被災後の気力維持で重要なものの一つにいかに暖かいものを口にすることができるかというものがあります。
とりあえず安全な場所に避難してから、しっかりとした支援物資が来るまでの間、暖かいものが口にできていれば気力は案外としっかり持てるもの。
お湯を沸かす道具がきちんとあれば何の問題もないのですが、何か足りないのが非常時の常。
今回は紙を鍋にしてお湯が沸かせないかを試してみました。
準備したものは、小さめのざるとクッキングシート、それに燃料としてのまつぼっくりです。
まつぼっくりはしっかりと乾かしてあるので、火力は充分なはずです。
紙はクッキングシート。クッキングペーパーは水を吸い取ってしまうので火にかけるのには向きません。
水を吸わなければどんな紙でもいいのですが、今回は食の安全を考えて普通に食用に使っているクッキングシートを使います。
紙鍋だけだと、水を入れたときに強度が不足して壊れてしまうので、支えるためにざるが必要です。
まずはクッキングシートを手頃な大きさに切ってざるの中に入れます。きれいな形にはなりませんが、そこはそんなもんだと割り切ります。
水を注いで五徳の上に載せ、まつぼっくりに火をつけます。
まつぼっくりはしっかりと燃えてくれますが、全体にうまく火が回らない・・・。
仕方が無いので助燃剤を使ってお湯沸かしを継続します。
松ぼっくり+助燃剤で10分。まつぼっくりはうまく燃えてくれず、やっぱりうまくいかない・・・。
あまり長いこと指をつけていることができなかったので、水温は60~70度までは上がったと考えられますが、燃料が尽きて沸騰まではいかず。
面白くないので、自宅のガスコンロにかけてみました。
弱火から中火だと、燃えずにうまくお湯が沸きそうです。
紙鍋が燃えない理由は水のある部分が熱を持って行ってしまい、紙が燃えるための温度まであがらないからなのですが、早くお湯を沸かそうと思って火力を少し上げると・・・。
火が水のない部分に当たってしまい、見事に燃えてしまいました。
終わってみると、鍋の水面を境に見事に水のあるところだけが燃え残りました。
中のお湯を出して底を見てみると、それでも焦げたようになっています。
普通の小鍋用燃料ならしっかりお湯が沸いたのかなと考えましたが、今回はこれで終了となりました。
被災後にはあるもので何とかしなければなりません。
こういった知識が直接役に立つかどうかはわかりませんが、知っておいて損は無いと思います。