遊び方を身につけておこう

 どんな災害であれ、一度被災するとそこからの復旧は長期戦になります。
 かつては電気はすぐ復旧すると言われていましたが、ここ最近の災害を見ていると必ずしもそうとは言えない状況になってきています。
 大人子ども問わず、電気の必要なスマートフォンやゲーム機で遊ぶのになれていると、災害で電気がない状態は非常に長くそして退屈になってしまいます。
 では、停電時に退屈しない・させないためにはどうすればいいでしょうか。
 それはカードゲームやボードゲームなど、電気を必要とせず、人が集まっても困らない遊びを用意しておくことです。
 ルールがわからないと面白くありませんし、そもそも興味もわかないと思いますから、普段からそういったゲームに親しんでおくことが必要ですが、何か集中できる楽しいことがあると、その間は不安や退屈を忘れることができますから、時間を見つけて、家族や友人たちと遊んでルールを覚えておくようにしましょう。
 また、非常用持ち出し袋にもトランプや携帯式ボードゲームなどを入れておくことをおすすめします。

イエローゾーンとレッドゾーン

 一昨年くらいから、石西地方でも土砂災害特別警戒区域、これを「レッドゾーン」と呼ぶそうですが、その指定についての説明会が進められています。
 現在は土砂災害警戒区域というのが指定されているのですが、このうち家などの建築物に損害がでそうな区域を土砂災害特別警戒区域として指定をし、建築制限などの規制を行うことになったそうです。
 現在の土砂災害警戒区域を「イエローゾーン」、土砂災害特別警戒区域を「レッドゾーン」として指定し、被害を未然に防ぐ対策を取っていくとのことで、人的被害の防止を最優先に取り組んでいくとのことでした。
 自分が住んでいる場所や地域がイエローゾーンやレッドゾーンに当たっているかどうかは、市町役場や支所、一部公民館、島根県の各県土整備事務所に備え付けてある地図で確認ができるそうです。
また、島根県の運営する島根県危険箇所検索システム内の「土砂災害警戒区域・土砂災害特別警戒区域」でも地図の確認が可能だそうですので、一度確認をしておくことをおすすめします。
 イエローゾーンやレッドゾーンは大雨が降ったときなどに土砂崩れや地滑りが起きる可能性の高い地域ですので、もしもあなたの住んでいる場所や避難経路にこれらの土地が含まれていた場合には早めの避難や避難路に組み込まないなどの対策が必要となってきます。
 なお、イエローゾーン、レッドゾーン等、土砂災害防止法の細かい内容については島根県土木部の該当ページのリンクを張っておきますので、そちらをご確認いただければと思います。

【活動報告】避難訓練を見学させていただきました【益田市立高津小学校】

屋上に避難する生徒たち。写真は加工してあります。

 10月23日に益田市立高津小学校で実施されました避難訓練を見学させていただきました。
 この避難訓練は毎年されているそうですが、去年から定型通りのものではなく、実際に災害が起きて避難したらどうなるかということで、想定に基づいて避難先まで避難する訓練をされているそうです。
 今回の想定は地震から津波が発生、4分以内に屋上へ避難という設定で、実際に屋上まで想定時間内に避難が可能かどうかを確認されていました。
 生徒たちの動きはかなり素早く、段取りよく避難がなされていましたが、狭い廊下で人が合流する場所ではどちらが優先になるのかを迷ったり、各所の点検で未確認の場所があったりと、予定調和ではない訓練なのでさまざまな小さな問題が起きていました。
 これらの問題を解決することで、より確実に避難できる、安全確保をすることができる方向に進んでいくとよいなと思います。
 人間はやったことしかできないし、知っているだけでは実際には動けないものです。本気で実施する訓練は駄目出しの繰り返しですので、どんなに回数を重ねても完璧ということはありません。 難しい想定はいらないと思いますが、誰もが何か起きたとき、無駄のない動きと判断を行えるようになるといいなと思います。
 お忙しい中、見学について快諾いただきました益田市立高津小学校の大橋校長先生、担当の岩田先生始め各先生方と生徒の皆様に、この場を借りてお礼申し上げます。

【活動報告】防災訓練を見学させていただきました【神田地区防災会】

 10月13日に益田市神田地区で実施されました神田地区自治会防災会の防災訓練を見学させていただきました。
 今回初めて実施されるということでどのようにされるのかなと思っていましたが、タイムスケジュールにこだわらず、さまざまなことを確認しながら進行されていました。
 想定される避難者の誘導や避難所への収容、自治会所有のトランシーバーの不感地域の確認など、手順や問題点を相互に確認しておられ、本番に備えた確認がしっかりされていました。
 今回の訓練は主に防災会の役員様方の手順の確認ということで模擬避難者の方々は手ぶらで来ておられましたが、実際にはそれぞれに非常用持ち出し袋を持参してもらうとのこと。
 今後それをどのように普及されていくのかが鍵になるかなと感じました。
 避難完了後、神田地区のハザードマップを元にした避難について、自治会長様から模擬避難者の方に説明がされ、各組ごとに避難先や避難のタイミングについて決めておいてくださいというお話をされていました。

非常食を配布する準備をしている防災会の人

 また、非常食体験ということで飲料水とアルファ米を配られていましたが、模擬避難者の方からはこれらの非常食はどこで買えるのかという質問が出ていました。普段「非常食を準備しましょうね」という説明はしますが、地元での調達先についても知っておいてもらったほうがいいということがわかり、非常に勉強になりました。
 最後に消防団の方の指導で土のう作りを体験されていました。
 自治会が主体的に実施する防災訓練をじっくりと見させていただいたのは初めてでしたが、さまざまな気づきと発見がありました。
 お忙しい中、見学について快諾いただきました神田地区の自治会長様はじめ地区防災会の方々に、この場を借りてお礼申し上げます。

安全を比較して避難する場所を決める

 自分の住んでいるところがどのような災害に対して弱いのかを考えたことがありますか?
 最近の災害では「避難所への避難」をやたらと呼びかけていますが、避難しなくてはいけないかどうかは、お住まいの環境や条件によって異なります。
 隣り合う家でさえ、避難すべきかどうかの条件が異なるのですから、周囲のことは全く参考になりません。あくまでもあなたがお住まいの家がどのような災害に弱いのかをあらかじめ知っておくことが大事なのです。
 ハザードマップやお住まいの建物の強度や補強状況、土地の成り立ち、避難経路の危険箇所や避難所の状況などを確認して、家にいるのか避難所にいくのか、「より安全な方」を選択すること。
 そして、「安全な方」をより安全にするためにはどのようにしたらよいかを考えてください。
 マスメディアなどでよく取り上げられているように「災害発生予測=早めに避難所へ避難」というのは間違いではありませんが、避難所によってはお住まいのところよりも危険度が高いという場合もあります。
 また、家にはなんの被害もなかったのに、避難途中で遭難してしまうようなケースもあります。
 もちろん家の耐久度が低い場合や水没しそうな地域の場合には早めの避難が必須ですし、台風のような大規模災害が予測されるような場合なら、いっそのこと勢力圏外へ避難するのも大切なことです。
 安全は自らが確保するもので、誰かが守ってくれるものではありません。
 どの災害ならどこが強いのか、どの災害はどこへどうやって避難したらいいのかを何でも無いときに確認し、いざというときに備えておきたいですね。

大風に対する準備をしよう

 大きな台風19号が本州直撃と言うことで大騒ぎになっているようですが、あなた備えは大丈夫ですか?
 石西地方はどうやら直撃コースではないようですが、それでも雨と風への備えは念のためにしておいた方がよさそうです。

 さて、これだけしょっちゅう台風が来ているので、風と雨に対する準備はできていると思いますが、天気が荒れる前にもう一度家庭や職場などの施設を確認しておいてくださいね。

 台風と言えば風。風に対する被害は、ものが飛ぶことにより起こることが殆どです。今回は風に特化して対応を考えてみたいと思います。
 屋根では、強い風により屋根の弱い場所に力がかかって、そこから破損していきます。そのため、まずは屋根の表面に隙間がないことと、ひさしの部分など、風が巻く部分が壊れたり痛んだりしていないかを確認しましょう。
 雨樋も同様です。雨に備えて清掃することはもちろんですが、外れたりずれたりしているとそこから壊れていきますのであらかじめの修繕が重要です。
 網戸も、強風下では外れて飛んでいく可能性があります。しっかりとした取付で無い場合には、外して家の中に閉まっておきましょう。
 テレビアンテナは、腐食していないかどうかを年に一回は点検しておくことが大切です。腐食が進むと壊れるだけで無く、アルミ製のアンテナが風に飛ばされて人に当たると大けがをさせてしまうことがあります。
 物干し竿は物干し台から外して床に置くか、建物の中に収納します。あまり風を受けるイメージのないものですが、大風が吹くと物干し台から離れてとんでいくことがあり、これが人やものに当たると大変危険ですので十分な注意が必要です。
 家の周りでは、植木鉢や牛乳の配達用の箱、郵便受け、自転車といったものは片付けておきましょう。しっかりと固定されているものは大丈夫でしょうが、そうでないものは家の中に入れるか、あるいはしっかりしたものに丈夫なひも等でしっかりと固定します。
 飛ばなければ、他所へ与える損害をなくすことができます。それぞれが気をつけることで、周囲に与えるダメージを減らすことが可能です。
 次に、被害を受けないようにします。
 しっかりとした雨戸やシャッターがもしあるのであれば、それを展開して飛んでくるものからの被害に備えます。
 窓ガラスは飛散防止フィルムを貼ることは当然として、念のために窓ガラスに段ボールを貼り付けたり厚手のカーテンをかけたりしてガラスの飛散を防ぐようにしましょう。
 また、建物が耐えられないかもしれないと思ったら、お近くの安全と思われる建物に暴風圏内に入る前に避難を完了させてしまいましょう。万が一建物が破損したとしても、最低限命を繋ぐことはできます。その際には、念のために保険証や通帳、印鑑、現金と言った簡単に持ち運びできる貴重品は身につけて避難を行ってください。

 何事も無いのが一番ですが、何かあると想定して、どこにいれば一番安全かを考えながら準備してくださいね。

【活動報告】防災マップの調査報告を小学校に行いました

 夏休み企画として8月に「防災マップ作り」を実施したところですが、本日、その内容について高津小学校様に調査報告をさせていただきました。

 今回の防災マップは地震と、地震による津波が発生した場合、学校から最寄りの高台の避難所までどのように避難したら良いかということを調べたのですが、作成した地図を元に、子ども達の疑問や心配なことについて説明をし、先生方がそれらを問題点としてすでに認識されており、試行錯誤を続けられているというお話を伺うことができました。

 去年、実際に避難所までの避難を行うということで、指定避難所である翔陽高校まで避難訓練を実施されたそうです。その結果、大きな道路の横断方法や長くなってしまう避難列の安全対策、学年ごとに異なる移動速度の問題、そしてどこへ避難するのが安全なのかということについてお話を伺い、こちらからも提案できることやよその事例などのご紹介をさせていただきました。

 学校の避難訓練はどうしても定型化しやすいとのことですが、定型化していてもそこから学べることはあります。やらないよりはやったほうがずっといいですし、同じやるのであれば、現在高津小学校様が挑戦されているような、より実態に即した方法を試してみるのはとてもいいことだと思います。

 よくあることなのですが、訓練をするときには「地震発生→机の下」というような定型的な行動を指示しがちです。でも、その行動にはきちんとした意味が存在します。訓練時には定型的な行動ではなく、「どこを守るためになぜその行動をとるのか」ということについて、子ども達に説明していただき、例えば机が無くても頭や体を守る方法を考えてもらえるようにしたほうがいいというお話をしました。
(「地震の時は机の下に隠れましょう」という定型的訓練が続くとどうなるのかを実験した映像がこちら
 学校の先生方は一生懸命やっておられるのですが、いかんせんお忙しいのと、なかなか専門的な知識の必要な防災まで手が回らないという実態があります。
 地元にいる防災士の一人として、お手伝いできることを積極的にさせていただき、いざというときに犠牲者が出ないような方向に持っていければなと思っています。
 お忙しい中、調査報告を真剣に聞いていただいた高津小学校の先生方に感謝いたします。

車を簡易避難所として使う

 公共交通機関が少ない石西地方では、ほぼどの家にも自動車があると思います。
 それも一家族に一台ではなく、一人一台。どうかすると一人二台三台というお宅もあると思いますので、それを防災倉庫として使ってみてはいかがでしょうか。
 普段使いの車のトランクスペースに非常用備蓄品を積み込んでおけば、非常時に積み込みの心配をせず、そのまま逃げることもできますし、車自体に冷暖房設備が積まれていますので、いざというときには簡易避難所としても使えます。
 積み込んでおくのは、毛布や着替え、非常用持ち出し袋。温度変化が激しいので、非常食や水は温度変化に強いものをクーラーボックスに入れて、また、燃料のガスボンベや蓄電池は積みっぱなしにしない方が無難です。
 一般的な自動車の場合、電気の出力は12V/100Wくらいなので、シガーソケットからの携帯電話の充電くらいしか使えませんが、PHV等のハイブリット車では100V/1500W、つまり出力の小さな電子レンジを使うくらいの電気のパワーがあり、エンジンを発電機にして車から電気を家庭に回すこともできるようになっています。電気自動車の場合も、ハイブリット車と同じ100V/1500Wの出力ができますが、蓄電池の能力から考えると災害時にはそこまで役には立ちませんので気をつけてください。
 ところで、自動車を簡易避難所として使う場合に気をつけておかないといけないことが二点あります。
 一点目は、自動車の燃料はできるだけ満タンにしておくこと。燃料があれば、一番長く使えるハイブリット車の場合、2日程度は給電できるようです。
 それと、寝る場所がフラットにできるようにあらかじめ準備をしておくことです。車内であれ車外であれ、無理な姿勢を取らずに寝られるようにしておかないと、エコノミークラス症候群になる可能性があります。
 荷物を増やすと燃費が悪くなるという話もありますが、非常用備蓄品を積載してもたいした重量にはなりませんので、備えておいて損はありません。
 非常用持ち出し袋を家庭に備えたら、自動車を防災倉庫にして、より確実に命を繋ぐことができるようにしておきたいものですね。

防災から見た「衣・食・住」

 衣食住は人の生活の根幹を支えているものだといってもいいと思います。
 一般的には「着る物」「食べるもの」「住む場所」を揃えることが大切とされているようですが、これを防災という視点で見てみたら、思ったよりも面白いなと思えるようになりました。

 まずは「衣」。
 これは文字通り「着る物」のことなのですが、防災の視点で見ると「適切な体温調節」という風に考えることもできます。冬場にTシャツと短パンで屋外へ放り出されたら寒くて仕方ないでしょうし、逆に夏場にコートやセーターしか着替えが無ければこれまたつらいと思います。
 季節に応じて防災セットに備える服も衣替えをしていく必要があるなと考えました。 薄手の長袖シャツやズボンを重ね着すれば季節に関係なく対応ができるかなとも考えたりしましたが、いずれにしても適切な衣類がないと体温調節が難しくなることから、これは大切な視点だと思います。


 次は「食」。
 「食」=「食べ物」と言われるものですが、防災の視点では、これは「食べ物・飲み物・排泄」を含めた一連の流れを考える必要があります。
 「排泄」が追加されているのは、出さなければ食べられなくなるためで、例えばトイレなどがうまく流せずに汚物まみれになった避難所では、不衛生なのと同時に食事や水分摂取を制限することによるさまざまな体調不良が発生していました。
 防災においての食はまず「排泄」を考え、次に「飲み物」、そして「食べ物」をどうするか考えていきます。
 この順番は人が生きるために我慢できなくなる順番に並べたもので、排泄は「出物腫れ物所嫌わず」と言われるくらい我慢できないものですし、水分補給が途絶えると、3日以上の生命維持はかなり困難なものになります。食事は1~2週間は摂らなくても体に蓄えられたものを分解して生命維持を行えるため、この順番で準備しておくのが得策です。
 今までは3日~1週間分を用意しておくような話が出ていましたが、都会地が大規模に被災したときには状況が落ち着くまでに2~3週間はかかりそうだという話も出始めていますので、災害時に自宅避難を行う方は、自宅のトイレの構造を考えた上で、準備しておくようにします。同様に水や食料も再検討しておきましょう。

 最後は「住」。
 これは住むための家をさすのですが、防災的に見ると「安心できる場所」という風に考えられます。
 避難所で生活していても、そこで安心した生活が営めないのであれば、これは住環境が満たされていないと判断できるのではないでしょうか。
 自分や家族が安心できる環境はどのようなものか、それはどのようにしたら確保できるのかについて考えておくことが必要です。
 災害で被災したからといって、指定避難所で生活しないといけないというわけではありませんので、自分や家族が安心できる場所を見つけるようにしましょう。

 防災での「衣食住」は、被災後に落ち着いて生活するための基準と考えてもいいかなと感じます。

 また「衣食足りて礼節を知る」という言葉もあります。これは衣服、食事が満たされて初めて礼儀を知ることができるのだといった意味合いですが、これは避難後にも言えることです。
 衣食住と同じ定義で考えれば、衣類は体温調節がうまくできるものとなりますが、この場合には下着類も含めた適切な着替えと考えます。
 災害により身一つで逃げ出した人は着たきりになりますので、それだけでもげんなりしてきます。着替えが一セットあるだけで、服や下着を洗濯することが出来、さっぱりとした気持ちで前向きになれるのではないかと思います。
 また、この場合の「食」は命を繋ぐだけでなく、生きる気力を生み出すためのものでないといけません。
 具体的には、暖かく、自分が食べ慣れた食事をいかに確保していくのかということを考えていくということです。
 過去の事例でいけば、阪神淡路大震災では、送られてきた支援物資の衣服を取り合ったという話もありましたし、東日本大震災や熊本地震で避難所で配られる弁当は食中毒を配慮して冷たいか、ひどいときには凍っているような、味の濃い、油ものの多い弁当になり、その結果、その弁当が食べられない人が体調を崩してしまうようなことも頻発してした。

 発災後には「生活再建」と言うことが声高に言われますが、まずはそれぞれの体と気持ちを身近なところから通常生活に戻していかないと、生活再建という視点にまでたどり着くことが難しいと思います。

 被災した人が生活を取り戻すためにはどういった道筋をつけていけばいいのか、特に高齢者や日常生活で支援を必要とする人たちがどうやったら前向きになることができるのかを、こういった視点で整理していくことができないのかなと考えます。

避難保険ができるかもしれません

 今日のNHKニュースの中で、災害時に避難するためのタクシーやバスを手配・避難できる保険が作れないかあいおいニッセイ同和損保さんが検討しているというものがありました。
 この保険、とりあえず検討段階だそうですが、同じようなことを考える人がいるものだなとすこしうれしくなったので記事にしておこうと思います。
 当方の記事では、出産時の予約タクシーの考え方を災害時に応用できないかという軽い発想程度のものでしたが、今回のニュースの内容は、災害時の避難に出動したタクシーやバスの運賃を保険で賄うという画期的なもの。
 タクシー会社やバス会社への支払いの金額や頻度にもよりますが、これは商売になるのではないかと思います。
 今回は県立広島大学大学院の江戸教授の提案に保険会社が検討を始めたということのようで、避難するときに運転手が災害に巻き込まれたりしたらどうするかや、避難開始のタイミングや避難先、避難するための車両が確実に確保できるかなど問題も山積のようです。
 ただ、行政が手配するのでは無く、損害保険の一つとして、いざというときに避難するための手段が確保できるということは非常にありがたいと思います。保険は何か起きた後に使うというイメージがありますが、何か起きるのを未然に防ぐというのもこれからの保険に求められる仕事なのかなとも思います。
 西日本豪雨で避難しなかった人の意見の中では、「避難するきっかけがつかめなかった」「避難する手段が確保できなかった」「避難したくてもできなかった」といった意見が、特に高齢者や要支援者の方から出ていたようですが、強制的に迎えに来てくれるのであれば、少なくとも避難するタイミングやきっかけ、避難方法は確保できそうです。
 要支援者の方の場合には介護タクシーや支援サービスの車両でもよいと思いますし、あらかじめ指定しておいた近所の人に対してでもいいと思います。
 なるべく多様な窓口を確保してもらって、多くの人が安全に避難できるようになればいいなと思います。
 もっとも、多くの人が無事に避難所に避難できたら、今度は避難所のさまざまな問題が立ちはだかっているのですが・・。