避難生活が続くと、だんだん気になってくるのが体の臭いとべとべと感です。
若い人や女性では、特に気にされる人が多いのではないかと思いますが、お風呂にでも入らない限りは根本的な解決にはなりません。
それでも、体を拭くことができればさっぱりしますし、水の入らないシャンプーを使えば、頭もそこそこすっきりとさせることができます。
そこで非常用持ち出し袋に入れておいてほしいのが非アルコールタイプの「おしりふき」。
これはそれなりに大きくて厚くて使い勝手がよいものです。夏場であればアルコールタイプもさっぱりして気持ちがいいのですが、体に合う合わないがありますので事前準備の時に一度試しておくことをお勧めします。
また、水の入らないシャンプーは事前準備しておかないと、地方ではなかなか手に入りにくいアイテムですので、非常用持ち出し袋を作るときに一緒に準備しておくといいでしょう。
それから、お化粧をする人は非常用持ち出し袋にもメイクセットとメイク落としは入れておいてください。普段メイクする人がメイクしない状況に陥ると、気力が萎えてくるものです。
旅行の際に作られるようなお出かけセットを非常用持ち出し袋にセットしておくと安心です。
そのとき、一つだけ気をつけておいてほしいことがあります。それは香り。臭いの強いものは御法度なので気をつけてください。
避難所にはさまざまな人が避難し、生活をしています。その中には香りが苦手な人や気分が悪くなるような人もおり、あなたがいいと思う香りを悪臭に感じてしまう人もいるのです。
さまざまな生活臭と混じるとせっかくの素敵な香りが周りの方に「悪臭」として記憶されてしまうことにもなりかねません。
メイクの際に香水をつける方もいらっしゃるとは思いますが、避難所にいる間は香りのあるものだけは避けるようにしてくださいね。
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避難所では生活音に気をつける
災害で自宅が壊れたので避難所に避難すると、見ず知らずの人と一緒に避難生活を送ることになります。
老若男女の生活習慣が異なる人たちが集まって集団生活をすることになるため、さまざまな問題が発生することがよくあります。
その中でも一番良くトラブルになるのが、ビニール袋などのカサカサ音。
ビニール袋はとても便利なものなので、ちょっとしたものを入れておくのによく使うわけですが、その中からものを取り出すときに耳障りなカサカサ音がします。
お年寄りなどはこの音があまり気にならないようですが、気になる人は気になって寝られない状態になり、けんかの元になってしまいます。
とはいえ、しまってあったものを取り出すために出る音ですので、必要悪の部分もあるでしょう。
これを防ぐには、あらかじめ音の出ない布袋によく使うものを入れておくことで、本来は非常用持ち出し袋を作るときに意識しておかなくてはいけない部分だと思います。
また、これに限らず夜中の足音や声、ラジオやテレビの音など、人が普段の暮らしで発生している音は、自分と生活リズムの違うだれかが不快に感じる音でもあるのです。
避難所で自治運営組織が立ち上がると、こういった生活音にも配慮して避難所で生活する人たち全員が守るべきルールというのが設定されます。
消灯時間、起床時間、食事や掃除の時間など、基本的にはある程度規則正しい生活を送ることになるわけですが、今度はそれが苦手という人も出てきます。
本来長期的に避難するのであれば個別に入居できる部屋を持つ施設が望ましいのでしょうが、現在の災害関係法ではそのような考え方は取り入れられていません。
そうすると、考えるべきは可能な限り自宅が避難場所として使えるように準備しておくことです。食事や各種支援は避難所で受けることにして、普段の生活場所は今までと同じ自宅にしておけば、さほど生活習慣を変えなくてもなんとかなります。
建物の耐震化と、飲料食、燃料とそれを使う道具の備蓄をしっかりと整えて、そのうちに来るかもしれない災害に備えておきましょう。
ダーマトグラフは便利な筆記具
先日、とある防災用品セットを見る機会があったのですが、その中でちょっと興味を引かれた道具がありました。
それは「ダーマトグラフ」と呼ばれる筆記具なのですが、これ、どれくらいの人がご存じでしょうか?
イメージとしてはクレヨンに近いのですが、あんな感じの太めの芯に紙でできた軸が巻き付けてあり、芯がちびると、軸をひもで裂いて新しい芯を取りだして書く構造になっています。
このダーマトグラフ、割とどんなものにでも文字や絵が描けて非常に便利なのですが、芯が太いためにノートなどに書き込むには不向きです。
ただ、小さく文字が書けないということは誰にでも読めるサイズの文字を書くということにもなり、これで書いた文字は簡単に読み取ることができるというのは、非常に災害対策向きだなと思いました。
よく、防災の本などには油性ペンを入れるように書いたものがありますが、油性ペンでは苦手な濡れている面やすべすべしたところにもこれなら書くことができます。
逆にしっかりと定着はしないので、こすれたりすったりするような場所に使うには不向きです。
窓ガラスやつるつるした壁に文字が書けて、ティッシュペーパーなどで簡単に消せるので、一本あるといろんなことに使えそうです。
インクは使っていないので乾燥を気にする必要はありませんし、色もそれなりにあるので、使い分けも簡単です。
あまり知られてはいない筆記具だと思いますが、非常用持ち出し袋の中にいれる筆記具の一つとして、これを準備してみてはどうでしょうか。
消耗品は短期で入れ替えていく
非常用持ち出し袋や非常用備蓄品を準備しようと考えたとき、市販の情報誌や研修などでは「災害用の食料や水、消耗品などを備えなさい。ローリングストック方式の他に長期保存もできる災害用のものもありますよ」という感じの紹介をされることが多いです。
そして、災害用備蓄品として3年から5年は保存がきくものがたくさん出ていて、備えようと考えたときにはやはり長期保存できるもので作ってみようと考えるものです。
さて、あなたがこれから災害後、流通網が復旧するまでの命を繋ぐための非常用備蓄品を準備すると考えてみてください。
長期保存ができるもので食料を選んだときに、普段から食べ慣れているものがどれくらい含まれているでしょうか。
災害時などの非常時には、いかに普段の生活に近づいた環境を維持できるかが気力と体力を維持していく重要なポイントになります。特に食事はその傾向が顕著にあらわれます。
例えば、アルファ米は非常に軽くて保存もきく便利な食料品ですが、普通に炊いたお米と比べるとやはり違いがあります。普段から食べ慣れていればさほど気にはならないでしょうが、そうでない人は地味に気力が削られていくことになってしまいます。
アルファ米では無くて、無洗米を用意して普通のご飯を炊けるようにしておけば、災害前と同じものを食べることができることになります。
また、特有の臭いはありますが、普通のお米でも研がなくても食べられます。
いつも使うものを少し多めに買って在庫しておき、その在庫を入れ替えていくことで意識せずに常に新しい備蓄がある状態を維持することが可能になります。
これは「ローリングストック方式」と呼ばれている方法で、あまりお金をかけずに生活を守ることができるということで積極的に取り入れてもよいと思います。
ここで注意しないといけないことは、普段作っているおかず類に、たまにでよいので缶詰や乾物など保存がきくものを取り入れて使うということです。
おかず類が生鮮食料品だけで構成されていると、いざ流通が絶たれてしまったときに提供される缶詰や乾物がひどくひもじく感じてしまうものになって、気力が削がれてしまいます。週に1回くらいでいいですので、保存食品を使った1品を作っておくと、舌も慣れるし在庫もちゃんと入れ替わり、自分にあったお気に入りを見つけることもできると思います。
ところで、なぜ「災害用」飲料食は長期保存がきかなければいけないと感じるのでしょうか?
これは、今までの災害の経験値から来るものだと考えています。
災害時に配られる非常食や飲料水は会社や行政機関が緊急的に配布するもので、これらの品物が必要になるときは、一度に大量に必要になるためにすぐに準備することはとてもできません。そのため、大量に、長期間備蓄できるものが要求されていたということです。
であれば、わざわざ賞味期限は長いけれど値段が高くて忘れやすい非常食を備えるよりも、非常用持ち出し袋や非常用備蓄品を普段から食料品の置き場としておくことで、普段から意識して管理できるようになるのではないかと思います。
どんなものであれ、いつかは使えなくなる期限が来ます。せっかく用意した非常用持ち出し袋や非常用備蓄品ですから、意識して使うようにすることで期限切れを防ぎ、そしていざというときにさっと取り出して避難が開始できるような状態にしておくこと。
この考え方で備えていきたいものですね。
節水型手洗い装置を作る
災害時には水は貴重品となります。
生活用水とはいえ、手洗いに使う水も普段のようにじゃぶじゃぶとふんだんな流水を使うわけにはいきません。
ただ、そうはいっても手は洗いたいもの。
そこで節水型の手洗い装置を作ってみることにしました。
・用意するもの
ペットボトル1個、穴を開けるための道具
・作り方
1.まずはペットボトルの下の方に穴を開けます。小さすぎるとうまく水が出ませんし、大きくなると水がこぼれてしまいますので、ちょっとずつ穴を拡げて、ちょうどいいサイズを探してみてください。
2.開けた穴を指で押さえて内部に水を入れます。
3.穴を指で押さえたままキャップを閉めます。これでできあがりです。
4.キャップを緩めると水が出てきますので、適当な量で手を洗い、キャップを閉めます。少量の水で手が洗える節水型手洗い装置ができました。
穴のサイズとキャップの閉まり具合で出てくる水の量がさまざまに変化しますので、平時にいろいろとやってみて好みの状態を把握しておくといいかもしれません。
懐中電灯を即席ランタンにする方法
懐中電灯は指向性の強い灯りです。その指向性の強さのおかげで安心して歩いたり移動したりできる照明器具なのですが、いざ避難所で使おうとすると、いる場所全体を照らしたいのに天井や壁の一点しか明るくならず、どうかすると他の避難者の方からまぶしいと怒られたりしてしまうものです。
今回は懐中電灯をちょっとした工夫で即席ランタンにする方法を考えてみます。
1.懐中電灯とランタンの違い
懐中電灯は一点を照らすため光が指向性を持っている照明器具で、ランタンは逆に周辺全体を照らす照明器具で、懐中電灯ほど明るくはなりませんが、明るさの濃淡というのはさほどひどくはありません。
2.懐中電灯をランタンにするには?
懐中電灯をランタンとして使うためには、指向性の強い光を周りに拡散する仕掛けを作ればいいことになります。
灯りの部分に何かをかぶせることで、光を散らすことが基本になりそうです。
1)水のペットボトルを使う
照明の光の上に水の入ったペットボトルを置きます。ペットボトルと内部の水が光を反射して、周囲に散光します。
強めの光が周囲に広がりますが、水の入ったペットボトルという重たいものなので、上手に取り付けないとすぐにこけてしまいそうです。
2)不透明のビニール袋をかぶせる
買い物などでよく使う不透明のビニール袋をくしゃくしゃにして懐中電灯の光の部分にかぶせます。
懐中電灯の光は袋の中で乱反射して周囲を明るく照らします。
懐中電灯が熱を持つタイプだと、その熱でビニール袋が溶けることがありますので、熱くならないように気をつける必要があります。
地震などで余震が続く状態の時には、ロウソクなどの裸火は使うことができません。
電池式ランタンがあると一番良いのですが、もしも懐中電灯しか持ち出せなかったときには、光の出口部分に出た光を乱反射させて周囲に散らせるような道具を取り付けることで、周囲を照らせる即席ランタンができますよ。
自分たちの好みの光を見つけて、それを作れるようにしておくといいですね。
コミュニケーションボードを準備する
避難所の運営で一番問題になってくるのは、コミュニケーションです。
避難者は普段から顔見知りの人ばかりでなく、旅行者や通りすがりの人、住んではいるが面識のない人、日本語がうまく通じない人、障害を持つ人などが避難してきます。
この人達とどのようにコミュニケーションを取ったらいいのでしょう。
日本語が話せる人であれば、会話することでお互いにどのように考えているのかわかることができると思いますが、日本語が話せない、聞き取れない人とのコミュニケーションは、次々に人がやってきて大騒ぎになっている状況ではかなり困難なのではないでしょうか。
だからといって、その人が理解できる言語で会話できる人を常に受付に配置することもかなり難しいです。
そのため、受付にはコミュニケーションボードを準備しておくことを勧めます。
このコミュニケーションボードというのは、最近あちこちで見かけるようになりましたが、簡単な行動や問い合わせ内容、ひらがな、数字、時計などを一枚のボードにして、それを指さすことでお互いの意思を確認できるという道具です。
このボードに地域で多い国の人の母国語も併せて表示させておくと、会話が通じなくても最低限の意思疎通ができることから、災害対策の一つとして各自治体や社会福祉協議会などで作成されています。
もちろん、文字が理解しにくい方もいらっしゃいますので万能ではありませんが、それでもこれを予め用意しておくことで会話が通じないというお互いのストレスを軽減させることができ、一度にたくさんのことをこなさなければならない避難所開設時には威力を発揮するのではないかと考えています。
また、避難所を開設してからのさまざまなお知らせも、音声だけでなく、大きく書き出して貼り出すことで、伝わらない、聞いていないというトラブルを防ぐことが可能です。
どのようなものかイメージがつかないという方のためにいくつかのリンクを貼っておきますので、自分の地域で使えそうなものを見つけて、試しに使ってみてもらえるといいなと思います。
非常用持出袋の作り方・その2
非常用持ち出し袋を作るのに、以前まずは自分に何が必要なのかを洗い出してみるという作業をしていただきました。
ずいぶんと間が開いてしまいましたが、今回は全ての人に必要ではないだろうかと考えられるアイテムについて考えてみたいと思いますが、ここで書き出したアイテムを見られて無条件にそろえるのではなく、自分の生活と比較して、それが必要かどうかについて判断していただきたいなと思います。
1.飲料水500ml×2
まずは飲み水です。洗ったり調理に使ったりもできることから、ここでは普通の水を用意することをお勧めします。1リットル1本でもいいのではと思われるかもしれませんが、あえて500ml二本にすることで、袋に入れやすくし、重さを感じにくくすることを考えています。
2.食料(そのまま食べられるもの)
食料品はそのまま食べられるものを用意します。ピーナッツ等の豆類やようかん、チョコレートやあめ玉など、水気がなくてもとりあえず食べられるものがよいでしょう。
3.歯磨きセット
歯の衛生を保つことで、健康を維持することができます。歯ブラシが無理なら洗口剤や歯磨きシート、歯磨きガムなどを使ってもいいです。
何もないようなら、ティッシュペーパーやタオルでもいいですので、歯を衛生的に保つように意識します。
また、口の中をさっぱりさせられると精神的にも安心するものです。
4.着替え・下着類
濡れたり汗をかいたり、逆に冷えたりすることへの対策として、着替えを1セット準備しておきます。肌着があると、長期の避難でも体を衛生的に保つことが可能になります。
また、臭いが気になる場合に着替えることで精神的に安心できます。
5.懐中電灯・ヘッドライト
移動するときに使うための懐中電灯です。夜道を移動するときや停電時には大活躍します。
6.ランタン
避難先で明かりがないときに使います。真っ暗な中に明かりが一つあるだけで、精神的に落ち着くのが不思議なところです。
7.ポケットティッシュ
トイレの時だけでなく、さまざまな場面で活躍してくれるアイテムです。芯を抜いたトイレットペーパーがあると汎用性が広がります。
8.ウェットティッシュ
水がないときに手や道具類を衛生的に保つのに必要です。除菌仕様のアルコールと純水仕様のものがあります。体などを拭くことを考えるとアルコールでないもののほうが汎用性は高いですが、アルコールの方が衛生的ではあります。
9.非常用トイレ数個
トイレが使えないときに備えて、携帯トイレを自分が一日にトイレに行く回数分用意しておきます。
10.マスク
ほこりやチリなどで気管支を痛めないため、また、避難先で感染症を防ぐために必要です。小分けタイプのものが便利です。
11.タオル
手や体、さまざまな道具を拭いたりするのに必要です。できれば数枚あると便利です。手ぬぐいでも大丈夫です。
12.ラップ
傷の手当てや体温保持、食器の汚れ防止など、さまざまなことに使えます。
13.救急セット
基本は外傷用と考えて、絆創膏やガーゼ、包帯、テーピングテープ、それにとげ抜きやはさみ、綿棒といったアイテムを入れておきます。
14.ラジオ、イヤホン
被災地周辺の情報を集めるのに必要です。AMが受信できるものがあれば、被災地以外からの情報を得ることもできます。また、イヤホンがあれば周囲の静寂を守りながら情報収集が可能です。
15.ビニール袋
いろんなことに使えます。大きいものから小さいものまで、数種類準備しておきます。
16.乾電池
懐中電灯やランタン、ラジオなどを動かすのに必要です。電気機器の電池の規格を揃えておくことで、複数の電池を持って歩かなくて済みますので楽です。
17.雨合羽
雨天時の移動に使えるほか、防寒着としても使うことができます。大きめのポンチョタイプであれば、簡易テントやトイレの時の目隠しにも使えます。
18.スリッパ
避難所での人の生活空間は土足禁止にすることが必要です。そのため、スリッパは必要です。
19.使い捨てカイロ
夏場でも冷えることは多いですのであると便利です。また、時間をかければ人肌以上の飲み物を作ることができます。
20.筆記具
マジックや鉛筆、消しゴムといった筆記具とメモ帳は避難所での生活では必須アイテムです。
21.小銭
慌てていると現金を忘れて避難することもあります。また、公衆電話を使うときにも小銭は必要となります。100円と10円を取り混ぜて準備しておきましょう。
22.連絡先リスト
生存連絡や何かの連絡をするときに備えて連絡先の一覧を書き出しておきます。小銭と一緒にチェック付きビニール袋に入れておくと安心です。
23.モバイルバッテリー
携帯電話を使う人はこれが絶対に必要です。
24.新聞紙
防寒着やたき火の焚き付け、折り紙して皿にする、敷物など、一日分あると重宝します。
25.ナイフ・はさみ
いろいろなものを切り分けるのにあると便利です。
26.ひも
洗濯物を干したり、簡易テントを作ったり、避難所での仕切りやのれんなどを作るときにも使えます。
27.ガムテープ
ものを貼り付けたり修繕したり作ったりするときに、あるととても便利です。切るのに道具が入らないため、使いやすいです。
いろいろと書いてきましたが、これらのものと自分が必要な道具を合わせてみると、案外と量があるなと思われると思います。
書いてあるものには他に使えそうな代用品があるかもしれません。また、自分には必要ないものがあるかもしれません。
それらを上手に組み合わせて、いざというときに持って逃げられる「非常用持ち出し袋」を個人ごとに組み立てておくといいですね。
飲むおにぎりを食べてみた
いつぞや、どこかでみたテレビで忙しいときに便利な食事特集というのをやっていて、その中に「飲むおにぎり」というのが紹介されていました。
片手で飲めて手も汚れず、保存期間も長めという夢のような食事だというような触れ込みだったように記憶しているのですが、これは水不要の災害食として使えるのでは無いか、きっとそのうち地元のコンビニでも売ることになるのだろうなと思っていたのですが、その後特に見かけないまま忘れていました。
ある日、ネットショッピングでたまたまこの「飲むおにぎり」を見つけてしまい、当時忙しかったこともあるので朝ご飯代わりに使えると便利だなと思って、購入ボタンをぽちりと押して買ってみました。
届いたものは写真の二種類。味は「梅カツオ」と「梅昆布」で賞味期限は1年くらい残っています。
6パックセット、送料込みで3,000円ちょっとでしたので、一つが500円くらいでしょうか。コンビニのおむすびの4個分の値段なので、備蓄品なら許容範囲と感じます。カロリーは280kcal、分量は通常のおにぎり1.5個分だそうです。
さっそく蓋を開けて覗いてみます。おにぎりというよりも、海苔の佃煮という感じです。
お皿に出してみました。あまり食欲をそそるような見た目ではありませんが、口から直接飲むものなので問題なしとします。
さっそく飲んでみました。
・・・塩辛い。味が均等にされているせいかどこまで飲んでも同じ味。お米の芯が残ったような感じもなんとも言えず、途中で少し気持ち悪くなりました。ご飯は上手にたかなければということと、おにぎりの塩気の濃い部分薄い部分が食欲を増進させていたんだなぁと感じさせられました。
半分ほど飲んだのですが、どうにも受け付けなくなってギブアップ。
通りかかった当所の研究員達が興味を示したので、「梅昆布」を提供して飲んでみてもらいました。
その結果。薄味好きのS研究員は「味が濃い」として一口で終了。濃い味好きのH研究員はぺろりと嘗めた後、お茶碗にご飯をつけて佃煮代わりに使っていました。最後のM研究員は、一口食べてちょっと考えてからおもむろにお水を飲んでいました。
何でこんなに塩辛いんだろうと言うことで、改めて成分表を見てみると、梅昆布の食塩含有量は3.37g。
厚生労働省が推奨する一日の摂取目安が7.0g~8.0gですから、それは塩辛いはずです。
貴重な水なしで食べられるかと考えていたのですが、このまま飲んだらのどが渇いて仕方が無いという結論になりました。
ただ、アルファ米白米に混ぜれば、おいしいご飯ができるかなとも思います。
また、汗をかいた時や濃い味が好きな人なら、ひょっとしたらおいしく食べられるのかもしれません。当研究所の所員はみな薄味になれていることもあると思います。味の好みは人それぞれですので、よかったら一度飲んでみてください。
栓抜きの使い方
最近は殆ど見ることがなくなった栓抜きですが、缶切り同様、被災地に入ってくる支援物資の中には栓抜きが必要なものがくることがあります。
先日、当研究所で久しぶりに瓶ビールを準備したら、研究員達がどうやって開けるのか栓抜きを見て首をひねっていましたので、今更感はありますが、今回は栓抜きの使い方についてご説明したいと思います。
使える方はご存じだと思いますが、栓抜きを使うのに難しいことは何もありません。
栓抜きの頭部分を王冠に乗せ、引っ張る部分を王冠の端にかけてテコの原理で上に引き上げれば、簡単に栓は外れます。
注意点とすれば、瓶をしっかりと支えておかないと栓を抜いた瞬間に瓶がひっくり返って中身があたりにこぼれてしまうことくらい。
さっきのビールは、S研究員が開けるときに瓶が横倒しになりそうになって慌てて周りが瓶を押さえてました。
ところで、栓抜きと缶切り、おうちに置いてありますか? そして、正しく使うことができますか?
どちらも最近ではほぼ出番のない道具ではありますが、被災時にはいろんな場面で出番が多いアイテムです。
使わないかもしれませんが、災害用備蓄品の一つに加えておいてもよいのかなと思っています。
そして、たまに練習しておくといいですね。