地図を使いこなす力といっても、別に方位磁針を持ってオリエンテーリングをやってくださいという話ではありません。
防災では、まず最初に防災マップという地図を作るところから始めます。
危険な場所、安全なところ、役に経つものなどを区分けして色づけし、どこをどのようにすれば安全が確保できるかという作業なのですが、この地図が出来上がったらそれで終わりというケースがとても多いです。
当研究所でも年に1回防災マップ作りをしているのですが、やはり完成して終わりになっているのが現状です。
本当はこの地図を使って危険な場所の危険度を下げ、安全な場所は安全であることを確保し、役にたつものはきちんと使い方をマスターしておくといった作業が必要となります。
これが本来の地図を使いこなす力ではないかと思います。
日本損害保険協会様が主催している「ぼうさい探検隊マップコンクール」の応募用紙では、実はこの部分もきちんと記載するようになっていて、実施してできた地図をどのように地域に落とすのか、応募する際に頭を悩ましている部分でもあります。
防災マップは作成して終わるのではなく、それをいかに地域の安全に反映させていくかという作業が、地味ですが非常に重要な内容です。
当研究所でも地図の作成と出来上がったものを地域にどうやって波及させていくのかというところで試行錯誤しているところですが、この作業を確実に行うことが地域の安全を守る上での大きな鍵になる気がしています。
投稿者: 所長@管理人
災害時の履き物について考える
災害発生時に移動するために何らかの履き物を用意しておくように推奨されていることはご存じだと思います。
非常用持ち出し袋にも丈夫なスリッパが入っていますし、地震の時に備えて着替えや履き物を寝る場所の近くに備えておくといったこともされているのではないでしょうか。
ただ、一概に履き物といってもいろいろと存在していますので、登山靴から折りたたみ式スリッパまで人によって準備しているものが様々なのが現状です。
今回はこの履き物について考えてみたいと思います。
1.なぜ履き物を準備しておかないといけないのか
屋外にいるときはともかく、屋内では多くの場合素足か靴下を履いているだけの状態だと思います。
地震で建物が揺れた場合、大きい地震だと窓ガラスが割れたり、棚のものが散乱したり、天井が落ちたりして人が歩く場所にものが散乱してしまいます。
そのとき、素足や靴下だけだと移動時に落下物によって足の裏を怪我してしまう危険性があります。
また、水害などで水に浸かった場合には、水に浸かっている部分の底は見えないので、危険なものを踏んでしまう可能性があります。
そして、どのような災害であれ外を歩いて避難しようとすると、今の日本人の多くは裸足のまま歩くことは困難だと思います。
そのため、履き物を準備して足を守ることが必要になるのです。
2.どんな履き物なら安全か
履き物に求められるのは
1)脱げないこと
2)何かあっても足に怪我をしないこと
3)安全に歩けること
ですから、それらの条件を満たすものであればいいということになります。
スリッパだと、(1)を満たせないものが多いので、かかとつきスリッパなど固定できるような機能をもったものでないと困ると思います。
こういうところでよく出てくる運動靴だと、紐やマジックテープをしっかり留めれば(1)は大丈夫ですが、(2)で釘などを踏み抜く危険性があるので、踏み抜き防止のインナーソールが入っている方が安心だと思います。
長靴は(1)も(2)もそれなりに条件を満たしているのですが、非常に滑りやすいという特性を持っていますので、災害時に履いて避難する場合には歩き方に注意が必要です。
(1)~(3)の条件を満たせる靴で一番いいのは登山靴でしょうが、はき慣れていないと歩きにくいという大きな欠点がありますので、登山する趣味のない人にはちょっとハードルが高い気がします。
極論から書くと、かかとがついていて足首から下が露出しておらず、踏み抜き防止のインナーソールなどの対策が取られていて、滑りにくいこと、と条件を満たせれば何でもいいということになるので、結局お気に入りの履き物に手当をすればいいのではないかということになります。
もちろん使い捨てのスリッパでもないよりは遙かにマシですから、何かを準備しておいてください。
3.どこに置くといいか
最後に、置き場所について考えてみます。履き物が必要な理由を考えると、着替えと一緒で枕元に置くのが一番安心できますが、靴を部屋に持ち込むのは抵抗がある人もいると思います。
枕元には着替えと使い捨てスリッパ、廊下に靴というのでもいいかもしれません。
また、履き物を配置するときには、災害時に飛ぶ破片が履き物の中に入らないようにあらかじめ袋に入れて置いておくと安心だと思います。
避難するにしろ、片付けをするにしろ、足を怪我すると素早い移動が困難になってしまいます。
靴を履いて寝る必要はないと思いますが、いざというときにすぐに行動が開始できるように、身近に履き物を準備して置いてくださいね。
非常用持ち出し袋や備蓄品の意味
非常用持ち出し袋や備蓄品はそれぞれきちんと準備しておきましょうという説明がされますが、非常用持ち出し袋や備蓄品をなぜ備えないといけないのかについて考えたことはありますか。
それは避難や避難先、避難生活で自分が直面するであろう困り事を解決するためにあらかじめ準備しておくものだということです。
お困り事解決袋と考えれば、中身に何を準備しなければいけないのかがわかってくると思います。
そして、非常用持ち出し袋や備蓄品の中身はみんな違うということも理解できるのではないでしょうか。
例えば、老眼鏡や入れ歯、杖などは必要とされる人以外には準備しなくてもいいものですし、スマートフォンや携帯電話を持たない人であれば充電池を持ち歩く必要はありません。
井戸や貯水タンクがあって水の心配がいらなければ飲料水の優先度は下がりますし、野菜や米が確保できるのであれば備蓄食を準備する必要がないかもしれません。
避難所に毛布や布団がふんだんにあるのであればエマージェンシーシートやエアマットは不要でしょうし、周囲に薪がふんだんにあるのであれば燃料はいらないかもしれません。
もし災害が起きて逃げるとき、そして逃げた後、あなたが直面すると思われるさまざまな困り事を解決するためには何を用意しておいたほうがいいのかを考えて準備をしておくこと。
それにより、初めて非常用持ち出し袋や備蓄品が意味を持ってくるということを知っておいて欲しいと思います。
とりあえず数値化してみる
防災に限らず、物事を考えていくときには客観的な視点が必要となります。
「客観的」という言葉を辞書で引いてみると「誰が見てももっともだと思われるような立場で物事を考えるさま」とあります。
誰が見てももっともだという状態にするためには、可能な限り数値化できるものは数値化することです。
数値は嘘をつきません。その数値に意思が関わることでいかようにでも考えられてしまうのですが、基礎となる数値は数値でしかないのです。
数値化できないものは対策を考えることも難しくなりますから、できるかぎり数値化してみることが客観的に考える第一歩だと思います。
防災に関していえば、例えば「家から歩くと何分で避難所へ移動できるか」や「近くの高台まで避難するのに何分かかるか」、「自分の居る場所から階段を使って外へ出るまで何分かかるか」などがあります。
これらを知ることで、対策するための時間が具体的にわかるようになってきますから、より安全が確保できるようになります。
他にも「自分が背負って歩ける重さ」を知っていると非常用持ち出し袋の重さをどれくらいまでで作ればいいのかがわかります。
自分がトイレにいく回数を知っていれば、携帯用トイレの準備もしやすいでしょう。
一食に食べる量がわかっていれば、非常食の準備も的確にできます。
自分の情報を数値化しておくと、防災に対する備えにも有利になってきます。
何から手をつけようかと悩む前に、まずは自分の情報を数値化してみてくださいね。
避難の時にゲーム機は持って行ってはいけないの?
ある子どもさんからこんな質問を受けました。
「避難の時に携帯ゲーム機を持って行ってはいけないのですか?」
これについてはいろいろな考え方があると思うのですが、筆者は条件付きで持って行くべきだという考えを持っています。
その理由ですが、避難中や避難後にはできるだけ普段の生活リズムを崩さないことが精神的な負担を減らす大切な方法です。
もしも息抜きや楽しみとして普段から携帯ゲーム機をやっているのであれば、持って行ってやることはいいと思います。
「条件付き」の条件は
1.電力は自力で確保すること
2.音が周辺に聞こえないようにすること
3.周辺の音や指示の声が聞こえるようにしておくこと
4.避難所の場合には、避難所の生活時間に従うこと
5.ネットワーク接続ではなく、単独で遊べる状態であること
というものです。
これらの条件は、周囲から文句を言われそうな内容をあらかじめ避けるために設定しているものです。
1の「電源を自力で確保」は、避難所で限られた電源を占拠してしまうと必ず他の人からの苦情がでます。蓄電池や太陽光発電システムとセットで持って歩くようにすることで避難所の電源タップを使わなければ、周囲からの苦情を減らすことができます。
2は、やっている本人は全く気になりませんが、その音を聞かされている周囲の人間に取っては非常に不快な音になります。特に災害で神経が高ぶっているときに聞かされる電子音は、間違いなく騒動の元になります。音を消すか、どうしても聞きたいならイヤホンで繋いで周囲に音が漏れないようにしておくことが大切です。
3は、自分の安全を確保するために必要なことです。音や声が聞こえないと、万が一の時に逃げ遅れたり、不利益を被ったりすることがあります。集中していると周りの音が聞こえなくなるかもしれませんが、それでも周囲の音を聞き取れる状態にしておいてください。2との関連で考えると、イヤホンは片耳掛けタイプのものがいいのかもしれません。
4は当たり前のことなのですが、避難所での生活は避難所運営委員会で取り決めた時間に従わなければいけません。そのため、就寝時間が来たらそれ以降はやらないことです。また、朝も起床時間まではおとなしくしていましょう。
最後の5は、ネットワーク接続のゲームだと、被災後の通信環境にかなり負荷をかけることになってしまうからです。また、被災した環境ではネットワークを安定して維持できる状況にもないと思います。そのため、遊ぶのであれば単独で通信環境の影響を受けないゲームにしておくことをお勧めします。
避難所では、本当は個人が一人で遊ぶゲームよりも周囲の人と一緒に遊べるゲームの方が気が紛れることが多いですが、全ての人がそれで気が紛れるわけでもありません。
自分の気持ちが平穏に維持できるのであれば、避難用荷物の一つに携帯ゲーム機を加えておいてもいいと思います。
ただ、携帯ゲーム機は音や光で周囲にいやな思いをさせることも多い遊び道具ですから、周辺への配慮を忘れずにいたいものですね。
防災に取り組む理由・取り組めない理由
災害列島と呼ばれ、毎年複数箇所でさまざまな災害に見舞われている日本列島に住んでいるのに、どういうものか毎回逃げ遅れや悲惨な避難所の話が出てきます。
耐震補強やタイムラインなどを整備し、非常用持ち出し袋の準備や避難経路を決めておくなどの作業をしておけば自分が助かるのに、どうして同じことが繰り返されるのでしょうか。
いろいろな被災者の方の書かれたものを読むと、「まさか自分が」や「考えてなかった」といった言葉があちこちに出てきます。逆に備えていた人は「当たり前のことを当たり前にやった」といった言葉が出てきます。
同じ地区で隣同士に済んでいても、対応が真逆になることも多いのです。
内閣府防災の調査では、災害に対する備えについての質問に対して約半数の人が「何も準備していない」と回答しています。
今まで日本は「空気と安全はタダ」という認識でしたからそれも仕方がないことなのかもしれません。政治や行政も住民に対して良いことばかり行ってきた結果でもあると思います。被災したら行政が全て面倒を見てくれると思っている人もいるそうですが、行政はいちいち一人一人の面倒など見てはくれません。
阪神淡路大震災から後、政府は3日分生活できるだけの物資を各自で準備するように方針を変えました。東日本大震災の後は、1週間分程度準備した方がいいかもしれないという風に変わってきています。
つまり、自分の命は自分で守るしかないのですが、いつくるかわからない災害に備えるというのは、優先度をどのようにするのか判断に迷うこともあると思います。
防災対策は普段は取り組んでいても取り組んでいなくても目には見えないしわからないものです。準備や訓練をしている姿を見られるのがかっこわるいということもあるかもしれません。でも、一度被災してしまうと、備えていた人とそうでない人は明確に差が出ます。備えていた人の復旧・復興はかなり早いですし、すべきことが整理されているので無駄もありません。逆に備えていない人は、まず何が起きているのかの把握から話が始まるので、初動が遅れますし見える世界は全てネガティブなものですから絶望にとらわれてしまうことも多いと思います。
災害後に自殺する人が増えるのは、先の展望が見えないせいが大きいと感じていますが、災害なんかで死なないためには、あらかじめ準備して備えておくことがかなり重要なのではないかと思っています。
いつ起きるか分からない災害に備えることは、あるいは無駄になるかもしれません。でも、万が一に備えて準備しておくことが自分を助けることになる。
できない理由、やらない理由はいくらでもあげられると思いますが、やる理由、やれる理由を探して備えておくことが大切なのではないかと思っています。
ただ、被災した人であっても備えていない人もたくさんいますから、そういう人にやる気になってもらうのはなかなか難しいなとも思いますが。
社会的弱者こそ自己防衛する
小はアレルギーから大は人工呼吸器まで、日常生活を送る上において何らかの支援や配慮を必要とする人がいます。
普段の生活ではそこまでの苦労はされていないと思いますが、災害時にはこういった人達に対する支援や配慮は無くなってしまいます。
ある程度復旧して人心が落ち着いてくればそうでもないのですが、被災直後の混乱の中では社会的弱者に対する支援や配慮は忘れ去られてしまうことが多々あり、社会的弱者の人は精神的にも物理的にも悲惨な状態になることもあります。
そういう人達は、あらかじめ自分で対応策を準備しておかないと救助や支援の流れから取り残されてしまうことになります。
大規模災害における支援活動は、大多数の人を救済することが主となりますので、さまざまな理由で少数派になっている人達に対する支援はどうしても遅れてしまいます。
一例を挙げてみると、食物アレルギーを持っている人は、普段の生活ではアレルゲンを排除した食生活をしていると思いますが、被災後に何も用意が無ければ、アレルゲンが入っているかもしれない食事を食べるか食べないかの判断の要求されることになってしまいます。
避難所で支給される弁当にはアレルゲン表示がある場合もありますが、食べない、食べられないという選択をした場合には代わりに食べられるものが存在しないのです。
そういったとき、自分でアレルゲン除去してある食事を持っていれば、ひもじい思いもいちかばちかの悲惨な選択もしなくて済みます。
普段の生活で透析が必要な人はどうでしょうか。自分だけでは対応が難しいかもしれませんが、いざというときにかかりつけの代わりに透析してくれる病院をあらかじめ紹介しておいてもらえば、被災後にその病院へ移動して継続して透析を受けることができるでしょう。
社会的弱者は、災害からどのように身を守るのかということについては、そうでない人よりも真剣に対応策を考え、準備しておかなければなりません。
災害時には人間関係が先鋭化します。その時に生け贄にされないためにも、自分で身を守るための対策を普段から考えておきたいですね。
支援物資の行方
大規模災害が発生すると、SNSやマスメディアなどで盛んに「〇〇が不足しています」という情報が飛び交います。
それを聞いた人達はなんとか支援できないかと買い出して宅配業者さんにその荷物を託すことが多いのですが、ここでちょっとした問題があることを考えていただければと思います。
一つ目は、発信されている情報がいつ時点のものなのかということです。確かに情報を発信した時点では不足してるかもしれませんが、その後何らかの形で物資が足りているという可能性があります。
これについては、SNSで発信する人達がいつ時点の情報なのかを本文中に書くようにしたり、複数のSNSの発信を追いかけることである程度の状況は把握できると思います。
二つ目は、宅配業者さんの配達網が現地で完全に確保されているのかということ。大規模災害でもエリアが限定的であれば、宅配業者さんは条件付きで配送を受け付けることが多いです。
条件付き、というのは、例えば「いつ届くのかは確約できない」や「場合によっては届けられない」という内容ですので、送られたアイテムは必要な時に必要な場所に届かないということを理解しておく必要があります。
そして、それらのアイテムには使用期限がついています。大量に届いたアイテムは保管場所を取られるばかりか、使用期限が切れるとただのゴミとなり、処分費は届けられた自治体の財政を意図せずに圧迫することになります。
例えば、国内の大規模災害時に大量に送られてくる古着などは、その多くがゴミとして処分されているのですが、あなたはそのことをご存じでしたか。
また、九州北部豪雨で送られた大量の水のペットボトルがその後どのようになっているかを調べたことがありますか。
善意から送られたアイテムであっても、必要な時期、必要な場所に届かなければかえって迷惑になることがあることを知っておいてください。
では、タイムリーに届けるために、そういったアイテム類を直に届ける場合にはどうなるのか。
幹線道路が確保されており、支援物資を届ける車両の通過が許可されている場合には、要求のあった避難所に直接届けることは可能だと考えます。
ただ、現地が混乱している状況で物資を届けようとする場合には、送る側にもそれなりの覚悟がいります。道路が寸断されていたり、通行止めになっていたり、目的地の手前で何百キロも迂回を余儀なくされる場合もあると思います。また、送り届けるための車両の燃料も自力で調達しておかなければなりません。それから、現地に届けたとしても、すでにその物資が充足していて持ち帰ることになることも可能性としては考えられます。
それでも届けたいという強い意志があるのならば、要求のあった避難所と調整をして持ち込んでもいいでしょう。
誤解の無いように書いておきますが、多くの人の善意が無駄だと思っているわけではありません。
情報が発信された時点では、間違いなく不足している物資なのですから、助けてあげたいという気持ちで送る気持ちになることは大切だと思います。
ただ、それが無駄になったりゴミになったりしてしまうようなことはしないで欲しいということです。
私自身は、現地の支援団体や自治体に現金を寄附するか、もしくはAmazonなどが行っている「欲しいものリスト」を使った被災地支援を行った方が効率的だと考えています。
必要なものや必要な場所は時間とともに変化していきますから、その変化に対応できて必要とされるものを必要とされる分届けることのできる方法を取った方がよいのではないでしょうか。
支援は受ける人もする人も幸せになってこそ意味があると思うのですが、あなたはどう考えますか。
【活動報告】第4回高津小学校防災クラブを開催しました
去る12月2日、高津小学校のクラブ活動の一つとして採用していただいた防災クラブの第4回目を行いました。
今回は前回選んだけれどできなかった校内安全点検とビニール袋で防寒着作りの2種類の内容を同時に開催することにしてみました。
当研究所初の講師二人体制での実施でしたが、子ども達はそれぞれに楽しんで作業をしてくれ、怪我もなく無事に終了することができました。
校内安全点検では、限られた時間でしたが校内を見て回り、安全な場所危険な場所の点検をして地図を作成してくれました。
防寒着作りでは、ビニール袋を利用した防寒着をそれぞれの発想で自由に作ってもらい、実際に着てみて「暖かいね」という感想をもらい、最後は記念写真をそれぞれに撮ってみました。
限られた時間ですが、さまざまな体験をすることによって子ども達が自分たちでもできることをたくさん見つけ、実際に行動することで子ども達も大人達も防災意識を高めていくことができるといいなと思っています。
今回参加してくれた子ども達、そして担当の先生にお礼申し上げます。
防災対策は場所ごとに異なるものです
防災関係の本を読んでいるといろいろと勉強になることや面白いことが書いてありますが、基本的には誰が読んでもいいように汎用性を持たせて書かれているようです。
でも、それぞれの防災行動に落とし込んでいくと、同じ対策でも住んでいる場所や位置によって対策が異なる場合が出てきます。
それを無視して準備や備えを行っていくと、いざというときに逆にトラブルを招いてしまうことが起こりえます。
災害対策はオーダーメイドのハンドメイドでやっていったほうが、最終的にうまく自分の身を守ることができるのではないかという気がしていますので、もしもあなたが防災関係の本を読んで備えようと思っていただけていたなら、書かれていることとあなたの置かれている状況を考えて適宜修正していくといいと思います。
例えば、自分で準備する災害食は3日~1週間分を準備しなさいと言われていますが、都会地と地方では準備すべきものが異なります。
都会地では自分に必要なものは全て準備しておく必要がありますが、地方で水に浸からないような場所で田畑を作っている人は、災害食を準備しておかなくても倉庫にはお米、そして畑には野菜があると思います。そうすると、全てを準備しなくても、缶詰や何かを用意しておけば当座は充分凌げるでしょう。
また、水の確保でよく出てくるお風呂の残り湯ですが、これを置いておくことが正解の場所と、そうでない場所があります。
一軒家やアパートなどの1階にお住みであればお風呂の残り湯は置いておく方が後で水に困らなくて済みますが、2階以上のアパートなどに住んでいる人は、残り湯は速やかに抜いておいた方が後のトラブルが少なくて済みます。
二階以上が地震で揺れると、風呂の水は風呂桶からこぼれ出します。そのこぼれた水が床下に流れ込んで、階下での水漏れ騒動になり弁償するような場合もでてくるのです。
一つ一つは小さなことですが、あなたが快適に被災後も生活をするために、自分に必要な防災行動を考え、準備しておいてくださいね。