【活動報告】高津小防災クラブで「経口補水液を作ろう」を開催しました

 去る5月17日に益田市の高津小学校で今年初めての防災クラブを開催しました。
 本来は初回なので「災害ってなんだ?」というタイトルで災害の定義や種類について考えてみる回なのですが、前日から気温30度超えで熱中症が心配されたことから、急遽熱中症対策と経口補水液づくりをやってみることにしました。
 熱中症対策としては、まずは暑さに体を慣らしてしっかりと汗をかくようにすることと、こまめに水分補給をすること、できれば水や麦茶がよいというお話をし、経口補水液は脱水症状を起こしているときや起こしかけのときに使ってほしいという説明をしました。
 実際に経口補水液を作ってみたのですが、飲んでみた感想は全員「まずい!」でした。これがおいしく感じると脱水症状が始まっていますので、とりあえずは一安心。次にレモン果汁を加えて飲んでもらうと、感想がいろいろと変わって「ポカリみたい」とか、「よくわからん」「さっきよりまし」といった感じで、「まずい!」ではなくなりました。脱水症状を防止するために経口補水液を使うときには、ある程度何か味がついているほうが飲みやすいようです。
 最後は、もし熱中症で倒れたらということで、急速冷却材の説明と、冷やすのは大きな血管が肌に近いところにある場所ということで、わきの下や足の付け根、首の下などを冷やすことをお話し、意識がはっきりしていない場合には、点滴が必要となるのですぐに救急車を呼ぶことを重ねて説明し、終了しました。
 今年度初めての子ばかりで、17名中過去に参加したことのある子が1名だけという、なんとも捉えどころのない今年の防災クラブですが、そのうちには今年の個性が出てくるのかなと楽しみにしています。
 次回は改めて「災害ってなんだ?」というお話をしたいと思っていますが、状況によっては、またメニューが変わるかもしれません。
 参加してくれた児童の皆さん、そして担当の先生にこころから感謝いたします。

経口補水液を作ってみよう

 全国各地で気温が30度越えになり、いきなり夏が来たような状態になっていますが、あなたの体調は大丈夫ですか。
 熱中症の人もたくさん発生しているようなので、ちょっと前にも触れましたが、しっかりと暑熱順化して汗をかくようにし、体の中に必要以上の熱をため込まないように気を付けてください。
 ただ、汗をしっかりとかくと体の中からは水だけでなくさまざまなミネラル分も失われていきますので、それらもしっかりと補給する必要があります。
 意識的にお茶を飲める環境なら、麦茶が非常にいいと思いますし、運動などで激しい汗をかいたり、休憩時間が決まっているような人の場合には、経口補水液がいいかもしれません。
 品質が安定しているのは店頭で売っている既製品ですが、経口補水液は家でも作ることができますので、もしも興味のある方がいらっしゃったら、実際に作ってみてください。

材料
1.水500mlの入ったペットボトル
2.塩1.5g
3.砂糖18g
4.レモン果汁など、お好みの風味付けできるもの

作り方
1.500mlの水のペットボトルから50ml水を分けます。分けた水は飲んでください。
2.450mlになったペットボトルに、塩1.5gと砂糖18gを加えて、粉が溶けるまでしっかりと振ります。
3.お好みでレモン果汁などを加えてください。

 作るのは非常に簡単ですが、砂糖が多いので腐りやすいです。
 作ったらできるだけ涼しいところに保管して、飲むときにはコップに移す。そして作った日のうちに飲み切るようにしてください。
 この経口補水液の不思議なところは、身体が必要としていないときには非常にまずくて飲めたものではない味がします。
 逆に体が必要としているときにはものすごくおいしく感じるのです。
 市販品を買うこともできますが、時間がある時には作ってみて、自分の好みの味付けにしてみるのも面白いですよ。

我が家のBCPを作ろう

 防災用語として割と定着した感じのあるBCP、事業継続化計画といわれますが、何か不測の事態が起きた時にでも事業を継続できるような段取りを可視化しておくものです。
 学校や施設、企業などで作っているはずですが、行政や業者の作ったひな型に文字を入れて、内容の確認も検証もせずに備えていますというところが山ほどあります。
 実態に即していないBCPはいざというときに助けにならず、逆に邪魔になることが多いのですが、今回はそれに対する文句を言いたいわけではありません。
 今回は、おうち版のBCPを作ってみないかというお話です。
 おうち版BCP、一時期FCP(ファミリー・コンティニュー・プラン「家族継続化計画」)と呼ぶ人もいましたが、結局定着していないようなのでおうち版BCPとしてここでは説明をします。
 内容は「誰がどこにいるのか?」「どこにいるときにはどこへ避難するのか?」「災害が落ち着いたら、どこで合流するのか?」「連絡手段はどうするか?」「収入はどのようにするか?」など、被災しても家族が安心して避難し、災害後、日常生活を取り戻すまでに必要な段取りをきちんと決めておくことです。
 これを作ることによって、いざというときに自分がどこへ避難するのかや他の人がどこに避難するのか、どうやって連絡を取り合うのか、どこで家族がまた一緒になるのかといった、災害後に問題になる部分が解決できます。
 家族と普段から生活している場合には、災害発生時にどうしても自分以外の家族が気になるものです。
 子どものいるおうちだと、子どもを引き取りに学校などに出向くということがあるかもしれませんが、迎えに行く人や迎えを待っている人が被災するかもしれません。
 でも、もしも災害発生時に子どもがどこかへ避難することを決めているのであれば、子どもはそれに従って避難しますし、危険を冒して迎えにいかなくても、状況が落ち着いてから避難先に迎えにでかけてもいいのです。
 BCPと避難計画が決定的に違うのは、避難計画は避難完了までが目的であるのに対して、BCPは避難完了後、日常生活を取り戻すまでの手順を作っておくことが目的であることです。
 作る時には、ご家族みんなであれこれ話しながら作ってください。そうすることで、参加した人は自分のこととして受け止めることができ、いざというときにもきちんと行動をしてくれます。
 我が家のBCP、作るのは結構大変ですが、ご家族の行動範囲や活動内容、生活習慣を再確認することができるので、作った後は悩んだり迷ったりする必要がかなり減ります。
 作ることが難しいなと感じたら、BCPについて書かれた書物を調べたり、BCPを取り扱っている業者などに相談してみてもいいと思います。
 当研究所でもお手伝いできますので、興味のある方がおられたらご連絡をください。
 我が家のBCP、作ってみてくださいね。

とりあえず備蓄する

 災害などの非常事態に備えるために、生活に必要なものについては3日~1週間程度は備蓄するように政府は推奨しています。
 ただ、普段はあまり使うことのない水のストックやアルファ化米、災害食などは長期保存できる分値段も高いですし、どうかすると使わずにそのままダメになってしまうこともあると思います。
 備蓄するためには場所も必要ですが、単身の方でワンルームなどにお住いの場合などは、そもそも備蓄品を置く場所がないという場合も想定されると思います。
 だからといって何も備えなければ、非常事態が発生した時にはどうにもならなくなりますので、とりあえず1日分の備えをすることをお勧めします。
 1日分で考えると、例えばペットボトルは2リットルですので、500mlのボトルで4本あればいいことになります。これくらいなら、しまう場所は見つけられると思いませんか。
 また、アルファ化米も3袋なら、さほど場所は必要ありません。
 そして、それくらいの量なら、賞味期限が来ても使うことはさほど難しくはありません。例えば昼食で500mlの水のボトルとアルファ化米を一つ使えば、3日で消費できる計算です。
 また、一口ようかんやカロリーメイトなどの栄養補助食品、スニッカーズといったチョコレートといったものがあれば、ひもじくはなりますが数日は命をつなぐことができます。
 家で調理をする人なら、普段から一食分程度材料を多めに買っておくと、非常事態でもそのまま1食は確保できる計算になりますので、それもお勧めです。
 肝心なことは、まず備蓄することです。備蓄があれば、消費量を調整すればある程度は持たせることができます。
 備蓄がなければ何もできません。
 まずはあなたの周りにある備蓄品を確認してリスト化してみてください。リスト化してみると、案外と手元にあるもので1週間くらいはなんとかなるかもしれませんよ。

【終了しました】塩づくり体験会を開催します

 来る5月20日の午前10時から、益田市高津町の持石海岸沿いにある持石海陽王国で塩づくり体験会を開催することになりました。
 日本海の良質な海水を使い、実際に塩を作ってみます。うまく出来ると、にがりも取れるかもしれません。
 詳細は添付しているチラシをご確認ください。
 普段何気なく使っている塩がどのようにしてできるのか、自分の手で体験してみませんか。
 準備の都合上、事前申し込みをお願いします。
 興味のある方のお申し込みをこころからお待ちしております。

当日の様子はこちら

非常食は食べてみる

 災害への備えの中で、割と早い段階で出てくるのが非常食です。
 火を使わなくても食べられて、お腹が膨れ、しかも栄養価が高くておいしいもの、というのが理想ですが、おいしいというところで結構判断が分かれているような気がします。
 普段の味付けが割とその人の舌を作りますので、同じものを食べてもおいしいという人もいれば、味が濃い・味が薄いのでおいしくないという主観がかならず入ります。
 そして、いざ災害というときに準備していた非常食がもしも自分の口に合わないものだとしたら、かなり気力が萎えてしまうと思います。
 そのため、非常食については一度は実際に食べて味が自分に合うかどうかを確認してみてください。
 他の人がおいしいといっても、それがあなたの口に合うとは限りません。
 当研究所でやっている防災キャンプなどでも、アルファ化米の食べ比べをやることがありますが、同じ製品名で入っているものがほぼ同じでも、味が全く異なることで子供たちが結構驚きます。
 その中で自分の好みの味を見つけたり、自分だったらどう作るかなどを考えて、実際に作ってみることまでいければ、いざ災害というときにもさほど落ち込むことはないと思います。
 非常食は値段が高いですし、ものによってはかなりの分量があったりもしますが、実際に食べてみることで味がわかれば、自分にあったものを探して準備することができると思いますので、ぜひ食べ比べをして、自分の好みの味を準備しておくようにしてください。

【活動報告】研修会「となりのタイムライン」を開催しました

 去る2023年4月8日に益田市民学習センターにて、ワンコイン研修会「となりのタイムライン」を開催しました。
 当日は参加者おひとりでしたが、マイタイムラインの説明から、実際に作っている人たちの実例を紹介し、どのような考え方で作成していけばいいのかについて考えてみました。
 「マイタイムライン」というのは、内閣府や国土交通省が推奨しているもので、来ることが予測される災害に対して、あらかじめどうなったら何をするのかを決め、本番時にはその決めたとおりに行動することで手おくれや漏れを無くすという、時系列にまとめた災害時行動計画です。
 ただ、実際に作成してみると何を書いたらいいのか結構悩むことが多いので、実際に作った人たちのものを参考にすることは、やってみて役に立つなと思いました。このマイタイムラインは、自分が必要とする行動を分解して全て可視化する作業を行うので実は結構大変ですが、一度作っておくとかなり役に立つものなので、その作成方法を知ってもらって、自分用のものを作成しておいてほしいなと思います。
 今回参加してくださった方に、こころからお礼申し上げます。

【活動報告】「やってみよう防災キャンプ・春の巻」を開催しました

 2023年3月25日から26日にかけて、益田市の北仙道公民館で「やってみよう防災キャンプ・春の巻」を開催しました。
 当日は15名の子にご参加いただき、段ボールシェルターづくりや心肺蘇生法、ポリ袋炊飯、暗闇体験などを体験してもらいました。

搬送法の一コマ。担架で安全な場所まで搬送する練習をする。

 今後の予定は未定ですが、次回もしやるとしたら、もっと内容を練り込んで、、リピーターも初めての人も楽しみながら防災を学んでもらえるような企画をしていきたいと思っています。
 今回参加してくれた皆様、参加を許可してくださった保護者の方、会場を快くお貸しいただきました北仙道公民館の皆様、そしてさまざまな形でこのイベントを支えてくださった皆様に心から感謝します。
 ありがとうございました。

備蓄の種類

 災害時に備えるべきアイテム類は3日から1週間程度準備して備蓄しておくように国からは情報発信がされています。人によってはひと月程度準備しろと言っている方もいるようですが、都会地や消費地で生活している人の場合には、支援物資がどれくらいで届くのかまったく予測ができないので、国が言っているよりは長めに準備しておいた方がいいのかなとも考えます。
 ただ、どんなに少ない量でも1週間分のアイテムをリュックサックに詰めるのはかなり至難の業で、非常用持ち出し袋が嫌がられるのには物理的に無理だという誤解や錯覚があるのかもしれないと思うこともよくあります。
 もともと、備蓄には三種類あると筆者は考えています。
 一つ目は普段から持ち歩く防災ポーチ。本当の緊急時に自分の命をつなぐために必要な最低限のものが入っています。
 二つ目は、大雨や台風時などに1泊から2泊程度の生活必需品を詰めて避難に使う非常用持ち出し袋。
 最後は文字通りの備蓄で、5日から1週間程度家や倉庫などに保存してある状態の生活必需品となります。
 家に備えておく備蓄については、普段生活に使っているさまざまなアイテム類を少し多めに準備しておけば大丈夫です。特に食事と水に関しては普段使いである程度保存がきくようなものを重視して買い物をするようにしておけば、そんなに難しい話ではないと思います。
 住んでいる環境によって備えるべきものがかなり異なるので、家に置く備蓄品については各個人や家庭でそれぞれ備えるべきものを準備しておくようにしてください。
 避難に使う非常用持ち出し袋については、車などをお持ちの場合には、家と車の中の両方に準備しておけばかなり安心です。
 その際、車の中はかなり温度差が激しい空間ですので、クーラーボックスなど温度変化を緩やかにしてくれるような容器にいれておくといいと思います。
 そして、普段使いのカバンなどには、防災ポーチを入れておいてください。
 防災ポーチと飲料水が確保されていれば、一日程度は生命の維持が可能になります。
 一口に備蓄しろと言ってもさまざまな形がありますので、それぞれの目的に応じた準備をしておくことをお勧めします。

備蓄する飲料水のサイズ

水にもいろいろなサイズがある。

 非常用持ち出し袋や備蓄品を用意するときに悩むのがお水のことです。
 一日2~3リットルの飲料水を準備するとなると、それだけで2~3kgの重さになりますので、非常用持ち出し袋に入れて歩こうと考えると結構大変です。
 とはいえ、水は生き延びるために必須のものですから、非常用持ち出し袋だけでなく、普段使いのカバンや車の中、職場のロッカーなどにも準備しておきたいところです。ただ、よくあるのが、2~3リットルだからといって1リットルや2リットルのペットボトルで準備してしまうこと。
 分量的には問題ありませんが、持ち歩くときや飲むときに大変なのであまりお勧めしません。
 300mlから500mlの容器で複数個持ち歩くようにすると、非常用持ち出し袋の中でもおさまりがいいですし、飲むときも楽です。
 また、一度封を切ってしまうと一日もたつと飲料不適の水になってしまいますので、小分けすることで飲めない水の大量生産も防ぐことができます。
 家の備蓄品などで料理などに使用するのであれば2リットルでも問題はありませんが、直接の飲料用は持ち歩けるサイズにしておきましょう。
 また、お茶やジュースではなく、あくまで水を持ち歩くようにしてください。
 水なら傷口の洗浄や手洗いなど、ちょっとしたことにもいろいろと使えます。お茶やジュースだとこうはいきませんので、もしお茶やジュースを持ち歩くのであれば、それとは別にお水も用意しておいてください。
 ほんのちょっとした工夫ですが、これを意識するかしないかで本番ではかなり変わってきます。
 備蓄する水の量とサイズ、少しだけ意識するようにしてください。