【活動報告】雲南市のチームあそぼうさい様のイベントを見学しました

 2023年5月14日に雲南市のいいしへいわの里(旧雲南市立飯石小学校)で開催されたぼうさい親子ラリーを、主催のチームあそぼうさい様からお誘いいただいて見学に伺いました。
 チームあそぼうさい様は若い人たちが試行錯誤しながら地域の防災活動をしている団体で、ご縁をいただき、今回の見学となりました。
 当日はたくさんの親子連れがクイズや防災体験をし、こどもたちも親御さんもとても楽しそうに活動しておられ、当研究所のプログラムにも組み込んでいきたいと思う内容もいろいろとあって、見学をしているこちらも非常に楽しいひと時を過ごすことができました。
 他の団体様がされる防災イベントを第三者的に見る機会はなかなかないのですが、運営のやり方や目の付け所がいろいろと違っていて、そういった方法があるのかという刺激をたくさんいただきました。
 イベント終了後にランチミーティングさせてもらいましたが、こういったイベントを子供会の行事にあらかじめ組み込んでもらうことや、他の防災イベントとセットで行うことなど、いろいろな情報交換をし、話のなかで思わぬ共通の知り合いが出てきたりして、非常に楽しかったです。
 防災活動では、その地域での普及啓発はもちろんですが、いざというときに備えた横の連携もかなり重要ではないかと思っています。
 いろいろと教えていただきましたチームあそぼうさいの皆様にこころから感謝します。今後ともよろしくお願いいたします。

地震の時の防御姿勢

机の下でダンゴムシ
机の下でダンゴムシはお約束です

 あちこちで地震が起きていますが、あなたがお住いのところは大丈夫ですか。
 さて、地震が起きた時に最も怖いのが怪我をすることです。
 転倒したり、落下物の下敷きになったりして怪我をしないように、例えば小学校では「机の下に入る」や「ダンゴムシのポーズ」などを教え、姿勢を低くして頭を守る行動を教えています。
 迅速に動けない方でも、姿勢を低くすることはできる人が多いと思いますので、できる範囲で姿勢を低くすること、そしてそれも無理なら周りの丈夫なものにしがみつくなどして、揺れで体がひっくり返らないようにしておきましょう。
 ところで、こういった防御姿勢ができていても、頭上から防御力以上の落下物が落ちてくると怪我をしますので、防御姿勢をとる前には周囲の安全確認をしっかりとしておきましょう。
 例えば、瓦やブロック塀、自販機のある周りにいたら、そこからは離れることや、駅やデパートなど吊り天井のところでは、できるだけ柱や壁などしっかりした部分に近づくなど、落下物から身を守る場所を選ぶようにします。
 また、職場や家などでは、そもそも落下物ができるだけ発生しないように、棚は低めにすることや、高いところに重たいものを置かないなどの対処をすることが大切です。
 周囲の安全確認と自分の防御姿勢をとることを一瞬で判断して行動するのは難しいですから、なんでもないときから周囲の安全確認をするくせをつけておくといいですね。
 ともあれ、地震の揺れで怪我をしないように、事前の対策をしっかりととるようにしてください。

災害対策に否定的な人をどうするか

 災害対策を考えるとき、できるだけ多くの人が一堂に会して対策について話し合うことが必要です。
 とはいえ、こと災害対策に関しては否定的な意見を言う方が非常に多く、そういった人たちは全てを行政の責任にするか、自分以外の何かに責任を押し付けたがるもの。
 そういった方を相手にするのは疲れますし時間の無駄なので、災害対策を前向きに考えられる人を集めて話し合いはすべきです。
 否定的な人のことを考える必要はありません。災害対策を前向きに考えられる人達がどうやって命を守るのかについて検討し、行動をしてください。
 行政機関や自治会ではそういうわけにいきませんが、自主防災組織や地区防災計画では、あくまでもそこに参加する人が対象となるので、あまり難しく考える必要はありません。でも、なぜか自主防災組織も地区防災計画も自治会と同じ考え方で構成しようとするので無理がくるのです。
 あくまでも自分の命を効率的に守りたい人が集まって構成するのが自主防災組織なので、他人に文句しか言わずにすべてお任せの人は放っておいて問題ありません。
 現在福祉と防災を連携させて災害時に支援の必要な人に対してどのような支援をするのかという個別支援計画を策定するようになっていますが、これも同じこと。
 対象者の全てではなく、必要と考えている人に対して行動すればいいのです。
 個人情報や世間体を気にしている方は、それぞれ自分で対策をしてもらえばいいわけで、全ての人が対象者である必要性もないのです。
 行政がこの部分に大きくタッチしない理由は、行政はその地区にいるすべての人を助けなければならない義務があるからです。
 不平・不満・思考停止・他力本願の方を救う能力は、行政にはありません。なので、わざわざ自治会ではなく自主防災組織、あるいは地区防災計画という形で災害時の対応をすることになっているのです。
 かなり極端なことを書いていますが、実際のところ助かりたい人だけが自分たちの命を救う行動をとれば済む話で、否定的な人は何をどうやっても否定されるので、そもそも声をかけるだけ無駄なのです。
 やっているうちにやっている人たちの方を向いてくれれば、そのときに初めて一緒に対策を考えていけばいいので、そうでない間は放っておいてください。
 最終的に災害から助かるかどうかは運次第のところもあります。
 たすかりたい人は、その運をできる限り助かる側に傾けるために努力しているのです。否定的な人を助けるのは行政や宗教に任せて、まずは助かりたい人たちから行動を始めるようにしてください。

地震が起きた後

 石川県珠洲市を中心とする地域の地震が頻発しているようで、現地の方は落ち着かないと思います。
 規模の大きな地震の場合、発生後数日~数か月は揺れが断続しておきますので、怪我をしないように十分気を付けてください。
 おうちのお片付けのときには、なるべく高いところに荷物を片付けないようにすることや、壊れやすいものはなるべく低いところに置く、寝るところには家具や落下物になりそうなものは置かないなど、怪我をしないことに注意してください。
 また、被災家屋の応急判定がされていると思いますが、貼られた張り紙の色が赤だけでなく、黄色のおうちも続く揺れに耐えられないことがありますので、十分に気を付けてください。
 それと、家と家の周りの点検も必要です。
 揺れが何度も起きると、柱や屋根にも損傷が起きることがあります。特に屋根は損傷すると雨漏りが発生し、そうなると家自体にも悪い影響が出ます。雨漏りしないようにしっかりと点検をし、損傷があるなら手当をしておきましょう。
 家の周りでは、亀裂などの変化に気を付けてください。庭や家の基礎が上がったり下がったり動いたりしている場合には、続く揺れで思わぬダメージが発生することがありますので、早めに業者さんに点検してもらうようにしてください。
 地震だけであれば、現在の日本の建築基準にあっていれば大きな損害は起きにくいです。慌てずに、落ち着いて状況を確認して、自分の安全確保を第一に行動するようにしてください。

我が家のBCPを作ろう

 防災用語として割と定着した感じのあるBCP、事業継続化計画といわれますが、何か不測の事態が起きた時にでも事業を継続できるような段取りを可視化しておくものです。
 学校や施設、企業などで作っているはずですが、行政や業者の作ったひな型に文字を入れて、内容の確認も検証もせずに備えていますというところが山ほどあります。
 実態に即していないBCPはいざというときに助けにならず、逆に邪魔になることが多いのですが、今回はそれに対する文句を言いたいわけではありません。
 今回は、おうち版のBCPを作ってみないかというお話です。
 おうち版BCP、一時期FCP(ファミリー・コンティニュー・プラン「家族継続化計画」)と呼ぶ人もいましたが、結局定着していないようなのでおうち版BCPとしてここでは説明をします。
 内容は「誰がどこにいるのか?」「どこにいるときにはどこへ避難するのか?」「災害が落ち着いたら、どこで合流するのか?」「連絡手段はどうするか?」「収入はどのようにするか?」など、被災しても家族が安心して避難し、災害後、日常生活を取り戻すまでに必要な段取りをきちんと決めておくことです。
 これを作ることによって、いざというときに自分がどこへ避難するのかや他の人がどこに避難するのか、どうやって連絡を取り合うのか、どこで家族がまた一緒になるのかといった、災害後に問題になる部分が解決できます。
 家族と普段から生活している場合には、災害発生時にどうしても自分以外の家族が気になるものです。
 子どものいるおうちだと、子どもを引き取りに学校などに出向くということがあるかもしれませんが、迎えに行く人や迎えを待っている人が被災するかもしれません。
 でも、もしも災害発生時に子どもがどこかへ避難することを決めているのであれば、子どもはそれに従って避難しますし、危険を冒して迎えにいかなくても、状況が落ち着いてから避難先に迎えにでかけてもいいのです。
 BCPと避難計画が決定的に違うのは、避難計画は避難完了までが目的であるのに対して、BCPは避難完了後、日常生活を取り戻すまでの手順を作っておくことが目的であることです。
 作る時には、ご家族みんなであれこれ話しながら作ってください。そうすることで、参加した人は自分のこととして受け止めることができ、いざというときにもきちんと行動をしてくれます。
 我が家のBCP、作るのは結構大変ですが、ご家族の行動範囲や活動内容、生活習慣を再確認することができるので、作った後は悩んだり迷ったりする必要がかなり減ります。
 作ることが難しいなと感じたら、BCPについて書かれた書物を調べたり、BCPを取り扱っている業者などに相談してみてもいいと思います。
 当研究所でもお手伝いできますので、興味のある方がおられたらご連絡をください。
 我が家のBCP、作ってみてくださいね。

一日一度は楽しい時間を作る

 避難生活が続くと、楽しいことやにぎやかなこと、特に笑うことが不謹慎だと言われる方もいらっしゃいますが、気力を維持するためには楽しいことやにぎやかなこと、そして笑うことが何よりも大切だと筆者は考えています。
 被災者となった人にこそ、一日のうちのどこでもいいのでその人が楽しいと思える時間を作ることが未来への気力を生む力だと思います。
 携帯ゲーム機でも、スマホでも、麻雀でもおしゃべりでも、パチンコでもいいと思います。普段から自分が楽しいと思っていることを楽しむ時間を確保してください。
 笑わなければ、だんだんと気が滅入るようになり、未来への気力も失われていきます。自分を楽しませることは、生きる力を生むことではないでしょうか。
 大規模災害だと、最初は生きるので精いっぱいな状態かもしれません。でも、そういった時期をすぎたら、できるだけ自分が楽しめる時間を作る努力をしてください。
 とはいえ、被災地ではできることできないことがありますから、平時に作っておいた「自分が楽しいと思うことリスト」を使って、その場でできる自分が楽しいと思ったことを片っ端からやってみてください。
 どれかがはまればしめたもの。きっと夜は気持ちよく寝られますし、翌日もすっきりと目が覚めると思います。
 ただ、一つだけ気を付けてほしいことは、お酒だけはダメです。お酒は自分のそのときの気分を極端化にする飲み物なので、どこか心に不安を抱えた状態で飲むと、悪酔い&深酒&からみ酒となってロクなことにはなりません。お酒は、自分が本当に楽しいと思う気分のとき、その気分をより楽しくするために飲むのだと思ってください。
 不謹慎で結構。被災地だからこそ、自分が楽しまなければ気力は続きません。
 自分を守ると思って、自分が楽しいこと、時間を作って楽しむことを忘れないでくださいね。

とりあえず備蓄する

 災害などの非常事態に備えるために、生活に必要なものについては3日~1週間程度は備蓄するように政府は推奨しています。
 ただ、普段はあまり使うことのない水のストックやアルファ化米、災害食などは長期保存できる分値段も高いですし、どうかすると使わずにそのままダメになってしまうこともあると思います。
 備蓄するためには場所も必要ですが、単身の方でワンルームなどにお住いの場合などは、そもそも備蓄品を置く場所がないという場合も想定されると思います。
 だからといって何も備えなければ、非常事態が発生した時にはどうにもならなくなりますので、とりあえず1日分の備えをすることをお勧めします。
 1日分で考えると、例えばペットボトルは2リットルですので、500mlのボトルで4本あればいいことになります。これくらいなら、しまう場所は見つけられると思いませんか。
 また、アルファ化米も3袋なら、さほど場所は必要ありません。
 そして、それくらいの量なら、賞味期限が来ても使うことはさほど難しくはありません。例えば昼食で500mlの水のボトルとアルファ化米を一つ使えば、3日で消費できる計算です。
 また、一口ようかんやカロリーメイトなどの栄養補助食品、スニッカーズといったチョコレートといったものがあれば、ひもじくはなりますが数日は命をつなぐことができます。
 家で調理をする人なら、普段から一食分程度材料を多めに買っておくと、非常事態でもそのまま1食は確保できる計算になりますので、それもお勧めです。
 肝心なことは、まず備蓄することです。備蓄があれば、消費量を調整すればある程度は持たせることができます。
 備蓄がなければ何もできません。
 まずはあなたの周りにある備蓄品を確認してリスト化してみてください。リスト化してみると、案外と手元にあるもので1週間くらいはなんとかなるかもしれませんよ。

地震のときには安全確保

 能登半島を中心として大きな地震があったようで、詳細がまだわかりませんが、大きな被害がでないことを願っています。
 地震では、とにかく身を守ることが最優先となります。地震そのものでは、心臓が弱い方が驚いて心停止ということでもなければ死ぬことはありませんが、地震に伴って建物倒壊に巻き込まれたり、何らかの落下物などに当たったりすると大けがをすることがありますので、耐震補強や家具などの転倒防止対策はしっかりと行わなければいけません。
 そして、今回の地震でもそうですが何回か連続して地震が起きることもありますので、揺れが収まったら、まずは安全な場所に移動して状況を確認してください。建物内部のお片付けは、安全が確認されてから始めても遅くはありません。まずは安全確保ということを忘れないようにしてください。
 また、万が一に備えて、普段生活しているところや寝ている場所について、誰か知っている人を最低一人作っておいてください。
 もしも建物が倒壊した時、その時どこにいたのかがわかるだけで、救助の速度は格段に上がります。どこにいるのかがわからなければ、建物全体を丁寧に探さなければならないので、時間が非常にかかって助けられるものも助からなくなるので、自分が助かりたい人は自分がいそうな部屋を知っている人に伝えておきましょう。
 安全確保は自分自身で行うものです。自力でする安全確保と、周囲に助けてもらって行う安全確保。
 これから来るかもしれない大地震に備えて、しっかりと準備しておいてください。

安心リストを作っておこう

 人間というのは普段からさまざまな不安を持っているものです。
 そして、その不安を解消するために、さまざまな行動をしていることもご存じのとおり。
 こと、災害になるとそういった不安がさまざまな形で精神に悪影響を及ぼしますので、そうならないために対策を考えておかなければなりません。
 そこでやっておいてほしいことが一つあります。
 それは、普段から自分が安心できる状態になれる「モノ」「コト」「場所」「人」などを考えてリストアップしておくことです。
 数が多ければ多いほど、いざというときに役立ちますので、思いつく限りのことをリストアップしておいてください。
 出来上がったそのリストは、非常時に持ち歩くものの中に入れておきます。スマートフォンのメモ機能などでもいいのですが、電源確保が不安ですので、できれば紙に書きだしておきましょう。
 そして、避難完了時や被災後に自分が不安な気持ちになったときは、そのリストを見てその時の自分のコンディションに応じた安心できる状態を探して試してみましょう。
 記憶しているから大丈夫なような気がしていても、いざというときにはなかなか思い出せませんから、可視化したものでチェックをしていくと、意外に気持ちが安定してくるものです。
 また、普段から意識していることで、自分が安心だと思える傾向も見えてきますから、不安にならないための行動をあらかじめとることもできるようになると思います。
 災害からの復旧・復興は意外と長期戦になりますから、気持ちが落ち込んだりくじけたりすることが恐らく出てくると思います。
 そんなときに役に立つ「安心リスト」。災害時でなくてもこころの不安時には必ず役立ちますので、普段から意識して作ってみてくださいね。

消火器の位置を考える

 消火器の設置については法律に設置を義務付けられている施設とそうでない施設がありますが、初期消火のことを考えるとどのような建物であれ消火器は備え付けておくほうがいいと思います。
 ただ、備え付けているだけではダメで、出火した時にすぐ使える状態になっていなければ意味がありません。
 消防法令では、消火器は「通行又は避難に支障がなく、必要時にすぐに持ち出せる場所に設置すること」とされていますが、実際には火を使っているコンロの下やその周辺、何かの物陰になっていてそこにあることが周りにはわかりにくい状態になっていたりします。最近ではおしゃれで見た目消火器に見えないような消火器も販売されていますが、消火器とはわからないので、そこにあるのに使ってもらえない可能性が出てきます。
 火を使う場所、施設では厨房、ご家庭では台所になると思いますが、その室内で目立ち、かつ邪魔にならないところがあるかを見回してみてください。そういう場所は案外と見つけるのが難しいもので、結局その室内にあるちょっとした空間に置くことになるのですが、設置のときにはしっかりと意識していても、普段使われていないと、そのうちに周りに物が積まれたりそこから撤去されたりして、いざというときにはどこにあるのかわからないという状態になってしまうこともありますので、家族や従業員といったそこを使う人たちで消火器が必要であるということを共通認識とし、繰り返し確認しておく必要があります。
 新築するときや引っ越した時、または模様替えや大掃除の時、消火器の位置について考えて、設置をするようにしてください。