あなたは津波などで避難が必要な状況になったとき、自分がどこへ避難すればいいのかを知っていますか。
また、ご家族がどこへ避難するのかを知っていますか。
学校や施設などにいるとき、そこからどこへ避難しているのかについては、案外と知られていないことが多いですので、どこに避難するのかをしっかりと確認しておきましょう。
できれば避難経路もあわせて確認しておくといいと思います。
どのような判断でどこへどんな経路で避難しているのかを知っていると、いざというときにもある程度どこにいるのかが予測がつきます。
そして、探しに行ったり迎えに行ったりするときにも迷わなくて済みます。
また、自分の子供が遊んでいるときに避難すべき状況が起きた時にはどこへ避難すれば安全なのかを、子供と一緒に現地で確認しておくと安心です。
誰がどこにいてどうなっているのかがわからないことは、人の心に不安を招きます。
その結果、その不安を解消するために助けに出かけて遭難するというケースは過去の災害でもたくさん起きています。
いざというときに誰はどこに避難しているのかを事前に知っていることで、そういった不安を排除することができますから、お互いにどのような行動をするのかについて、しっかりと話をしておくようにしてください。
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自分で判断する基準を作る
災害後の避難行動というのは基本的には自己責任です。
状況を判断し、そこから避難する必要があれば誰が何と言おうと避難する。
自分の命は他人に預けないことが非常に大切です。
ただ、学校に関して言えば、なぜか「先生の言うことに従いなさい」という風に教えています。前提としては、日常で教員の判断が常に正しいという認識が多くの人にあるからではないかと思うのですが、これは非常に危険なことで、指導者が誤った判断をした場合には全滅してしまう愚かな事態を招きます。
はっきりと書きますが、現在学校がやっているような定型の訓練のための訓練では、本番で迅速な避難が必要な場合何の役にも立ちません。
正直なところ、大人よりもよほど子供の判断のほうが正しいということは、「釜石の奇跡」と呼ばれる子供たちの行動と教員の判断の遅れで発生した「大川小学校の悲劇」ではっきりと証明されています。
災害について、先生が一番怖さを知らないのかもしれないと思うこともありますが、せっかく避難訓練するのであれば、迅速に安全と判断する場所まで自分の判断で避難するものにしてほしいです。
もしもそうしていれば大川小学校の悲劇は防げたのではないかと思います。
地震と津波の組み合わせによる災害は正確な判断よりも迅速な行動が要求されます。
迅速な行動をするためには、子供たちが各自で判断して避難行動をとることが大切ですので、整列や点呼を徹底するよりも、避難行動を開始するための判断基準を作ることを徹底したほうがいいと思います。
現在の訓練のための訓練を是とする限りは、予定調和を乱すような自己判断の訓練は永遠に認められないとは思うのですが。
【終了しました】小学生向けワークショップ「防災マップを作ろう!」を開催します
10月15日の13時30分から高津柿本神社駐車場を集合場所にワークショップ「防災マップを作ろう!」を開催します。
地域の安全点検をしながら防災マップを作っていきます。最初に点検のポイントを説明した後、実際に地域を回って点検し、最後にどうやったらこの地域で安全に過ごすことができるのかを考えてみます。
対象は小学生ですが、それ以外の方のご参加も歓迎します。
小学生以下のお子様が参加される場合には、保護者の方も一緒にご参加ください。
興味のあるかたのご応募をお待ちしています。
「保険が使える」にはご注意ください
台風14号が日本列島を縦断しましたが、被災された方にはこころからお見舞い申し上げます。
一刻も早い復旧・復興ができることをこころから願っております。
さて、災害が起きると出てくるのが国の被災者生活再建支援法や都道府県、市町村など行政機関からの支援金と、掛けていれば損害保険の保険金など、復旧に必要となるお金の手続きのことです。
災害からの復旧であれこれとかなりやらなければいけないことがたくさんあるときに、手続きのよくわからない支援金や保険金を申請するというのは精神的にかなりの負担です。
そして途方に暮れているそういうときに、自分の住んでいるところまでやってきて、建物を修繕し、お金の申請手続きも代行してくれると聞くと、ついお願いしたくなるのもわかります。
ただ、これらの業者はさまざまなトラブルを起こすことが多いですので注意が必要です。
代行手数料として支払われる額の半分以上を持っていくことはざらですし、建物修繕が必ず保険適用になるかどうかもわかりません。
手続きの方法は行政機関の窓口や保険代理店の方が丁寧に説明してくれますので、自分でやるのはさほど難しくはありません。
また、弁護士、司法書士あるいは行政書士が無料相談窓口を開くこともあります。
普段面識のない人や見知らぬ建築業者などが手続き代行の話を持ち込んでくるときにはほぼ100%トラブルが起きますので、申請手続きは必ず自分でするようにしてください。
なお、日本損害保険協会でもチラシを作っていますので、よかったらご確認ください。
「被災者生活再建支援法」(内閣府防災のウェブサイトへ移動します)
「「保険が使える」にご用心」(日本損害保険協会のウェブサイトに移動します)
台風には気を付けて
台風14号はどうやら本州縦断コースをたどる気配です。
2022年9月18日14時現在のこの台風の勢力は「大型で非常に強い」となっていますが、この台風の大きさの表現がどのようなものなのかは、以下のリンクからご確認ください。
「台風の表現を知ろう」(当研究所のウェブサイトへ移動します)
また、台風の進路予想図には見方があり、これを間違えると本来とは違う予測の見方になってしまいます。
台風の進路予想図の見方は、以下のリンクからご確認ください。
「台風の進路予想図の見方」(当研究所の該当ページに移動します)
九州から中国地方に向けて移動していくこの台風の影響が出る前に、周囲のお片付けや、場合によっては日のあるうちの避難など、適切に命を守るための行動をとってほしいなと思います。
土地を買う時の災害リスクからみた注意点
土地の売買を行う際、売り主の重要説明事項として令和2年から洪水ハザードマップで売る土地の確認をさせることが追加されました。
また、それ以前の土地でも、被災した時に売り主の説明がされなかったことが問われる裁判が増えてきているようです。
買う側もしっかり調べたほうがいいのではないかと思うのですが、高い買い物なのにリスク分析がされていないという妙な習慣はなかなか治らないようです。
このうちで注意しておいてほしいのが、該当地が宅地化される前がなんだったのかということです。
田畑の場合には、地盤調査と水の流れについての調査はしておいてください。
最近では元田畑の土地の地盤調査は割と当たり前になってきているみたいですが、その田畑にどうやって水を引っ張ってきていたのかということを確認することはまだまだないみたいです。
田畑には大きく分けると開拓して田畑にした場所と、田畑にせざるを得なかった場所とが存在します。
どちらにしても、水がどこから来ているのか、そして高さはどうなのかということをしっかりと確認してください。
江戸時代に遊水地として整備された部分や、水が集まってくるために田畑しか使い道がなかった場所など、過去の地図を見ると案外と簡単にわかることも多いです。
水に浸かるのは何も越水だけではありません。流水でも家に水が入ってくることはあるのです。
そして、水は昔の記憶を持っています。妙な言い方ですが、河川改修で川筋が変わっているような川でも、溢れた後は以前の川の跡を流れていくことがほとんどなのです。
せっかく高い買い物をするのですから、その土地の成り立ちをしっかりと確認したうえで、土地を選ぶことをお勧めします。
TPOで判断は変わる
災害や置かれた条件で、取るべき行動の正解はかなり変わってきます。
同じ災害でも、いる場所や置かれた条件によっては、正解が真逆になっていることもありますので、置かれた状況を判断する力をつけておく必要があると思います。
例えば、非常用持ち出し袋。
水害や台風など、災害が起きることが予測される状況であれば、必ず持って避難すべきですが、地震に伴う津波がくるような状況だと、非常用持ち出し袋を持つよりも高台への避難行動が優先されます。
また、地震の時に机の下にもぐるのは、落下物が少ない場所なら有効ですが、建物が崩れそうなら屋外への避難を最優先にしないといけません。
どれが正解かなのではなく、いる場所と置かれた状況によって正解が変わってくるのです。だから、判断を間違えないためには、普段想定している状況ではなく、今遭遇している現状を受け入れることが大切です。
今優先すべきはなんなのかをしっかりと考えたうえでの行動となりますが、優先度の判断というのは慣れていないと非常に困難を伴います。
普段の生活のちょっとした判断を求められる状況で、判断とそう考えた根拠を意識する練習をしておきましょう。
この判断というのはなかなか難しいものですが、正しくても違っていても、よくわからなくても、判断をする練習をしておくことで、いざというときの判断も的確になる可能性があがります。
災害時に優先されることは常に同じではなく、いる場所や状況で変わるということ。
そしてそれを踏まえたうえで、自分の命がどうやったら守れるのかを常に考えるようにしてくださいね。
台風に対する事前予測をしておこう
台風のシーズンになりましたが、あなたのおうちの台風対策は万全ですか。
台風の場合、ある程度事前に針路が予測できるので、早めの対応を取ることで、少なくともあなたの命を守ることは可能です。
台風で怖いのは風と水。強風の中、水があふれてきたからと言って避難することはできません。
少なくとも、周囲と比べて自分の家の高さはどうなのか、それくらいは地図や家の周辺をみるとわかると思いますので、周りよりも低い場所や、全体から見て低地の場合には、台風が来る前に安全な場所へ移動しておくことをお勧めします。
また、背後に山がある場合には、その山の傾きや土質、どのような木が生えているのか、普段の水の出具合はどんな感じかなどを調べておきましょう。
少なくともハザードマップなどの防災マップでイエローゾーンやレッドゾーンに指定されている場所にお住いの方は、これも早めの避難が大切です。
避難先ですが、台風の影響のない場所に逃げるのが一番いいのですが、かなりの長距離移動になることが多いので現実的ではない場合もあります。
高台でなるべく風の当たらない場所というちょっと矛盾した表現になりますが、そういった場所を普段から探して見つけておくか、もしくは安全な場所に立っているホテルなどの宿泊施設に宿泊するのもいいと思います。
台風では、どうしても避難所の開設が遅れがちです。避難所が開設される頃には台風の真っただ中といった場合も想定されますので、なるべく早く安全な場所への移動を自己判断で行ってください。
また、家は安全だという方は、窓ガラスが割れないような補強や、屋根の点検、雨どいや排水路の掃除などをしっかりとしておきましょう。
台風は事前に予測できる災害です。報道機関や行政機関が発表する情報を丹念に集めて、どのタイミングで何をしておくことが適切なのかを、しっかりと考えておきましょう。
リアルタイム被害予測ウェブサイト cmapを知っていますか
これからの時期、秋の大雨や台風による被害が予測されますが、現在進行形で被害予測をしているウェブサイトがあるのをご存じですか。
あいおいニッセイ同和損保が提供している「リアルタイム被害予測ウェブサイト cmap」がそれです。
本来、このシステムは台風、大雨、そして地震の建物被害を予測して迅速に損害保険の調査や支払いの体制を組むために作られたそうですが、建物被害の予測ができるということは早めの避難を促すことにもつながるのではないかということで、現在無料で情報が提供されています。
このシステムで被害が想定される場所にいた場合には、しっかりとした対策を取り、場合によっては域外避難も考えながら早めの命を守るための行動をとることができると思います。
もちろんAIによる予測なので、実際には被害が出ない可能性もありますが、台風などは最大で7日前からの予測ができるそうなので、それを見ながらさまざまな備えをしていくことも可能だと思います。
ハザードマップも表示でき、アプリもあるので、興味のある方は一度試してみてください。
リアルタイム被害予測ウェブサイト cmap(あいおいニッセイ同和損保のウェブサイトへ移動します)
もしも被災してしまったら
東北や北陸を中心として、全国的に大雨による被害が出ているのですが、被災された方にはお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復旧ができることを願っています。
ところで、災害にあったらどのようにして復旧の段取りをつけていくのかを考えたことがありますか。
いろいろと片付けていかないといけない問題があるのですが、内閣府広報でそれをある程度わかりやすくまとめたものが作られていますのでご紹介しておきます。
住まいが被害を受けたとき 最初にすること(内閣府広報のウェブサイトへ移動します)
また、勝手にやってきてボランティアのように見せかけて片づけを手伝おうとする人や、保険申請手続きを代行するなどと言って近づいてくる人は信用しないでください。
法外な手数料を請求された上に、後々までさまざまなトラブルに巻き込まれてしまいます。
ご用心 災害に便乗した悪質商法(国民生活センターのウェブサイトへ移動します)
もしも被災したらを考えて、普段から備えをしておくことをお勧めします。