【お知らせ】研修会「調理師が教える簡単・おいしい非常食づくり」を開催します

 災害後に大きな問題の一つとなるのが温かいおいしい食事です。
 今回は調理師である秋田瑞穂様を講師にお招きし、カセットコンロを使って、簡単に複数の料理を同時に衛生的に作ってみます。
 災害などに限らず、日常生活でもちょっとした節約になるアイデアがありますので、興味のある方は是非お申し込みください。事前申し込みで先着順となります。
 なお、今回の会場には駐車場がありませんので、車でお越しの方はお近くの有料駐車場をご利用ください。
 詳しくはチラシをご覧いただき、不明な点は事務局までお問い合わせください。
 小学校3年生未満のお子様は、保護者の方とご参加をお願いします。

おかゆを鍋で炊いてみる

七草がゆ。シンプルで簡単に作れるけれどおいしい。

明日は七草がゆの日です。
胃腸への負担を少なくし、体の調子を整えるためにおかゆを食べるのですが、由来については諸説あるようではっきりとしません。
ただ、せっかくおかゆを食べるのであれば、鍋で作ってみてはどうでしょうか。
災害時にはカセットガスで食事を温めることになりますが、カセットガスでおかゆを炊いてみるのです。
ご飯を炊くのは難しくても、おかゆはあまり失敗がなく炊くことができます。
当研究所のやり方は、
1.ご飯1に対して水5を準備
2.鍋に1の水を入れてから研いだお米を加え、30分まつ
3.鍋にフタをして火にかける。火力は強火。
4.沸騰したらフタを外して弱火にし、柔らかくなるまで炊き上げる
5.七草は別茹でしてから塩をかけて刻み、水気を絞って炊きあがったおかゆに加えます。

途中でかき混ぜてしまうとねばっこいおかゆになることがありますので、火力調整で焦げ付かないようにします。
少し厚手の鍋なら、焦げることはあまりないと思います。
作り方はいろいろとあると思いますが、せっかく作るのであれば非常時の練習を兼ねて鍋を使っておかゆを炊き一年の平穏を願ってみるのも面白いのかなと思います。

火を作る

鉄製の鉢置きを使って簡易炉を作りお湯を作る。外遊びごはんの会の一コマ

 災害時にはいろいろなことに使える火は絶対に確保すべきものの一つになります。
 停電し、カセットガスなどがない状態では裸火を使うことになりますが、普段からその取扱いになれていないとせっかく作った火から出火することになって余計な被害を増やすことにもなりかねません。
 常にやれとは言いませんが、チャンスがあれば薪などを使ったたき火を作って火の使い方を習熟するのと同時に、火を楽しめればいいと思います。
 残念ながら野焼きは禁止になっているところが殆どだと思いますので、キャンプ場や火の管理のできる場所で、実際にやってみてください。
 火の作る方などはユーチューブなどにいろいろ出ていますので、それらを見て覚えて、いろいろなつけ方をやってみてください。
 ちなみに、当研究所でも外遊びごはんの会などでファイアスターターを使ってたき火を作ることがありますが、実際にやってみると大人よりも子供のほうがはるかに上手です。機会があったら、ご家庭で親子でチャレンジしてみても面白いと思いますよ。

非常食を食べ比べてみる

同じ品名でも、味付けはかなり異なる。好みで選べるのが面白い。

 

 災害時の非常用持ち出し品に入っている非常食。
 アルファ米や缶詰、レトルト食品などさまざまだと思いますが、あなたはそれを実際に食べてみたことがありますか。
 気分の沈んでいるときや不安な時にはちょっとでも元気をつける必要がありますが、その元気のでる代表的なものの一つが食事です。
 普段食べなれているものや、普段あまり食べられない好物などをこういったときに食べると、案外と気力が持つものです。
 でも、口に合わない食事を毎食食べると考えてみたらどうでしょうか。
 恐らく、食事が気分が落ち込んでしまうものの一つになってしまうのではないでしょうか。
 ちょっとした気分の落ち込みかもしれませんが、少なくとも食事は一日何回も食べることになりますから、そのたびにちょっとずつ落ち込んでいくと、ちょっとやそっとでは復活できないくらいになってしまうと思います。
 食べなれたものを食べるのが一番いいのですが、どうせ非常食を準備するのなら、さまざまなメーカーのものを食べ比べてみることをお勧めします。
 缶詰やレトルトパウチ、アルファ米など、非常食を作っているメーカーさんはかなりありますが、各社とも自社が一番おいしいと思う味付けで売り出しています。
 そのため、同じ名前の商品でも味が全く違うことがあるのです。
 つまり、一つ食べておいしくなかったとしても、他の会社なら好みの味があるかもしれないのです。
 もちろん結果的にすべてのメーカーがダメなひともいると思いますが、各社を食べ比べして、自分の好みの味を探すというのも楽しみの一つではないでしょうか。
ちなみに、最近ではアルファ米もさまざまな味が出ていますし、一昔に比べるとかなり味もよくなっています。
 また、売っている場所も増えてきていますから、買い物に出かけた時にでも探してみて、もし見つけたなら、実食してみてはいかがでしょうか。

防災ポーチと防災ボトル

 手軽に持ち歩ける防災アイテムとして「防災ポーチ」というのがあります。
 マスクやエマージェンシーブランケット、お手拭きや懐中電灯、ホイッスルなどが小さなポーチに入っているのですが、最近は防災ボトルというのが発売されています。
 プラスチックの飲料用ボトルを収納容器につかって、中に防災ポーチと同じようなアイテム類が収められているもので、防災ポーチに比べると場所を取りますが、重要な問題の一つである「水」を確保する容器がついている非常に実用的なアイテムだと思います。
 学校や外回り用のカバンであまり大きな空間が確保できない場合には防災ポーチ、お出かけカバンなどで収納に余裕があるのであれば防災ボトルと、持ち歩くカバンに併せて作ってみるといいと思います。
 どちらもあまりたくさんは入れられませんので、必要と思うアイテムを厳選し、どこにでかけるときでも最低限の防災用品が備わっているようになっているといいですね。

 ちなみに、12月18日に開催する「持ち出し用防災セットを作ろう」では、ポーチかボトルのどちらかを入れ物に選んで作成を行います。イメージがしにくかったら、そういった企画に参加して確認してみるのもいいと思います。

使うか使わないか、使えるかどうか

子供用非常用持ち出し袋の一例。必要なものは入っているが、個人装備としたら足りないものがたくさんある。市販品も自分にあわせたカスタマイズが必要。

 非常用持ち出し袋のことは防災の話をするときには必ず出てくるものですが、あなたは準備をしていますか。
 市販品もさまざまな種類や内容で作られていて、それさえ備えれば準備ができたような感じがして安心できます。
 もちろん、一つ一つ自分が吟味したアイテムで作る非常用持ち出し袋なら、何が入っているのかが把握できているので安心できます。
 ただ、どちらにしても大切なことが一つ。
 それは「そのアイテムはちゃんと使えますか」ということです。
 非常用持ち出し袋ではさまざまな便利アイテムが入れられていますが、多機能すぎてどうやって使うのかわからないものや、それなんで入ってるのといったものがセットされていることがあります。
 非常用持ち出し袋の一覧表には、基本的にそのアイテムをどうやって使うのかまでは書かれていないことが多いので悩んでしまうこともあるのですが、自分が使いかたのわからないアイテムは使わないと考えてください。また、居住環境によって備えないといけないアイテムもさまざまに変わっていきます。
 市販品であれ、オーダーメイドであれ、非常用持ち出し袋を作る時にはそれがどんな時にどんな使い方をするものなのかをきちんと確認して、自分が納得してからアイテムに加えるようにしてください

【試してみた】牛丼缶を食べてみた

 牛丼缶というのがあります。
 牛丼で有名な吉野家さんが販売しているものですが、「非常用保存食」となっているとおり、災害時の食事としても使えるように冷たいままでも食べられるようになっているそうです。
 冷めた牛丼というとべっとりとして油が固まっていて食べられないという印象なのですが、本当においしく食べることができるのか。
 気になったので買って食べてみることにしました。


 お値段は、牛丼として考えるとかなり高いですが、非常食として考えたら妥当かなと思うくらい。
 缶切り不要のプルトップ缶で、開けるのは簡単です。
 開けてみると、イメージしたような冷たくなった牛丼が登場。
 温めたほうがよかったかなと思いながら、食材を箸で持ち上げてみると、案外と簡単に持ち上がります。


 たれはごはん全体にまぶされているような感じです。
 食べてみると、最初の一瞬、油のざらっとした触感を感じるものの、口内の体温で油が溶けてちゃんと牛肉の味がします。
 非常食なので、栄養のバランスを考えてのことだと思いますが、ご飯は麦飯。食感はプチプチします。
 筆者は麦飯が大好きなのでご機嫌でしたが、苦手な人は食べにくいかもしれません。それくらいしっかりと麦飯です。
 おやつくらいの分量かなと思っていたのですが、食べてみると結構満足感があります。ご飯が麦飯なのでしっかりと噛むというのもあるのかもしれません。
 缶詰なので、汁漏れを気にせずどんなところでも食べることのできる牛丼。
 麦飯好きな人、牛丼好きな人は非常食として一度試してみてはいかがでしょうか。

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食材管理はしっかりとしておこう

思いついて備蓄庫の片づけをしてみた。使っているようでも、期限切れを起こしてしまっていた。

 非常用持ち出し袋や防災ポーチの中に入っているものは割とよく点検するのですが、備蓄庫に入っている食料品はあまり点検していません。
 というのも、我が家では備蓄庫のものはローリングストックということで普段の生活の中で管理しているということになっていて、期限切れは起こさないと考えていたからです。
 もちろん、長期保存できるものばかりなので、あまり気にしていないということもありますが、先般、久しぶりに中の片づけをしてみたら、期限間近、期限切れのものがごろごろと出てきてびっくりしました。
 普段ローリングストックをしていると考えていても、日ごろの調理ではあまり使わないものは、そのまま備蓄され続けます。魚などは普段は生のものを普通に使っているので、なかなか缶詰の出番がないということもあります。
 また、大好きだけど高価でなかなか食べられなかったというのもありました。
 缶詰はともかく、他のものは劣化が進んでいくので、思い付きで消費のディキャンプをすることに。
 「これ、どうやって使う気だったっけ?」と買った当時のことを思い出しながら、調理しておいしくいただきました。

温めて食べるより常温のほうがおいしかったりするものもある。使ってみないとわからない。


 非常用持ち出し袋や防災ポーチの中身は意識することが多いと思いますが、普段使いしているはずの備蓄品も、時にはチェックすることが必要だなと思いました。

避難所のごはんの現実

 非常用持ち出し袋を作っておいて、避難が必要な時にはそれを持っていくということは、災害が起きるたびにさまざまなところで言われていることですが、でも、実際に自分が対象になると何も持たずに身一つで避難する、あるいはいつものカバンだけ持って避難するという人がまだまだたくさんいらっしゃいます。
 災害が発生した後での避難の場合には仕方がありませんが、避難所に避難した後、避難所には何もないということを初めて知る方もたくさんいて、そこで揉めることも多いです。
 毎回ここでも書くことですが、避難所には原則として何もありません。
 毛布や非常食の備蓄はいくらかあるかもしれませんが、避難者全員に行き渡るようなものはとてもありません。
 そんななかで、自分の居場所や生活を確保していかないといけないので、かなり厳しい条件になっているということを理解しておいてください。

 居・食・住のいずれも厳しいのですが、今回はごはんについてのリアルです。
 地震のように突然発生する災害ではなく、大雨や台風などであらかじめ避難ができるような災害の場合には、自治体および避難所によっては避難食ともいうべき軽食が支給されることはあります。
 菓子パン、おにぎり、お茶、水またはスポーツドリンク。これが提供されるものの全てです。
 当然アレルギー対応などは考えられていませんから、アレルギーを持っている人はそれらを食べることには覚悟が必要になります。
 そして、避難が長時間に渡る場合、食べられる避難食は毎回同じものになるので、だんだんと食べられなくなってしまう場合もあります。
 特に高齢者の方にはそれが顕著にでますが、あらかじめ自分が食べるものを用意しておかない限りは、与えられるものでやっていくしかありません。
 災害後は、通常の物流は止まりますので何もしなければ、数日間は食べるものがない生活になります。
 やがてプッシュ式で送られてくるのはお弁当になりますが、油ものや練り物などで占められよく冷えた(たまに凍ったままの)お弁当が三食となります。
 正直なところ、これではどんなに元気な人でも体調を崩すよねと言いたくなるような不健康な食事が数週間、下手するとひと月以上続くことになりますが、それが理解できているでしょうか。
 そんなとき、自分の好物が一つでもあれば、随分と気分が変わると思います。
 非常用持ち出し袋に入れておく食料品には、そういったものも入れておく必要があると思っています。
 自分が好きな味付けの防災食を準備しておいて、同じ食事が続くときには追加して目先を変えたり、不足するビタミン類や繊維質のものを加えておいたり。
 人口が少なかったり、農業地域なら自分たちでの毎食の炊き出しもできると思いますが、そうでない場合には、しっかりと備えておくようにしてください。

非常食がなぜいるのか

災害前に避難所で配られたごはんの例。当研究所の市ではおにぎり、菓子パン、お茶を提供してくれる。

 非常食がどうして必要なのかについて、たまにご質問をいただくことがあります。
 答えから行くと「プッシュ型支援で食事が届くようになるまでの間、自分の命をつなぐため」なのですが、あまりピンときていない方も多いと思います。
 田舎だと、野菜は畑からとってくる、コメは倉庫にたくさんある。水は井戸、というようなご家庭も多いので、非常食がなくても食事はできるのですが、何らかの理由でそれらが手に入らなくなることがあるかもしれません。
 例えば、野菜のある畑が断層に飲まれたり、流れてきた土砂に埋まったり。あるいはコメの入っている倉庫がつぶれてしまったり、火事で燃えたり。停電でポンプが止まって水のくみ上げができなかったりといった事態が想定されます。
 そういったときにでも胃袋に食べ物が入るというのは、非常に気分が落ち着くものです。そのために準備するものだと考えておけばいいと思います。
 また、災害発生から72時間はどの組織も物資の輸送ではなく救助に集中しています。72時間を過ぎると生存確率がかなり落ちるということが言われていて、この間はほかのすべてを止めてでも救助が優先されています。
 つまり、避難者に食事が回ってくるのは早くても72時間経過後ということになるのです。
 それから、大規模災害だと道路の開削から始まりますから、食料が届くのに1週間以上かかる場合が出てくるかもしれません。
 そのことを見越したうえで、最低3日分、できれば1週間分の食べ物をストックしておくようにさまざまなところで広報がされているのです。
 どんな人であれ、食事をする以上はある程度の準備は必要だということを認識したうえで、せめて自分が食べやすいと感じるものを準備しておいてください。