【お知らせ】ペット防災講習会を開催します。

能登半島で起きた大きな地震に被災された方にお見舞い申し上げます。

まだ全容がわかっていない状態ではありますが、現地の一刻も早い復旧と災害関連死がでないことを願っています。

ところで、災害のたびに問題にされるのがペットのことです。

もしあなたのおうちにペットがいたとしたら、災害発生時にそのペットをどうするかを考えたことがありますか?

また、避難してくるペットを受け入れる避難所や自主防災の方は、そのとき自分たちがどのようにすればいいのか、しっかりとわかっていますか?

今回はNPO法人人と動物の共生センター、NPO法人全国動物避難所協会の理事長である奥田順之先生とオンラインでつないでペット防災について一緒に考えてみたいと思います。

後半では、「ペットの防災・あなたの防災」として、いざというときを想定したワークショップを行います。

申込不要で参加費は無料となっていますので、この機会に災害時のペットについて考えてみませんか?

あなたのお越しをお待ちしております。

日時:2024年1月27日13時30分~15:30

会場:島根県芸術文化センターグラントワ多目的ホール

参加費:無料

※詳細はチラシをご確認ください。

ペットと人

キャリーケースに素直に入ってくれることが、屋外避難が必要な時の基本になります。

 避難や避難所において、ペットという存在は無視できないものになっています。
 ペットは家族の一員と考える飼い主と、動物と人は別と考える飼い主以外の人の思いが錯綜した結果、避難や避難所におけるペットの扱いというのが難しくなっているのではないかと思います。
 ペットがいるから避難しないという話になったり、ペットと人を同列で対応するように無茶振りしたり、ペットを飼っていない人からみると「ペット様」にしか見えない状態になり、相互理解ができない状態になっているような気がします。
 ただ、ペットも生きているわけであり、その命は守るべきものですから、できる限りにおいて対応を考える必要があります。
 現実的には、できる限りペットの飼い主は自宅から避難しなくてもすむようにしておいた方がペットも人も安心ですので、まずは自宅のあり方について考えておいた方がいいでしょう。
 そして、ペットが家族だという考え方は、ペットを飼っている人以外には納得してもらえないものだということを理解しておくべきです。
 そうすると、自宅が被災した時の避難先は、避難所よりもペットを飼っている知り合いやペットホテル、獣医などいった選択肢が出てきますから、そういった人たちに受け入れの確認をしたり、どのように世話をしてもらうのかについての確認をしておくといいでしょう。
 避難所に避難するのは最終手段と考えて、まずはそれ以外の選択肢を探してみることが重要になります。特にエキゾチックアニマルと呼ばれる犬、猫以外の生き物については犬猫以上に取り扱いが難しいですから、できる限り普段飼っている環境を維持できる方法、つまり自宅が被災しない方法を考えることが重要です。
 もちろん避難所に避難した時に備えて、犬や猫の場合にはキャリーケースなどに素直に入ることだったり、むやみに鳴かないといった日ごろのしつけはしっかりとしておく必要がありますが、そうならない手段も検討しておく必要があるということです。
 ペットも人も命という存在としては同じものです。
 避難というのは命を守ることと考えれば、ペットも人も命を守るためにはどうすればいいのかを考え、検討しておく必要があると思います。

ペットと避難所

バックに普段から慣らしておかないと、いざというときに捕まえる騒ぎで時間が取られてしまう。

 ペットと一緒に避難するということは、ここ最近さまざまなところでPRされていることもあって割と知られてきています。
 では、避難所の受け入れの方はというと、案外と体制ができていないというのが現実のようです。
 ペットといっても、避難所運営側のイメージは犬や猫、小鳥といった感じで、とりあえず場所を一つ準備しておけばといった感じで、そこまで熱心ではないようです。
 ただ、一口にペットといっても飼っている生き物はさまざまで、犬や猫、鳥だけではなく、は虫類や両生類、魚、虫といったものまで、飼っている人の趣味の幅がかなり広いので、実際に受け入れるとなると大事になります。
 例えば、避難者と避難したペットを別々に収容する同行避難で考えてみます。
 避難してきた小鳥と猫を一緒の部屋に入れたとすると、鳥はかなり落ち着かないでしょうし、猫も大騒ぎになるでしょう。
 犬と猫を同じ部屋に入れたとしたら、恐らく鳴き声や威嚇の声で聞いている人達が落ち着かないと思います。
 では、ペットの数だけ部屋を準備すればいいのかと言えば、そもそもどんな生き物が避難してくるのかがわからないので準備のしようがありません。
 地域の避難訓練で避難してくる予定の人にどのようなペットをつれて避難してくるのかという情報を集めることはできますが、ややこしいペットを飼っている人ほど、こういった場には出てこないことが多いので、あとで揉めることが予想されます。
 そうすると飼い主と一緒に避難所のスペースにいる同伴避難ということになりますが、今度は生き物が苦手な人との間で対立が生まれてしまいます。
 蛇を飼っている人が蛇を連れて避難所のスペースにいたとしたら、蛇が嫌いな人は卒倒してしまうかもしれません。
 こんな風に、一口でペットと一緒に避難するといっても、簡単には事前準備ができないということを、避難する側も避難所を運営する側も知っておかなければいけません。
その上で、どのようなペットを受け入れないといけないのかや、自分の飼っているペットは避難所以外に避難する先が本当にないのかといった調査や調整もしておかないといけないでしょう。
 また、避難先をペットによって分けたり、ペットを収容する避難所と収容しない避難所を分けたりといった事前の準備も必要です。
 ペットを飼っている人は、ペットを生き残らせる責任がありますから、きちんと自分とペットが災害時にどのようにするのかについて、しっかりと考えて対策をしておいてください。

■「ペット防災手帳」のご紹介

米子市作成のペット防災手帳、両面印刷して真ん中で切って貼り合わせると手帳ができる。中のリフィルの追加もできるようになっていてかなりの力作。

 災害が起きたときに起きるペットのさまざまな問題。
 何が起きても飼い主が主体的に行動してペットをどうするのかについての判断をする必要があります。
 家で引き続き面倒を見ることができるのが一番ですが、さまざまな理由から避難所に同行避難したり、知人や獣医さん、ペットホテルなどに世話をお願いすることも起こりえるでしょう。
 その時、そのペットが必要な予防接種を受けているかや避妊処置をしているかどうか、必要な薬や治療中の病気があるかどうかといった情報は、口伝えよりも紙に書いたものを渡した方が確実だと思います。
 要は動物版のパーソナルカードを作ろうという話なのですが、このたび鳥取県の米子市役所さんがそれらを網羅した「ペット防災手帳」の書式を作成し、公開してくれました。
 米子市民向けのものですので、問い合わせ先が米子市役所の担当課になっていたり、表紙に米子市のイメージキャラクターが書かれたりしていますが、内容はとても参考になるものだと思いますので、ペットを飼っている方は一度覗いてみることをお勧めします。
 ちなみに、ペットの写真を貼るページもあって、これは飼い主であることを端的に証明するためのものだそうですが、ここまで突っ込んだペット用の防災手帳は初めてかもなと思いました。

ペット防災手帳を作成しました(米子市役所環境政策課・ペットのページに移動します)

【お知らせ】環境省から「人とペットの災害対策ガイドライン 災害への備えチェックリスト」が出されました

 災害時における人とペットの問題はいろいろとあり、実際のところ誰が何をどうすればいいのかが未だにはっきりとされていないというのが現状です。
 そんな中、動物愛護管理法を所管する環境省から「人とペットの災害対策ガイドライン 災害への備えチェックリスト」が発表されました。
 内容は、同行避難してきた人とペットを受け入れる側がどのように対応したら良いのかについて、さまざまな検証とチェックリストが掲載されています。
 また、中にペットを飼っている人が事前に行っておいたほうがよい対応準備についてもチェックリストが作成されていて、事前準備の一つの目安になると思います。
 ペットにも犬や猫だけでなくさまざまな種類があって、そのペットごとに取り扱いが変わりますので、避難所を設置する側はそのことも頭に入れた上で避難所運営を考えていかなくてはいけません。ここに掲載されている図上訓練の様子などは役にたつのではないかと思います。
 屋内での愛玩動物が増えている現在、どのような動物がいつ誰とどうやって避難してくるのかはその時になってみないとわからないかもしれません。
 ただ、いざというときに備えて、さまざまな準備はしておいた方がいいと思います。
 ペットを飼っている人や避難所を運営する立場の人は、とりあえず一読しておくことをお勧めします。

人とペットの再議対策ガイドライン 災害への備えチェックリスト」(環境省のウェブサイトへ移動します)

同行避難と同伴避難

犬猫は避難先では基本的にケージ飼いになるので、慣れていないといろいろと大変になる。普段から慣らしておくことが必要。

 ここ最近の避難せずに救助されることとなった人の理由の中にペットを置いていけなかったという事例が増えてきているそうです。
 そのため、最近では原則としてペットと一緒に避難所へ避難せよという方向になっていて、環境省が「人とペットの災害対策ガイドライン」を出し、各方面に向けて飼い主・ペット一緒の避難について呼びかけを行っています。
 ただ、避難所の受け入れ体制が必ずしも整っているわけではなく、ガイドラインでも同行避難と同伴避難というややこしい書き方がされているため、避難所でトラブルが起きる元となっています。
 今回はこのペットの同行避難と同伴避難の違いについて考えてみます。

1.同行避難

 同行避難とは、災害時に避難する飼い主とペットが一緒に避難することです。
 ただ、避難した後の取り扱いが異なり、飼い主とペットが一緒に過ごせる場合、ペットが別の空間に分けられる場合があります。
 収容能力が低い避難所では、避難してきたペットは野ざらしか特定の屋外のスペースにいろいろな動物が一緒くたにされてしまうこともあり、ペットのえさや排泄処理などは自己責任の範疇です。
 ケージなどの狭い空間に押し込められることになるので環境も悪く、せっかく避難したけれど見るに見かねて元の家に戻ってしまうような飼い主・ペットもいます。

2.同伴避難

 同伴避難は、災害時に避難する飼い主とペットが一緒に避難し、避難所で一緒に生活することができる状態です。
 飼い主とペットにとっては一番の理想型ですが、家庭毎に部屋が割り当てられることは殆ど無く、動物の種類毎に部屋が割り当てられる状態なので、しつけがきちんとできていないと他の人のペットとの諍いが発生したりします。

 実際のところ、同行避難と同伴避難の境界はかなり曖昧なので、避難してみたら同行避難が同伴避難になったり、その逆も起きたりします。
 もともと人の避難所の数が足りていないという現実があり、一緒に避難してもペットが苦手な人やアレルギーを持っている人、糞尿や鳴き声の問題などいろいろと解決しなければいけない問題が多いですから、あらかじめペットの扱いについてきちんと避難所で取り決めておかないと発災後すぐに大きな問題となってきます。
 ちなみに、聞いた話ですがペット対策を考えているある地域ではペットお断りの避難所とペットと一緒の避難所に、避難所を物理的に分けて運用しているところがあるそうです。そういうのも一つの解決方法かもしれません。
 ともあれ、同行避難にしても同伴避難にしてもペットに対しては飼い主が全ての責任を負うことになります。ケージの準備、えさや水、糞尿の始末、しつけ、予防接種などの前提条件がありますから、問題がないように飼い主の責任はきちんと果たしておかないと自分が困ることになります。
 また、ペットを連れての避難は、自分の非常用持ち出し袋だけでなく、ペット用の非常用持ち出し袋も持って行かなければなりません。
 そう考えると、ペットと一緒に避難をしたいと考えている人は普通の人よりも早めに避難行動を開始した方がよいかもしれません。
 また、ペットと一緒に避難する人は普段から地域の防災情報をしっかりと知り、地域防災計画にもペットの問題を提起してしっかりと関与しておく方が安心です。
 まだまだ始まったばかりのペットと一緒の避難行動。犬や猫だけでなく、さまざまな動物がペットとして飼われています。
 それらへの対策をどのようにしていくのか。普段から地域でしっかりと話をしておきたいですね。