災害発生とトイレ

 災害が発生するとみんな大わらわになりますが、トイレの封鎖はまっさきに行ってください。

閉鎖されたトイレ(出典:災害写真データベース)

 くみ取り式は大丈夫でしょうが、浄化槽式や下水道式の場合、排水管が外れたり詰まったりする可能性があります。
 災害が起きたら、少なくとも人が避難する場所のトイレは封鎖し、すぐに仮設トイレを準備してください。それにより、衛生環境を保つのと同時にトイレの速やかな修理及び再開が可能となります。
 トイレは一般的に男性1に対して女性3と言われます。その通りに準備するのは難しいかもしれませんが、ある程度の余裕を持って設置した方が無難です。
 ある瞬間、トイレというのは行きたくなるものです。その時、使ってはいけないと頭では分かっていても我慢できないと「自分一人くらいなら」と考えて使ってしまいます。

仮設トイレセット。これをいかに早く設置できるかがその後の衛生環境を左右する。

 最初の一人が使うと、あとは止めることが不可能になります。
 最初の一人をいかに阻止するか、そして代わりのトイレをいかに速やかに提供できるか。
 これを防災訓練で取り入れているところはまだまだ少ないと思います。
 災害訓練ではこの仮設トイレのみを使うこととして、準備してあるものの使い勝手や処分方法の確認をしておきます。
 それにより、いざというときに「準備はしたが使えない」という事態を防ぐことが可能になります。
 どうやってもトイレというのは我慢ができないものです。
 詰まったりあふれたりしてから慌てるのではなく、すぐに準備して使えるようにしておくことが、衛生環境を守る一番の方法です。