【活動報告】ワークショップ「防災マップを作ろう!」を開催しました。

横断歩道の見通しが悪いと、渡ったあとで危険認定。

 去る10月15日に益田市の高津上市地区で小学生による地域安全点検として防災マップ作りを行いました。
 参加者が全部で5名と少し寂しかったですが、そのぶんしっかりと地域の安全点検をして回ることができました。
 普段通学路として使っている道も、安全点検してみるとかなり危険だということに気づいたようで、どうすればいざというときの安全が確保できるかについて参加者でいろいろと話をしていました。

地域のお年寄りとちょっと立ち話。しっかりやってと激励される。

 また、防災や防犯といった普段あまり気にしていないものの見方がわかると、普段の生活でもかなり見方が変わってくるというご意見もいただきました。
 今回はこれで終了しましたが、今後各地で防災マップを作る機会が増えるといいなと思っています。
 子どもたちと一緒に地域の安全点検をしてみませんか?
 興味のある方で講師やお手伝いが必要であれば、ぜひお声がけください。
 できる限りのお手伝いをしたいと思っています。
 今回参加してくれた子供たち、そしてお手伝いいただきました皆様に心から感謝いたします。

どこに避難しているのかを知る

避難先や避難経路を知るには、防災マップを作ってみるのも一つの方法。

 あなたは津波などで避難が必要な状況になったとき、自分がどこへ避難すればいいのかを知っていますか。
 また、ご家族がどこへ避難するのかを知っていますか。
 学校や施設などにいるとき、そこからどこへ避難しているのかについては、案外と知られていないことが多いですので、どこに避難するのかをしっかりと確認しておきましょう。
 できれば避難経路もあわせて確認しておくといいと思います。
 どのような判断でどこへどんな経路で避難しているのかを知っていると、いざというときにもある程度どこにいるのかが予測がつきます。
 そして、探しに行ったり迎えに行ったりするときにも迷わなくて済みます。
 また、自分の子供が遊んでいるときに避難すべき状況が起きた時にはどこへ避難すれば安全なのかを、子供と一緒に現地で確認しておくと安心です。
 誰がどこにいてどうなっているのかがわからないことは、人の心に不安を招きます。
 その結果、その不安を解消するために助けに出かけて遭難するというケースは過去の災害でもたくさん起きています。
 いざというときに誰はどこに避難しているのかを事前に知っていることで、そういった不安を排除することができますから、お互いにどのような行動をするのかについて、しっかりと話をしておくようにしてください。

【終了しました】小学生向けワークショップ「防災マップを作ろう!」を開催します

10月15日の13時30分から高津柿本神社駐車場を集合場所にワークショップ「防災マップを作ろう!」を開催します。

地域の安全点検をしながら防災マップを作っていきます。最初に点検のポイントを説明した後、実際に地域を回って点検し、最後にどうやったらこの地域で安全に過ごすことができるのかを考えてみます。

対象は小学生ですが、それ以外の方のご参加も歓迎します。

小学生以下のお子様が参加される場合には、保護者の方も一緒にご参加ください。

興味のあるかたのご応募をお待ちしています。

台風には気を付けて

 台風14号はどうやら本州縦断コースをたどる気配です。
 2022年9月18日14時現在のこの台風の勢力は「大型で非常に強い」となっていますが、この台風の大きさの表現がどのようなものなのかは、以下のリンクからご確認ください。

台風の表現を知ろう」(当研究所のウェブサイトへ移動します)


 また、台風の進路予想図には見方があり、これを間違えると本来とは違う予測の見方になってしまいます。
 台風の進路予想図の見方は、以下のリンクからご確認ください。

台風の進路予想図の見方」(当研究所の該当ページに移動します)
 九州から中国地方に向けて移動していくこの台風の影響が出る前に、周囲のお片付けや、場合によっては日のあるうちの避難など、適切に命を守るための行動をとってほしいなと思います。

おうちの水害対策

土のうをブルーシートで包んで即席の堤防を作る。土のうだけであれば土砂やごみの流入を防げるし、ブルーシートを敷くと水そのものの流入を防ぐこともできる。

 台風、そして秋の長雨の季節がやってきたみたいですが、あなたの雨と風の対策は進んでいますか。
 もしもあなたが何らかの条件で水があふれてしまったときに浸かってしまう地域にお住いの場合には、家の完全な水没を防ぐため、土のうや水のうの準備をしておくことをお勧めします。
 土のうは、土を入れた袋を積み上げて水の侵入を防ぐもので、ある程度までは水の流入と、土砂やごみが流入してくるのを防ぐ効果があります。
 土のうは重いので、小さいものをたくさん積み重ねるか、あるいはプランターなどを使って重しを作り、ブルーシートを巻き込むことで水を防ぐ効果を期待できます。
 もちろん土のうの高さ以上に水が出てしまったら役には立ちませんが、しっかりとやっておくと水害後の片づけが格段に楽になります。

玄関に積んでいく水のう。直接水に当たると流されてしまうので、玄関の内側など、建物内部の水の流入を防ぐのにつかう。
凹凸に上手にはまり込むので、屋内への水の流入防止には役立つ。ただし入ってくる水の勢いが強くなってくると役に立たなくなる。

 また、土のうと同じようなものに水のうがあります。
 こちらは二重にしたビニール袋を玄関などの扉の内側に積んでいくもので、袋の中の水が玄関の空間に沿って塞いでくれるので、かなりの効果が期待できます。
 ただ、こちらもかなり重いので、事前の準備をしっかりとしておく必要があります。
 吸水ポリマーを使った土のうもあるのですが、こちらは水を吸うまでは簡単に流されてしまうので、水が流れてきてから水に投げ込んでもあまり役には立ちません。
 土のうと水のうのどれをするにしても、作業完了から逆算して、どの段階にになったら作業を始めるのかというしっかりとした判断を作っておく必要となります。
 また、完全に水没するような場所の場合、開き直って扉や窓を全部外してしまうのも一つの方法です。
 抵抗がなければ建物が壊れることもないので、かつては水害多発地帯ではふすまや障子を外し、畳や床板を外して水害に備えたという話を聞いたことがあります。
 そうそう、基礎にある通風孔もきちんと塞いでおきましょう。

床下の換気口。ここを塞がないと床下に簡単に汚水が入り込んでしまうので注意が必要。

 せっかく土のうや水のうでおうちへの水の流入を防いでも、通風孔がそのままだとそこから汚水が床下に流れ込んできます。
 そうならないためにも、基礎の通風孔の周りもしっかりとした水対策を取るようにしてください。

土地を買う時の災害リスクからみた注意点

 土地の売買を行う際、売り主の重要説明事項として令和2年から洪水ハザードマップで売る土地の確認をさせることが追加されました。
 また、それ以前の土地でも、被災した時に売り主の説明がされなかったことが問われる裁判が増えてきているようです。
 買う側もしっかり調べたほうがいいのではないかと思うのですが、高い買い物なのにリスク分析がされていないという妙な習慣はなかなか治らないようです。
 このうちで注意しておいてほしいのが、該当地が宅地化される前がなんだったのかということです。
 田畑の場合には、地盤調査と水の流れについての調査はしておいてください。
 最近では元田畑の土地の地盤調査は割と当たり前になってきているみたいですが、その田畑にどうやって水を引っ張ってきていたのかということを確認することはまだまだないみたいです。
 田畑には大きく分けると開拓して田畑にした場所と、田畑にせざるを得なかった場所とが存在します。
 どちらにしても、水がどこから来ているのか、そして高さはどうなのかということをしっかりと確認してください。
 江戸時代に遊水地として整備された部分や、水が集まってくるために田畑しか使い道がなかった場所など、過去の地図を見ると案外と簡単にわかることも多いです。
水に浸かるのは何も越水だけではありません。流水でも家に水が入ってくることはあるのです。
 そして、水は昔の記憶を持っています。妙な言い方ですが、河川改修で川筋が変わっているような川でも、溢れた後は以前の川の跡を流れていくことがほとんどなのです。
せっかく高い買い物をするのですから、その土地の成り立ちをしっかりと確認したうえで、土地を選ぶことをお勧めします。

台風に対する事前予測をしておこう

 台風のシーズンになりましたが、あなたのおうちの台風対策は万全ですか。
 台風の場合、ある程度事前に針路が予測できるので、早めの対応を取ることで、少なくともあなたの命を守ることは可能です。

台風の進路予想はかなり早い段階から出ている。進路予想図を見ることが大切。

 台風で怖いのは風と水。強風の中、水があふれてきたからと言って避難することはできません。
 少なくとも、周囲と比べて自分の家の高さはどうなのか、それくらいは地図や家の周辺をみるとわかると思いますので、周りよりも低い場所や、全体から見て低地の場合には、台風が来る前に安全な場所へ移動しておくことをお勧めします。
 また、背後に山がある場合には、その山の傾きや土質、どのような木が生えているのか、普段の水の出具合はどんな感じかなどを調べておきましょう。
 少なくともハザードマップなどの防災マップでイエローゾーンやレッドゾーンに指定されている場所にお住いの方は、これも早めの避難が大切です。
 避難先ですが、台風の影響のない場所に逃げるのが一番いいのですが、かなりの長距離移動になることが多いので現実的ではない場合もあります。
 高台でなるべく風の当たらない場所というちょっと矛盾した表現になりますが、そういった場所を普段から探して見つけておくか、もしくは安全な場所に立っているホテルなどの宿泊施設に宿泊するのもいいと思います。
 台風では、どうしても避難所の開設が遅れがちです。避難所が開設される頃には台風の真っただ中といった場合も想定されますので、なるべく早く安全な場所への移動を自己判断で行ってください。
 また、家は安全だという方は、窓ガラスが割れないような補強や、屋根の点検、雨どいや排水路の掃除などをしっかりとしておきましょう。

いろいろといわれるが飛散防止にはガムテープは有効。張る時は屋内側に貼ること。

 台風は事前に予測できる災害です。報道機関や行政機関が発表する情報を丹念に集めて、どのタイミングで何をしておくことが適切なのかを、しっかりと考えておきましょう。

面と点

 大雨に関する警報があちこちで出ていますが、あなたのお住まいの地域は大丈夫ですか。
 あなたがお住いの場所の危険をハザードマップなどで確認し、何に対して備えておけばいいかについてしっかりと確認しておくことをお勧めします。
 ところで、もしもお住いの場所が浸水するような地域の場合、避難する基準は自分で準備しているでしょうか。
 というのも、避難情報の「高齢者等避難」や「避難指示」はお住いの地域の自治体が発表するもので、あくまでも地域という面で考えられています。
 ただ、自分が住んでいる場所という点がどうかは考慮されていませんので、避難情報が出る前に家が浸水しているといった事態は十分に考えられます。
 安全に避難するためには、普段から家の周りの雨や水の様子を確認しておいて、どれくらい雨が降るとどんな感じになるのかを知っておきましょう。
 そして、ちょっと危険だなと思ったら、自治体の避難情報を待つことなく避難を開始してください。
 ひょっとすると、自治体が開設する指定避難所はまだできていないかもしれませんが、その場合には自分が安全だと思える場所に退避しておいてください。
 例えば、ハザードで見る限り安全だと思えるような日帰り入浴施設や図書館といったような時間が過ごせるような場所に移動して様子を見てもいいでしょう。
 自分の安全を自分で確保することが、災害に対する備えとしては非常に重要になります。
 何もなければそれでよし。
 万が一に備えて、早め早めの行動をとるようにしてくださいね。

虻とブユ

 水遊びの楽しい季節ですが、水辺には大体の場合刺す虫が待っているので気を付けておいてください。
 特に上流部ではそれが顕著で、虻とブユはほぼ確実に出てくると思われますので、できるだけ肌を露出させないようにしたほうが無難です。
 虻もブユも血を吸うという点ではその辺の蚊と変わりませんが、これらが刺すとかゆい上にものすごく腫れます。
 そして腫れたら何をしてもなかなか治りません。
 薬もあまり効かないので、非常にやっかいな状態が続きます。
 彼らは肌の露出部を狙ってきますので、できるだけ肌を露出させない格好をしておいてください。
 実は先日の水難事故防止講習会&水遊びでも、当研究所のスタッフが1名、虻とブユの両方にやられてしまいました。
 写真を出せないような場所がやられてしまっているのですが、強力なステロイド系の塗り薬を使っても腫れは引かず、かゆみも収まらずないことから、なかなかてこずっているようです。
 虫よけはしっかりと吹いていたのですが、水遊びしたら流れてしまったようで、虫よけの効果にも限界があるようですから、肌の露出はなるべく避けることくらいしか手が思いつきません。
 特に川の上流部での水遊びではいかにして地肌を隠すかを意識するようにしてくださいね。

車の移動と低地走行

 あちこちで大雨が続いています。
 大きな被害が出ないことを願っていますが、報道を見ると、車で移動していて動けなくなり救助要請という事態が起きているようです。
 大雨でも普段使っている道が冠水して池になっているというのは考えにくいようで、いつものように走っていて水没し、動けなくなるということのようです。
 人間というのは不思議なもので、普段から慣れ親しんでいるところが急激に変化するとはあまり考えないようになっているらしく、多くの方がひどい目にあって、「こんなはずではなかった」と言うことが多いです。
 ほんのちょっとしたことなのですが、緊急時に安全な場所まで逃げるための避難路の点検と同じように、普段使いしている道路の高低差や経路で土地が低かったり排水がうまくできないような場所を確認しておいたなら、こういった事態にはならなかったかもしれません。
 アンダーパスでの浸水の危険性はかなり周知されてきていますが、アンダーパスだけでなく、周囲から見て一段低い場所も水が溜まって危険です。
 大きな水たまりに見えていても深いことがありますから、基本はそういった水たまりはできるだけ避けて運転することです。
 雨の日にちょっと気を付けていると、水のたまりやすいところや掃けにくいところがわかると思いますので、普段と比べて水の量がどうなのかがイメージできれば、そこまでひどい目に遭うことはないのではないかと思います。
 実際に現地を歩いてみたり、国土地理院の地図などで周囲の確認をしたりして、大雨の時にはできるだけ水たまりとなるような場所を通らない。
 できれば普段からそういった場所を避けるような経路を作って、それを常に移動するような癖をつけておくといいと思います。