゴミ袋サイズ)の使い方

1)簡易の防寒着や雨具として
寒いときに問題になるのはいかに風を遮るかということです。大きなゴミ袋を使い、止めてある側の真ん中を切り取ってそこから頭を出し、すっぽりと被るだけで手軽な防寒着になります。
止めてある側の端っこを切れば、簡易な雨合羽にもなります。腰の部分を紐で縛るととても温かいですよ。
身体に新聞紙を巻き付けると、さらに暖かさがアップします。

2)段ボールと組み合わせて簡易バケツとして
段ボール箱にゴミ袋を収めると、簡易なバケツとして使えます。ゴミ袋だけでも給水を受けることはできますが、保管が難しいので段ボールとセットで扱うようにします。
あまりたくさんの水を入れると底が抜けたりしますので、段ボール箱の強度にも気を付ける必要があります。

中サイズ(お買い物で使う大きなやつ)の使い方

1)三角巾として
買い物などに使うポリ袋の大きなものを使います。持ち手のある側の一方を切り取り、反対側のコーナーに肘を収めて持ち手を首の後ろで結ぶと、立派な三角巾として使えます。
首の部分は直接肌に当たると食い込んで痛くなりますので、出来れば襟やハンカチなどで上手にカバーをしてください。
また、頭部の怪我の時にも頭をすっぽりと覆えば立派な三角巾の代わりとなります。

2)シャワーとして
中に水やお湯を入れて底に穴を空けると簡単なシャワーとして使うことが出来ます。
ポリ袋の中に入る水の量の関係であまり長い時間使うことはできませんが、ちょっとした気分転換には使えそうです。

3)手袋として
ひっくり返して汚物や直接手で触れたくないものを触るときに手袋として使います。
掴んだ後、くるりとひっくり返して口を閉じれば、簡単で衛生的にさまざまなことができます。
また、きれいなポリ袋であればけが人の手当の時に自分の汚れた手で直接傷口に触れることなく、衛生的に処置を行うこともできます。

4)簡易トイレの台座として
以前に「簡易トイレの作り方」の一つとしてご紹介したように使うことができます。
ポリ袋によっては小さい穴がついていてそこから漏水するものもありますので、使うときには液が漏れないかどうかをよく確認しましょう。

5)ゴミ袋として
良くある用途ですが、例えば避難所にいくとゴミ一つ捨てるのに苦労をします。
手元にビニール袋があれば、とりあえずその中に捨てることで安心して鼻をかんだり食べ物を食べたりできます。
臭いが出るものについては、「臭いを防いでくれる不思議なポリ袋」というのがありますのでそれらを利用すれば大丈夫です。

6)簡易おむつカバーとして
あまりお勧めはしませんが、両サイドを切り離して長くしたポリ袋の真ん中にタオルをいれることで簡易おむつとして使うことができます。
普通の紙おむつと違い、一度の排泄でタオルを交換する必要はありますが何も無いときには有効です。
非常に蒸れやすいので、着ける人のおしりなどのかぶれには充分に注意してください。

7)簡易洗濯機として
中に洗濯物とお水と洗剤を入れて口を縛り手でもみもみすると簡易洗濯機になります。
あまりたくさんのものは洗えませんが、清潔にしたい下着類はこれで洗って同じようにゆすげば少ない水できれいになります。
大きいサイズのポリ袋でも可能です。

小さいサイズの使い方

1)調理器具として
きれいなポリ袋であれば、中に具材を入れて揉めばおいしいおかずが一品出来ます。
火は使えるが水が不足する場合には、作りたいものや温めたいものをポリ袋に入れて口をしっかりと閉め、その辺から汲んできた飲めない水を湧かしてお湯にしてその中に入れることで料理もできます。
この場合にはポリ袋の耐熱温度に注意しないと出来上がった食事に妙なものが混じったりするので、耐熱温度はしっかりと見ておいてくださいね。

2)食器やコップとして
新聞紙で作ったお皿やコップの中にきれいなポリ袋を敷くことで汁物や飲み物を安全にいただくことができます。
とはいえ、熱を防ぐ機能は殆どありませんので、熱いものを入れるときには気を付けるようにしてくださいね。

3)照明用として
懐中電灯の光を出す部分にくしゃくしゃにして膨らませた半透明のポリ袋を被せると、灯りが周りに拡がってランタンの代わりになります。
これに使うのは白いポリ袋で、透明なものは役に立ちませんのでご注意ください。

 他にもいろいろとあると思いますが、あるととても便利なアイテムの一つですので、非常用持ち出し袋の中身の一つに追加しておいてくださいね。
 そして、ポリ袋も徐々に劣化していきます。いざというときに使えないのでは困るので、普段使いのストックとして準備しておくとよいでしょう。
 大きなポリ袋は、自治体指定の「燃えるゴミ」や「不燃ゴミ」の袋でもOKですよ。

誰が何を用意する?

 企業や学校などで災害備蓄をするという話になったとき、さまざまな消耗品も準備することがあります。
 飲食物はその典型例で、備蓄はしていても期限切れで廃棄ということを繰り返すことも多いのではないでしょうか。
 そして、コストの点から見て、備蓄している飲食物はなるべく期限の長いものを選びがちなので味は二の次になるものです。
 災害時訓練をしっかりとやっているところであれば訓練にあわせて試食をしてみることで無駄にはなりませんが、好き嫌いやアレルギーの問題で食べられない人も出てくることがあります。
 そこで、飲食物についてはいくらかの補助をして各個人に指定する日数分用意してもらうことを考えてみたらどうでしょうか。
 備蓄すべき場所を提供し、そこにそれぞれが自分の好みの飲食物を収納しておき、非常時にはそれぞれがそこから出して飲食する。
 そうすることで無駄な出費を抑えることができます。
 また、この方法ならそれぞれが自分が食べられるもの、飲めるものを準備するために好き嫌いやアレルギーの心配をしなくて済むというメリットもあります。
 毛布や簡易トイレなどは誰もが使えるし期限があるものでもないので企業や学校で備蓄することでさまざまな手間を省くことが可能です。
 「命を繋ぐための道具をだれがどこまで何をどれ位準備してどこに置いておくのか」ということを、BCPではしっかりと固めておく必要があります。

被災地で起きる大きな4つの問題

 「トイレ」「ゴミ処理」「犯罪」「遺体処理」は被災地で大きな問題になるものです。
 人が生活する以上、トイレとゴミの問題は避けて通れませんし、治安力の弱まった地域には犯罪者が寄ってきます。
 また、残念にも災害で亡くなった方のご遺体をどこへ保管してどのように処理を行うのか、これがはっきりと決めてあるところは殆どないのではと思います。
 これらを解決するにはどうしたらよいのか、ちょっと考えてみることにします。

1)トイレの問題

 食べることは我慢できても排泄は我慢できません。
 ちょっとその辺でというわけにもいきませんので、トイレは災害後まっさきに発生する問題になります。
 日本トイレ研究所が調べた東日本大震災の状態では「9時間以内に避難者の8割弱がトイレに行きたくなった」という調査結果も出ています。
 では、その時トイレはどうなっていたのでしょうか?
 ごく少数の「くみ取り式」は問題なく使えたそうですが、「浄化槽式」や「下水式」だと配管がずれたり破損したりして使うことができなかったようです。
 無理矢理使って、トイレが汚物の山になったというケースもあまたあったようです。
 下水や浄化槽の修繕は一ヶ月以上はかかるようなので、その間は仮設トイレを使うことになりますが、それが間に合ったのかというと、「仮設トイレは3日以内に34%しか間に合わなかった」「もっとも遅いところでは1ヶ月以上もかかった」とのこと。
 詳しくはリンク先のリーフレットをお読みいただきたいのですが、被災したときのトイレをどのようにするのかというのはかなり大きな問題になると思われます。
 静岡県などではクラウドファウンディングによって移動式の仮設トイレ車を作って稼働させているようですが、排泄した後の排泄物をどのように処理するのかについて、自治体は事前に決めておかないといけないと思います。
また、個人や家族の間でも災害が起きたときにトイレをどのようにするのかについて話し合っておくことも必要ではないでしょうか。

2)ゴミ処理

 災害が起きると、ゴミの問題も発生します。
 生活するのに出るゴミと、被災した家屋や家具、日用品など使えなくなったものが災害ゴミとして出されます。
 生活ゴミは通常通り分別するのはもちろんとして、災害ゴミもできる限り普段通りの分別を行って出すようにしないといけません。
 ごちゃごちゃにして捨ててしまうと引き取ってもらえないだけでなく、混じったゴミから虫が発生したり悪臭や汚水などで衛生環境も悪化します。
 例えば、冷蔵庫がダメになったからと言ってそのまま捨てるのではなく、中身は生ゴミとして別に処理し、冷蔵庫は冷蔵庫として単体で処分に出すようにしましょう。
 大変ではありますが、ゴミを出す最初のところでしっかりと仕分けがされていると、被災自治体だけで処理しきれないゴミを支援する自治体が引き受けてくれることも可能になりますし、そうすればゴミの回収も早くなります。
 また、回収する側も素早く確実に回収が出来る仕掛けを作っておくことが大切です。

3)犯罪

 被災地には支援してくれる応援部隊と同じくらいの速度で空き巣や窃盗団がやってきます。
 警察や地元の治安力が災害によって弱まっているところを狙って被災家屋や施設、避難所等にある金目のものをごっそりと奪っていきます。
 これに対抗するには、地域外の車の流入を防ぐことや警察や自衛隊による巡回強化、地元住民による自警団のパトロールを行う必要があります。
 犯罪者は一見ボランティアのような風体で被災地を巡回することも多いですので、見知らぬ人を見たら必ず声をかけて何をしているのかを確認することや車のナンバーを控えることなどを住民の共通ルールとしてなるべく被害を押さえる努力をしましょう。
 ただ、普段隣に誰が住んでいるのかわからないような状況では犯罪を阻止するのは不可能ですので、普段からの近所付き合いも犯罪対策には有効なのではないかと思います。

4)遺体処理

 被災して、建物の倒壊や火災その他の理由で残念にも亡くなられる方も出るでしょう。
 数人程度ならなんとかなるでしょうが、大規模な災害だと、死者の数は通常処理できる数を簡単に超えてしまいます。
 それらのご遺体をどこへ仮安置するのか、どのように死因を確認し、どのように遺族に引き渡し、どのように埋葬するのかについては事前にルールを決めておかないと、通常の流れでは対応できなくなります。
 せめて遺体安置所になる施設だけでもあらかじめ決めておく必要があるのではないかと思います。

 いずれも普段あまり目を向けたくない部分ですが、災害時にはいろんなものが極端化して噴き出してきます。
 行政や自治会、NPOや各個人に至るまで、それぞれ自分にできることがあると思います。
 自分にできることを意識して準備しておくことで、やってくる災害に対してうまくやっていきたいですね。

避難を考える

一口に避難といっても、何が何でも全て避難場所や避難所に移動しろというわけではありません。
 災害対策の考え方では、一義的には自宅避難。自宅が危険な場合に避難場所へ避難。そして自宅が損壊した場合に避難所へ入所という流れになっています。
 「自宅が使える人は自宅で」というのが計画の大前提なのです。
 まず手始めに、地元の防災計画を確認して自分が避難すべき避難所や避難場所の収容人員を見てみましょう。その地域に住んでいる人がみんな避難できる空間があるでしょうか。
 避難場所や避難所はその地域の圏域人口はまったく考慮されておらず、そこにある公共施設が割り当てられているだけという場合が非常に多いため、地域にいる全ての人が避難すると避難者が多すぎて門すら超えられないという事態が想定されます。
 そのため、災害が起きたときに自宅に居るべきなのか、それとも避難すべきなのかをきちんと想定しておかないと、避難したのに路頭に迷うというおかしな事態が発生します。
 そうならないために、まずは自分の住んでいる場所で起きうる災害について、ハザードマップなどを元にして避難場所・避難所に逃げる必要があるかどうかを検討しましょう。
 唯一、津波は発生した場合にはどこでもいいからとにかく高台へ避難する必要がありますので注意してください。
 避難が必要なのは、高潮や洪水では2m以上水没することが想定される地域、後背地に崩れやすい崖や山がある場合や家が急な斜面に建っている場合、台風や竜巻などで自宅が損壊する可能性が高い場合で、この場合には周囲が安全な避難場所や避難所に避難する必要があります。
 逆に避難が必要ない場合には自宅に立て籠もることになりますので、自宅に災害をやり過ごせるだけの備えをしておかないといけません。
 行政機関の準備している住民への災害対策はあなたが思っているよりも遙かに貧弱でせいぜい「ないよりはナンボかまし」程度のものです。
 自分の命は自分で守ることは、災害対策での大前提。
 事前にしっかりと検討し、備えておきたいものですね。

 なお、石西地方の各自治体が指定する避難場所及び避難所の一覧はこちらからご確認ください。

子どもの指導者は防災対策を知っておこう

 保育園、幼稚園、学童保育、小学校、中学校、高校、塾その他、子どもと関わりのあるお仕事は非常に多いと思いますが、その人達が自分のところの防災対策を把握しているかご存じですか?
 「防災訓練をやっていますから大丈夫です」というお答えを聞くことも多いのですが、その頻度は「子どもが小さくなるほど回数が多い」傾向があります。
 保育園や幼稚園では大抵1ヶ月から2ヶ月に1回程度はされていることが多いようですが、これが小学校に上がると年に2回程度、多いところでも年4回程度になり、中学校で年1回、高校や塾だとまったくしていないところも見受けられます。
 子ども達は災害対応でどのように教えられているかというと「指導者の指示に従うこと」で「自分で判断せよ」ではありませんから、指導者は災害対策の指示が出来るレベルが要求されているのです。
 子ども達を預かっている場所の地形や危険、避難先やその後がきちんと整理されているでしょうか?
 子ども達にきちんと指導ができますか?
 災害対策で指導者が迷っている暇は残念ながらありません。その後がどうなるにしても、何らかの判断を常に求められるのです。
 過去から現在に至るまで「災害は不可抗力」として指導者の罪が問われたことはありませんが、今後災害が頻発するようになると「職務怠慢」で罪に問われるようになるかもしれません。
 そうならないためには、少なくとも子どもを預かっている間に発生した災害については適切に対応できるだけの能力を身につけておく必要があります。
 あなたのところの防災対策は大丈夫ですか?

お風呂の残り湯について考える

 防災対策ではよく「お風呂の残り湯は貯めておく」と言われますが、これは正しくて間違った情報だと考えています。
 確かに災害が発生した後、水道が復旧するまでは生活用水の確保が難しくなります。
 そのため、家の中にあるいちばん大きな水がめである風呂桶に残り湯を抜かずに貯めておきましょうという風に言われているのですが、2階以上のお風呂には貯めないほうが無難です。
 地震のときは地面から高い位置にある部屋ほど大きく揺れます。そのため風呂桶の残り湯はみんなこぼれて排水管に流れ込みます。
 そのときにこの排水管が破損していたら、下の階が水浸しにしてしまうということが起こります。
 この場合、自宅ならいいのですが、アパートなどで水没した下の階の住人への補償はこぼした人の責任になってしまいますので、2階以上に住んでいる人は地震に関しては水を貯めておかない方がいいということになります。
 また、それ以外の方でも、風呂桶に水を貯めておく場合には必ず蓋はしておきましょう。
 熊本地震では前震で懲りて風呂桶に残り湯を置いていたのに、蓋をしていなかったために本震で全部こぼれてしまったという話も聞きます。
 せっかく貯めているのですから、きちんと蓋をしてこぼれないようにしておきたいものです。

廃油ローソクを作ってみた

料理をしたときに出る廃油で簡単にろうそくができるそうです。
ちょうど揚げ物に使い切った食用油の処分をするところだったので、どんなものか作ってみました。
廃油ろうそくについては、以下のとおり作っていきます。

■材料
廃油
廃油凝固剤(例:固めるテンプル)
たこ糸
燃えない容器(できれば蓋のできる瓶)

■作り方

1.廃油凝固剤に記載された方法で、使い終わった廃油が冷める前に廃油凝固剤を入れて混ぜる。

2.凝固剤がしっかり溶けたら、芯にするたこ糸を適当に切って1に浸す

3.2を中央部に据えた瓶に1を注ぎます。注ぐときにこぼれてしまったので、1を注いだ瓶に2を入れた方がよさそうです。

4.芯を瓶の真ん中に固定して固まるのを待つ。芯の頭を輪っかにしておくと、割り箸で固定できるので楽。

5.固まったら輪っかのしたで切り離します。

6.これで出来上がり

蓋付きのろうそくができました。

火をつけてみると、割と大きな火ができます。最初はすこし不安定ですが、そのうちに安定します。
芯の太さによって火の勢いが変わるような感じですので、お好みの太さで作ってください。
今回はたこ糸の太いものを使用しています。

明るさはこんな感じ。近くなら文字がはっきりと読めそうです。

使う必要がなくなったら、蓋をして火を消します。
使ったのがジャムの瓶だったので、火が消える前に「ぽこん」と蓋からおとがしました。

消火後です。蓋の裏は煤けていますが、火はすぐに消えます。長時間使うときには、瓶そのものが熱くなるので蓋の裏のシールが溶けるかもしれないところに注意がいりそうです。
簡単にできて、それなりに安全で火力のあるろうそくができました。
ろうそくとして使うだけではちょっともったいない火力なので、そのうちに何か使えないか考えてみようと思います。

廃油ろうそくで検索するといろいろと作り方が出てきますので、自分の好みにあった廃油ろうそくを作ってみてくださいね。

2019.4.4追記 「固めるテンプル」のメーカーであるジョンソン&ジョンソンさんのホームページでは、「固めるテンプルでは絶対に作るな」と書かれていましたので、万が一このページのように油凝固剤を使ったろうそくを作る場合には、あくまでも作成は自己責任でお願いします。

がま仙人と青蛙神(せいあじん)

右ががま仙人で左が青蛙神。がま仙人はかなりでっかいひょうたんを持っているけれど、かなりのお酒好きだったのだろうか?

 3月いっぱいまでは休館中とのことですが、先日、ひょんなことから津和野町の日原にある日原歴史民俗資料館の収蔵物を拝見する機会に恵まれました。
 その中に収蔵されている大きな衝立に描かれているのが今日ご紹介する「がま仙人と青蛙神(せいあじん)」です。
 この衝立は元々お医者様の家の玄関に置かれていたそうで、作者は山本琹谷(やまもときんこく)という津和野町出身の絵師で、この資料館では「蝦蟇(がま)の絵」として紹介されています。写真ではわかりにくいのですが、青蛙神は前足二本後ろ足一本でおたまじゃくしのようなしっぽのついた姿をしています。福の神とされており、がま仙人とともに江戸時代には縁起物として好んで描かれていたそうです。
 「何で防災なのに美術品?」と思われたかもしれませんが、この青蛙神、実は「天災を予知する神」でもあり、がま仙人はこの青蛙神を従えて各地を放浪して、行った先々で起きるその地方の天災を青蛙神から聞き出しては、それを地域の住民に伝えてさまざまな供物を受け取っていたそうです。
 もしもこんな妙な姿のガマガエルを見かけたら、その地域で起きる天災を聞いてみるのもいいかもしれません。ひょっとすると、いろいろと教えてくれるかもしれませんよ。

 興味のある方はリンク先の日原歴史民俗資料館のサイトで営業日をご確認ください。

アルファ米を試してみるその3

 防災の講演会に出かけたところ、お試し用ということで賞味期限ぎりぎりの白飯のアルファ米をいただきました。
 いつ食べようかと思いながら家に帰ってくると、我が家の晩ご飯で食べるお米が一人分不足していたことが発覚!
 早速、ありがたくこのアルファ米を使わせていただくことにしました。
 今回の試食は所長一人でやってます。

今回のアルファ米はアルファ食品の白斑です。これにはハラール認証はついていません。

アルファ食品のアルファ米です。

袋をトントンして中にあるスプーンと乾燥剤を取り出します。

お湯を注ぎます。線までしっかりと注いだら、軽くかき混ぜて蓋を閉じて待つこと15分。

乾燥剤とスプーンは忘れずに取り出しましょう。


できあがりです。
アルファ米ですので、普通の白飯と比べると形がでこぼこしています。

170gで二人前ですが、お皿に盛ると大盛り一人前という印象です。

食べた感想は、少し固めで少し粘りのある普通の白飯でした。
ご飯の固さは注ぐお湯の量で調整できそうです。
おかずと一緒に食べていましたら、そのまま普通に完食していました。

 もう少し何か違いがあるのかなと思っていましたが、言われなければ分からないレベルのアルファ米の白飯。
 企業努力ってすごいなぁと、ちょっと感心しました。

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火をつけるということ

 以前に参加した都市部での災害対策研修での一コマです。
 ペール缶を使ったコンロで廃材を燃やすという演習があり、その時の質問でちょっと驚いたことがありました。
 「たき火をしたことがある人」という問いに対して、その場に居た30人弱の参加者の殆どが「ない」と答えていたのです。
 その時の参加者は年齢層が幅広く20代前半から60台後半くらいの方までいましたので、年齢の問題ではないようです。
 都市部ではそもそも火が焚ける場所がなく、普段はオール電化という生活では火と縁遠くなるのも無理はありません。
 田舎でさえ「野焼き禁止」というお達しが役所から出されるくらいですから、火を直接扱うことはこの先も少なくなるのでしょう。
 ですが、いざ災害が発生すると享受しているさまざまな文明の利器は使えなくなります。

 原始的なたき火で暖を取ったり灯りにしたり、鍋ややかんをかけて調理をしたりということになるのですが、その時最初の火はどのように作りましょうか?
 ちょっと前まではどこにでもタバコを嗜む人が居ましたから、マッチやライターは声をかければどこかから出てきました。
 ですが、今は電子タバコがかなり普及してきておりタバコを嗜むにも火は不要になりつつありますし、タバコを嗜む人そのものが格段に減ってきています。
 つまり、あらかじめマッチやライターを準備しておかないといざという時に火をつけられないということになってしまうのです。
 マッチやライターがなければどうするか?
 乾電池とアルミ箔やガムの包み紙、それにちょっとしたほこりや糸くずがあれば、ショートさせることで火を起こせるでしょう。
 天気が良ければ虫眼鏡と黒紙で火が作れます。
 適当な木があれば摩擦で火を起こせるかもしれませんし、火打ち石の要領で火花から火を拾えるかもしれません。

やり方が正しければ子どもでもきりもみ式で火はつけられます。

 意識しておかないといけないのは、火を起こす方法は一つではないということと、どうすれば火がつくのかを知っておくということ。
 災害対策という点から見ると、火を確保する手段についても練習をしておいた方が良さそうだなという気がしています。