がけ崩れの怖さ

 年末になって、がけ崩れに巻き込まれてたくさんの家が土砂の下敷きになったというニュースが入ってきました。
 なぜこうなったのかは今後の検証を待たないといけませんし、連絡のつかない方が無事であることを願うばかりですが、がけ崩れは土砂災害の中ではいつ起きるのかが把握しにくいもので、実際にいつ起きても不思議ではないものです。
 報道によると、現地は土砂災害警戒区域、いわゆるイエローゾーンに設定されていた場所だそうで、周辺の人によるとがけ崩れの起きた山からは水が出ているという話もあったようです。
 土砂災害では予兆のある場合が多いですが、その中でもがけ崩れは本当にちょっとした変化が予兆であることが多いようです。
 土砂災害の予兆について事例としてまとめたものを載せておきますので、崩れるかもしれないなという場所にお住いの方は、一度点検をしてみてください。

山形県鶴岡市で土砂崩れ、約10棟が被害か 高齢の夫婦と連絡とれず(Yahoo!ニュースのウェブサイトへ移動します)

土砂災害ってなんだろう?

NHKニュースのサイトから抜粋

 先日、神奈川県逗子市で土砂災害警戒区域に指定されていた斜面が突然崩壊して一人の方が亡くなったというNHKニュースを見ました。(記事リンク先はNHKニュースのページです)
 亡くなった方のご冥福をお祈りいたします。
 ところで、今回の事故でいろいろなニュースを見ていると、「土砂災害警戒区域」と呼んでいたり「イエローゾーン」と呼んでいたりとまちまちで、知らない人が聞くと内容がさっぱり分からない記事になっているものもありました。
今日は土砂災害について簡単に考えてみたいと思います。

1.土砂災害の種類

 土砂災害は大きく分けると「崖崩れ(急傾斜地崩壊)」「土石流」「地すべり」の3つに区分されます。

1)崖崩れ(急傾斜地崩壊)

大田市ホームページから抜粋

何らかの理由によって急激に斜面が崩れ落ちる現象。

2)土石流

大田市のホームページより抜粋

大雨など急激な水量の増加によって山や川の石や土砂が水と一緒になって激しく流れ下る現象。

3)地すべり

大田市のホームページから抜粋

表土の地下の粘土層の間に水が入り、斜面が滑り出す現象をそれぞれ指します。

2.土砂災害警戒区域とは

 土砂災害警戒区域とは、土砂災害防止法により土砂災害が起きる恐れのある場所を指定したものです。平成11年6月に広島で発生した豪雨災害で広島市内の山沿いであちこちが崩れて31名の方が亡くなった事故をきっかけに、危険な場所をきちんと住民に知らせて避難の目安にしてもらおうと設定がされているものです。
 「イエローゾーン」と呼ばれる土砂災害警戒区域と、「レッドゾーン」と呼ばれる土砂災害特別警戒区域があり、「イエローゾーン」は土砂災害の恐れがある区域、「レッドゾーン」は土砂災害の恐れがあり、土砂災害が発生した場合には建築物に損壊が生じて住民等の生命または身体に著しい危害が生じるおそれのある地域として、さまざまな制限がかけられています。
指定される諸条件や規制の内容など、詳しくは国土交通省の土砂災害防止法を簡単に説明しているPDFファイルをリンクしておきますのでご確認ください。

 この土砂災害警戒区域・土砂災害特別警戒区域は都道府県の砂防事業を管轄している課のサイト、そして市町村が作成しているハザードマップに必ず記載がありますから、該当部分を必ず確認しておいてください。
 この区域にお住まいの方は、大雨時には他の場所よりも早めに避難行動を開始する必要があります。また、避難所までの避難経路にこういった場所が含まれている場合には、同様になるべく早めに避難してしまうことをお勧めします。
 今回の神奈川県逗子市のケースを見ても思いますが、指定されている区域のうち、崖崩れについてはいつどんなタイミングで起きてもおかしくありません。
 雨だけでなく、地震などの揺れでも簡単に崩壊しますし、どうかすると大型車が通行するときの振動でさえきっかけになる可能性もあります。天気がよくても気をつけて通行するようにしましょう。
 また、普段と異なるような兆候を見たり感じたりするときには、念のために避難しておくことをお勧めします。何もなければ、何もなかったねと言う笑い話で済みますので、面倒くさがらずに自分の身を守るようにしてください。

イエローゾーンとレッドゾーン

 一昨年くらいから、石西地方でも土砂災害特別警戒区域、これを「レッドゾーン」と呼ぶそうですが、その指定についての説明会が進められています。
 現在は土砂災害警戒区域というのが指定されているのですが、このうち家などの建築物に損害がでそうな区域を土砂災害特別警戒区域として指定をし、建築制限などの規制を行うことになったそうです。
 現在の土砂災害警戒区域を「イエローゾーン」、土砂災害特別警戒区域を「レッドゾーン」として指定し、被害を未然に防ぐ対策を取っていくとのことで、人的被害の防止を最優先に取り組んでいくとのことでした。
 自分が住んでいる場所や地域がイエローゾーンやレッドゾーンに当たっているかどうかは、市町役場や支所、一部公民館、島根県の各県土整備事務所に備え付けてある地図で確認ができるそうです。
また、島根県の運営する島根県危険箇所検索システム内の「土砂災害警戒区域・土砂災害特別警戒区域」でも地図の確認が可能だそうですので、一度確認をしておくことをおすすめします。
 イエローゾーンやレッドゾーンは大雨が降ったときなどに土砂崩れや地滑りが起きる可能性の高い地域ですので、もしもあなたの住んでいる場所や避難経路にこれらの土地が含まれていた場合には早めの避難や避難路に組み込まないなどの対策が必要となってきます。
 なお、イエローゾーン、レッドゾーン等、土砂災害防止法の細かい内容については島根県土木部の該当ページのリンクを張っておきますので、そちらをご確認いただければと思います。