【活動報告】防災講演会の講師をしました

 2024年3月11日。東日本大震災が起こった日に、益田市の益田公民館様で防災講演会をやらせていただきました。
 今回のテーマは「地震と防災ポーチ」。
 参加してくださった方々はとても熱心に聞いてくださり、終わった後には個別に感想や質問もいただきました。
 地震は起きた時には勝負がついています。
 参加してくださった皆様が安全に過ごせるお手伝いができたなら、とても嬉しいです。
 今回ご参加くださいました皆様、お声かけくださった益田公民館様に厚くお礼申し上げます。

【お知らせ】研修会「日頃から備えよう 防災&備蓄づくり講座」を開催します。

災害が発生した後、必ず話に出るのが「備蓄」について。

でも、何をどれくらいどうやって準備すればいいのかわからないこともよくあります。

そこで、今回鹿足郡吉賀町柿木村を中心に防災活動をしている樋口ふみ様を講師にお招きし、「日頃から備えよう 防災&備蓄づくり講座」を開催することになりました。

自分の生活や地域性にあった備蓄用品の作り方や、災害時だけでなく、日常でも使える知恵やスキルについてもお伝えします。

備蓄について悩んでいて最初の一歩が踏み出せない方や、備蓄ってどうすればいいのとお悩みの方。

この講座を受講してみてはいかがでしょうか?

詳細は別添のチラシをご覧ください。なお、準備の都合上事前申し込み制となっています。

先着順10名様となっておりますので、お早い申し込みをお待ちしております。

開催日:令和6年2月4日(日)10:00~12:00

開催場所:コミュニティースペースNALU

参加費:1,000円(早期割有)

申込方法:以下のリンク先からお申し込みください。

https://20240204bichiku.peatix.com/view

スマートフォン用の充電池を持っていますか

 好き嫌いにかかわらず、最近ではさまざまな情報を得るのに使われているツールがスマートフォンです。
 電話、といいながら、さまざまなアプリで情報交換したり、音楽を聴いたり、写真を撮ったり、ゲームをしたりと、一台で何役も仕事をしてくれる優秀なアイテム。
 ないと困るという人も多いと思います。
 ところで、災害が起きると問題になるのがこのスマートフォンの充電方法。
 スマートフォンを大規模災害後もそのまま使えるようにするためには、スマートフォンを充電できる充電池を持ち歩いておくほうがよいでしょう。
 中には大容量のバッテリーを持つスマートフォンもありますが、そういったものでもない限りは、大規模災害後に電源を入れっぱなしにしておくと、びっくりするくらい電池を消耗します。
 これは基地局を探すためにアンテナの出力を自動的に上げることで起きるものだそうで、対策としては使わないときには機内モードにするか、あるいは電源を切っておくことが有効です。
 ともあれ、情報を集めるにしても安否確認するにしても暇つぶしするにしても、バッテリーが切れてしまってはただの箱。
 そうならないように、充電池を一緒に持ち歩くようにしてください。
 ちなみに、避難所では避難所にあるコンセントを勝手に使って充電することはできません。大規模災害の場合には、手持ちの電池で何とかするしかありませんので、充電池だけでなく、可能であれば太陽光発電装置なども用意しておいた方がよさそうです。
 自分のスマートフォンのバッテリーをどうやって持たせるのか、普段から意識して準備するようにしてください。

備蓄の種類

 災害時に備えるべきアイテム類は3日から1週間程度準備して備蓄しておくように国からは情報発信がされています。人によってはひと月程度準備しろと言っている方もいるようですが、都会地や消費地で生活している人の場合には、支援物資がどれくらいで届くのかまったく予測ができないので、国が言っているよりは長めに準備しておいた方がいいのかなとも考えます。
 ただ、どんなに少ない量でも1週間分のアイテムをリュックサックに詰めるのはかなり至難の業で、非常用持ち出し袋が嫌がられるのには物理的に無理だという誤解や錯覚があるのかもしれないと思うこともよくあります。
 もともと、備蓄には三種類あると筆者は考えています。
 一つ目は普段から持ち歩く防災ポーチ。本当の緊急時に自分の命をつなぐために必要な最低限のものが入っています。
 二つ目は、大雨や台風時などに1泊から2泊程度の生活必需品を詰めて避難に使う非常用持ち出し袋。
 最後は文字通りの備蓄で、5日から1週間程度家や倉庫などに保存してある状態の生活必需品となります。
 家に備えておく備蓄については、普段生活に使っているさまざまなアイテム類を少し多めに準備しておけば大丈夫です。特に食事と水に関しては普段使いである程度保存がきくようなものを重視して買い物をするようにしておけば、そんなに難しい話ではないと思います。
 住んでいる環境によって備えるべきものがかなり異なるので、家に置く備蓄品については各個人や家庭でそれぞれ備えるべきものを準備しておくようにしてください。
 避難に使う非常用持ち出し袋については、車などをお持ちの場合には、家と車の中の両方に準備しておけばかなり安心です。
 その際、車の中はかなり温度差が激しい空間ですので、クーラーボックスなど温度変化を緩やかにしてくれるような容器にいれておくといいと思います。
 そして、普段使いのカバンなどには、防災ポーチを入れておいてください。
 防災ポーチと飲料水が確保されていれば、一日程度は生命の維持が可能になります。
 一口に備蓄しろと言ってもさまざまな形がありますので、それぞれの目的に応じた準備をしておくことをお勧めします。

備蓄する飲料水のサイズ

水にもいろいろなサイズがある。

 非常用持ち出し袋や備蓄品を用意するときに悩むのがお水のことです。
 一日2~3リットルの飲料水を準備するとなると、それだけで2~3kgの重さになりますので、非常用持ち出し袋に入れて歩こうと考えると結構大変です。
 とはいえ、水は生き延びるために必須のものですから、非常用持ち出し袋だけでなく、普段使いのカバンや車の中、職場のロッカーなどにも準備しておきたいところです。ただ、よくあるのが、2~3リットルだからといって1リットルや2リットルのペットボトルで準備してしまうこと。
 分量的には問題ありませんが、持ち歩くときや飲むときに大変なのであまりお勧めしません。
 300mlから500mlの容器で複数個持ち歩くようにすると、非常用持ち出し袋の中でもおさまりがいいですし、飲むときも楽です。
 また、一度封を切ってしまうと一日もたつと飲料不適の水になってしまいますので、小分けすることで飲めない水の大量生産も防ぐことができます。
 家の備蓄品などで料理などに使用するのであれば2リットルでも問題はありませんが、直接の飲料用は持ち歩けるサイズにしておきましょう。
 また、お茶やジュースではなく、あくまで水を持ち歩くようにしてください。
 水なら傷口の洗浄や手洗いなど、ちょっとしたことにもいろいろと使えます。お茶やジュースだとこうはいきませんので、もしお茶やジュースを持ち歩くのであれば、それとは別にお水も用意しておいてください。
 ほんのちょっとした工夫ですが、これを意識するかしないかで本番ではかなり変わってきます。
 備蓄する水の量とサイズ、少しだけ意識するようにしてください。

カサカサとボソボソ

体育館などでは思った以上に生活音がよく響く。

 避難所など人が集まっているところの夜に起きるトラブルが「音」です。
 その中でもポリ袋の「カサカサ」という音は非常に不快感を与えてしまうようで、避難所以外、例えば山小屋など多くの人が就寝している場所でトラブルになることがあります。
 非常用持ち出し袋などの防水対策としてポリ袋を使う人も多いと思いますが、できればかさかさしないタイプのポリ袋を使うことをお勧めします。
 また、たくさんの人が集まって就寝している場所では、緊張しているせいか寝ていない人のぼそぼそとした小さな話し声も気になるものです。
 アイマスクや耳栓など、周囲の光や音を押さえる道具もあるのですが、善意の人ばかりではありませんので、確実に安全が確認されていない場合には、そういったものを使うのもどうかと思います。
 対策としては、音が出ないようにすることと、人の声を気にしなくても済むような小型の自立型テントを持ち込むくらいでしょうか。
 しっかりと眠れないと、気力はどんどん失われていきます。
 あなた自身が他の人に被害を与えないように、そして周りから被害を受けないためにも、避難が必要な人は事前準備をしっかりとしておきたいですね。

ヘッドライトと懐中電灯

懐中電灯類

 防災グッズとして必ず登場するのが懐中電灯です。
 非常用持ち出し袋などに入れて準備している人も多いのではないでしょうか。
 でも、もしも避難しなくてはいけない場所にお住まいであるなら、懐中電灯の他にヘッドライトを準備しておくことをお勧めします。
 ヘッドライトは文字通り頭のおでこのところにつける懐中電灯で、これがあると両手が空くために夜間に徒歩で避難する場合や夜間の避難所で作業をする場合などに安全が確保しやすいです。
 ただ、ヘッドライトは性能や大きさがほぼ値段に比例しているため、高額なものほど明るさ調整や照らす面積の増減など使い勝手がよく、大きさもコンパクト。逆に値段が下がるほど明るさが一定になったり、かなり大きかったり重かったりします。
 とはいえ、ヘッドライトは懐中電灯の代わりをすることができるので、どちらか一つ持つということであれば、手持ち式の懐中電灯よりもヘッドライトにすることをお勧めします。
 最近ではホームセンターやプチプライスのお店でもいろいろな種類を取り扱っていますので、余裕がある時に自分にちょうどいいものを探してみるといいと思います。

ラップとホイル

 非常用持ち出し袋の中にラップとアルミホイルは入っていますか。
 市販品の非常用持ち出し袋の中にはほぼ必ず入っているこの二つのアイテムですが、使う用途が非常に広いので、非常用持ち出し袋の中にはできるだけ入れておくことをお勧めします。
 ラップは食品を包むだけでなく、皿にまけば汚れた皿でも使えますし、逆にきれいなお皿を食品で汚すこともありません。やけどの応急処置にも使えますし、ねじれば紐にもなります。
 また、新聞紙と一緒に体に巻けば防寒着としても使えます。
 アルミホイルも便利です。折れば器になりますし、乾電池と組み合わせると着火用の道具にも使えます。
 懐中電灯のライトの部分に巻くと明るく出来ますし、体に巻き付けると簡易防寒具にもなります。
 使い方はたくさんありますし、そんなにかさばるものでもありません。
 ラップもアルミホイルも徐々に劣化はしていきますので、非常用持ち出し袋専用ではなく、台所などで無くなったら非常用持ち出し袋から補充して、非常用持ち出し袋に新しく買ってきたものを補充するようにすると、いつも在庫がある上に、非常時には簡単に持ち出すこともできます。
 生活の質を下げないための道具の一つとして、ラップとアルミホイル、非常用持ち出し袋の中に常備しておくといいですね。

避難時に持って行くもの

非常用持ち出し袋にはいろいろなものが必要だとされているけれど・・・?

避難には大きく分けると自宅避難と自宅以外のどこかへ避難する立退き避難があります。
自宅避難では、自宅が災害にあう危険性の無い人と、何らかの事情で立退き避難ができない人に別れますが、どちらにしても被災後には数日は単独で生活できるだけの品を準備しておく必要があります。
自宅以外のどこかへ避難する場合も、持って行ける範囲にはなりますが、一日から二日支援なしで凌げるだけの品は用意しておいた方が安心です。

自宅待機の場合には自宅が安全であることが前提にはなる。
危ないところに住んでいる場合には、基本は立退き避難(水平避難)。


 避難してから支援物資が届き出すまでの間をつなぐものとして非常用持ち出し袋を持って避難することが必要なのですが、内閣府や日本赤十字社などが出している非常用持ち出し袋のリストを見ると、全部揃えると持ち運びできない状態になってしまうことも考えられるくらいたくさんのアイテムが必要だとされています。
 また、市販品の非常用持ち出し袋を見られた方は、そのアイテムの量にぎょっとされたのではないかと思います。
 これらの非常用持ち出し袋は、過去に被災した経験者の聞き取り調査で「なくて困ったもの」や「あったほうがよかったもの」などが書かれていますが、よく内容を見ると、ある場所では重要でもある場所ではそこまででもないといった品もそれなりにあったりします。
 とはいえ、いつどこで役に立つか分からないことを考えると、なかなか「それはいらない」というのも勇気がいるものです。
 そんなときは、割り切って自分がそれがないと生活できない品に絞ってみるのも手です。
 例えば、高齢者の方だと入れ歯や補聴器、老眼鏡、持病の薬など、他の人のものが借りられないものは必須ですし、赤ちゃんならミルクやおむつは絶対に必要です。
 支援物資の届く順番は、より多くの人が必要としている緊急性のあるものが優先されますので、必ず自分が使えるものが届くとは限りません。
 個人的な相性で使えたり使えなかったりするものもこの中に入ります。例えば生理用品などは合わないものだとかぶれや湿疹などが出るようですので、自分に合ったものを準備しておく必要があるでしょう。
 次に、水とトイレ。のどの渇きと排泄要求は止めることがかなり難しいです。
 水道が使えれば大丈夫なのですが、被災すると停電が起き、そうすると給水がストップしてしまう場合も多いです。
 そうなると、飲料水、生活用水、トイレの水は自前で準備しないといけませんが、特にトイレの水は一回流すごとに最低7リットル程度は必要になりますので、水の確保ができない場合には、流しきれずに汚水が溜まり、トイレが大惨事になることが予測できると思います。
 少なくとも、飲み水と携帯トイレは準備しておいて、飲み水の確保とトイレを汚物の保管場所にしないようにしましょう。
 あとは着替えや歯磨きなどの衛生用品、非常食、そして暇つぶしの道具くらいがあれば、最低限必要な装備にはなります。
 非常用持ち出し袋はしっかりと品物を準備した方がいいですが、持っていくのには限界がありますから、迷ったときには0からの足し算で準備するようにしてください。
 最後に、一つだけ注意してほしいのは、お酒は持っていかないこと。
 不安な環境での飲酒は身体にも精神的にも悪い影響が出ます。
 お酒は避難が終わってからゆっくり楽しく飲むことにして、避難所ではお水やお茶で過ごすようにしてください。

おしりふきは万能です

 おむつ替えの時におしりをきれいに吹くために使うおしりふき。
 防災セットには必需品の一つではないかと筆者は考えています。
 ウエットティッシュでもいいのですが、おしりふきは厚手の不織布を使っているので、非常に破れにくくしっかりと使えます。
 ウエットティッシュと同じように、水や消毒用アルコールなどが染みこませてあるのですが、肌触りがよく、湿り気があるのに吸水力もあるので、非常に多用途に使えて便利です。
 例えば、身体を拭くのに使ったり、テーブルや食器類を拭いたり、もちろんおしりを拭くときにも使うことができますし、使った後も快適です。
 防災セットに入れるおしりふきは、多目的に使うことを考えて影響の少ない水だけを染みこませたものを使うようにします。
 本来のお尻ふきが必要な人は、一日で一パック程度は使ってしまうようですが、ちょっとした用途ならば一人最低一袋あれば支援物資が届くまでのつなぎには充分だと思います。
 名称で抵抗のある方もいるかもしれませんが、何かを拭くという行為には最適のおしりふき。
 防災セットだけでなく、普段使いでも便利な気がします。