ヘルプマーク・ヘルプカードをご存じですか

 見た目では判断がつかない身体の内部の障害や難病の人、妊娠初期の人など、援助や配慮が必要だが見た目ではわからない人が身につけ、周囲に援助や配慮が必要であることを知らせるためのものです。
 東京都が考案して全国に普及されてきているそうですが、残念ながら筆者自身はまだ本物を見たことがありません。ただ、調べてみると島根県でも障がい福祉課がこのヘルプマークやヘルプカードの普及を行っているようです。
 ヘルプマークは、赤地に白い字で十字マークとハートマークが掲載されています。そして裏面には、その人がどういったことで援助や配慮が必要なのかという記載がされています。
 ヘルプカードも同様で、このカードの中に支援が必要な内容が書かれていますので、もし障がいのある人からこれらのものが提示されたら、記載されている内容に沿って支援をして欲しいとのこと。
 また、これらが併用される場合もあるようですので、もし提示されたらマークの裏側やヘルプカードの有無を確認をしてください。
 災害時には情報がうまく伝わらない・伝えられないことが数多く発生しますので、こういったことを知っておいて、いざというときにその人を助けることができるといいなと思います。
 内容など詳しいことについては、島根県障がい福祉課のウェブサイトをご確認ください。

ヘルプマーク・ヘルプカードについて」(島根県障がい福祉課のウェブサイトへ移動します)

デマと真実

商品の無くなった棚は不安感をあおる。

 何か大規模な災害が起きると「○○が足りなくなる」という情報が飛び交います。
 今年の上半期に新型コロナウイルスが流行したときにも、トイレットペーパーが無くなるというデマが流れて、店頭から品物が消えました。
 ここまで読んで矛盾を感じた方がいらっしゃるかもしれませんが、トイレットペーパーが無くなったことが事実なのではなく、トイレットペーパーが無くなるという話が店頭からトイレットペーパーをなくしてしまったということです。
 新型コロナウイルスの流行とトイレットペーパーとの間には何の関係もないのですが、流れを追うとこんな感じになります。

1.トイレットペーパーがなくなるという噂が出る。
2.噂を聞くと、心理的にあるうちに買っておかないと買えなくなるという不安感が起こる。
3.お店でトイレットペーパーを見かけると、噂を思い出し、あるうちに買っておこうと考えて、すぐには必要がないのにたくさん買い込んでしまう。
4.買い込む人が多いと、いつも売れる量以上に売れてしまうので、お店の在庫がなくなる。
5.いつも以上の生産能力を要求された工場ではトイレットペーパーの生産が間に合わなくなる。
6.店頭から在庫が消える。

 ここで気をつけたいのは、大量に買い占めたからと言って使う量が爆発的に増えるわけではないと言うことです。
 この後どうなるかというと、こんな感じになります。

7.店頭に無くなったためにトイレットペーパーを増産しろという世間の圧力がかかる。
8.やむを得ずメーカーが増産する。
9.結果的に消費量は変わっていないので、ある程度充足すると売れなくなる。
10.メーカーやお店がトイレットペーパーが売れなくて困ることになる。

 今回のコロナウイルスの流行では、製紙メーカーが生産はしており流通も動いているため買い占めなくても大丈夫というアナウンスを何度もしていたのですが、マスメディア的にはトイレットペーパーが無くなった絵の方がインパクトがありますので、そういった放送を繰り返し、それを見た人達が慌てて買い占めに走り、という悪循環の輪が広がりました。
 冷静に考えれば新型コロナウイルスが流行したからといってトイレットペーパーがなくなる理由にはならないのですが、店頭から在庫が無くなったことが心理的に不安を抱えている人達の後押しをすることになりました。
 消毒用アルコールでも同じようなことが起こり、日常生活で消毒用アルコールが必要な人達を困らせることになりました。ちょっと不思議だったのは、自分用の消毒ボトルを持って歩いている人が店頭や施設の入り口でそこに備え付けてある消毒液を使っていたことです。他所の消毒液を使う気なら、消毒液を自宅に大量に買い占めた意味はなんだったのでしょうか。普通の人であれば、石けん+流水で手洗いをしっかりと行えば大丈夫ということが理解できていれば、こんなおかしなことにはならなかったでしょう。
 マスクの場合は少し事情が異なっていて、生産国である中国が国内を優先したために入荷がなくなり、多くの人が買い占めに走ってしまいました。マスク不足を解消すると称して、アベノマスクなどと揶揄された政府公認で配布する布マスクが出てきたりしましたが、現在は生産が追いつき、以前よりも安くなっているものも出てきています。アベノマスクも、結果だけ見ると大金を使って役に立たないマスクが配られたという、ある意味ではデマに踊らされたような形になってしまいました。
 デマはどのような大規模災害でもついて回るものですが、それを見抜く力がないとデマが結果的に真実を生み出すことになってしまいます。
 マスメディアの偏向報道は今に始まったことではありませんが、SNSでも自分が見たい情報ばかりが整理されて集まってくるため、デマをデマと見抜けなくなっていることが増えてきています。
 まずは因果関係を考えること。そして、それが無くなるとしてどれくらいまでは耐えられるのか、また、必要とされる量は1日どれ位なのかなど、その物品に関する自分の消費情報をしっかりと整理しておくことです。そして、1週間なり10日なりの数量が確保できていればそれでよしと考えることです。どこまで買い占めればいいのかという終わりを決めていないと、消えない不安によりいつまでも買い占めを続けることになってしまいます。
 最後に、自分の信じようとしている情報とは真逆の情報を読んでみることです。
 情報には正の情報と負の情報の両方が存在しているはずですから、自分の思っていることと反対の主張を読むことである程度客観的に物事を見ることができるようになると思います。
 大規模災害ではさまざまな流言飛語が飛び交います。出所不明のデマもたくさん出てきます。それらの情報を鵜呑みにせず、いろんな角度から考えてから行動することを習慣にしたいものですね。

地図を使いこなす力をつける

防災マップ作りの一コマ。地図作りは地味な作業になってしまうので、飽きてしまう子どもが多い。うまく乗せられていないのが当研究所の現在の課題。

 地図を使いこなす力といっても、別に方位磁針を持ってオリエンテーリングをやってくださいという話ではありません。
 防災では、まず最初に防災マップという地図を作るところから始めます。
 危険な場所、安全なところ、役に経つものなどを区分けして色づけし、どこをどのようにすれば安全が確保できるかという作業なのですが、この地図が出来上がったらそれで終わりというケースがとても多いです。
 当研究所でも年に1回防災マップ作りをしているのですが、やはり完成して終わりになっているのが現状です。
 本当はこの地図を使って危険な場所の危険度を下げ、安全な場所は安全であることを確保し、役にたつものはきちんと使い方をマスターしておくといった作業が必要となります。
 これが本来の地図を使いこなす力ではないかと思います。
 日本損害保険協会様が主催している「ぼうさい探検隊マップコンクール」の応募用紙では、実はこの部分もきちんと記載するようになっていて、実施してできた地図をどのように地域に落とすのか、応募する際に頭を悩ましている部分でもあります。
 防災マップは作成して終わるのではなく、それをいかに地域の安全に反映させていくかという作業が、地味ですが非常に重要な内容です。
 当研究所でも地図の作成と出来上がったものを地域にどうやって波及させていくのかというところで試行錯誤しているところですが、この作業を確実に行うことが地域の安全を守る上での大きな鍵になる気がしています。

災害時の履き物について考える

当研究所にもさまざまな履き物がある。

 災害発生時に移動するために何らかの履き物を用意しておくように推奨されていることはご存じだと思います。
 非常用持ち出し袋にも丈夫なスリッパが入っていますし、地震の時に備えて着替えや履き物を寝る場所の近くに備えておくといったこともされているのではないでしょうか。
 ただ、一概に履き物といってもいろいろと存在していますので、登山靴から折りたたみ式スリッパまで人によって準備しているものが様々なのが現状です。
 今回はこの履き物について考えてみたいと思います。

1.なぜ履き物を準備しておかないといけないのか

 屋外にいるときはともかく、屋内では多くの場合素足か靴下を履いているだけの状態だと思います。
 地震で建物が揺れた場合、大きい地震だと窓ガラスが割れたり、棚のものが散乱したり、天井が落ちたりして人が歩く場所にものが散乱してしまいます。
 そのとき、素足や靴下だけだと移動時に落下物によって足の裏を怪我してしまう危険性があります。
 また、水害などで水に浸かった場合には、水に浸かっている部分の底は見えないので、危険なものを踏んでしまう可能性があります。
 そして、どのような災害であれ外を歩いて避難しようとすると、今の日本人の多くは裸足のまま歩くことは困難だと思います。
 そのため、履き物を準備して足を守ることが必要になるのです。

2.どんな履き物なら安全か

 履き物に求められるのは
1)脱げないこと
2)何かあっても足に怪我をしないこと
3)安全に歩けること
ですから、それらの条件を満たすものであればいいということになります。
 スリッパだと、(1)を満たせないものが多いので、かかとつきスリッパなど固定できるような機能をもったものでないと困ると思います。
 こういうところでよく出てくる運動靴だと、紐やマジックテープをしっかり留めれば(1)は大丈夫ですが、(2)で釘などを踏み抜く危険性があるので、踏み抜き防止のインナーソールが入っている方が安心だと思います。
 長靴は(1)も(2)もそれなりに条件を満たしているのですが、非常に滑りやすいという特性を持っていますので、災害時に履いて避難する場合には歩き方に注意が必要です。
 (1)~(3)の条件を満たせる靴で一番いいのは登山靴でしょうが、はき慣れていないと歩きにくいという大きな欠点がありますので、登山する趣味のない人にはちょっとハードルが高い気がします。
 極論から書くと、かかとがついていて足首から下が露出しておらず、踏み抜き防止のインナーソールなどの対策が取られていて、滑りにくいこと、と条件を満たせれば何でもいいということになるので、結局お気に入りの履き物に手当をすればいいのではないかということになります。
 もちろん使い捨てのスリッパでもないよりは遙かにマシですから、何かを準備しておいてください。

3.どこに置くといいか

 最後に、置き場所について考えてみます。履き物が必要な理由を考えると、着替えと一緒で枕元に置くのが一番安心できますが、靴を部屋に持ち込むのは抵抗がある人もいると思います。
 枕元には着替えと使い捨てスリッパ、廊下に靴というのでもいいかもしれません。
 また、履き物を配置するときには、災害時に飛ぶ破片が履き物の中に入らないようにあらかじめ袋に入れて置いておくと安心だと思います。

 避難するにしろ、片付けをするにしろ、足を怪我すると素早い移動が困難になってしまいます。
 靴を履いて寝る必要はないと思いますが、いざというときにすぐに行動が開始できるように、身近に履き物を準備して置いてくださいね。

非常用持ち出し袋や備蓄品の意味

市販品の子ども用非常用持ち出し袋の中身。これだけでは足りないし、いらないものもあるかもしれません。

 非常用持ち出し袋や備蓄品はそれぞれきちんと準備しておきましょうという説明がされますが、非常用持ち出し袋や備蓄品をなぜ備えないといけないのかについて考えたことはありますか。
 それは避難や避難先、避難生活で自分が直面するであろう困り事を解決するためにあらかじめ準備しておくものだということです。
 お困り事解決袋と考えれば、中身に何を準備しなければいけないのかがわかってくると思います。
 そして、非常用持ち出し袋や備蓄品の中身はみんな違うということも理解できるのではないでしょうか。
 例えば、老眼鏡や入れ歯、杖などは必要とされる人以外には準備しなくてもいいものですし、スマートフォンや携帯電話を持たない人であれば充電池を持ち歩く必要はありません。
 井戸や貯水タンクがあって水の心配がいらなければ飲料水の優先度は下がりますし、野菜や米が確保できるのであれば備蓄食を準備する必要がないかもしれません。
 避難所に毛布や布団がふんだんにあるのであればエマージェンシーシートやエアマットは不要でしょうし、周囲に薪がふんだんにあるのであれば燃料はいらないかもしれません。
 もし災害が起きて逃げるとき、そして逃げた後、あなたが直面すると思われるさまざまな困り事を解決するためには何を用意しておいたほうがいいのかを考えて準備をしておくこと。
 それにより、初めて非常用持ち出し袋や備蓄品が意味を持ってくるということを知っておいて欲しいと思います。

【活動報告】第4回高津小学校防災クラブを開催しました

 去る12月2日、高津小学校のクラブ活動の一つとして採用していただいた防災クラブの第4回目を行いました。
 今回は前回選んだけれどできなかった校内安全点検とビニール袋で防寒着作りの2種類の内容を同時に開催することにしてみました。

どちらを選ぶのかも楽しいひととき。今回はどちらを選んでもできるので、みんな張り切っています。

 当研究所初の講師二人体制での実施でしたが、子ども達はそれぞれに楽しんで作業をしてくれ、怪我もなく無事に終了することができました。

校内点検の一コマ。ロッカーや本棚が固定されているかどうかもチェックしてました。

 校内安全点検では、限られた時間でしたが校内を見て回り、安全な場所危険な場所の点検をして地図を作成してくれました。

集めた情報を元にして地図に落とし込んでいきます。手際よく進めていきます。
防寒着作り。試行錯誤しながら自分だけのオリジナルな防寒着を作っていく。

 防寒着作りでは、ビニール袋を利用した防寒着をそれぞれの発想で自由に作ってもらい、実際に着てみて「暖かいね」という感想をもらい、最後は記念写真をそれぞれに撮ってみました。

腕が出ないことや腕が寒いという話になって、袖をつけて服のように仕上げる人も出てきた。

 限られた時間ですが、さまざまな体験をすることによって子ども達が自分たちでもできることをたくさん見つけ、実際に行動することで子ども達も大人達も防災意識を高めていくことができるといいなと思っています。
 今回参加してくれた子ども達、そして担当の先生にお礼申し上げます。

防災対策は場所ごとに異なるものです

 防災関係の本を読んでいるといろいろと勉強になることや面白いことが書いてありますが、基本的には誰が読んでもいいように汎用性を持たせて書かれているようです。
でも、それぞれの防災行動に落とし込んでいくと、同じ対策でも住んでいる場所や位置によって対策が異なる場合が出てきます。
 それを無視して準備や備えを行っていくと、いざというときに逆にトラブルを招いてしまうことが起こりえます。
 災害対策はオーダーメイドのハンドメイドでやっていったほうが、最終的にうまく自分の身を守ることができるのではないかという気がしていますので、もしもあなたが防災関係の本を読んで備えようと思っていただけていたなら、書かれていることとあなたの置かれている状況を考えて適宜修正していくといいと思います。
 例えば、自分で準備する災害食は3日~1週間分を準備しなさいと言われていますが、都会地と地方では準備すべきものが異なります。
 都会地では自分に必要なものは全て準備しておく必要がありますが、地方で水に浸からないような場所で田畑を作っている人は、災害食を準備しておかなくても倉庫にはお米、そして畑には野菜があると思います。そうすると、全てを準備しなくても、缶詰や何かを用意しておけば当座は充分凌げるでしょう。
 また、水の確保でよく出てくるお風呂の残り湯ですが、これを置いておくことが正解の場所と、そうでない場所があります。
 一軒家やアパートなどの1階にお住みであればお風呂の残り湯は置いておく方が後で水に困らなくて済みますが、2階以上のアパートなどに住んでいる人は、残り湯は速やかに抜いておいた方が後のトラブルが少なくて済みます。
 二階以上が地震で揺れると、風呂の水は風呂桶からこぼれ出します。そのこぼれた水が床下に流れ込んで、階下での水漏れ騒動になり弁償するような場合もでてくるのです。
 一つ一つは小さなことですが、あなたが快適に被災後も生活をするために、自分に必要な防災行動を考え、準備しておいてくださいね。

災害時に不安や緊張を緩和する方法

 被災後には災害に対するトラウマやこの先どうなるのかと言った見えない恐怖からくる不安などにより、寝が浅くなったり食欲が落ちたり、逆に過食になったりする不安定な精神状態に陥ることがあります。
 その時に役に経つのが「タッピング」です。タッピングセラピーやタッピングタッチとも言われるようですが、指先を使って身体のあちこちを優しくタッピングしてほぐしていくという内容です。
 一人でもできますし、二人でもでき、道具もいらないため、被災地での災害支援の一つとして取り入れられています。
 別に災害時に限らず、日常生活でのちょっとした緊張などをほぐすのには便利ですから、やり方を知っておいて損は無いと思います。
 慢性的な肉体的・精神的病気はお医者様にお任せするとして、ちょっとした不調のときなどに試してみてはいかがでしょうか。

タッピングセラピー・ストレスケアの手順」(一般社団法人日本TFT協会のウェブサイトへ移動します)

タッピングタッチ・はじめてみよう」(一般社団法人タッピングタッチ協会のウェブサイトへ移動します)

誰でもできる感染症対策

 新型コロナウイルス感染が広がっているようで、連日マスコミが騒いでいますが、新型コロナウイルスに限らず、感染症対策の基本は手洗いになります。
 石けんと流水を使って手をしっかり洗うこと。これが感染症対策の基本となります。
 あとはマスクの着用。これは周囲にウイルスをまき散らさないために必要なものです。また、気休めですが防除できるかもしれません。
 この二つがしっかりとされるとどうなるのかを表した図があります。
 国立感染症研究所のインフルエンザ流行レベルマップの2018~2019年と2019~2020年(現時点では「今シーズンの動き」にあります)の流行状況を比較してみてください。
 新型コロナウイルス対策が叫ばれ始めてから、インフルエンザの感染者数が明らかに減っており、収束も早くなっていました。
 このことを考えると、手洗いをしっかりとすること、そしてマスク着用が有効であることがわかると思います。感染対策としては、できればフェイスシールドで顔を覆えば、飛んでくるウイルスの顔への付着を防ぐことができますのでより安全になるのではないかと思います。
 また、飲み会の席で酒が入ればどうしても大声で騒いでしまうことになりますので、飲み会では無く食事会にし、食べている間は静かに食べて、それから、マスクをつけてゆっくりおしゃべりをするようなスタイルだと安心できると思います。
 これからまたインフルエンザや感染性胃腸炎などが流行る季節になります。
 新型コロナウイルス対策だけで無く、冬に流行するさまざまなウイルス対策として、石けんと流水での手洗い、マスク着用、できればフェイスシールドの着用をして感染しないようにしたいですね。

参考:インフルエンザ流行レベルマップ(国立感染症研究所のウェブページへ移動します)

ダンゴムシのポーズをやってみよう

 いろいろ言われることも多いのですが、地震の時に身を守るための「ダンゴムシのポーズ」は理にかなっていると思っています。
 頭と首、お腹、そして手首、足首、ももの付け根の太い血管を守り、揺れにも転がらなくて済むポーズなのですが、正しくポーズを取らないと逆に怪我をするかもしれません。
 身体が硬いととっさにできないポーズでもありますので、まずはゆっくりと練習を兼ねてやってみるといいと思います。

机の下でダンゴムシ
机の下でダンゴムシはお約束です


 最初は正座をします。
 それから背中を丸めながら前に倒れます。
 頭は片手で後頭部、反対側の手で首筋を隠します。その時、手首が露出しないしないように注意してください。
 足首はくじかないように気をつけてください。
 この姿勢は縦揺れにも横揺れにも耐えられる非常に安定した姿勢ですので、素早くできるように練習しておくといいと思います。
 一つ注意しておきたいのは、この姿勢を取っても屋根や天井が落ちてきたり、家具が倒れてきたりすると怪我をしてしまったり死んでしまったりします。ダンゴムシのポーズはあくまでも小さなものの落下などから身を守るためのポーズですので、家具の固定や耐震補強が必要なことは言うまでもありません。
 ところで、足の不自由な人や身体が動かしにくい人はダンゴムシのポーズを取るのが難しいかもしれません。
 そういったときは、とにかく重心を下げることです。

身体が振られないようにすることが大切。場所があるなら「メタボパンダのポーズ」(当研究所命名)をとると転がらなくて済むかも?

 具体的には、座ったりしゃがんだり、なるべく頭を地面に近い位置に下げること。
 頭は体重の1/10の重さがあり、首という細い部分で支えられているので揺れで振られると転倒しやすくなりますので、身体が振られないような姿勢を考えておくとよいでしょう。
 地震はいつどこで遭遇するかわかりません。とっさの時に自分の命を守れるのは自分自身ですから、とっさの時に身体が動かせるように練習しておいてくださいね。