チキンラーメンを水で戻してみた

 少し前に見た何かの記事で「水で戻したチキンラーメンがおいしかった」というがあったのを、お昼時にふと思い出しました。
そういえば、最近この手の食材を水で戻してないなと思い、今回はチキンラーメンを水で戻してみることにしました。
記事では大変おいしいとあったのですが、果たしてどうでしょうか?

いわずとしれたチキンラーメン。筆者はなべて煮るのが好み。

水は指示のとおり入れます。チキンラーメンは麺にスープが塗してあるせいか麺が水に沈みます。

麺がうまく水に浸かっているのでひっくり返す手間がいらないのは助かる。

 お湯を注ぐだけでできるのは伊達ではないというところでしょうか。
 記事では15~20分程度でできるということだったので、そのまま様子を見てみました。
 ちなみに、この日の気温は24度、水温は18度です。外の天気が雨のせいもあり、ちょっと涼しかったです。
 10分経過した時点で、麺が水をしっかり吸ってほぐれてきているのがわかりましたが、つぶつぶした何かが浮いています。
 確認してみると、油。

画像の解像度が悪くてわかりにくいが、スープの上に埃のようなものが浮いている。

 チキンラーメンのうまみである油が麺から溶け出したものの水でスープに溶けられず固まっている状態でした。

気にならない人はおそらく全く気にならないのがラーメンの固まっている油。チキンラーメンは大きく固まらず分散して固まっているのでどけるのは難しそう。スープはおいしい。

 口に入れてみると、油がちょっとざらざらします。食べているときの体温ですぐに溶けてはくれるのですが、油が口の中にはいるとちょっと食べにくいです。
 ただ、スープも麺も非常においしくて、油さえ何とかなれば食べやすいなと感じました。普段油物が得意ではないS研究員も試食して「油は気になるけれど味は悪くない」とのコメントでした。
 以前試した焼きそばほどではありませんが、備蓄品として備えておいてもいいのではないかと思います。
 他のインスタントラーメンは食べられる堅さになるのに1時間程度必要なのですが、それが15分程度と短いのも好印象。
 さまざまなインスタント麺を水で戻すというのが流行になっていますが、実際にやってみないと好みによって判断が分かれるのだなぁと感じます。
 とりあえずいろいろと試してみて、あなたも自分の口にあう水戻しインスタント麺を探してみてくださいね。

水分の取り方

 先日、スポーツドリンクと経口補水液について違いを書かせていただいたところですが、ある方から「普通に水を飲んでも熱中症にはならないでしょう?」というご意見をいただきました。
 確かにそのとおりです。ただ、普通のお水でも飲み方によっては「水中毒」と言われる症状を引き起こすことがあり、暑い時期の水分摂取では少しだけ気をつけないといけないことがあるので、今回はそれを踏まえて、もう一度水分摂取の方法について考えてみたいと思います。

 汗をかいたときに何も水分を摂取しないと脱水症状を起こします。それにより体温調節機能が損なわれた結果熱中症になりますので、運動をしていようがじっとしていようが、汗をかくようであれば水分はしっかりと摂取する必要があります。
 脱水症状というのは、体の体液が不足して体の中の調整がうまくいかなくなる状態を指し、放っておくと命の危険があります。
 ただ、激しい運動や屋外の作業をしているので無い限り、普通の水をこまめに飲めば脱水症状を防ぐことが可能です。熱中症及びその前段となる脱水症状を防ぐために、しっかりと水を飲むようにしましょう。
 さて、最初のところで「水中毒」と言ってはいますが、別に水を飲んだら中毒症状が起きるというわけではありません。
 汗をかくと、汗に混じってナトリウムなどのミネラル分も体外へ出ていきます。この状態で水だけを補給し続けると血中に残っているナトリウム分がどんどん薄くなって、けいれんや意識障害といった症状が起きます。
 これを「水中毒」と言い、それを防ぐためにナトリウムなどのミネラル分が入っているスポーツドリンクや経口補水液が夏場は推奨されているのです。
 では、スポーツドリンクや経口補水液に頼らず、水だけでうまくやる方法はというと、これは「こまめに水分を適量取りましょう」と言い方になります。
 喉が渇く前にコップ1杯程度の常温の水をゆっくりと飲むこと。そして食事はきちんと摂取すること。
 「水中毒」は「失われた水分の急激な摂取+ナトリウム分の不足」で起きるわけですから、失われた水分を水で摂取する場合、もう一つの失われたナトリウム分をどこで補うのかということになりますが、これは食事を普通に摂取すれば充分カバーできます。
 減塩食などの場合には別ですが、基本的には日本人の食事は塩分が多めだと言われていますので、普通に食事ができていればナトリウム分の補充は充分に可能です。
 ちなみに激しい運動や炎天下での屋外作業では、汗による水分とナトリウム分の喪失が急激に起きるため、それを同時に短時間で体内に吸収摂取できる工夫がされているスポーツドリンクや経口補水液が推奨されているのです。
 普通に考えるとあまり起きそうにない水中毒ですが、例えば気づかない間に脱水症状を起こしてしまって意識がはっきりしない状態の時に「水を飲め」と言われて水を飲み続けた場合、若しくは炎天下にいた人がおいしいからといって冷たい水を一気に大量に飲んだりすると発生しますので、飲み方に気をつける必要があります。
 そういえば、夏の風物詩の一つ「スイカに少しの塩」や運動部でよく見た「麦茶に塩」は水分やナトリウムなどのミネラル分をしっかりと摂取することができ、よく考えられているのだなぁと調べているうちに感心したことを思い出しました。妙に見えても、きちんと理にかなったことをしているのですね。
 最後に、糖尿病などの糖質制限や減塩指導されている方は、水、スポーツドリンク、経口補水液の摂取方法に注意が必要な場合がありますので、いろいろと自分で考える前にかかりつけのお医者様に確認して脱水症状を起こさないような水分補給をしていただければと思います。

非常用行動食を選ぶ

よく見かける行動食。小腹が空いたときに食べるものというイメージで問題ない。

 普段持ち歩くカバンに災害発生時に備えて非常用の行動食を準備しておくといいと思います。
 非常用行動食というと、一般的にはスニッカーズのようなヌガーバー、カロリーメイトやSOYJOYのようなクッキータイプ、シリアルバーなどがよく挙げられるのですが、筆者としては羊羹を押したいところです。
 理由は、密封された羊羹の個包装は賞味期限が長いこと。そして折れず、溶けず、開封して水無しでも食べることができるからです。
 構成分は寒天、餡、そして砂糖で、疲れたり弱ったりしている内臓にも負担が少なく、それでいてしっかりとした熱量が確保できるだけのカロリーもあります。
 何よりも、カバンに放り込んでも少々のことではパッケージが破れず、破損が少ないと言うことが最大のメリットだと思います。
 もちろん人によっては羊羹が駄目な人もいると思います。
 そう言った方は取り扱いに注意してクッキータイプの行動食を持ち歩けばいいと思います。

夏場の気温で溶けたスニッカーズ。こうなると上手に食べられない。凍らせるとおいしく食べられるが、変形してしまうのが難点。

 ヌガーバーは取り扱いがしやすく一本ですごく満足感のあるありがたい行動食なのですが、夏場の暑さには非常に弱くチョコが溶け出してしまうので、持ち歩くなら夏以外の季節がいいと思います。
 また、ドリンクタイプの行動食もあるのですが、カロリーや栄養素には問題はないのですが、飲むだけなので「食べた」という心の満足感が得られないかもしれません。
 あと、行動食で気をつけないといけないことは、間違ってもカロリーオフやカロリー0のものを選ばないことです。
 非常時に栄養補給するために準備しているはずなのに、カロリーがとれないのでは意味がありません。
 例えばあめ玉をカバンに入れておくのも一つの方法なのですが、そういったときには糖分のしっかりはいっているものを選ぶことをお勧めします。
 ちなみに、これらの行動食を普段のおやつとして食べると、普通の生活をしている人だと確実に体重が増えますからご注意を。

スポーツドリンクと経口補水液

スポーツドリンクと経口補水液の代表例。薄めて飲むと効果も薄まるので注意。

 暑い季節になりました。猛暑日や熱中症という言葉が飛び交っていますが、あなたの体調は大丈夫ですか。
 屋外や狭い場所、高温になる環境などで作業をしなければならない方は、体温管理と水分補給には充分に気をつけてください。
 さて、そのときに気になるのがスポーツドリンクと経口補水液の違いです。
 両方とも汗をかいたときに、その汗に含まれる水分だけでなく塩分やミネラル分などを補給するように作られている飲み物なのですが、この違い、ご存じですか。
 簡単に言うと、糖分とナトリウムなどの塩分(電解質)の量が異なっています。
 スポーツドリンクは水分、ミネラル、塩分、糖分をバランスよく配合したもので、経口補水液と比較すると塩分は少なく、糖分は多めに作られています。
 スポーツドリンクの名前のとおり、激しい運動での水分や栄養補給であれば向いていますが、単に汗をかいているだけの場合には、糖分過多になりやすいです。
 経口補水液は脱水症状の時に塩分や水分を補うために作られていて、身体への吸収を考えて糖分は控えめです。塩分が高いので、飲み過ぎると塩分過多になってしまうことがありますので、塩分やカリウムなどに摂取制限がある場合にはかかりつけ医に飲む前に相談してください。
 どちらにも一長一短があり、対象とする人や飲み方によって飲んだ方がいいものは異なってきます。
 スポーツドリンクにも経口補水液にもさまざまな種類があってそれぞれ向いている用途がありますから、悩んだときには医師や薬剤師などに相談してみるといいと思います。
 どちらを使うにしても、のどが渇いたと感じたときには脱水症状が始まっていますので、こまめに少しずつ飲むことをお勧めします。
 また、アルコールやカフェインが入った飲み物は利尿作用によりかえって脱水症状を助長してしまうことがありますので注意してください。
 ちなみに、経口補水液は家庭でも作ることができますので、レシピを紹介しておきます。

材料

水1リットル
砂糖40g(大さじ4と1/2杯)
塩3g(小さじ1/2杯)

作り方

上の材料を混ぜる。しっかり混ぜたら出来上がり。
※酸味が好きな方は、レモン汁を小さじ1杯加えるとさわやかになります。

お鍋でご飯を炊いてみよう

お鍋でご飯を炊くのはそれほど難しくない。慣れてくると直火でも炊けるようになる。
こうなるとおいしいお焦げも楽しめることがある。

 先日、ご家族の災害備蓄品についてどのようなものがいるのかについてご質問をいただきました。
 さまざまな場所で非常用持ち出し袋や備蓄品についてのお話を聞いておられる方は多いと思いますが、具体的な準備と言うことでさまざまなお話をさせていただきました。
 その中でキーポイントとなるのが水とご飯です。副食は缶詰やレトルト、食べられる山野草や野菜があるのでなんとかなるとして、水の備蓄とご飯の備蓄についてどの程度必要なのだろうかということになり、少し考えてみました。
 その方のご家族は3名ですので、飲料水の分量を考えると一日6リットル。3日で18リットル、7日だと42リットルが必要となります。市販品のペットボトルの2リットルの水が一箱6本ですので2日分。4箱あれば間に合うという計算になります。
 次にご飯、つまりお米をどうするかという話になり、アルファ米で計算すると一日3食食べるとして3人で9食。3日では27食、7日で63食が必要となります。
 ただ、アルファ米は日常生活ではあまり登場しないということとお金がかかるということで、備蓄を2日分、残りは普通のご飯を炊くという提案をしてみました。
 電気がないのにご飯が炊けるのかと聞かれましたのでお鍋でご飯を炊けますよと説明したところ、登山用品の鍋や飯ごう、メスティンなどの特殊な道具を用意した方がいいのかを尋ねられました。
 水害や土砂災害に遭う確率が殆ど無く、地震でも地盤改良してある最近建てた平屋建てということなので、建物が倒壊する可能性はないと判断して普通の土鍋や鍋でご飯は炊けますよと言ったらかなり驚かれてしまいました。
 確かにやったことがなければできるかどうかもわかりません。本番で初めてやって失敗したら間違いなく気力が無くなりますので、何も無い平穏なときに自分が普段使うお鍋でご飯を炊いてみることをお勧めしました。
 災害時には電気やガス、水道は止まってしまって復旧に時間がかかることが多いです。でも、とりあえず数日から1週間程度電気やガス、水道がなくても何とかなる状態を作っておけば、気分的には安心できるのではないかと思いましたので、一度カセットガスを使った卓上コンロでご飯を炊いてみることを体験してもらうことにしました。
 普段はなかなか時間がとれなくていろいろな文明の利器に頼ってしまうことも多いのですが、たまには昔に戻って料理をしてみるのも面白いのでは無いかと思います。
 おうちでできる防災訓練の一つとして、ぜひ試してみてください。なお、ご飯の炊き方はさまざまな流派があるのでyoutubeなどを参考に確認してみてくださいね。

低体温症を救うには

 大雨や台風の中を安全な場所へ避難しようとすると、多くの場合全身がずぶ濡れになってしまいます。
 雨風にさらされたこともありますし、道路や田畑を流れる濁流の中を移動することで、たとえ夏であっても身体は冷え切ってしまっていると思います。
 雨などの水に当たらない場所で身体の水分をしっかりと拭き取り、乾いた服に着替えれば大抵元気になっていくのですが、長時間に渡ってずぶ濡れの状態でいると、身体の熱が服についた水分の蒸発で持っていかれて体温が下がっていきます。
 身体を触ると冷たい状態が続くようであれば、低体温症を疑って対応をするようにしてください。特に高齢者や乳幼児では周囲の注意が必要です。
 がたがたと震えているようであれば、身体を動かすことで熱を作り出そうとしています。温かい飲み物を飲ませ、携帯カイロや湯たんぽを血管の集中している脇の下や鼠径部などに置いて加温してください。
 震えが止まっても意識がはっきりしない状態であれば、毛布などにくるんで周囲を暖めて安静を保ちます。
 また、低体温症が悪化すると心肺停止を招くことがあります。その場合には救急車の手配を行い、心臓マッサージをして命を繋ぐようにしてください。
 いずれにしても、可能な限り暖がとれる状態にしておく必要があります。
 よくすぐエネルギーに変わる非常食としてチョコレートがあげられていますが、低体温症の人にはチョコレートの油を溶かす熱量がないことと、分解に水分が必要とされるため脱水症状を引き起こしやすくなります。
 もし与えるのであればココアなど温かな甘い飲み物を飲ませるようにしてください。
 最後に、たばこは末梢の血管を収縮させる働きで低体温症が悪化します。アルコールも同様で皮膚の血管を広げる働きが熱を奪う効果を起こしてしまいます。
 安心すると嗜好品が欲しくなるものですが、嗜好品はしっかりと元気になってから適量を楽しむようにしてください。
 低体温症は意識していれば悪化を防ぐことのできる病気です。避難をする際にはできるだけ身体は濡らさない。もし濡れたら安全な場所ですぐに拭き取り・着替えを行うよう心がけてくださいね。

炊き出しで気をつけること

 大規模な災害が起きると、さまざまな場所で炊き出しが行われます。
 被災者同士が材料を持ち寄ったり、ボランティアの方が避難所まで来て調理したり、さまざまな形はありますが、行政からの配給弁当はパンか冷たいお弁当が多いですから、温かい食事ができるのは非常にありがたいことです。
 ただ、その時には衛生管理を徹底することがいつも以上に大事になりますので気をつけておいてください。
 例えば、水道が損傷して潤沢に水が使えない状態であるなら、素手で食材を触ることは厳禁です。手には普段からさまざまな雑菌がついていることはご存じだと思いますが、満足に手洗いのできない状態だと間違いなく汚れた状態になっています。アルコール消毒すればいいとお考えの方もいると思いますが、あれはあくまでも普段の手の状態がある程度衛生的であることが前提ですので、水と石けんによる手洗いの補助だと考えてください。
 素手で食材を触らないためには、使い捨ての手袋を着用すればいい話なので、自治会などで準備する災害セットの中には必ず使い捨て手袋を加えておくようにしてください。そして、使い捨て手袋はゴム製でない方が安全です。これはゴム製が食材に悪さをするわけではなく、ゴムアレルギーの方がいることを想定する必要があるからです。
ゴムアレルギーの方はゴムに接触すると赤くなって腫れたりかぶれたようになったりします。災害後には病院も稼働できていないことが殆どですから、抗アレルギー薬も手に入りません。
 非常時にはそういったことに意識が向きにくいですから、手袋はゴム製以外、例えばポリプロピレンなどの素材のものを用意しておく方がいいです。
 次に食材の温度管理。肉や魚は常温だと腐敗が進みます。クーラーボックスに入っているからと言っても安心はできません。しっかりとしたクーラーボックスにしっかりと冷やせるだけの保冷剤を入れ、必要時以外は開け閉めせず、炊き出しで材料を全部使い切るようにしてください。
 また、生肉や生魚を使った道具は雑菌に汚染されていると考えて、しっかりと洗浄もしくは処分を行ってください。充分な消毒ができれば良いのですが、そういった環境でない場合も多いと思いますので、使い捨ての割り箸などを使って利用後は処分するようにした方が安全です。

炊き出しの基本は素手では触らないことと食べ物全てに火を通すこと。


 最後に、出来上がったらすぐに食べること。暖かいものであれば2時間以内を目安に食べきるようにしてください。食べられなかったものは、もったいないですが全て破棄をしましょう。
 もし食中毒になったら助からないかもしれないと考えて、間違っても食中毒が起きないような衛生管理をするようにしましょう。
 なお、発生した生ゴミは液体と固体を分離した上で固体はビニール袋などでしっかりと密閉してゴミ袋へ、液体は猫の砂や吸水ポリマーなどに吸収させた上で、ビニール袋に密閉してやはりゴミ袋へいれるようにしてください。
 生ゴミは固体も液体もハエやゴキブリ等が発生する格好の温床となりますので、処分までしっかりと衛生管理をすることが大切です。
 被災地では食中毒を出すと死者が出てしまうかもしれません。そうならないためにも、衛生管理をしっかりと行って、安全に暖かくておいしいものが食べられるようにしておきましょう。

子どもの通っている場所の避難計画を知っていますか

 地震やら大雨やら、毎年さまざまな災害が続いているわけですが、あなたの子どもさんが通っている学校や保育園、習い事教室と言った場所や施設の避難計画はご存じですか。
 それぞれが、発災時には子ども達の命を守るための対応を取ってくれると思いますが、そういう場所や施設は、最終的には保護者に引き渡すことが前提の計画となっていると思います。
 では、保護者はどんな状態の時にどこへ迎えに行けばこどもと無事に合流することができるのでしょうか。
 避難計画で発災後に子どものいた場所や施設に迎えに行くという計画の場合には、その場所や施設があらゆる災害から安全であるという前提がないといけません。
 まずはその場所や施設にいる人たちの安全を確保することが優先されますから、場合によっては他の場所に避難することもあり得ると思います。
 その時の避難先がどこか知っていますか。
 多くの施設はそういうときの避難先を決めていて保護者にその情報を開示していると思いますが、保護者の側はさまざまな通知に紛れて覚えていないのではないでしょうか。また、習い事などの場合には、どこへ逃げるのかについて保護者が教えてもらっていない場合もあると思います。
 そして、その場所や施設がどのような設備や資材を持っていて子ども達がどこまでなら安全に過ごすことができるのかについてもきちんと確認していますか。
 避難訓練は人の集まる施設では必ず義務づけられていますが、保護者はいつ訓練をやっているのか知っていますか。そして、その風景を見学をしたことがありますか。
 保護者が自分の安全を確保するためには、子どもの安全が確保されていることに自信が持てることが大切です。
 子どもの通っているさまざまな場所や施設の避難計画について、一度確認してみてくださいね。

眼鏡と入れ歯

 夜中に突然災害が起きたとしたら、あなたは平静でいることができますか。
 寝込みを襲われるとどうしても気が動転してしまうものですが、なかでも避難時によく忘れてしまうものに眼鏡と入れ歯があります。
 どちらも必要な人が日常生活を送るのに欠かせないアイテムなのですが、壊れたり無くなったりすると、再度手に入れるまでに非常に時間がかかるものです。
 非常用持ち出し袋には、必ずスペアを入れておくようにしてください。
 とはいえ、眼鏡はともかく入れ歯は普段使っていないと口の中にあわなくなっていくものですから、どうしても普段使いのものを持って逃げるしかありません。
 洗浄液につけた状態で密封できる容器に入れ、身の回りに置いておくくらいしか方法が考えつきませんが、避難の際には絶対に忘れないようにしてください。
 口から食事がとれないと、人間はだんだんと弱っていきます。気力や体力を維持するためには、どうしても口で咀嚼して食べる行為が必要となりますから、入れ歯の管理には充分に気をつけてくださいね。

アレルギーと食事

給湯設備が復旧すると暖かいものが食べられる。
つい飛びついてしまうが、アレルギーには注意が必要。

 指定避難所に避難して生活が始めると、さまざまな形で支援が入ってきます。
 中でも大きいのは食事なのですが、避難者に配られる食事というのは個人の好みや健康状態に関係なく同じものが支給されるという点に注意が必要です。
 大規模災害になると、多くの場合は最初に菓子パン、そしてその後は一度に大量に弁当を配食できるコンビニやスーパーなどが被災地外から弁当を輸送してくるようになります。これらは食中毒を防ぐため温度を下げて輸送してきますので、手元に来たときには凍っていることもあります。
 また、やはり食中毒予防のため、味付けも濃いめになっていますので、塩分摂取制限のある方などが食べ続けると危険な状況になりかねません。
 そして一番問題になるのはアレルギー対策。送られてくるパンやお弁当はアレルギーに対する配慮はまずないことを知っていないといけません。
 アレルギーが出るものを食べなければいいと考える方もいらっしゃるのですが、避難所で食事を残そうとすると、間違いなくもったいないと言い出す方が現れて揉めることになります。
 本人にとって生死を分けるアレルギー反応も、一部の人から見ると単なる甘えや好き嫌いにとらわれてしまうのです。
 対策としては、アレルギー対応のできている非常食を自分で準備しておくことくらいしかできません。普通の方の備蓄は3日から1週間と言われていますが、アレルギー対応のできる食糧支援が行われるようになるのは、早くても2週間目以降になりますので、1~2週間分のアレルギー対応食を準備しておかないといけないということになります。
 また、非常食は主なアレルゲンの記載が殆どのものでされていますので、食べられるものがあれば、それを優先的にまわしてもらうのも一つの手です。
 災害が起きると、残念ながら日常生活にちょっとした配慮が必要な人は異端扱いされて肩身の狭い思いをすることになります。
 そういう方がいるおうちは、できれば被害の出にくいおうちを作り、または被災しても避難所に行かなくて済むような環境を作って、自分で安全な食事を準備できるような体制を取っておいた方がいいと思います。
 被災後に、何かの事情でアナフィラキシーショックを起こしても、搬送できる病院が無事とは限りませんから、アレルギー対応の必要な人ほど、普段から自分の身を守るための備えが必要なのではないかと思います。