水を持って歩こう

 自分の水筒を持って歩く人をよく見かけます。
 新型コロナウイルス対策や経済的なもの、好みの飲み物を手軽に飲みたいなど、さまざまな理由があると思いますが、防災という視点から見るととてもいいことだなと感じます。
 災害が発生すると、一番最初に困るのがトイレ、そして次に困るのが水の確保です。汗や尿など水分が身体から出ていくことを止めることはできませんから、身体が失った分の水分をなんらかの形で補給してやらないと脱水症状を起こしてしまいますが、そんなときに自前の水筒が一つあると精神的に落ち着きますし、脱水症状に悩まなくてもすみます。
 自動販売機やコンビニエンスストアなどで買えば良いじゃ無いかと言われることも多いのですが、災害が起きると水分の確保が必要と言うことは割とよく知られているようで、一番最初に姿を消すのが水、そして次がお茶というのが災害後のいつもの風景になっているなと感じています。
 それを考えると、自分の持ち歩くカバンに水筒があるというのは安心感があります。
 中はできればお水またはお茶がよいのですが、中身がなくならないように気をつけていただければ好みの飲み物で十分だと思います。
 もっとも、コーヒーや紅茶は利尿作用を起こすカフェインが入っていますので、できれば避難中に飲むことは避けたいところです。そういった飲み物が好きな人は、小さくて良いので別に水のペットボトルを持ち歩くとよいと思います。
 重さの問題もあるので、無理のない範囲でということにはなりますが、好きな飲み物で気分を落ち着かせて、身体の渇きは水で対応と考えていただければいいと感じます。
 ともあれ、渇きは身体へのダメージが大きいですし、判断力も鈍ります。脱水症状が続けば命の危険の問題も発生します。
 自分の水筒には常に飲み物が入っている状態を維持していただいて、災害の時に慌てなくて済むようにしておきたいですね。