公共交通機関が少ない石西地方では、ほぼどの家にも自動車があると思います。
それも一家族に一台ではなく、一人一台。どうかすると一人二台三台というお宅もあると思いますので、それを防災倉庫として使ってみてはいかがでしょうか。
普段使いの車のトランクスペースに非常用備蓄品を積み込んでおけば、非常時に積み込みの心配をせず、そのまま逃げることもできますし、車自体に冷暖房設備が積まれていますので、いざというときには簡易避難所としても使えます。
積み込んでおくのは、毛布や着替え、非常用持ち出し袋。温度変化が激しいので、非常食や水は温度変化に強いものをクーラーボックスに入れて、また、燃料のガスボンベや蓄電池は積みっぱなしにしない方が無難です。
一般的な自動車の場合、電気の出力は12V/100Wくらいなので、シガーソケットからの携帯電話の充電くらいしか使えませんが、PHV等のハイブリット車では100V/1500W、つまり出力の小さな電子レンジを使うくらいの電気のパワーがあり、エンジンを発電機にして車から電気を家庭に回すこともできるようになっています。電気自動車の場合も、ハイブリット車と同じ100V/1500Wの出力ができますが、蓄電池の能力から考えると災害時にはそこまで役には立ちませんので気をつけてください。
ところで、自動車を簡易避難所として使う場合に気をつけておかないといけないことが二点あります。
一点目は、自動車の燃料はできるだけ満タンにしておくこと。燃料があれば、一番長く使えるハイブリット車の場合、2日程度は給電できるようです。
それと、寝る場所がフラットにできるようにあらかじめ準備をしておくことです。車内であれ車外であれ、無理な姿勢を取らずに寝られるようにしておかないと、エコノミークラス症候群になる可能性があります。
荷物を増やすと燃費が悪くなるという話もありますが、非常用備蓄品を積載してもたいした重量にはなりませんので、備えておいて損はありません。
非常用持ち出し袋を家庭に備えたら、自動車を防災倉庫にして、より確実に命を繋ぐことができるようにしておきたいものですね。
投稿者: 所長@管理人
ボトムアップの防災計画
防災計画と書くと、行政の防災計画や自治会、自主防災組織の防災計画が浮かぶのではないでしょうか?
実際、今までの地域防災の考え方は行政が手が回らない部分を自治会や自主防災組織がカバーし、それで足りない分を個人が備えるというものでした。
ただ、行政の予算や職員の縮減・素人化、そして高齢化や少子化といったさまざまな要素が絡み合い、最近の災害ではこれがうまく回らなくなっています。
そこで熊本地震から後は、まず自分が備え、そこで足りないものを自治会や自主防災組織がカバーし、それでもできない部分を行政が担うという形に国の方針ががらりと転換されました。
元々行政は災害対策を「○○地区」という「面」で考えます。そこには数字は合っても「××さんの家」という特定の人が想定されることはありません。ただ、被災するのは○○地区の××さんなわけで、被災した人と行政との間にギャップが生まれてくるのは考え方の前提が違っている点で仕方が無いことだと言えます。
もう少し細かく書くと、「○○地区」に「××さんの家」以外は全て高齢者だとしたら、「○○地区」の支援は高齢者向けのものが優先されることになり、例えば大人用の紙おむつは大量に来ても、赤ちゃんのいる「××さんの家」に必要な乳児用のおむつやミルクはなかなか配布されない状態になります。
これは最大公約数の人の救援が前提になっているためで、救援物資は多くの人が求めるものが優先して送られてくることが理解できていれば、××さんは行政に頼らず、自分の子どものためにあらかじめ備えておかないといけないと言うことがわかると思います。
アレルギー体質の方や体や心に障害のある方も、同じ理由で救援が遅れますから、災害時には自分や家族がどのように行動するのかを、平時にしっかりと考えておく必要があります。
各個人や各家庭で作られた防災計画を集めることで地域の防災計画が出来、それをあつめると行政の防災計画ができる。現在行政が考えている自主防災組織は、その作業を行うために設置が推進されていると考えてください。
言い換えれば、今まではトップダウンだった防災計画が、個人の備えがボトムアップされてできる防災計画に変わってきているということです。
各個人や各家庭でそれぞれ個別の防災計画を作ることは正直なところ大変だと思いますが、そもそも災害に対する問題は各個人、各家庭で全部違いますから、それを洗い出してどのように備えるのかを考え、共有化していけば、それぞれが最適化された防災計画ができることになります。
まずは自分や家庭の防災計画作り。これからの防災計画は、そこが出発点になると考えています。
シェイクアウト訓練をやってみよう
「今、地震が来たら?」と想定したとき、すぐに身を守る行動ができる人がどれくらいいるでしょうか?
先日、小学校の学童保育で小学校1年生から4年生を相手にストローハウスを作るという企画をやったとき、試しにその場にいた子ども達に「地震が来たら、君たちはどうする?」と聞いてみました。
1年生はすぐに「ダンゴムシのポーズ!」と元気よく答えてくれましたが、2年生以上の子ども達は「机の下に隠れる?」という感じで顔を見合わせるばかり。
では、というので、手を叩いたら地震に備えるポーズをしてもらうことにしました。
結果はというと、1年生は全員ダンゴムシのポーズを上手に取ってくれましたが、2年生以上は、二人を除いてその場の座卓の下に一斉に潜ろうとして押し合いへし合い。
結局頭が出ていたり体の半分が出ていたりと、ちょっと危険な状態になっていました。
座卓の下に入らなかった二人のうち、一人はダンゴムシのポーズを、もう一人はお山座りして頭にそのへんにあった箱を載せており、なぜその行動を取るのかについて理解ができているようでした。
そこで「低い姿勢になること」「頭を護ること」「安全な場所でじっとしていること」について少しだけお話をしました。
実はこの訓練、「シェイクアウト訓練」といい、世界各地で行われている地震に対する訓練です。
日本の地震に対する避難訓練では、まず最初に「机の下に隠れろ」という教え方をするのですが、「なぜそうするのか?」ということは教えられていません。
そのため、いざというときには頭を護るのでは無くまず机を探すことになり、しなくてもいい怪我をすることになってしまいます。
「姿勢を低く」「頭を護り」「動かない」を身につけることがまずは大事で、これを身につけるのがシェイクアウト訓練ということになります。「ダンゴムシのポーズ」は、シェイクアウトの基本を守った上で体の重要な部分を守るという上級編だと思っています。
日本では、「効果的な防災訓練と防災啓発提唱会議」がこのシェイクアウト訓練を推進しており、ここ数年でずいぶんと聞くようになりました。
さまざまなサンプルややり方についてサイト内で説明されていますので、一読して、ぜひ一度やってみてください。
家でも、学校でも、職場でも、やることで経験値が貯まります。そして人は準備して経験したことしかとっさの行動に移すことはできません。
ぜひ機会を作って、シェイクアウト訓練をしてみてください。
それまでとは違ったものの見方ができるようになると思いますよ。
災害遺構を訪ねて8・大浜の海難者慰霊塔
国道9号線を益田市内から浜田方面に進むと、大浜漁港入り口の数百メートル手前に「海難者慰霊塔」があります。この場所は碑を集めているのか、他に交通安全らしきお地蔵様と井戸平左衛門を顕彰する碑が同じ場所に建立されています。
さて、この手の塔には大抵の場合、その由来や謂われが書かれているものですが、この「海難者慰霊塔」にはそういう記載は一切なしで、これが何のために建立されたのかがわかりません。
地元の市史や町史も調べてみたのですが、やっぱり謂われは不明でした。
一つヒントになるものがあるとすれば、これに刻まれた「島根県知事福邑正樹書」という文字。
この福邑正樹知事の在任期間は1932年から1936年なので、その間に何か起きたのかなという推測はできます。
大浜漁港を真下に望むことと、この海難者慰霊塔の基礎側面には何かを入れられるような箱状の引き手のついた石が収められていたことから、この期間に何か漁船の大規模な事故があったのだろうかと調べてみましたが、この期間にこの付近での大きな事故や事件は特に見当たりませんでした。
では、全国的にはどうだったのかをwikipediaで見てみると、大規模な海難事故は1935年の船緑丸沈没くらいでした。福邑知事は大分県国東の出身らしいのと、慰霊塔の正面が南西、つまり大分の方を向いているので、これかなという気もするのですが、ここに碑を建てる意味がよくわかりません。
日本海で起きた事故としては、福邑知事着任の少し前、1927年に美保関事件が起きています。
島根県美保関沖で演習を行っていた日本海軍の艦艇が衝突して沈没や損傷し、多くの将兵が亡くなったもので、福邑知事の在任期間に起きた大きな事件・事故としてはこの二つが挙げられると思います。
また、遡れば日露戦争で撃沈されたロシア艦艇の乗組員が漂着した場所でもありますので、それもあるのかもしれません。
「海難者慰霊塔」が具体的にどの海難事件・事故を差して建立されたのかはわかりませんが、日本海で起きた全ての海難者の慰霊のための塔と考えれば、何の記載もされていなくても不思議ではありませんが、福邑知事とはあまり縁のなさそうなこの大浜の地にこの慰霊塔があるのはなぜなのか、ちょっと気になります。
災害遺構というものとはちょっと異なるかもしれませんが、海難事故も大きくくくれば災害の一つと言うことでご容赦いただければと思います。
防災から見た「衣・食・住」
衣食住は人の生活の根幹を支えているものだといってもいいと思います。
一般的には「着る物」「食べるもの」「住む場所」を揃えることが大切とされているようですが、これを防災という視点で見てみたら、思ったよりも面白いなと思えるようになりました。
まずは「衣」。
これは文字通り「着る物」のことなのですが、防災の視点で見ると「適切な体温調節」という風に考えることもできます。冬場にTシャツと短パンで屋外へ放り出されたら寒くて仕方ないでしょうし、逆に夏場にコートやセーターしか着替えが無ければこれまたつらいと思います。
季節に応じて防災セットに備える服も衣替えをしていく必要があるなと考えました。 薄手の長袖シャツやズボンを重ね着すれば季節に関係なく対応ができるかなとも考えたりしましたが、いずれにしても適切な衣類がないと体温調節が難しくなることから、これは大切な視点だと思います。
次は「食」。
「食」=「食べ物」と言われるものですが、防災の視点では、これは「食べ物・飲み物・排泄」を含めた一連の流れを考える必要があります。
「排泄」が追加されているのは、出さなければ食べられなくなるためで、例えばトイレなどがうまく流せずに汚物まみれになった避難所では、不衛生なのと同時に食事や水分摂取を制限することによるさまざまな体調不良が発生していました。
防災においての食はまず「排泄」を考え、次に「飲み物」、そして「食べ物」をどうするか考えていきます。
この順番は人が生きるために我慢できなくなる順番に並べたもので、排泄は「出物腫れ物所嫌わず」と言われるくらい我慢できないものですし、水分補給が途絶えると、3日以上の生命維持はかなり困難なものになります。食事は1~2週間は摂らなくても体に蓄えられたものを分解して生命維持を行えるため、この順番で準備しておくのが得策です。
今までは3日~1週間分を用意しておくような話が出ていましたが、都会地が大規模に被災したときには状況が落ち着くまでに2~3週間はかかりそうだという話も出始めていますので、災害時に自宅避難を行う方は、自宅のトイレの構造を考えた上で、準備しておくようにします。同様に水や食料も再検討しておきましょう。
最後は「住」。
これは住むための家をさすのですが、防災的に見ると「安心できる場所」という風に考えられます。
避難所で生活していても、そこで安心した生活が営めないのであれば、これは住環境が満たされていないと判断できるのではないでしょうか。
自分や家族が安心できる環境はどのようなものか、それはどのようにしたら確保できるのかについて考えておくことが必要です。
災害で被災したからといって、指定避難所で生活しないといけないというわけではありませんので、自分や家族が安心できる場所を見つけるようにしましょう。
防災での「衣食住」は、被災後に落ち着いて生活するための基準と考えてもいいかなと感じます。
また「衣食足りて礼節を知る」という言葉もあります。これは衣服、食事が満たされて初めて礼儀を知ることができるのだといった意味合いですが、これは避難後にも言えることです。
衣食住と同じ定義で考えれば、衣類は体温調節がうまくできるものとなりますが、この場合には下着類も含めた適切な着替えと考えます。
災害により身一つで逃げ出した人は着たきりになりますので、それだけでもげんなりしてきます。着替えが一セットあるだけで、服や下着を洗濯することが出来、さっぱりとした気持ちで前向きになれるのではないかと思います。
また、この場合の「食」は命を繋ぐだけでなく、生きる気力を生み出すためのものでないといけません。
具体的には、暖かく、自分が食べ慣れた食事をいかに確保していくのかということを考えていくということです。
過去の事例でいけば、阪神淡路大震災では、送られてきた支援物資の衣服を取り合ったという話もありましたし、東日本大震災や熊本地震で避難所で配られる弁当は食中毒を配慮して冷たいか、ひどいときには凍っているような、味の濃い、油ものの多い弁当になり、その結果、その弁当が食べられない人が体調を崩してしまうようなことも頻発してした。
発災後には「生活再建」と言うことが声高に言われますが、まずはそれぞれの体と気持ちを身近なところから通常生活に戻していかないと、生活再建という視点にまでたどり着くことが難しいと思います。
被災した人が生活を取り戻すためにはどういった道筋をつけていけばいいのか、特に高齢者や日常生活で支援を必要とする人たちがどうやったら前向きになることができるのかを、こういった視点で整理していくことができないのかなと考えます。
非常用持ち出し袋の非常食のお勧め品
災害に備えて非常用持ち出し袋を用意されている人は結構いらっしゃるのではないかと思います。
そして、非常用持ち出し袋で一番悩むものは、恐らく非常食をどうするかということではないでしょうか。
よくあるものとしては、乾パンやクラッカー、ビスケット、あるいはアルファ米や乾燥食品といった保存がきいて軽いもの、あるいは羊羹やチョコレートといった甘みの強いカロリーの高いモノでしょうか。
これらはそれぞれ非常食にふさわしいものではあるのですが、一つ大きな問題点があります。
それは食べるのに「水」を必要とするということ。
不安で口の中が乾燥しているときにこれらのものを食べようとすると、口の中でぱさついてしまうので、どうしても水で飲み込まなければいけないことになりますので、食料としての水ががそれなりに必要となってきます。
一日3リットルの水を用意しろと言われてはいますが、実際のところ、それだけの水を持って歩くのはちょっと難しい気がします。
そこでお勧めしたいのは「おかゆ」。缶詰やレトルトパックのものがありますが、おかゆの利点はしっか りと水分が含まれていて食べやすいこと。缶詰もレトルトパックも、封を切ればそのまま食べることができ、食料と水分を同時に摂ることができます。また、夏場の避難ではこれらに含まれた塩分や水分で熱中症を防ぐことも可能です。
缶詰だと3年~5年程度、レトルトパックだと半年~1年程度の保存期間で、保存期間は缶詰の方が長いのですが、お値段は圧倒的にレトルトパックに分があります。感覚としてですが、缶詰は行政などの住民支援用と考えた方がいいと思います。
レトルトパックなら食欲の落ちたときの普段使いや防災週間などで気軽に試せることから賞味期限までに更新し続けることが可能だと思います。
また、最近は白かゆだけでなく、梅干しかゆや雑炊など、さまざまな種類が発売されていますので、いろいろと試して、自分の好みを見つけておくとよいと思います。
非常用持ち出し袋の非常食が全部「おかゆ」だとエネルギー量が足りない感じもしますが、水と食料を同時に補給できる食糧として、非常用持ち出し袋の中に加えてみるのもいいと思うのですが、あなたならどう考えますか?
イベント開催の判断を考える
秋、いろいろなイベントが目白押しの季節となりました。
同時に、台風や秋雨前線による大雨の季節でもあります。
気象によるイベントの開催・中止判断は参加者の安全にも関わってくる大切なものですが、具体的に何をどのように見て判断すればいいのでしょうか?
今回はイベント開催の可否について参考にすべき情報や判断基準を考えてみたいと思います。
1.イベントの性格を考えてデッドラインを決める
まず、開催の可否を判断するイベントの性格を考えてみます。
全国から大勢の人が集中するようなイベントの場合には、開催判断は早めに行う必要がありますし、地域の運動会のようなものであれば、当日の朝の判断でも大丈夫かもしれません。
判断が速いに越したことはありませんが、予測は外れることもありますから、イベント中止による損害と、イベントを開催することにより発生が予測される損害を天秤にかけて判断の行うことになると思います
他にも昼間やるのか、夜やるのか、宿泊なのか、参加する人はどのような交通手段で来るのか、どのような人が対象なのかなど、開催するイベントの性格によって最終判断をするデッドラインは異なりますので、まずはイベントの性格とここで最後の判断を誰がするというデッドラインを決定しておきます。
2.開催ができなくなる条件を考えてみます
そのイベントの性格が見えてくると同時に開催できなくなる条件というのも見えてくると思います。
例えば、川遊びのイベントだと当日の雨はもとより上流で雨が降っている場合や水量が多い場合にはできなくなるでしょうし、屋外の運動会なら雨が降ったらできませんし、地面が水浸しだと開催は難しいでしょう。ホールのコンサートでは、感染症が流行っているときには開催は難しいでしょうし、大風や大雨などによる施設への閉じ込めが起きる可能性もあるでしょう。
「開催できなくなる条件=開催した場合のリスク要因」と考えて、条件を洗い出してみましょう。
3.開催できなかった場合の代替案を考えてみます
万が一そのイベントが開催中止になった場合、その後どのようにするのかを決めておきます。
別な日に改めて開催するのか、それとも完全に中止するのか、それだけでも決まっていると、中止の際にアナウンスがしやすくなります。チケット販売されているものや塾などの習い事の場合には、返金をするのか、別な日に改めて枠を作るのか、あるいはそのままになるのか、この情報を出しておくことで、中止時の問い合わせや苦情をある程度まで減らすことができます。
4.開催できなくなる条件を満たすための情報を決めます
開催できなくなる条件の洗い出しが終わったら、次にどの情報により開催をしないことを判断するのかを決めます。台風などの予測可能な自然災害の場合、気象庁が5日前に「早期注意情報(警報級の可能性)」を参考情報として発表します。これにより、いつ頃どのようなことが起こりうる可能性があるのかがある程度わかりますし、民間の気象情報会社でも、同じように予測をしていますので、お好みの情報を見つけておくといいと思います。
5.状況を確認していきます
事前に決めたデッドラインまでに開催ができなくなる条件が満たされそうな場合には、最終判断を行う人の決定で、デッドラインまで待たずに中止を決定してもいいでしょう。
天気図やアメダス、雨雲レーダーなどの情報や気象予報図、台風などであれば進路予想図などを確認して、いつ頃どのような影響が出るのかを見ていきます。
台風で進路予測に入っている場合、上陸地点の状況を見ることで、イベント会場での感じもそれなりに予測することもできます。
最近では河川や道路などに自治体が敷設したカメラを見ることができるようになっているところもありますので、それらを見て監視するのもよいでしょう。
いずれにしても、デッドラインを超えるまでに可否を決定しないといけないということは徹底しておきましょう。迷うようなら中止してしまうのも手です。より安全な方を選択する方が無難だと思います。
開催するイベント内容によって、開催の最終判断をする情報や決定時期は変わります。
ですが、「「いつ」「だれが」「どこがどうなったら」中止する決定をする」ということを決めておくだけでも、混乱を防ぐことができます。
普段とは違うことを行う場合、混乱はどうしても発生します。ただ、判断基準を明確にしたり、どの情報を参考にするのかを決めておくと、混乱の規模を小さくすることは可能です。
せっかく開催したイベントが災害に巻き込まれるようなことがないように、早めに確実に判断できるように基準を準備しておきたいものですね。
日焼けについて考える
今年も暑かったですね。まだ暑さが続くかもしれませんが、もう9月半ばなのでとりあえず過去形を使ってみます。
気温もそうですが、日差しの強さ。ひなたに出るとあっという間に干からびそうなくらい強烈な日差しでした。
で、熱中症対策は言われ続けていたわけですが、日差し対策についても意識しておかないといけません。
美容としてもそうかもしれませんが、夏場の災害での日焼け対策は非常に重要です。
強烈な日差しのもとで復旧作業などを行っていると、あっという間に日焼けします。
日焼けは、要するに肌がやけどしている状態なので、状況がひどくなると火ぶくれを起こしたりして病院での処置が必要になる場合がありますが、被災地域内の病院では満足なケアができない可能性があります。
日焼けは事前に対策が可能な外傷ですから、事前にしっかりと対策をして災害復旧に当たりたいものです。
【本日のお品書き】
1.なぜ日焼けは起きるのか
2.日焼け対策の方法~事前準備~
3.日焼け対策の方法~事後対策~
1.なぜ日焼けは起きるのか
日焼けが起きるのは、太陽光に人体に有害な紫外線が含まれるためです。
紫外線が肌に当たると、体の防御システムとして皮膚の表面にメラニンが沈着して肌の色が濃くなり、これを防ぐ効果があります。
ただ、普段日に当たらない人や肌の弱い人などは、メラニンの沈着が間に合わず、皮膚の内部が紫外線によって焼かれた状態になり、日焼けで起きる「火傷」という状態になります。
2.日焼け対策の方法~事前準備~
よく言われるのは「日焼け止めを塗る」ですが、日焼け止めは使う人によって体質に合う合わないがありますので、使うのならば事前に目立たない場所に塗る「パッチテスト」を行ってください。
また、塗り忘れた部分がないように、塗るときにはしっかりと塗っておきます。首の後ろや耳、鼻の頭などは塗るのを忘れやすい上、日焼けするととてもいたい場所でもありますのでご注意ください。
確実なのは「直射に当たらない」こと。
長袖、長ズボンはもとより、つばの広い麦わら帽子等を被り、首の後ろはタオルや手ぬぐいなどで直射に当たらないようにします。発汗製素材+冷却素材を使った服であれば、暑いさなかであってもさほど問題なく過ごすことができると思います。
特に災害復旧をする場合には、日焼けだけで無く怪我の防止のためにも、肌の露出は防ぐ必要がありますので、肌を出さないように意識しておきましょう。
3.日焼け対策の方法~事後対策~
日焼けしてしまうことはよくあることではありますが、例えば焼けた場所が真っ赤になったりひりひりしたりする場合があると思います。
これは日差しによる火傷ですので、まずは冷やすことが基本になります。保冷剤や氷などで赤くなったりひりひりしたりしている場所をしっかりと冷やしましょう。
火照っている程度でも油断は禁物。炎症が起きている状態なので、とにかく冷やすことを心がけてください。よく使われているジェルタイプの冷却剤、たとえば「冷えピタ」などは、人によってはかぶれを起こしたりすることもあるので、こういうときには使わない方が無難です。
また、水ぶくれになったりすることもありますが、うかつに破ると感染症の心配がありますので、しっかり冷やした後は病院の受診をお勧めします。
火照りやひりひりがある程度収まったら、保湿効果のある化粧水などをたっぷりと肌にやさしく付けていき、肌荒れしないようにケアしておきます。
私自身は面倒くさがりなので、以前は痛いまま放っていたのですが、肌の状態を見かねた知り合いの薬剤師さんに勧められ、資生堂の「カーマインローション」というのを冷やしておいて、真っ赤になったりひりひりしたり、火照っていたりする場所にしっかりと塗るようにしています。
この「カーマインローション」、炎症を抑える成分も配合されているそうで真っ赤になった部分も割としっかり痛みが取れます。
体質によるものもあるのでしょうが、私の場合にはあっているようで、日焼けしたときにはよくお世話になっています。値段も安くて非常にいい製品だと思うのですが、なぜか周りでは見かけることがないのが残念です。
価格:378円 |
繰り返しますが、日焼けは火傷と一緒です。
日に焼けるのは仕方ありませんが、なるべくひどいことにならないように防護を忘れないことと、日焼けした後のケアをしっかりすることで、日焼けによる体へのダメージを減らすことはできます。
きちんとしたケアをして、今シーズンの残りと、来シーズン以降の酷暑も乗り切るようにしたいものですね。
避難保険ができるかもしれません
今日のNHKニュースの中で、災害時に避難するためのタクシーやバスを手配・避難できる保険が作れないかあいおいニッセイ同和損保さんが検討しているというものがありました。
この保険、とりあえず検討段階だそうですが、同じようなことを考える人がいるものだなとすこしうれしくなったので記事にしておこうと思います。
当方の記事では、出産時の予約タクシーの考え方を災害時に応用できないかという軽い発想程度のものでしたが、今回のニュースの内容は、災害時の避難に出動したタクシーやバスの運賃を保険で賄うという画期的なもの。
タクシー会社やバス会社への支払いの金額や頻度にもよりますが、これは商売になるのではないかと思います。
今回は県立広島大学大学院の江戸教授の提案に保険会社が検討を始めたということのようで、避難するときに運転手が災害に巻き込まれたりしたらどうするかや、避難開始のタイミングや避難先、避難するための車両が確実に確保できるかなど問題も山積のようです。
ただ、行政が手配するのでは無く、損害保険の一つとして、いざというときに避難するための手段が確保できるということは非常にありがたいと思います。保険は何か起きた後に使うというイメージがありますが、何か起きるのを未然に防ぐというのもこれからの保険に求められる仕事なのかなとも思います。
西日本豪雨で避難しなかった人の意見の中では、「避難するきっかけがつかめなかった」「避難する手段が確保できなかった」「避難したくてもできなかった」といった意見が、特に高齢者や要支援者の方から出ていたようですが、強制的に迎えに来てくれるのであれば、少なくとも避難するタイミングやきっかけ、避難方法は確保できそうです。
要支援者の方の場合には介護タクシーや支援サービスの車両でもよいと思いますし、あらかじめ指定しておいた近所の人に対してでもいいと思います。
なるべく多様な窓口を確保してもらって、多くの人が安全に避難できるようになればいいなと思います。
もっとも、多くの人が無事に避難所に避難できたら、今度は避難所のさまざまな問題が立ちはだかっているのですが・・。
災害にあったらどうするかの対応をまとめてみた
災害にあった後何から手を付けたらいいかというのは悩むものです。
参考になるかどうかはわかりませんが、当研究所で以前に書いた記事をまとめたものを作ってみましたので、気になった記事があればご覧ください。
20181216 災害時の情報の集め方
20181218 被災物件の調査と証明のあれこれ
20190121 り災証明書・被災証明書の使い道
20190122 通電火災を防ごう
20190423 家にある飲料水を探そう
20190602 蚊対策を考える
20190622 懐中電灯を即席ランタンにする方法
20190628 災害後は子どもの過ごせる場所を作っておく
20190707 災害保険の申請は自分で行うこと
20190810 寝床に使える段ボール
20190821 口腔ケアに気をつけよう
20190831 家屋が浸水した後の処理
20190917 生ゴミの臭いを消すあれこれ