【お知らせ】サヒメルで「あなたのとなりのエイリアン展」が開催されます。

 当研究所では有害生物対策をメニューの一つにあげていますが、では、有害生物というのはどのようなものかご存じですか。
 読んで字のごとく、有害生物は人に不利益を与えて害をなす生物の総称なのですが、この有害生物の中には外来種が含まれています。
 日本の生態系を破壊することから、これら外来種は積極的に駆除しなくてはいけないことになっており、アライグマやヌートリアなどは基本的にその場で処分が義務づけられています。
 また、河川敷などでよく見るオオキンケイギクやアメリカセンダングサなどっもこの外来種のカテゴリーに含まれる生物です。
 ただ、ぱっと見てもそれが日本の在来種なのかそれとも外来種なのかは判別がかなり難しいと思います。
 そこで、3月19日から三瓶自然館サヒメルで開催される企画展「あなたのとなりのエイリアン」をぜひ見学して下さい。
 この展示ではさまざまな外来種が紹介されていて、みるだけでも相当知識を得ることができ、山歩きなどをする人にとってはかなり参考になると思います。
 5月29日まで開催しているそうなので、外来生物をしっかりと覚えていただき、見つけたら適切な処分を行えるようにしておきたいですね。

あなたのとなりのエイリアン」展(三瓶自然館のウェブサイトへ移動します)

間違えやすい生き物たちと防除

 家庭菜園などを荒らす生き物が出ると、その対策をする必要が出てきますが、その際に重要となるのは荒らしている敵を知ることです。
 当研究所にご相談いただいたとき、現地の痕跡や被害にあったもの、場合によっては監視カメラなどでそれが何かを判定していますが、相手を特定しないと効率的な対策が取れません。
 荒らしている相手を特定して、相手に応じた対策を取らないと、対策をしても意味がないと言うことになりますので注意が必要です。
 今回は石西地方で家庭菜園に出没する、見間違えやすい動物についてご紹介します。   使っている写真はいずれも大田市の三瓶自然館サヒメルに展示してある標本です。

1.タヌキ

 人里周辺の雑木林や藪林に住んでいます。木登りは得意ではありませんが、ある程度登ることはあるようです。
 雑食性で、木の実や果実、昆虫や小型動物の他、ゴミや残飯なども食べます。
特徴的なのはため糞をすることで、被害地の周辺を探してこれがあるとタヌキの犯行と予測することができます。
 後述のアナグマやアライグマとよく間違われます。

顔:目の周りが黒く、アライグマと間違われることが多いです。
体色:濃い茶色のことが多いです。
尾:太くて短め、縞模様はありません。尾が縞模様だと、アライグマになります。

2.アナグマ

 人の住んでいるところの近くの雑木林や藪林に住んでいて、よくタヌキと間違われる生き物です。
 雑食性で、人家の周辺ではゴミや残飯なども食べます。
 名前のとおり、頑丈な爪で穴を掘って生活しており、場所によっては何世代にもわたって掘られた穴に住んでいることもあります。
 木登りはへたくそですが、太くて短い足と長い爪は穴を掘ることに非常に向いています。

顔:目の周りが縦長で黒くなっています。
体色:薄い茶色
尾:割と細くて短く、縞模様はありません。

3.アライグマ

北米原産でとあるアニメブームで日本に入ってきたものが野生化した特定外来生物です。
見た目は非常にかわいいのですが、凶暴で危険です。
雑食性で運動能力も高く、水が平気なことから昆虫や小型動物だけでなく水中に住む両生類や魚もえさになります。
木登りが得意で、器用な前足を持っており、わずかな隙間からでも侵入することができます。

顔:眉間から鼻筋にかけて黒くなっています。
体色:茶色から灰色まで茶系統でさまざまな色があります。
尾:長くて太く、縞模様がある。

4.ハクビシン

外来生物か在来種かで揉めることもある小型の動物です。
木登りが非常に得意。住宅の屋根裏を巣にすることがあり、糞尿による悪臭や足音による騒音が起きることがあります。
植物中心の雑食性で、果樹が好物であることから、果樹園などで被害が起きることがあります。

顔:ハクビシンという名前のとおり、おでこから鼻にかけて白い筋が通っています。
体色:頭部は黒、胴体部は灰色から薄茶色であることが多い。
尾:細長く、尾の根元から少し離れると濃い色に変わる。

それぞれに特徴があって対策も異なるのですが、共通する対策は次のとおりです。

1.えさを与えない

 野生動物は基本的にえさがあるのでやってきます。
 えさがなくなれば来なくなりますので、収穫物は全部採ること、生ゴミや摘果した作物を放置しないことが大切です。
 また、餌付けは絶対に止めましょう。


2.防護柵の設置

 野生動物のえさは人間にとっての収穫物でもあるので、撤去ができない場合もあると思います。
 その場合は、収穫までの間収穫物の周囲を防護柵で囲ってしまうのが一つの手です。
 ただ、トタン柵もメッシュ柵もちょっとした足場などがあると登って突破されてしまうので、防護柵を設置するときには注意が必要です。
 電気柵を正しく張るのが一番効果的ですが、張り方にコツが必要なのと、導入費用がある程度高くつくのが難点です。
 たまに家庭用電源から直結して電気柵を作る人がいますが、誤って人が触れると死んでしまうことがありますので絶対に止めてください。

3.生息場所の撤去

菜園の周囲の見通しがよいと、野生動物は警戒しますので、周辺の草刈りや藪の撤去、山の抜開などをすると効果が大きいです。
家の屋根裏や床下などに巣を作ることがありますので、定期的に点検して穴を塞ぐようにしてください。

4.捕獲

上記の3つをやっても駄目なら捕獲という手段を使います。捕獲では小型の箱わなを使うようにしてください。
箱わなを設置しても、猫など駆除対象の生き物以外もかかることが非常に多いので、毎日の点検と管理は欠かせません。
また、一定の条件を満たしていない場合には必ず有害生物捕獲許可が必要になりますので注意が必要です。

 収益を得るための農業であればともかく、家庭菜園にはなかなか手がかけられないかもしませんが、これらの生き物を放置すると数が増えて手に負えなくなってきます。
 見かけてから対策をするのではなく、いるかもしれないと思って事前に対策をしておくといいのではないでしょうか。

 有害生物対策で詳しいことが知りたいと思った方は、島根県中山間地域研究センターのウェブサイトをご覧ください。


各種の対策パンフレット(島根県庁中山間研究センターのウェブサイトへ移動します)

有害鳥獣対策その後(~2022.2.12)

 ご依頼を受けているイノシシ捕獲については、現在も継続中です。
 対象地に仕掛けている監視カメラの映像では、次のシーズンも子どもが増えるんだろうなというようなシーンがあったりしていますので、このままいくとエンドレスになってしまいそうな気配です。
 イノシシは猟期に入ると罠にかからなくなる感じがしているので、猟期ぎりぎりでしたが大きい雄を捕まえることができたのには少し驚きました。
 欲を言えば、雌であれば出産を阻止できるので非常にありがたかったのですが、こればかりは仕方がありません。
 個体を一頭減らすことができたということで、引き続き圧力をかけ続けるしかないようです。
 このまま出なくなってくれればいいなと思ってはいるのですが、望みは薄そうです。

【活動報告】有害鳥獣対策・その後(~2021.12.12)

 住宅地に出没するイノシシ対策として、現在当研究所では2基の檻を有害駆除として管理しています。
 前回捕まえてから、獣道が変わっていることを確認したので、今までの檻とは別に一回り小型のイノシシ檻を仕掛けてみました。
 同時に、さっぱり寄らなくなった一番大きな檻は扉を落として稼働停止とし、様子を見ています。
 途中、とある事情が発生して関係者総出で柿の木を切り倒したりもしましたが、相変わらず檻にはイノシシが来ています。
 先日は3頭の子どもがかかり、監視カメラを見てみると、その親らしき日大きなイノシシがほぼ毎日来ているので、現在はその親を狙っているところです。
 だんだんと寒くなってきて、山の餌も減ってきているところではありますが、一体全体、この住宅地近くの場所にどれくらいのイノシシが住んでいるのか、一度イノシシに聞いてみたい気がしています。
 世の中では狩猟期に入りましたので、捕獲圧が強くなってイノシシが出なくなることを願っています。

【活動報告】有害鳥獣対策・その後(~2021.10.23)

 宅地に出没するイノシシ対策として、現在当研究所では2基の檻を有害駆除として管理しています。
 前回捕まえてから、檻に寄ってきてはいるもののなかなか捕まらない日々が続いていましたが、本日施主様から連絡があり、イノシシの子が2頭、罠にかかったという連絡をいただきました。
 監視カメラの画像を確認してみると、早朝に親子で来ていたイノシシの子が2頭のかかったようでした。


 捕まるのは毎回最初から設置している檻なので、何かあるのかもしれませんが、ともあれ置いておくと被害が発生するのは目に見えていますので、処分を行うことにしました。
 実のところ、施主様からの最初のご依頼は「庭にでるイノシシを何とかして欲しい」というものでしたので、ドングリの木の撤去をお願いし撤去されて後はすでに庭にイノシシはでなくなっているのですが、ご近所に被害が出ていることからできるなら捕まえて欲しいとの施主様のご希望で、もうしばらく檻を運用することになりました。
 ただ、イノシシに限らず、檻で有害鳥獣を捕獲しようとすると餌を撒くことになりますから、有害鳥獣はターゲット以外にもたくさん寄ってきます。
 捕まえることで個体数を減らせるのは確かなのですが、他の野生動物の数を増やしても困るので、正直なところ罠の運用は悩むところです。
 ともあれ、周辺で被害が続いているのも確かですので、イノシシに相手にされていない檻は位置を変えながら、もうしばらく様子を見ながらの運用をしていきたいと思っています。

虫除けとかゆみ止め

便利なスプレータイプの虫除け。苦手な人も居る。

 避難所ではよほど天気が悪くならない限りは窓や扉は開けられていることが多いです。特にここ最近の新型コロナウイルス感染症対策を考えると、換気用の開口部が設けられていることはほぼ絶対条件です。
 その開口部に網戸がきちんと準備されていればいいのですが、体育館や学校の講堂などには虫除けの網戸が設けられていないケースが結構あります。
 そこで登場するのが虫除けなのですが、蚊取り線香や忌避剤は定番ですが喘息持ちやアレルギー持ちにとってはつけることが命に関わるケースもありますので、あちこちで焚くというわけにはいきません。
 虫除けスプレーや虫除けリングなど、各個人で虫除けをするしかないという事態になります。
 非常用持ち出し袋には、虫の忌避剤を入れておくのを忘れない方がよさそうです。
 そして、もし咬まれたり刺されたりしたときに備えて、虫刺され用かゆみ止めも救急箱に入れておくようにしましょう。
 体質的に合う合わないや好みの問題もありますので、自分にあったかゆみ止めを持参して下さい。
 最近は夏場だけで無く、通年で蚊やダニがあちこちにいますから、標準装備として非常用持ち出し袋に入れておくようにしておくと安心です。
 大規模な避難所では、案外と個人を守るべき装備はおろそかになっているものですから、できるだけ自分にあった虫除けやかゆみ止めを準備しておいてくださいね。

【活動報告】有害鳥獣対策その後・5

 有害鳥獣対策ということで、住宅地に出没するイノシシの捕獲が継続中です。
 前回捕獲してから1ヶ月弱になりますが、先日また一頭捕獲することができました。
 同じ檻に1ヶ月程度で再びかかるのは珍しいですが、出没している頭数が多ければこういったことも起こりうるのかなと思います。
 ちなみに、今回捕まったやつはサイズが小さかったので監視カメラを確認してもらったところ、親子連れの子を捕まえたことが判明。
 監視カメラには、母イノシシを始めとする7頭のイノシシが映っていたとのこと。
 施主様及び市役所様からは引き続き捕獲作業を行ってほしいとのご依頼をいただき、捕獲業務を継続することになりました。
 現地では現在檻が2基稼働していますが、それぞれに違ったイノシシが寄ってきているようで、引き続きイノシシとの知恵比べが続きます。
 イノシシに限らず、野生動物は一度居着くと排除するのがかなり大変です。
 事故を防ぐためにも、不要な果樹の撤去や伐採、生ゴミを放置しないなど、えさとなるものを出さないような対策をしっかりとすることが大切です。
 また、隠れ場所となる茂みなどをできるかぎり皆伐し、イノシシの姿が見えるようにしておく必要もあるのかなと思います。

【活動報告】有害鳥獣対策への対応、その後(~7月14日)

 住宅地に出没するイノシシを防除してほしいというご依頼で、ご依頼主に誘因物撤去をお願いしたところ、その場所にはイノシシは出なくなったのですが、その後周囲の住宅地に出没することから捕獲してほしいというご依頼がご依頼主と市役所様の双方からあり、箱わなを展開して試行錯誤。
 えさを変え、わなを工夫し、イノシシに壊され、イノシシに遊ばれ、またわなを工夫してと、当研究所の猟師とイノシシとの知恵比べが続いていましたが、このたびやっと一頭捕まえることができました。
 監視カメラの映像ではかなり大きそうな感じでしたが、捕獲後に測定したところ70kg超の雄でした。

箱罠のトリガー部。下が普通の状態。上はイノシシにひん曲げられたもの。

 同じような大きさのイノシシが後2頭確認されているので、施主様及び市役所様からは引き続き捕獲作業を行ってほしいとのご依頼をいただき、引き続き捕獲業務を行うことになりました。
 今回は防除、捕獲の条件が非常によかったので対応ができていますが、そんな場所ばかりではありません。
 イノシシに限らず、野生動物は一度居着くと排除するのがかなり大変です。
 事故を防ぐためにも、不要な果樹の撤去や伐採、生ゴミを放置しないなど、えさとなるものを出さないような対策が必要だなと考えています。

防災用猪まるごとリゾットを食べてみた

作っているのはタケダ猪精肉店さん。アレルゲンフリーとアレルゲン27品目不使用の表示がついている。

 益田市内には防災食として使えるイノシシ肉を使ったレトルトパウチの玄米カレーリゾットを作っているところがあります。
 先日、いくつか手に入れることができたので、試しに食べてみることにしました。

一つ開封して盛り付けてみたところ。一袋230gあるので、お椀に軽く2杯分は取れる。

 見た目は普通のカレーリゾット。香りが良く、美味しそうです。
 味付けはスパイシー。辛いのが好きな人は大好きだと思います。
 肉はイノシシ肉としたら殆ど臭いはないのですが、鼻のいい人は少し気になるかもしれません。
 また、結構しっかりと玄米が混じっているので、食感は若干もごもごします。栄養価は高くて非常食としてはよいのですが、もごもご感が苦手な人、玄米が苦手な人は食べにくいと思います。
 当研究所の試食では、臭いに敏感な研究員Sと玄米の食感が苦手な研究員Mは一口食べてパスしていました。筆者を始めカレー好き、肉好きの研究員達には評判がよかったのですが、万人受けする味ではないのかもしれません。
 防災食としては分量が多いので、食の細い人だと2食分取れるかなと思います。

裏面。温めずにそのまま食べることができると書かれていて、原材料の中にも油が見当たらない。

 レトルトパウチなのでこのままでも食べることができますが、暖めた方がおいしいのは間違いありません。
 若干クセはありますが、玄米に抵抗がない人ならおいしくいただけると思います。
 地元のスーパー、キヌヤさんなどで扱っていますので、気になる人はぜひ買って食べてみてください。

【活動報告】有害鳥獣対策への対応、その後(~5月28日)

 ご依頼を受けてから約一月半。罠を仕掛けてから敷地内には出なくなったということですが、数日前に自宅前に現れたというお話をいただきました。
 「ブヒブヒ言ってた」との証言があったので確認したところ、ご自宅の前の庭を掘り返した跡があり、痕跡から見てイノシシがやったものと確認できました。
 ただ、イノシシ檻を出すには場所が狭く、防除用の電気牧柵は小さい子どもさんがいて危険だと判断し、しばらく様子を見てもらうことにしました。
 また、裏山からも夜に獣の音がするということで、そちらの方も対応することにしました。
 裏山と敷地の間にはイノシシ柵が展開されているので裏山側からのイノシシの侵入はできないだろうと見ていますが、何が来ているのか気になったので監視カメラを仕掛けてみたところ、おおきなイノシシが来ていることがわかりました。


 このイノシシのうちの一頭がイノシシ柵沿いに移動してご自宅前を掘ったのかもしれませんが、確証はもてません。
 幸い、裏山には一台稼働休止状態のイノシシ檻がありましたので、所有者とお話をさせていただき、当方で維持管理させていただくことを条件にお借りすることができましたので、現在そちらに重点をおいて対応をしています。
 敷地内の檻は、このまま出なければ休止から撤去に向かいますが、対応エリアが裏山に移動して、イノシシとの知恵比べは続きます。