災害時にどんな履き物を履いて避難するのかということについて考えたことがありますか。
持っているイメージとしては、水害の時には長靴、それ以外は履き慣れた運動靴という感じになるのだと思いますが、実際のところは発生する災害によって最適な履き物が異なります。
例えば、水害の時には水が溢れていない時期に避難するのであれば長靴で正解なのですが、水が溢れているまたは水の中を歩くときには長靴は向きません。
というのも、長靴は水が中に染みこまない作られているため、中に水が入ったときにも水が抜けないという問題があります。
溢れている水や水の中の避難をする場合には、かなりの確率で長靴の中に水が入ってきますので、そのまま歩き続けると長靴の中に溜まった水がおもりになって歩きにくくなることが起こります。
もちろんサンダルは何があるかわからない水の中を歩くのには不向き。一番いいのはマリンシューズということになります。
ただ、マリンシューズは素材が柔らかく、水中に何かとがったものが沈んでいたりしてそれを踏んづけると大けがをしてしまうことがあります。
消去法で運動靴がバランスが一番いいのかなと思います。
ただ、この運動靴も避難所での生活と言うことになると脱着が非常に面倒くさく感じ、サンダルがほしくなります。
また、後片付けを始めると長靴の必要性を痛感すると思います。
さまざまな靴があるので、それぞれの目的に応じて使い分けるようにしていただければと思いますが、一つだけ注意してほしいのが、マリンシューズのところでも触れましたが尖ったものの踏み抜きです。
汚染されたもので怪我をすると、それがさまざまな病気の元になりますので踏み抜き防止の中敷きをしっかりと入れておいてください。
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非常用行動食を選ぶ
普段持ち歩くカバンに災害発生時に備えて非常用の行動食を準備しておくといいと思います。
非常用行動食というと、一般的にはスニッカーズのようなヌガーバー、カロリーメイトやSOYJOYのようなクッキータイプ、シリアルバーなどがよく挙げられるのですが、筆者としては羊羹を押したいところです。
理由は、密封された羊羹の個包装は賞味期限が長いこと。そして折れず、溶けず、開封して水無しでも食べることができるからです。
構成分は寒天、餡、そして砂糖で、疲れたり弱ったりしている内臓にも負担が少なく、それでいてしっかりとした熱量が確保できるだけのカロリーもあります。
何よりも、カバンに放り込んでも少々のことではパッケージが破れず、破損が少ないと言うことが最大のメリットだと思います。
もちろん人によっては羊羹が駄目な人もいると思います。
そう言った方は取り扱いに注意してクッキータイプの行動食を持ち歩けばいいと思います。
ヌガーバーは取り扱いがしやすく一本ですごく満足感のあるありがたい行動食なのですが、夏場の暑さには非常に弱くチョコが溶け出してしまうので、持ち歩くなら夏以外の季節がいいと思います。
また、ドリンクタイプの行動食もあるのですが、カロリーや栄養素には問題はないのですが、飲むだけなので「食べた」という心の満足感が得られないかもしれません。
あと、行動食で気をつけないといけないことは、間違ってもカロリーオフやカロリー0のものを選ばないことです。
非常時に栄養補給するために準備しているはずなのに、カロリーがとれないのでは意味がありません。
例えばあめ玉をカバンに入れておくのも一つの方法なのですが、そういったときには糖分のしっかりはいっているものを選ぶことをお勧めします。
ちなみに、これらの行動食を普段のおやつとして食べると、普通の生活をしている人だと確実に体重が増えますからご注意を。
安全と経費
講習会などで安全の確保の話をすると、ほぼ必ずといって良いくらい「安全確保にかけるお金が無い」という話が出てきます。
非常用持ち出し袋の話をすると、市販品は高いから買えないとか、どうせタンスの肥やしになるといったお返事が。
耐震補強の話をすると、耐震診断や耐震補強にかけるお金がない。
ではどうやって命を守るのだろうかと聞くと、「その時になって考える」とか「それまでには死んでいる」といった答えでがっかりします。
安全はある程度まではお金で買うことができるものです。一度にお金をかけるのは大変でも、少しずつでも準備を進めていけばそれだけ生き残れる確率は上がります。
例えば、非常用持ち出し袋の準備では、無理に市販品を買わなくても自分で少しずつ買い足していけば自分にぴったりのものができます。
家の耐震補強は無理でも、寝室を一階から二階へ移すとか、寝室だけ耐震補強するとか、耐震ベッドを置くとか、少ない経費でできることはいろいろとあります。
確かに、よいものを一度に揃えても、使わなければタンスの肥やしですし、使えなければ意味がありません。
非常用持ち出し袋に必要とされるものは人によって異なります。
防災用品はものによって値段もいろいろですから、まずはお試しの品物を準備し、実際にキャンプやピクニック、BBQなどで使ってみて、必要性を感じたら高性能なものを準備していけば失敗はないと思います。
今は百円均一ショップでもさまざまな防災グッズが売られていますので、それらで試してみるのも楽しいと思います。
高額なものよりも百円均一ショップのものが性能がよかったり、やっぱり百均かぁとがっかりしたり。そういったことを繰り返していく中で自分だけの装備が揃っていくのです。
ちなみに、雨具だけはできるだけ透湿性の高いアウトドア用の機能を持ったものを準備すべきだと思っています。
登山など長い時間着用しても快適に過ごせるように作り込まれていますので、暑さ寒さをしのぐウェアとしても快適に使うことができると思います。
せっかくこの世に生まれた命です。災害なんかで死んでしまうのはもったいないと思います。いきなり全てを完璧にすることは無理でも、できる範囲で備え始めれば必ず役に立ちます。
防災関係の予算を支出する優先度を少しだけ上げて、自分の命を守って欲しいなと思います。
川遊びにライフジャケットを
連日暑い日が続くようになりました。海や川など、水遊びの季節です。
今年は新型コロナウイルスの影響で仲間達と海や川へ遊びに出かけて大騒ぎはできませんが、家族でこじんまりと楽しく水遊びというのもいいのではないかと思います。
ところで、川遊びの時にライフジャケットはつけていますか。
どういうものか、川遊びをしている人はライフジャケットを着けていない人が多い気がします。
海に比べれば波も無くて安全と言うことなのかなとも思いますが、浮力に関して言えば、海よりも川の方が浮力は低いですので沈みやすいですし、堰堤や橋脚の周囲では川の流れ方が変わって川底へ沈むような水流が発生していることもあり、流れが速いと吸い込まれてしまうこともあります。
浅い場所でも油断はできません。足のつく場所でも川の上側と下側で流れが異なり、足を取られておぼれてしまうことがあるからです。
ライフジャケットは身体に浮力を与えてくれる安全装置です。泳いだり遊んだりするのに邪魔にはなりますし陸にいると非常に暑いですが、浮力の足りない川で安全に遊ぶためには絶対に必要なものだと筆者は考えています。
ただ、ライフジャケットを着けていても、堰堤や橋脚の周りで水中に空気分が多いと浮力を失うこともありますから、ライフジャケットをつけているから完璧というわけではなく、自分たちで安全に遊べる場所も考えなければいけません。
そういった知恵を巡らせながらの川遊びは、普段とは違った楽しみ方ができると思います。
海や川で遊べる期間は短いですが、ライフジャケットを着けて安全を確保し、楽しい水遊びをしてほしいなと思っています。
消毒あれこれ
消毒薬についてはいろいろとあるのですが、今回のコロナウイルス騒動を見ていると、かなりあちこちで混乱が起きているような気がします。
今回は間違いやすい消毒液についてちょっとだけ触れてみたいと思います。
1.エタノールとメタノール
学生時代に理科や科学の授業で教わったと思いますが、アルコールにも大きく分けると二種類のものが存在します。
一つはエタノール。これはエチルアルコールで、「消毒用アルコール」「消エタ」と呼ばれています。一定濃度でウイルスや細菌を殺傷できる能力があることから、今回の新型コロナウイルス騒動では店頭から消えて無くなってしまい、普段から医療ケアが必要とされている方に届かなくなってしまいました。
消毒に使えるのは60%から95%の濃度のエタノールです。濃度が95%以上ある無水エタノールというものがありますが、こちらは濃度が高すぎで薄めないと消毒効果がありませんので気をつけてください。
もう一つはメタノール。これは工業用アルコールで、アルコールランプなどの燃料用として使われるものです。人体に使うのは危険です。戦後、アルコールの無かった時期にこのメタノールを飲んで失明や亡くなった方もたくさんいたそうで、呑むと目が散るアルコール、つまりメチルアルコールと覚えろと筆者は教わりました。
2.次亜塩素酸ナトリウム液と次亜塩素酸水
同じような名前なのですが、効果は全く異なります。
次亜塩素酸ナトリウムは、ハイターなどの塩素系漂白剤を希釈すると作ることができ、主に食器やドアノブ、テーブルやいすといった「物の消毒」に使います。
強アルカリ性ですので、手指の消毒など人体に直接使用することは厳禁です。また、霧吹きやスプレーで空気中に散布することも止めてください。
次亜塩素酸水は塩化ナトリウム水溶液を電気分解したりして得られるもので、基本的な用途は次亜塩素酸ナトリウムと同じく「物の消毒」に使うようにしてください。
次亜塩素酸ナトリウムと比較すると使用期限や濃度など気をつけないといけないことがかなり多いです。時間による劣化が早いこと、有機物や紫外線によって分解されてしまうこと等、取り扱いには気をつける必要があります。
いろいろと騒動になっているのですが、製品評価技術基盤機構、通称(NITE)の試験結果では次亜塩素酸水での殺菌はかなり量が必要だということでしたので、空気中に散布することは止めた方が無難かなと、筆者は考えています。
ともあれ、この二つは名前はよく似ていますが作り方や性質はかなり異なるので混同しないようにしてください。
ちなみに次亜塩素酸ナトリウムはアルカリ性、次亜塩素酸水は酸性です。
消毒液にはいろいろとあっていずれも一長一短があります。
手の消毒で一番確実なのは流水を使って石けんでしっかりと手洗いすることみたいですが、消毒液を手配するときには事故が起きないように、消毒の目的にあった消毒液を準備すること、そしてまぎらわしいものがあるので充分気をつけてください。
【参考資料】
新型コロナウイルスに対する消毒方法の有効性評価について最終報告をとりまとめました。~物品への消毒に活用できます~(製品評価技術基盤機構のウェブサイトへ飛びます)
籠城の準備は大丈夫か
災害が起きるとき、常に家にいるとは限りません。
日中であれば、多くの人は職場や学校といった場所で被災するのではないでしょうか。災害が発生した後、すぐに家に帰ることができれば良いのですが、実際のところは職場や学校で一夜を過ごすという事態も起こりうると思っています。
では、あなたはそんなときに一晩無事に過ごせる装備を持っているでしょうか。
職場のロッカーや自動車のトランクなどに、あなたが一晩過ごせるだけの装備が入っていますか。お腹が減るのは我慢できても、のどが渇いたりトイレにいきたくなったり、寒さをしのぐのはかなり難しいことなのではないかと思います。
できれば非常用持ち出し袋、駄目でも防災ポーチくらいは備えておいて、自分の命を守れるようにしておきたいですね。
そういえば、小学生や中学生では余計なものは持ってこないように指導されており、例えば防災ポーチなども「余計なもの」に分類することも多いと聞きます。
では代わりに一晩越せるものがきちんと学校に置かれているのかというと、指定避難所になっている学校でもせいぜい「毛布」というお寒い状況ですから、通常の学校にはまず装備は無いと考えて良いと思います。
ではどうすればいいのか。どうやったら自分の身が守れるのかを考えておかなければ、いつになっても身体を寄せ合って暖を取る過酷な籠城から脱出することはできません。
命を守るためにどうすればいいかをしっかりと考えて、何を用意しておいたらいいのかについて検討し、あなた自身の命を守る準備をしておきたいですね。
お鍋でご飯を炊いてみよう
先日、ご家族の災害備蓄品についてどのようなものがいるのかについてご質問をいただきました。
さまざまな場所で非常用持ち出し袋や備蓄品についてのお話を聞いておられる方は多いと思いますが、具体的な準備と言うことでさまざまなお話をさせていただきました。
その中でキーポイントとなるのが水とご飯です。副食は缶詰やレトルト、食べられる山野草や野菜があるのでなんとかなるとして、水の備蓄とご飯の備蓄についてどの程度必要なのだろうかということになり、少し考えてみました。
その方のご家族は3名ですので、飲料水の分量を考えると一日6リットル。3日で18リットル、7日だと42リットルが必要となります。市販品のペットボトルの2リットルの水が一箱6本ですので2日分。4箱あれば間に合うという計算になります。
次にご飯、つまりお米をどうするかという話になり、アルファ米で計算すると一日3食食べるとして3人で9食。3日では27食、7日で63食が必要となります。
ただ、アルファ米は日常生活ではあまり登場しないということとお金がかかるということで、備蓄を2日分、残りは普通のご飯を炊くという提案をしてみました。
電気がないのにご飯が炊けるのかと聞かれましたのでお鍋でご飯を炊けますよと説明したところ、登山用品の鍋や飯ごう、メスティンなどの特殊な道具を用意した方がいいのかを尋ねられました。
水害や土砂災害に遭う確率が殆ど無く、地震でも地盤改良してある最近建てた平屋建てということなので、建物が倒壊する可能性はないと判断して普通の土鍋や鍋でご飯は炊けますよと言ったらかなり驚かれてしまいました。
確かにやったことがなければできるかどうかもわかりません。本番で初めてやって失敗したら間違いなく気力が無くなりますので、何も無い平穏なときに自分が普段使うお鍋でご飯を炊いてみることをお勧めしました。
災害時には電気やガス、水道は止まってしまって復旧に時間がかかることが多いです。でも、とりあえず数日から1週間程度電気やガス、水道がなくても何とかなる状態を作っておけば、気分的には安心できるのではないかと思いましたので、一度カセットガスを使った卓上コンロでご飯を炊いてみることを体験してもらうことにしました。
普段はなかなか時間がとれなくていろいろな文明の利器に頼ってしまうことも多いのですが、たまには昔に戻って料理をしてみるのも面白いのでは無いかと思います。
おうちでできる防災訓練の一つとして、ぜひ試してみてください。なお、ご飯の炊き方はさまざまな流派があるのでyoutubeなどを参考に確認してみてくださいね。
水の災害で持って避難してほしいもの
大雨による水害や台風、高潮など水の災害ではいかに安全な高台に避難するかが生死をわけるといっても過言ではないと思います。
自宅が完全に水没してしまう場所や平屋建てなどにお住まいの場合には、場合によっては雨と水の中をかき分けて安全な場所に避難するような場合も出てくると思います。
その際、避難先に絶対に持っていってほしいものをいくつかご紹介しておきます。
これらは安全な場所に避難が完了して初めて役に立つものですが、これがないとせっかく安全を確保できたのにその後に起きてくる問題で死んでしまうことにもなりかねません。
1.乾いた大きなタオル
避難のタイミングでは全身がずぶ濡れになっていることがあると思います。その時に一番怖いのは水分蒸発で身体の体温を持っていかれてしまうこと。
たかが濡れているだけと思われるかもしれませんが、長時間にわたって濡れた状態でいると、身体の体温が蒸発する水によって奪われて低体温症を引き起こすことになります。
安全が確保されたなら、まずは乾いた大きなタオルで全身をしっかり拭くことが非常に大切です。
2.乾いた長袖長ズボンへの着替え
身体を拭き終わったら、速やかに乾いた服に着替えることが必要です。
プール也海などで身体が冷え切ったときのことを考えていただければわかりやすいと思いますが、まずは身体の水気を拭き取ること、そして乾いた服に着替えること。
これだけで身体がずいぶんと温まったのではないでしょうか。
大雨の中での避難でも一緒で、ずぶ濡れになったらまずは水気を拭き取ること.次に乾いた服に着替えることが必要です。
手足の先まで暖かい血を循環させてやる必要がありますから、まずは長袖長ズボンで身体を温めることを意識してください。
女性の場合にはスカートでもいいのですが、できるだけ暖かい空気の層を身体に近いところに作ってやった方がいいですので、スカートを着用するのであれば、その下に暖まるまででいいので長ズボンを着用するようにしてください。
3.携帯カイロ
冷えている身体を外部からの熱で温めることは命を守るための生命線になります。
携帯カイロは、身体を温めるだけでは無く、後述する飲料水を人肌程度に温めたり、非常食を暖めたりと、さまざまなものを暖めるのに使うことが可能です。
小さくて身体等に貼り付けることができるようになっているものを数個、持っていくようにしてください。
3.飲料水
必死になって避難をするときには気がつかないことが多いのですが、さまざまな理由から身体から水分が結構消費されていることが多いです。
そのため飲み水を準備しておきましょう。スポーツドリンクは糖分が高く、避難直後に飲むのであればいいのですが落ち着いてくると余計な糖分がのどの渇きを産むことになってしまいます。また、紅茶やコーヒーは利尿作用が高いですので、飲むと逆に脱水症状を起こすこともありえます。
そのままで飲め、飲むこと以外にもいろいろと使える飲料水を準備しておきましょう。政府の推奨は一人一日二リットルですが、ご自身の体力や水を飲む量などを考えて、持って移動できるくらいの量にしておいてください。
4.非常食
水害で避難した場合、すぐに水が引くことはあまりなく、少なくても半日以上は避難を続ける必要があります。
どうしてもお腹がすいてきますから、何らかのお腹に貯まる非常食を準備しておきましょう。
アルファ米やシリアルバーだけでなく、パンやインスタント食品でも構いません。
ただ、水でも戻せるものであることが大切です。二食分くらいあれば、とりあえずはひもじい思いをしなくてすむと思います。
5.携帯ラジオ
水害発生時には状況が刻一刻と変化していきます。リアルタイムの情報は難しいかもしれませんが、耳だけで聞き取れて避難中でも動きを止めなくてすむ携帯ラジオはぜひ準備しておいてください。
携帯テレビやスマートフォンではどうしても画面を確認するために動きを止める必要があるので、避難行動中は安全な場所以外で画面を確認するのは止めるようにしましょう。
6.エマージェンシーシート
名称だけではなんのことかわからない人も多いと思いますが、銀色や金色の薄い素材でできていて身体に巻き付けることができる道具だと考えてくだされば結構です。
これは断熱効果がありますので、首から下の身体を覆うことができれば、身体の熱を逃がさずに暖かく過ごせる優れものの道具です。
本来は空気を貯め込めて床に敷いても上にかけても包まれても大丈夫な毛布をお勧めしたいのですが、濡れてしまうと役に立たないという致命的な問題があるため、軽くて保温力があるエマージェンシーシートを持っていくことをお勧めします。
7.新聞紙
新聞紙は水気を取ったり暖を取ったりするのに非常に役立つアイテムです。
また、床に敷けば簡単な断熱材としてもクッション材としても機能してくれます。
一日分から二日分あると、いろいろなことに使えて非常に便利です。
他にもさまざまなアイテムがあれば避難した先での生活は非常に快適になっていきますが、とりあえず今書いたものがあれば、避難した先でも安全を確保することはできると思います。
ここで書いたさまざまなアイテムは、水害に限らずさまざまな災害でもきっと役に立つことは間違いないです。
非常用持ち出し袋の中身、人によっていろいろと異なるのは当然ですが、何に使うのかをしっかりと考えた上で準備しておきましょう。
「災害時に便利なアプリとWEBサイト」を紹介するリーフレットのご紹介
他の国から来て地域に住んでいる人が、地域活動に参加されることも増えてきました。日本に住む以上さまざまな災害と無縁ではいられないのですが、顔見知りになったとはいっても、お互いの意思疎通というのは、以前ご紹介した「voicetTra」などの翻訳ソフトを使っても、なかなか難しいところもあります
とはいえ、災害時などの緊急事態には、どのような情報をどこで見たらいいのかくらいはきちんと伝えておきたいですよね。
このたび内閣府防災が災害時に情報を集めることのできるスマートフォンアプリとWEBサイトを紹介するリーフレットを作成しました。
内容は、本当にアプリとWEBサイトの紹介なのですが、その国の方が使っている言語があれば、このリーフレットを渡して説明していくと理解がしやすくなるのではないかと思います。
また、災害に対する備えが勉強できたり、コミュニケーションボードが搭載されているアプリもあって、いざというときに途方に暮れなくてもすむかなと思えるくらいのないようにはなっています。
どこの人であれ、災害なんかで死んでいい人はいません。情報がうまく伝わらなくて逃げ遅れてしまったと言うことが起きないように、地元の集まりのときなどに、こういったリーフレットを配って、地域の安全につなげていただければと考えます。
「災害時に便利なアプリとWEBサイト(多言語)」(内閣府防災情報のページに移動します)
炊き出しで気をつけること
大規模な災害が起きると、さまざまな場所で炊き出しが行われます。
被災者同士が材料を持ち寄ったり、ボランティアの方が避難所まで来て調理したり、さまざまな形はありますが、行政からの配給弁当はパンか冷たいお弁当が多いですから、温かい食事ができるのは非常にありがたいことです。
ただ、その時には衛生管理を徹底することがいつも以上に大事になりますので気をつけておいてください。
例えば、水道が損傷して潤沢に水が使えない状態であるなら、素手で食材を触ることは厳禁です。手には普段からさまざまな雑菌がついていることはご存じだと思いますが、満足に手洗いのできない状態だと間違いなく汚れた状態になっています。アルコール消毒すればいいとお考えの方もいると思いますが、あれはあくまでも普段の手の状態がある程度衛生的であることが前提ですので、水と石けんによる手洗いの補助だと考えてください。
素手で食材を触らないためには、使い捨ての手袋を着用すればいい話なので、自治会などで準備する災害セットの中には必ず使い捨て手袋を加えておくようにしてください。そして、使い捨て手袋はゴム製でない方が安全です。これはゴム製が食材に悪さをするわけではなく、ゴムアレルギーの方がいることを想定する必要があるからです。
ゴムアレルギーの方はゴムに接触すると赤くなって腫れたりかぶれたようになったりします。災害後には病院も稼働できていないことが殆どですから、抗アレルギー薬も手に入りません。
非常時にはそういったことに意識が向きにくいですから、手袋はゴム製以外、例えばポリプロピレンなどの素材のものを用意しておく方がいいです。
次に食材の温度管理。肉や魚は常温だと腐敗が進みます。クーラーボックスに入っているからと言っても安心はできません。しっかりとしたクーラーボックスにしっかりと冷やせるだけの保冷剤を入れ、必要時以外は開け閉めせず、炊き出しで材料を全部使い切るようにしてください。
また、生肉や生魚を使った道具は雑菌に汚染されていると考えて、しっかりと洗浄もしくは処分を行ってください。充分な消毒ができれば良いのですが、そういった環境でない場合も多いと思いますので、使い捨ての割り箸などを使って利用後は処分するようにした方が安全です。
最後に、出来上がったらすぐに食べること。暖かいものであれば2時間以内を目安に食べきるようにしてください。食べられなかったものは、もったいないですが全て破棄をしましょう。
もし食中毒になったら助からないかもしれないと考えて、間違っても食中毒が起きないような衛生管理をするようにしましょう。
なお、発生した生ゴミは液体と固体を分離した上で固体はビニール袋などでしっかりと密閉してゴミ袋へ、液体は猫の砂や吸水ポリマーなどに吸収させた上で、ビニール袋に密閉してやはりゴミ袋へいれるようにしてください。
生ゴミは固体も液体もハエやゴキブリ等が発生する格好の温床となりますので、処分までしっかりと衛生管理をすることが大切です。
被災地では食中毒を出すと死者が出てしまうかもしれません。そうならないためにも、衛生管理をしっかりと行って、安全に暖かくておいしいものが食べられるようにしておきましょう。