両開きロッカーの扉の固定法

 保育園さんで使っているロッカーの扉をロックできるようにしようということになりました。

 これがロッカーの全景。扉の内側には固定具はありません。扉のちょうつがいのスプリングで扉を固定する構造で、上下の二段となっています。
上の段は普通の金属製のドアストッパーで止めることにしましたが、問題は下のロッカー。高さ的に子どもの頭が当たるかもしれない場所なので、普通のドアストッパーでは事故が起きる可能性があります。

 そこで安全面を考えてプラスチック製のドアストッパーを用意したのですが、今度は強度でいまいち不安が出てきました。
 そこで、プラスチック製のドアストッパーを小改造して皿ねじを使えるようにし、しっかりと取り付けられるようにしてみました。
 作業と取付、万一の場合は自己責任になりますが、改造は次のとおりです。

 まずはキャップを外します。

 そして、内部のピンを切り取り、その部分に錐で穴を開けます。

ねじの皿部分がキャップ内に収まるように皿に合わせて形を作り、皿ビスを貫通させてうまく収まるかを確認します。

 ビスを貫通させた状態がこれです。ロッカー側には今日粘着タイプの両面テープに取り替えています。

ビスで取り付けます。皿部分はなんとかうまくキャップ内に収まりました。

 全体につけるとこうなります。
 上部ロッカーは内容物の重量と扉の精度によって固定具を変えています。
 同じようなロッカーが3カ所あり、取付自体は正味1時間で完了しました。
 このロッカーの下でお昼寝する子どもさんもいるということなので、とりあえずはこれで安全が確保できそうです。

 できるところから始めて行くことで、準備は進んでいきます。とりあえずの第一歩を踏み出すことが、実はとても大切なのだろうと思います。

デリケートゾーンの衛生管理

 デリケートゾーンの衛生管理はいろいろと大変ですよね。
 災害だからといって体の機能が変わってくれるわけでもありませんが、生理用品などには目が行きますが、「洗い流す」ということについて準備は大丈夫ですか?
 携帯用ビデもありますが、肝心の「衛生的な水」を手配できなければ使うことができません。
 なんかないかと探してみたら、「おしりシャワシャワ」という使い切りアイテムを見つけました。

中を開けてみると、一つずつパッキングされています。

中を出すと、後ろが手押しポンプになっていて、そこに水が入れられています。分量は1本16ml。


噴き出し口はねじ切って開封するようになっています。

手押しポンプを押してみると、簡単に水が噴き出します。押し方によって強弱の調整も簡単にできます。

中身は精製水なので、デリケートゾーン以外にも、例えば傷口や目を洗うことも可能です。また、おいしくはありませんがいざとなったら飲用にも使えます。
災害時にもっとも手に入りにくいのは衛生的な水です。こんな風にパックされたものがあれば、多用途に使えて便利そうです。
また、そこまでの大きさはないので、持ち歩くのも難しくはなさそうです。
防災グッズの一つとして、あなたの非常用持出品セットの中に加えてみてはいかがでしょうか?
興味のある方は、以下のリンクを見てみてくださいね。

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災害発生とトイレ

 災害が発生するとみんな大わらわになりますが、トイレの封鎖はまっさきに行ってください。

閉鎖されたトイレ(出典:災害写真データベース)

 くみ取り式は大丈夫でしょうが、浄化槽式や下水道式の場合、排水管が外れたり詰まったりする可能性があります。
 災害が起きたら、少なくとも人が避難する場所のトイレは封鎖し、すぐに仮設トイレを準備してください。それにより、衛生環境を保つのと同時にトイレの速やかな修理及び再開が可能となります。
 トイレは一般的に男性1に対して女性3と言われます。その通りに準備するのは難しいかもしれませんが、ある程度の余裕を持って設置した方が無難です。
 ある瞬間、トイレというのは行きたくなるものです。その時、使ってはいけないと頭では分かっていても我慢できないと「自分一人くらいなら」と考えて使ってしまいます。

仮設トイレセット。これをいかに早く設置できるかがその後の衛生環境を左右する。

 最初の一人が使うと、あとは止めることが不可能になります。
 最初の一人をいかに阻止するか、そして代わりのトイレをいかに速やかに提供できるか。
 これを防災訓練で取り入れているところはまだまだ少ないと思います。
 災害訓練ではこの仮設トイレのみを使うこととして、準備してあるものの使い勝手や処分方法の確認をしておきます。
 それにより、いざというときに「準備はしたが使えない」という事態を防ぐことが可能になります。
 どうやってもトイレというのは我慢ができないものです。
 詰まったりあふれたりしてから慌てるのではなく、すぐに準備して使えるようにしておくことが、衛生環境を守る一番の方法です。

お菓子でおかずを作ってみた2

ポテロングの巻

じゃがりこで作るポテトサラダは結構有名なのですが、それじゃ他の同じようなものでもできるのではなかろうか。
そう考えて、今回は森永製のポテロングで試してみることにしました。

前回と同じように、まずはアレルギーを確認します。ここで自分が食べられないものが入っていないかを必ず確認します。

蓋を開けると、スティック状になったおいもが覗いています。当然これで食べてもおいしいですよね。

じゃがりこサラダと同じように、まずはスティックを潰して粉にします。箱でやるとぼろぼろになりそうなので、ビニール袋に取り出します。

袋の上からすりこぎで粉々になるまでたたき、 粉々になったら容器に戻します。

で、お湯を注ぎます。

下3分の1くらいまで注いだら、まぜまぜします。

・・・なんだこれは?
ぽくぽくしたおいもの塊では無く、なにやらどろっとした白いぬめぬめが・・・。
お湯、入れすぎたかな?

 もっていたじゃがりこ(期間限定しょうが味)を潰してここに投入。水の分量間違いならこれで大丈夫のはず。

・・・なんだろ、これ?
できあがったのは、ぽくぽくじゃがいもの塊とそれを包む白いどろどろしたもの・・・。
味は、ポテトサラダと・・・、糊だ。
昔懐かしい、デンプン糊の味。
ポテロングの成分表示を確認してみましょう。

 ・・・成分、芋以外にいろんなものが混じってる。原因はこれらしいですね。思った以上にお芋の分量は少ないようです。
 というわけで、今回のポテロングはとてもおかずにはなりえない状態になってしまいました。
 できあがったものですか?
 人様には食べさせられないお味だったので、作った人が責任もって全部食べました。

ちなみに上がじゃがりこの原材料表示です。メインは芋で、他のものでかさ増しはされていないみたいですね。だから、じゃがりこだとポテトサラダができるのかと納得してしまいました。

とりあえず、災害時で無くて良かったです。災害時にこんなもん食べることになったら、絶対に気力がた落ちです・・・。

懐中電灯は用途を考えて

 懐中電灯やヘッドライトは暗い場所では必須の道具です。

ヘッドライトや手持ち式、ランタンと兼用のものまで、種類はさまざま。

 ただ、できれば明るさが変えられる、もしくは光量の異なるものを2個準備しておいた方がよさそうです。
 というのも、移動時にはできるだけ明るい光量のあるライトが求められますが、避難所や自宅などで何か作業をするときには、あまり明るいとかえって作業がしづらくなってしまいます。
 それぞれに適した光量というものがありますので、普段、実際にやってみてどれが一番自分の好みに合うかをやってみておく必要があります。
 登山用や作業用のヘッドライトでは光量調整が出来るものがありますので、そういったものであれば一つでもよいかもしれません。
 また、複数のライトがついていてランタンとしても使える懐中電灯も出ていますから、電池の確保さえできるなら、便利でいいと思います。
 いずれにしても、買って安心するのでは無く、実際にさまざまな条件で使ってみて、自分の目的にあっているかどうかをしっかりと確認しておきましょう。

災害時避難計画はチェックシートを活用しよう

 「我が家の防災計画」を作るときに、何かフォーマットがあると便利ですよね。
 でも、いざインターネットや書籍でチェックシート確認しようとしても、かかれている内容が膨大な分量を用意するものだったり、汎用的すぎて用意するものが多すぎたり、逆に足りなかったりすることも多いものです。
 そこで、中国新聞さんが作成した「我が家の防災チェックシート」を使ってみませんか?
 避難するときに絶対に必要なものが「非常持ち出し品」としてリストアップされていますので、それを揃えた上で家族に必要なものを追加し、避難所や避難方法、連絡手段についてまとめておくととりあえずの災害時避難計画ができあがります。
 これに避難判断の時期を付け加えると、とても使えるわかりやすいチェックシートになると思いますので、ぜひ一度中国新聞さんのサイトを見て確認してくださいね。
 また、平成30年7月に起きた西日本豪雨とその後についても連載記事で丁寧に追いかけています。こちらの記事もぜひご一読ください。

中国新聞アルファ:西日本豪雨・防災情報 

<避難の参考書 自分で備える編>我が家の防災チェックシート 

■お菓子でおかずを作ってみる1

じゃがりこポテトサラダの巻

 お菓子をおかずにしようとしたとき、あまりにも定番過ぎるのがこのじゃがりこです。
 ちょっとした災害体験や登山経験のある人なら、作ったことはなくても聞いたことくらいはあるのではないでしょうか。
 今回はこのじゃがりこを使ったポテトサラダを作ってみることにします。

 まず最初はアレルギーの確認です。アレルギーのある人だけでなく、作る人も絶対にこの成分表を確認してください。

 次に蓋を開けます。スティック状のジャガイモが詰まっています。これで食べてももちろんおいしいです。

 次にお湯を加えます。お湯が確保できない時には、先に砕いてからお水を加えても大丈夫です。
 分量は容器の3分の1くらい。
 1~2分でじゃがいもがしんなりしてきますので、お箸やスプーンでかき混ぜます。サラダの堅さはこのときにお湯を足すことで調整します。

 できあがりです。しっかりと味がついているのでこのままでも食べられますが、お好みでマヨネーズやケチャップなどを混ぜてもおいしいですよ。
 災害で入れ歯を無くしてしまった方でも、こうすることによって食べることが可能になります。
 注意点としては、お菓子として食べられる性格上、味付けが濃いので離乳食に使うときには最初にさっと水で洗うといいかもしれません。
 また、高血圧の方も食べ過ぎには要注意です。
 じゃがりこにはさまざまな味がありますので、いろいろと試して我が家の味を見つけてみてください。
 余談ですが、忙しいときの一品としても使えますよ。

電気のバックアップを考える

 今の生活で「電気」は必要不可欠なものです。
 災害時にはこの電気が止まってしまうこともよくありますので、その際には発電機か蓄電池で必要な電力を確保する必要があります。
 では、あなたの家や職場で最低限必要な電力量はどれくらいなのかを考えたことがありますか?
 それによって必要な電力を供給する道具を準備しておく必要があるのです。
 あまり電気を使わない家庭であればポータブル蓄電池があればやり過ごせるでしょうし、機械類をたくさん使うところなら大出力の自家発電機を用意する必要があるでしょう。
 あらかじめ、そこで機能を維持するために最低限必要な電力量を確認し、それにあわせた電源バックアップの準備をしておくといざというときに慌てなくて済みます。
 私が今使っているタイプのポータブル電源だと電気毛布なら一晩は使え自動車のアクセサリーソケットからも充電が可能です。最近はもっと高性能なものもでていますから調べてみるといいでしょう。
 その際には、電源を供給する先のことも考えておいてください。
 発電機にしても蓄電池にしても電力供給方法には「通常型」「疑似正弦波型」「正弦波型」の三種類があります。
 精密機械になればなるほど正弦波型以外は故障を招くことになりますので、例えばパソコンに電力を供給しようと考えるなら正弦波型を選ばないと壊れてしまうことがあります。
 自分が電気が必要だと考える道具がどのタイプの電力を必要とするのかについてはきちんと確認しておくことが必要です。
 そして、発電機や蓄電池の供給量を超えないようにすることが大事です。電化製品は起動時と運転時の出力が違うものも多いので、もっとも必要とされる電力量を賄えなくてはいけません。
 マニュアルなどには消費電力と瞬間消費電力の記載があるので、その中の大きい数値以上の出力のあるものを用意するようにしましょう。
 事務所等では精密電子機器が多く、基本的には正弦波型でないと対応ができません。UPSと呼ばれる補助電源装置が組み込まれている場合、電気の供給が止まっても数分程度は耐えてくれますので、その間に電源を切る作業を行うことになります。
 もし電力量が大きければ余裕を持った対応ができますので、もしこれからバックアップ電源を準備するのであれば、下のリンク先の電源システムを検討してみてくださいね。

乳幼児の食事を確保する

 母乳育児や手作り離乳食を毎食作るという方も多いと思いますが、それを食べている子どもさんの非常時の食事について考えてみたことがありますか。
 災害が発生すると、お母さんの精神状態によっては母乳が出なくなることがよくあります。また、電気やガス、水道が使えなくなると手作りの離乳食を作ることが難しくなることもあります。
 そんなときに粉ミルクや市販の乳幼児食が使えたとしたら随分助かるのではないかと思いますが、そのストックは準備してありますか。
 我が家では子ども達は母乳で育てていましたが、万が一に備えて母乳を冷凍したものやスティックタイプの粉ミルク+ペットボトルの水(軟水)を数回分それぞれ用意していました。
 また、離乳食も手作りしていましたが市販品の離乳食も数回分準備して備えていました。
 冷凍母乳は母親が授乳できないときに積極的に使うことで常に新鮮なものをストックしていましたし、粉ミルクも母乳に代わって時々あげていましたが、その時には眉間にしわを寄せてほ乳瓶から飲んでいたことを思い出します。
 その後、離乳食の段階では、お出かけしたときに備蓄品を持って出て食べさせていましたが、うちの子達はこれが3食続くと怒って「べー」とはき出してました。
 幸いなことに大きな災害に出会うこともなく通常食に移行してくれましたが、もしも災害になったとき、いきなり「飲め、食べろ」と言われたら、大泣きして抵抗していただろうなという気はしています。
 通常時であればできることも、災害時にはできなくなります。その時にどうすれば自分の子どもが食事をしてくれるのかは、あらかじめやっておかないと、いきなり本番だとお互いに余計な苦労をする羽目になってしまいます。
 粉ミルクにしても離乳食にしてもメーカーによって味が違いますし、子どもにとっても好みの味が異なります。それは試してみないとわからないことなのです。
 「手を抜く」のではなく「子どもを守るために」粉ミルクや離乳食を体験させておくことも、実はとても大切なことなのではないでしょうか。
 余談ではありますが、先日「液体ミルク」について江崎グリコさんから話をうかがうことがありました。3月から4月にかけて発売予定の江崎グリコさんの製品は紙パックに入っているそうですが、ほ乳瓶にいれればそのまま授乳できるように作られているそうです。先の胆振東部地震では海外製品が避難所に配布されて「使え、使うな」という物議を醸したようですが、もし使ったとしても全ての赤ちゃんが飲めるとは限りません。
 味に慣れていないものは、非常時にはのどを通らないことが多いものです。可能であれば一度試してこどもの反応を確認しておいた方がいいでしょう。
 海外製品は、楽天やアマゾンで検索すると1本1,000円近くするんですね。国産品の発売が待たれるところです。

国産液体ミルクが発売されます

 胆振東部地震で安全だ危険だと物議を醸した乳児用液体ミルクですが、このほど江崎グリコさんから国産品の販売がされることになったそうです。
 先日、その説明を聞いてきましたので分かった範囲のことをお知らせしたいと思います。
 その前に、「液体ミルクってなんだ」という方のために少しだけ説明をします。
 乳幼児用の食事として母乳がありますが、なんらかの理由で母乳が使えない場合や量が不足しているような場合、粉ミルクを使うことになります。
 この粉ミルク、作ったことがある方ならよくおわかりと思いますが、とにかく手間。乳児でも生まれてしばらくの間は頻繁にお乳をほしがります。24時間、朝夜関係なく。
 母乳であれば寝ぼけたままでもあげることができますが、粉ミルクは衛生上作り置きができないので、必要とされるたびに作る必要があります。
 お湯を沸かし、粉を入れ、冷まして飲ませる。書くだけなら大したことない作業ですが、これが毎日毎回となると親も消耗します。
 私自身も寝ぼけてお湯をひっくり返してやけどしそうになったり、分量を間違えたまま子どもにあげて子どもが飲めずに口からだらーっとしたようなこともありましたが、液体ミルクであれば、パッケージを開けてそのままほ乳瓶に注ぐだけなので、寝ぼけていてもなんとかなりそうです。
 また、災害時には粉ミルクを作る衛生環境を維持することがかなり困難ですので、その点でも優れていると思います。
 今回江崎グリコさんが作って販売しようとしている液体ミルクは、江崎グリコさんが作っている粉ミルク「アイクレオ」の液体版になるようです。
 遮光性、衛生面に優れた6層のパッケージで作られた紙容器は125ml入っていて、消費期限は半年だそうです。
 取り扱いは、主に乳幼児品を専門に扱う西松屋さんや赤ちゃん本舗さんなどになるとのこと。売価は1本200円くらいというお話でした。
 販売開始時期ですが、早ければ3月半ば、できれば4月中には販売を開始したいとのこと。

今回は残念ながら製品版パッケージの展示はありませんでした。125mlの容器ってこんなものという青色の箱が用意されていました。

 試飲もさせてもらいましたが、味はそのまま粉ミルクのアイクレオでしたので、普段アイクレオを使っている子どもさんなら違和感なく飲めると思います。
 担当の方が「母乳が一番いいのはわかってるんだけど、さまざまな事情で出ないときに活用して欲しい」とこれを作った目的をお話されていたのが印象的でした。
 ただ、災害用と考えると、海外製品にあるような飲み口だけ取り付ければそのまま飲ませられるようなものも必要なのかなとも感じました。

使い捨てのほ乳瓶各種。オレンジのキャップの向こうにちょっとだけ見える青い箱が液体ミルクの容器。

 使い捨てのほ乳瓶も一緒に展示されていましたので、ひょっとしたらセット商品も出てくるのかもしれません。
 他には明治さんがスチール缶製の液体ミルクの承認を取っているそうなので、そちらもひょっとしたらそのうち登場してくるかもしれません。
 議論がいろいろあるのは承知していますが、災害時に困るのは乳幼児とその保護者です。道具でなんとかなるなら、それに越したことはありません。これからもさまざまな選択肢が増えるとよいなと思います。

※2019年3月6日追記:2019年3月5日からグリコダイレクトで通信販売が開始されました。3月11日からはドラッグストアや赤ちゃん用品店などでも順次取り扱いが始まるそうです。