お風呂の残り湯について考える

 防災対策ではよく「お風呂の残り湯は貯めておく」と言われますが、これは正しくて間違った情報だと考えています。
 確かに災害が発生した後、水道が復旧するまでは生活用水の確保が難しくなります。
 そのため、家の中にあるいちばん大きな水がめである風呂桶に残り湯を抜かずに貯めておきましょうという風に言われているのですが、2階以上のお風呂には貯めないほうが無難です。
 地震のときは地面から高い位置にある部屋ほど大きく揺れます。そのため風呂桶の残り湯はみんなこぼれて排水管に流れ込みます。
 そのときにこの排水管が破損していたら、下の階が水浸しにしてしまうということが起こります。
 この場合、自宅ならいいのですが、アパートなどで水没した下の階の住人への補償はこぼした人の責任になってしまいますので、2階以上に住んでいる人は地震に関しては水を貯めておかない方がいいということになります。
 また、それ以外の方でも、風呂桶に水を貯めておく場合には必ず蓋はしておきましょう。
 熊本地震では前震で懲りて風呂桶に残り湯を置いていたのに、蓋をしていなかったために本震で全部こぼれてしまったという話も聞きます。
 せっかく貯めているのですから、きちんと蓋をしてこぼれないようにしておきたいものです。