発電機は絶対に屋外で使う

携帯発電機を室内で使用して一酸化炭素中毒になる事故の再現映像(製品評価技術基盤機構(nite)作成)

 冬場に長時間の停電が起きると、電化されている最近の住宅では暖が取れなくなることがあります。
 その時に備えてガソリン式やカセットガス式の発電機を備えている方もおられると思いますが、屋内では絶対に使用しないでください。
 発電機に限りませんが、燃焼するときには酸素が燃焼により二酸化炭素に変わっていきます。
 ただ、供給される酸素が不十分になると、二酸化炭素になれずに一酸化炭素が発生し始めます。
 この一酸化炭素は人間が吸い込むと中毒死するような危険な気体なのですが、寒いと屋内やテントの中で発電機や炭火などを使い、酸素不足で一酸化炭素が発生して中毒死する事故がほぼ毎年起きています。
 災害後に電気が再開するまでは発電機に頼ることも多いとは思いますが、発電機はいくらコンパクトでも絶対に外で使用すること。
 そしてできるだけ開放的な場所で空気がしっかりと流れるようにしておくことに注意しておいてください。
 発電機は絶対に外の風の良く通るところで使うこと。
 周囲が住宅地の場合には発電機の音が気になってしまうかもしれませんが、命にはかえられませんので必ず守るようにしてください。

停電と発電機

 災害が起きると、かなりの確率で停電が起きます。そして広域停電が起きるとなかなか回復しないという現実があり、自家発電機を備え付ける人が増えているようです。
 また、キャンピングカーを持っていたり野外で電力を使うことが多い人は自家発電機を持っていることが多いですから、災害時にはそれらが活躍することになります。
 ただ、自家発電機が稼働すると必ず起きるのが酸欠による死亡事故です。
 カセットガスでも灯油やガソリンでも、内燃機関による発電は燃料と酸素を燃やし、一酸化炭素や二酸化炭素を出して発電をしています。
 消費する酸素量はかなり多いですから、昔のように風通しのいいおうちならともかく、最近の高密度断熱住宅だと建物外から酸素が入ってくる量よりも屋内で消費される酸素の方が圧倒的に多くなります。
 その結果、中にいる人が酸欠になって死んでしまうことになります。
 発電機の説明書を読むと、「必ず屋外に置いて使うこと」と書かれています。音や振動などで近所迷惑になるからということで屋内に置くのでしょうが、そんなことを気にする環境では、そもそも発電機を使うべきではありません。
 発電機は必ず屋外に置くこと。そしてそこから電源コードを屋内に引き込み、家電製品を使うこと。使う家電は必要最低限にしておき、できるだけ発電機に負荷をかけないことも大切です。
 発電機はあると非常に便利で役に立つものです。その効果を最大限に発揮するためにも、おうちで発電機を使うときには必ず屋外で使用し、音や振動は屋外で対策をするようにしてください。