熱中症と水の飲み過ぎ

 熱中症対策で水分補給がずいぶんと言われるようになりました。
 運動時に限らず、経口補水液やスポーツドリンクなども割と手軽に摂取され、昔に比べると脱水症状は発生しにくくなっていると思います。
 ただ、今度は水の飲み過ぎという問題が起きやすくなっています。
 一日に必要な水の量は、その人の水の代謝や運動量、汗のかきかたなどでかなり変わってきます。
 同じ人でも居る環境や状況で摂取する水分量は変えていく必要がありますので、一日の水分摂取量はあくまでも一般的な目安として考えた方がいいでしょう。
 水の代謝、つまり水分を取ってしっかりと汗をかいたり尿として排泄できればいいのですが、様々な理由で摂取している水分が汗や尿に変わらないと、水の取り過ぎによる夏バテが起こります。
 身体がだるくなって、のどが渇くのに水は飲めないという非常に困った状態になりますので、極端に水を飲むのもあまり良くないです。
 そういう状態になったときは素直に病院にかかるのも手ですが、1度試して見て欲しいのが市販されている漢方薬の一つ「五苓散」です。
 五苓散は体内の水分調整をしてくれる働きがあり、めまいや夏バテ、口の渇きなどがあるのに水分が取れないときに活躍します。
 体内の水の状態を調整してくれることから、我が家では熱中症予防として服用することもありますが、漢方薬ではその人にあうあわないが非常に顕著ですので、1度試して見て合わないようなら止めてください。
 また、作用や副作用が気になる人はお近くの病院の漢方外来、または薬局薬剤師に問い合わせてみることをお勧めします。
 最後に、今回ご紹介しているのは「薬」ですので、服用はあくまでも自己責任でお願いします。

避難の姿あれこれ

昨日は自治体から避難指示が出て、筆者も実際に避難したのですが、地域ではさまざまな出来事が起きていました。
遠方に住んでいる子どもさん達から「逃げなきゃコール」の嵐を受けて高台の身内のお宅へ避難した方、自治会や近所の人の声かけで避難所に避難した方、自分の避難計画に従って避難場所や一時避難所に移動した方、そして避難しないという選択をした方もいれば、お隣が避難しないからうちも避難しないという方まで、さまざまなバリエーションで避難という動きをしていました。
避難するのは確かに基本なのですが、河川情報や雨雲レーダー、天気図の情報を独自分析して避難しないという選択肢は、正直なところありだろうなと思います。
また、避難は必ず避難所へ避難しなければいけないわけではありませんから、自分が心安いところへ避難するのもいいと思います。
隣人が避難しないから避難しないというのなら、隣人が避難するときに声をかけてもらうようにあらかじめお願いしておけば、置き去りになることはないでしょう。
要は、自分の判断や置かれた状況で避難するかしないかの判断をすればいいのです。
さまざまなご家庭がありますから、避難できないお宅も当然あります。二階以上の垂直避難しか選択できない場合もあるでしょう。
避難で何が問題になるのかというと、被災後、誰がどこにいるのかわからないということですから、隣近所で誰がどこへ避難しているのかを把握しておけば、被災後に助かっているのか救助が必要なのかが判断できます。
そして、自治会や行政が全ての人の避難計画を知らなくても、誰が知っているのかだけ把握しておけば、初動は非常に楽にできます。
避難をするときにはできるだけ近所や親類、友人など、誰かに行き先を告げておくことで、その人がどうなっているのかの予測ができるようになります。
実際にはなかなか難しいかもしれませんが、自分がどこへ避難しているのかを自分以外の誰かがわかるようにしておきたいものですね。

実際に避難してみた

 今日は台風9号の影響で地元の川が氾濫危険水位まで上昇し、流域の人達に避難指示が出されました。
 我が家のある地域もその河川の流域に含まれているのですが、川の情報を見たところ増水傾向が続いていたので実際に避難を行う判断をし、準備を開始しました。
 家族全員で避難準備を始め、完了までに約40分。非常用持ち出し袋はそれぞれ持っていたのですが、持って行けない大切なものを二階に移動させる手間でそこまで時間がかかってしまったようです。
 また、通常は実家に避難する設定にしており、避難所へ行く想定はしていなかったので、地域の避難所に何が必要なのかという判断に手間取り、思った以上に時間がかかってしまいました。
 ここから見えることは、大切なものをどの段階でどこへ移動させておくのかを事前に決めておくことと、地域の避難所の物資の状況の把握が必要だということです。
 結局、避難所には行かず、普段避難場所として決めていた高台に移動して様子をみることにしたのですが、さまざまな段取りをつけておかないと避難開始までの貴重な時間を使ってしまって間に合わなくなるということがよくわかりました。
 普段割と訓練をしていると思っていたのですが、いざ本番となるとさまざまなトラブルや勘違い、行き違いが発生してドタバタしてしまうものです。
 できるだけさまざまな想定を考えて訓練しておくことと、今回の状況をきちんと整理して次回に活かす必要があるなと感じた避難でした。

風による被害を防ぐ

 台風による被害は、雨と風によるものですが、風による被害は事前準備をしておけばある程度防ぐことが可能です。
 まずは風によって発生する被害ですが、ものが倒れる、ものが飛ぶ、ものが壊れるといった、ものの被害が多いのが特徴です。
 このうち、家の周りを片付けて飛ぶものをなるべくなくすのは基本中の基本ですが、他に飛ぶものとして、瓦や雨どい、そしてテレビアンテナがあります。
 年に1回程度は屋根の点検や雨どいの取り付け、アンテナの固定の確認もしておくと安心です。
 毎年、数はわかりませんが台風は必ずやってくるワケなので、台風シーズンに入る前の天気が良いときに点検をしておくといいでしょう。
 もっとも、熱中症の心配をしておく必要はあるのですが・・・。
 そして、窓には飛散防止用フィルムを貼っておくこと。飛散防止用フィルムが貼られていない場合には、窓ガラスに養生テープなどで即席の飛散防止対策を施した上で雨戸やカーテンをしっかりと閉め、いざというときに備えます。
 窓が破られると部屋の中を風が舞うので、屋根が飛ばされたり家財が飛ばされたりと被害が甚大になります。
 もし窓が割れても部屋の中に風が入ってこないように対策はしっかりと取っておきましょう。

【活動報告】有害鳥獣対策その後・5

 有害鳥獣対策ということで、住宅地に出没するイノシシの捕獲が継続中です。
 前回捕獲してから1ヶ月弱になりますが、先日また一頭捕獲することができました。
 同じ檻に1ヶ月程度で再びかかるのは珍しいですが、出没している頭数が多ければこういったことも起こりうるのかなと思います。
 ちなみに、今回捕まったやつはサイズが小さかったので監視カメラを確認してもらったところ、親子連れの子を捕まえたことが判明。
 監視カメラには、母イノシシを始めとする7頭のイノシシが映っていたとのこと。
 施主様及び市役所様からは引き続き捕獲作業を行ってほしいとのご依頼をいただき、捕獲業務を継続することになりました。
 現地では現在檻が2基稼働していますが、それぞれに違ったイノシシが寄ってきているようで、引き続きイノシシとの知恵比べが続きます。
 イノシシに限らず、野生動物は一度居着くと排除するのがかなり大変です。
 事故を防ぐためにも、不要な果樹の撤去や伐採、生ゴミを放置しないなど、えさとなるものを出さないような対策をしっかりとすることが大切です。
 また、隠れ場所となる茂みなどをできるかぎり皆伐し、イノシシの姿が見えるようにしておく必要もあるのかなと思います。

台風の風

 今週から来週にかけて、2つの台風が本土を通過するかもしれない予報が出ています。現時点ではさまざまな要因が複雑に絡み合っていて、予報円がものすごく大きくなっているのでこの後どうなるのかはわかりにくいのですが、それでも直撃すると雨風がひどくなるのかなとは思っています。

 ところで、台風は上空から見て右側と左側で強さが異なっていることはご存じですか。
 極端に強さが違うわけではありませんが、左側に比べると右側の方が風雨が強いです。台風の衛星写真を見てみるとわかりますが、中心の目からみて進行方向右側が大きく雲を従えていて、左側はそうでもないことが見て取れると思います。
これは台風の回転が反時計回りになっているため、台風が進む風と台風自身の風が合わさることで左側に比べて勢いが強くなっています。
 また、台風の目の部分は無風地帯であることが知られていますが、目の形がはっきりしているものは勢力が強いです。そして、その目の周囲が最も風の強い場所となっているので注意が必要です。
 最後に、風は狭い場所を通るときに力が強くなります。
 そのため、入り江や谷間、ビルの間といった場所では実際の台風の勢力以上の強風が吹くことがありますので、台風が来ているときにはできるだけそういった場所を避けた方が無難です。
 ここ最近海水温が高い状態で推移していますので、台風も勢力を維持、どうかすると勢力を増しながら本土に近づいてくることも増えました。
 台風シーズンになる前に、屋根や雨樋などの修理、側溝の掃除、家の周りの片付けなどを行って、いざというときに慌てなくて済むようにしておきたいですね。

日焼けとやけど

 日焼けはやけどの一種ということはあなたもご存じだと思いますが、やけどでは水で冷やしたり薬を塗ったりするのに、なぜか日焼けではそこまで神経質にはならないようです。


 肌の弱い人では、日焼けすると真っ赤になったり水ぶくれができたりすることもありますので、日焼けもやけどと同じような手当が必要になります。
 やけどでは、やけどした箇所をいかに早く長くしっかりと冷やせるかがその後の処置の鍵となりますので、日焼けでももし肌が真っ赤になっているようでしたら、しっかりと冷やして日焼けがそれ以上進行しないように気をつけておきましょう。
 単に真っ赤になっているだけだと大したことないと思うかもしれませんが、真っ赤になるだけでも面積が広くなると全身に出てくる症状はひどくなります。
 例えば、全身が日焼けで真っ赤になっている状態で全身の倦怠感や吐き気などが発生した場合には、その原因に日焼けを疑ってみた方がよさそうです。
 また、冷やすには一般的には冷水を使うことが多いですが、非常時には冷却スプレーや瞬間冷却剤でも役に立ちますので、しっかりと冷やすことを主眼に手当をするようにします。
 もしも水ぶくれができているときには、その水ぶくれを破くと化膿する恐れがありますので、水ぶくれが破れないようにガーゼなどで覆った上で病院に行って処置をしてもらいましょう。
 非常時で病院処置ができない場合には、炎症を抑える働きのあるステロイド剤を配合した軟膏を塗っておきます。
 日焼けの予防法としては、やはり肌の露出している部分全体にしっかりと日焼け止めを塗ること。日焼け止めは汗で流れることも多いので、休憩のたびにしっかりと塗り直すようにしてください。


 そしてできるだけ直射日光に当たらないような服装を意識しておくことが重要です。
 また、火照る程度の日焼けであれば、以前ご紹介したカーマインローションなどを使うと割と早く肌が収まりますので使うことも考えてみて下さい。

輻射熱に気をつける

 暑い日が続きますが、それでも健康のためにということで、早朝や夕方、夜間に散歩やランニングをされる方は多いようです。
 その時に一つだけ気をつけておいて欲しいことがあります。
 それは、アスファルトからの輻射熱。
 アスファルトは熱を蓄える性質があり、地面に近づくほど気温が上がりますので、大人よりも子ども、子どもよりもベビーカーにのる赤ちゃんや散歩しているイヌの方がより暑さにさらされているわけです。
 直射日光を防ぐということでサンシェードを出してお散歩しているベビーカーを見ることがありますが、地面からの輻射熱でベビーカーの中が煮えている可能性もありますので、風通しよくして、温度管理には細心の注意が必要です。
 また、イヌの散歩をするときに、アスファルトからの輻射熱だけで考えれば夕方や夜間よりも早朝の方が安心できると思います。
 ついでに書くと、着用している服も黒いものよりは白いものの方が熱を反射してくれますから、色も意識してもらえるとより安心できると思います。
 アスファルトは熱を貯めて夕方から夜間にかけてゆっくりと放熱する性質があります。そのため、都会では夜間でも気温が下がらないヒートアイランド現象なども起きやすいです。
 あまり意識はしていないかもしれませんが、地面からの輻射熱にも意識を向けておきたいですね。

雷に気をつける

 夏の天気で夕立とセットでよく出てくるのが雷です。
 雷は湿った空気が上昇気流によって上空に集まった水蒸気が凍ってぶつかることで空気が帯電し、限界を超えたときに地上に逃げる電気を指します。
 昔は雷が光ってから音がするまでの時間を計って安全かどうかを確認していましたが、現在では「音が聞こえる=雷が落ちる危険性がある」という整理がされています。
 この雷、雲の量や大きさによって数分から数時間暴れるわけですが、どうしたものか尖ったものに集まる習性があります。
 そのため、雷の中で傘をさして歩いていたりすると、落雷する危険性が上がりますので注意が必要です。
 また、雨宿りするときには木の下は避けましょう。もしも木に雷が落ちると木よりも電気を通しやすい人体に雷が飛んできてしまって大けがをすることがあります。
 落雷時には、なるべく姿勢を低くしておくことが望ましいです。なるべく姿勢を低くして、近くの建物などに逃げ込むのが身を守る方法です。
 雷は割と予測しにくいようで、雷注意報が出ていてもなんともないこともあれば、何も出てないのに雷が鳴りまくっていることもあります。
 空中放電や雷の音が聞こえたら、なるべく早く近くの建物などに逃げ込む、逃げ込めない場合は、身につけているもので身体から出ている突起類を可能な限り収納し、できるだけ低い姿勢でやりすごす。
 雷は当たるとよくて大やけど、へたすると死んでしまいますから、雷が鳴ったら、できるだけ早く安全対策を取るようにしてくださいね。

【活動報告】川遊び体験会を開催しました。

 令和3年8月1日、会員様からのご要望で益田市隅村町の匹見川で川遊び体験を開催しました。
 当日は非常に良い天気で、最近雨が降っていないことから水量も少なく、小さな子でも割と安心して遊べるような状態のなかの川遊び。
 今回はあまり難しいことはいわず、川に飛び込んだり流れてみたり、魚を網で捕まえようとしたり、水辺の生き物を観察したりと、それぞれに遊びを楽しんでいました。

川の流れの強さを渡ってみることで体験してみる。


 とはいえ、水の怖さを知ってもらうという意味も込めて、目標を決めて流れを横切って渡ったのに思った場所にたどり着けないことや、流されたときに流れに逆らって泳いでもまったく進まない体験などをしてもらい、ライフジャケットでの流れ方や浮き方なども体験してもらいました。

両手両足を広げて浮いてみる。顔を起こして流れる先が見えるのはライフジャケットの効果。

 参加した子ども達はライフジャケットを着たり脱いだりしながら川での浮き方やライフジャケットの調整法を体験し、ライフジャケットを正しく着ると安心して遊べると感じてくれたようです。
暖かかったこともあって途中休憩を挟みながら2時間、しっかりと川遊びを楽しみました。


 ちなみに、川魚はすばしこくて一匹も捕まえることができず、当所研究員は悔しがりながらそれでも写真を撮っていました。
 今シーズンは会員及び会員のお友達に限定しての企画となっていますが、親子や家族で一緒に水の楽しさや怖さを知ってもらえたらうれしいです。
 突然の開催にもかかわらず参加していただきました皆様にお礼申し上げます。