避難生活の強い味方のお茶

被災して生活が日常に戻るまでの間、生活に必要なさまざまなものが不足している状態になります。
特に食生活においては、配給される食事だけではビタミンやミネラルが圧倒的に不足していますので、それを補う方法を準備しておきましょう。
重要なビタミンである葉酸やビタミンCの補給が手軽にできるものとしては緑茶があります。
抹茶や煎茶など、緑色をしているものには葉酸やビタミンCがしっかりと含まれていますので、それを摂取することで簡単に葉酸とビタミンCを摂取することができます。
ただ、ペットボトルのお茶はこれらの効果は期待薄。葉や粉からお茶をいれるようにしてください。
長期にわたる避難生活では、このお茶にかなり助けられたという話も聞きます。
そんなに重量もありませんしかさばるものでもありませんので、準備しておくことをお勧めします。

被災後の生活リズムをきちんと作る

 避難所での生活では、食事と消灯時間は避難所全体で決定されますが、それ以外の時間は各自で過ごすことになります。
 また、自宅避難の場合には、全てが自分の思うように時間を使うことができます。
 ただ、そうなってくると乱れてくるのが生活リズム。それまでの生活ではなんとなく生活リズムが決まっていたと思うのですが、被災後はさまざまな要因から生活リズムが狂ってしまいます。
 でも、それをそのままにしておくと、落ち込んだり、寝不足や会話がないことによる精神不安、寝て過ごすことによる身体機能の低下、支援物資のお菓子をひたすらつまむことによる肥満など、あなたの心身にとってよくないことが起きてきます。
 生活や明日の不安があるときだからこそ、無理矢理にでも生活リズムを作って気持ちを切り替えるようにしておかないと、気力体力を維持することはかなり難しいです。
 起床時間、寝床から出て起きている時間、歩く時間、食事や洗濯の時間、トイレの時間、就寝時間など、とりあえずでいいので、自分の生活表を作ってそのとおりになるように生活をしましょう。
 そして、片付けやこどもの見守り、炊き出しなど、自分ができることを見つけて身体を動かすようにしてください。
 そうすることによって生活に張りが出てきます。
 大規模な災害で被災するとこの世の終わりのような気持ちになるものですが、それでも生きている以上は生活をしていかなければなりません。
 いち早く生活リズムを作って気力を取り戻し、自分が思うような普段の生活を取り戻すようにしたいものですね。

もし被災してしまったら

 被災に対する対策と被災後の過ごし方についていままでいろいろと書いてきていますが、ここでとりまとめてみました。
 興味がある項目があればリンクから内容をご確認ください。

被災後の段取りあれこれ
家が浸水したあとの対応」 
気になるがさがさ音」 
口腔ケアに気をつけよう」 
避難所では暖かいものを口にする
防塵マスクあれこれ
ほうきとちりとりは必須です」 
ゴミ問題を考える
災害時の情報収集について考える」 
ろうそくと火災
防災から見た衣食住

懐中電灯を即席ランタンにする方法

懐中電灯だけで照らしてみる。小型ながら強力な懐中電灯なので、壁の反射で周囲が明るくなっている。

 懐中電灯は指向性の強い灯りです。その指向性の強さのおかげで安心して歩いたり移動したりできる照明器具なのですが、いざ避難所で使おうとすると、いる場所全体を照らしたいのに天井や壁の一点しか明るくならず、どうかすると他の避難者の方からまぶしいと怒られたりしてしまうものです。
 今回は懐中電灯をちょっとした工夫で即席ランタンにする方法を考えてみます。

1.懐中電灯とランタンの違い

 懐中電灯は一点を照らすため光が指向性を持っている照明器具で、ランタンは逆に周辺全体を照らす照明器具で、懐中電灯ほど明るくはなりませんが、明るさの濃淡というのはさほどひどくはありません。

2.懐中電灯をランタンにするには?

 懐中電灯をランタンとして使うためには、指向性の強い光を周りに拡散する仕掛けを作ればいいことになります。
 灯りの部分に何かをかぶせることで、光を散らすことが基本になりそうです。

1)水のペットボトルを使う

懐中電灯の上に水のペットボトルを置いてみた
重心が上にあるので支えていないとひっくり返る。小型の懐中電灯だと、懐中電灯を入れる容器が必要になりそう。

 照明の光の上に水の入ったペットボトルを置きます。ペットボトルと内部の水が光を反射して、周囲に散光します。
 強めの光が周囲に広がりますが、水の入ったペットボトルという重たいものなので、上手に取り付けないとすぐにこけてしまいそうです。

2)不透明のビニール袋をかぶせる

不透明のビニール袋をかぶせた懐中電灯
ビニール袋はしわくちゃにしてあると光を周囲に反射してくれる。

 買い物などでよく使う不透明のビニール袋をくしゃくしゃにして懐中電灯の光の部分にかぶせます。
 懐中電灯の光は袋の中で乱反射して周囲を明るく照らします。
 懐中電灯が熱を持つタイプだと、その熱でビニール袋が溶けることがありますので、熱くならないように気をつける必要があります。

 地震などで余震が続く状態の時には、ロウソクなどの裸火は使うことができません。
 電池式ランタンがあると一番良いのですが、もしも懐中電灯しか持ち出せなかったときには、光の出口部分に出た光を乱反射させて周囲に散らせるような道具を取り付けることで、周囲を照らせる即席ランタンができますよ。
 自分たちの好みの光を見つけて、それを作れるようにしておくといいですね。