雨天時や洪水時の避難では、いくら雨具をつけていても濡れてしまうものです。
特に避難路が冠水している状態で避難を実施する場合には、足下が靴ということもあって必然的に体のどこかは濡れてしまいますので、避難が完了したら速やかに着替えて乾かすことをおすすめします。
夏場に夕立ちにあって全身ずぶ濡れになって、寒い経験をしたことはありませんか。 あれと同じで、体が濡れたままにしておくと、濡れた服が体温で乾いていくときに体温を持って行かれてしまい、場合によっては夏でも低体温症になることがあります。
それを考えると、非常用持ち出し袋には靴下や下着を含めた着替えを最低1組、それにフェイスタオルを一枚入れておく必要がありますよね。
濡れたら体から水分を拭き取って着替える、それにより体の保温を維持することができます。
海難事故の映画などで海から引き上げられた遭難者がそのまま毛布を着て震えているようなシーンがありますが、毛布が暖かいのは毛の間に空気が貯まっていて、その空気を体温で暖めるから暖かくなるわけで、濡れたままでは毛布もびちょびちょになってしまい、保温はできません。
同じことが災害時にもいえます。毛布では無く、最近はやりのアルミ蒸着シートなら大丈夫という人もいましたが、薄く軽く熱を逃がさない特性を持っているアルミ蒸着シートであっても、熱の発生源である人間の体が冷えているのでは、決して暖かくはありません。
濡れた服は脱ぐ。そして乾いた服を着て毛布やアルミ蒸着シートをかぶせて保温する。
災害時には体調を崩すことも多いです。ともかく濡れたままにしないこと。これを徹底しましょう。
ちなみに汗をかいても同じことが起こりますので、普段から体温調節や室温調整には気を遣ってくださいね。
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パスタを水で作ってみた
何かの折に「水でパスタができる」という記事を読んだ記憶はあるんです。
「水につけて6時間くらいで完成」というのは覚えているのですが、その出典には行き当たりませんでした。
でも、災害時に本当にそれができるとすれば、パスタ好きの私としては非常にありがたい。
というわけで、今回は水でパスタが本当にできるのかを試してみることにしました。
材料は、パスタ、水、鍋、そしてソースとして使うお茶漬けの素です。
使うパスタは1.8mm。一人分ずつ束ねられていますが、鍋に入らないので半分に折り、水を注ぎます。
あとは待つだけ。ゆでる場合には8分かかるのですが、水だとかなり時間がかかる気がします。
30分経過。まだしっかり堅いです。
1時間経過。少しだけしなっとしますが、やはりまだまだ堅いです。
当所理事長(私の配偶者)が「アルファ化しないと食べられないと思うよ」と哀れんだ目でこちらを見てますが気にしないことにして実験を続けます。
2時間経過。柔らかくはなっています。一本食べてみると、中はまだ堅い感じです。
2時間半経過。柔らかくなってます。でも、食べると粉っぽいです。
4時間経過。麺の中央部が油粘土のような感じになりました。はっきり言っておいしくないです。
6時間経過。一本一本が油粘土です。おいしくない、というよりも、吐きそう。
6時間経ってもとても食べられそうになかったので、熱を加えてアルファ化してみることにしました。
沸騰したお湯から麺を取り出すと、あれ?、なんだか普通にパスタっぽいものができあがりました。
お茶漬けの素をかけてみます。
なんと、ちゃんと食べることができました! ただ、麺の表面がべたべたになって「おいしい!」とまでは言えません。
感覚ですが、1時間水に漬けてそのまま沸騰させれば、普通に食べられるパスタになるんじゃないかと思います。
当初の想定とは異なる結果になってしまいましたが、燃料節約の一つの方法にはなりそうです。
子どもを退屈させないために
災害が発生しそうで避難所へ避難すると、多くの人は不安になるものです。
でも、そこで何をするかといえば、テレビを見るかラジオを聞くか、寝てるか、顔見知り同士で話をするかくらいです。
そうなると困るのは子ども達。特に元気を持て余している小さな子どもは暇や退屈を我慢できません。
災害で家や街がどうなるかなどという心配はしませんし、知っている子どもがいれば一緒に走り回って遊び始めるのは普通です。
ところが、そうすると不安になっている大人達は子ども達がどたばたするのを我慢できませんから「静かにしろ!」と怒鳴りつけ、しばらくするとまた子どもが騒いでまた怒鳴りという悪循環が発生します。
これを防ぐためには、子ども達を暇にさせない、退屈させないことです。
そのため、子どもがいるおうちの非常用持出袋の中には、必ず複数の子どもが静かに遊べるその子の好きなおもちゃを入れておくようにしましょう。
絵を描くことが好きな子なら、自由帳と色鉛筆。読書が好きなら単行本や絵本。編み物や将棋や碁もいいですし、トランプやUNOといったカードゲーム、持ち運びできるボードゲームも楽しいですよね。
よくある携帯ゲーム機やスマホゲームも悪いとはいいませんが、光や音、電源の問題などでトラブルが起きやすいのが難点です。また、遊ぶゲームによっては通信系に負荷をかけてしまうこともありますので注意が必要です。
どんなおもちゃであれ、肝心なのは子ども達が夢中になって楽しむことができること。
暇で退屈するから走り回ったり遊びをいろいろと考えつくわけで、夢中になって遊べるものがあれば、子ども達は本気で遊んでくれます。
では、おもちゃがなければどうするか?
そんなときには、大人がそこにあるもので、しかも周りに迷惑をかけずに遊ぶ方法をいくつか教えておくと、後は子ども達が勝手に新しい遊びを作り出していきます。また、一緒になって遊ぶのもいいと思います。
一緒に遊びながらさまざまなルールを教えると、子ども達は驚くくらい素直にそれを守ってくれます。
さらには、何か仕事をお願いするのもいいでしょう。
とにかく、子ども達を暇で退屈させないこと。
避難所がギスギスしないための一つの方法です。
缶詰と非常食
非常食でアルファ米と同じくらい良く登場するのが缶詰です。
重いという点ではハンデがありますが、手を加えずにそのまま開けて食べることが可能という長所があります。
さて、缶詰はできたてよりも賞味期限に近いほうがおいしくなることが多いということをご存じですか?
缶詰の中の食材や調味液がじっくりと混じり合うことで、個人的には安い缶詰でも高級品の味わいで食べることができると思っています。
オイルサーディンや鯖の味噌煮などは、人によっては期限切れの缶詰をわざわざ探す人もいるそうですよ。
他の防災食の場合には、賞味期限が切れると食べるのに躊躇してしまいますが、缶詰は割と安心して食べることができます。
食品衛生法上、食品は全て賞味期限または消費期限を明記する必要があるので記載されていますが、缶詰の場合には相当余裕があるようで、海外では114年前の缶詰も食べることができたという記録があるそうです。
缶詰が食べられるかどうかは次の点に注意する必要があります。
1.缶が錆びたり変形したりしていないこと
2.缶の蓋及び底が膨れたり、押したときにペコペコしないこと
缶詰は基本的には缶詰にしたあとで高温殺菌処理されるので、内部の菌はほぼ死滅します。
ですが、何らかの原因で発酵が進むと、やがて内部にガスがたまって膨らむため、その缶詰が傷んでいるかどうかがわかるというわけです。
ちなみに、世界でもっとも危険な缶詰と呼ばれる「シュールストレミング」は、内部で発酵を進めているために蓋と底がぱんぱんに膨らむそうで、いつ爆発するかわからないために航空機への持ち込みは禁止されているのだとか。
ともあれ、どうかすると避難用持ち出し袋に入れたまま忘れられてしまうこともある非常食。
缶詰であれば、避難先で出してみて、賞味期限切れでがっかりというのは防げるかもしれませんよ。
ビスを使わずに家具を固定してみる
以前にL字金具とビスとで家具をどうやって止めるかについて考えてやってみたことがありますが、今回は「ビスを使わずにどうやったら家具を固定できるか」について考えてみます。
上の写真は以前我が家で取り付けた家具転倒防止の突っ張り棒。本来高いところに置くべきではないものがいろいろとおいてあります。
まだ防災のことを知る前にとりつけたものなので、鉄棚の真ん中を押さえていますが、本来は動かないように壁側に一番近いところを固定しなくてはいけませんが、忙しさにかまけて放置したままにしていました。
実は取り付けた後に起きた大阪北部地震で「突っ張り棒が天井を突き破って家具がひっくり返ってしまう」という事例が起きてしまったと聞きました。そこで、この鉄棚を確実に固定するため、二種類の違った方法で固定をすることにします。
まずは突っ張り棒を正しい位置に移動させます。
今回使うのは、この「不動王」。壁と家具を特殊な粘着テープで繋いで固定するため、壁を傷つけにくいとの触れ込みです。
柔らかい壁紙やセメントモルタル、石膏ボードなどには、不動王が粘着テープを使う構造上使えないことが書かれています。
ふわふわした厚手のスポンジが振動を上手に吸収して本体がひっくり返るのを防ぐようです。 取付方は、L字金具と一緒です。違うのは「ビスをもむ必要がない」こと。その部分が特殊な粘着テープになっているわけです。
壁側、家具側の両面テープをはがします。
で、L字金具とは逆に「家具→壁」の順番に固定していきます。
ぎゅっと押さえたら完成。とっても簡単で力も不要です。
もう一つも同じように取り付けて、これで完成。突っ張り棒と不動王の二種類の固定具で固定を多重化しました。
「不動王」の寿命は5年くらいとのことですが、固定部分がはがれていないかの確認は一年に一回くらいした方がいいかもしれません。
これで家具倒れるまでに逃げ出す時間を稼ぐことくらいはできそうです。
不二ラテックス 不動王家具転倒防止器具L型固定式 FFT-001 価格:2,319円 |
ほうきとちりとりは必須です
災害が発生した後、家の内外を問わずさまざまなものがひっくり返り、埃が舞って積もって状態になります。
災害が収まったらお片付けをすることになるわけですが、普段なら掃除機で吸い込んでしまうものでも災害後は停電で電化製品は使えないと思った方がよさそうです。
そんな状態で大活躍するのがほうきとちりとり。
1セットあると、おうちの片付けがはかどります。
さまざまな割れたものや壊れたものは素手で触ると怪我をする可能性がありますが、ほうきとちりとりで回収してそのままゴミ袋に入れれば効率的で安全に処理が可能となります。
ほうきは消耗品なので定期的に更新する必要は出てきますが、さほど高いものでもありませんし、災害後に手に入らないものの一つでもありますので、事前に確保しておいたほうがいいと思います。
穂先や柄がさまざまですので、自分が使いやすいものを選んで備えておくようにしましょう。
携帯用トイレを考える
最近はさまざまなところで携帯用トイレを見かけるようになり、百円均一ショップなどでも「男女兼用」な携帯用トイレを見かけるようになりました。
これだけ見かけるところを見ると、いざというときに備えて準備している人も多いのかなと思いますが、使ったことのある人はどれくらいいるでしょうか?
基本的なことですが、百円均一ショップなどで売られているコンパクトな携帯用トイレは「小用」です。「大きい方」の時には使えないので気をつけておいた方がよいと思います。
さて、この携帯用トイレは排泄時には投入口の口を開いて中に排泄を行うわけですが、男性はともかく、女性はかなり使いにくいようです。
一応「兼用」とされていて受け口が広く折り返せば安定するのではありますが、うまく投入口に排泄部分が当たらずに周りに飛び散ってしまったりすることも多いとか。
「小」を受けるためのジョウゴなどを使うなど、ちょっとした工夫が必要な場合もあるようです。
また、子どもの場合になるともっと大変です。普通にトイレでできる子でも、小さな投入口に注ぐのは勝手が違います。
子ども達に任せると、中には一滴も入らずに周囲が大洪水ということも起こりますので、場合によってはトイレで用が足せるようになっても「おまる」を準備しておくことも有効ではないかと考えます。
準備したらまずは使ってみること。防災用品の基本ではありますが、簡易トイレもさまざまなものがありますので、使ってみて自分や家族にあったものを用意しておいてくださいね。
国産液体ミルクが発売されます・その2
以前に江崎グリコさんから液体ミルクが紙パックで発売されるというご案内をしたところですが、明治さんからも液体ミルクが発売されました。
こちらは缶入りで賞味期限は1年。内容量は240mlで、価格は215円(税別)。
江崎グリコさんは賞味期限半年で内容量は125ml。価格は200円(税別)ですから、 一度開封して使い切りということを考えると、小さい乳児は江崎グリコさん、大きくなると明治さんの方が向いていることになります。
どちらも別にほ乳瓶がいるので、災害時への備えとしては使い捨てのほ乳瓶の用意がいるような気がしますが、災害で無くても、ちょっとしたときに調製しなくても飲めるミルクがあるというのは非常に助かるなと感じます。
現在、一部店舗での先行販売が開始されたとのこと。
一般発売は4月になるとのことですが、慣れ親しんだ国産ミルクの中で選択肢が増えるのはいいことだと思います。
詳しくは、リンク先をご覧ください。
非常食に「お麩」はいかが?
食材として目にすることはあってもあまり使われることがない気がする「お麩」。
でも、災害時の非常食として考えた場合、このお麩は非常に優秀なのです。
今回はこのお麩について考えてみたいと思います。
「お麩」にはさまざまな種類がありますが、そのいずれもさほど手間がかからずに保存できる食材です。
砕いて水にふやかせば緊急用の離乳食に使えますし、そのままかじることも料理に入れてもおいしく食べられ、少量でもしっかりとお腹もふくれます。
値段も他の非常食に比べると格安ですし、原材料は小麦粉とグルテンくらいなので、アレルギーにさえ気をつければ非常に使い勝手のいい優秀な非常食だと思います。
あまりに身近すぎてなかなか気にとまることのない食材かもしれませんが、日常の生活に取り入れて、いざというときにも使えるようにしておくといいですね。
「「お麩」ってなんだ?」という方、お麩のレシピを知りたい方は以下のサイトを参考にしてください。
協同組合 全国製麩工業会
お麩研究部
防災アプリを入れてみる
スマートフォン用の防災アプリというと有名なところでは「NHKニュース・防災」や「yahoo!防災速報」などがあります。
地方ローカルでは「東京都防災アプリ」や「大阪市防災アプリ」などがありますが、津和野町と吉賀町についてもこのアプリがあることはご存じですか?
2016年から運用されているそうですが、津和野町と吉賀町をエリアにしている「サンネットにちはら」さんのアプリの中にこの機能が組み込まれています。
ここではAndroidで説明しますが、iPhoneにも対応アプリが用意されています。
これが起動画面。初回時のみ津和野町か吉賀町かの確認があり、アプリが起動。その後は画面下の「地域選択」で切り替えることができます。
防災情報をタップすると、さまざまな情報が見られるようになっています。
「最新防災情報」では気象情報を中心とする災害関係の情報が、「定点カメラ」では道路や河川にある監視カメラからの映像を簡単に見ることができるようになっています。
「雨量一覧」や「水位一覧」は選択した町の河川や降雨のデータが、「避難所」では同じく選択した町が決めている各種避難場所のメニューが出てきて、行きたい避難所名をタップするとナビで誘導までしてくれるようになっています。
また「消防・防災」では役場からの消防・防災関係に特化した情報が掲載されています。
いざというときに使える情報が使いやすくわかりやすく作られていますので、該当する地域にお住まいの方でスマートフォンをお持ちであれば、ぜひ一度インストールして使ってみてください。
Androidの人はGooglePlayから、iPhoneの人はAppStoreで「サンネットにちはら」と入力すると見つかります。
ちなみに、益田市は調べた範囲ではこういったアプリの存在がわかりませんでしたので、国土地理院の避難所マップに頼るしかなさそうです。