非常用持ち出し袋には、貴重品は持って逃げるということが書いてありますが、実際の避難者の方のお話を聞くと、貴重品は置いていった方がいいのかもしれないなと感じることがあります。
特に避難所に避難する計画の人は要注意です。避難所の防犯対策はまったく期待できません。
顔見知りだけが入っているはずでも、普通に物が無くなります。現金などは特になくなることが多く、俗にいう金目の物は気を付けていても気が付いたら見えなくなっていたといったことも十分に起こりうる話です。
印鑑と預金通帳は分けておくことが重要で、預金通帳は再発行してもらえることを考えると、印鑑だけあればよさそうです。
家に置いておくと安全かというと、避難区域ではコソ泥が発生します。住人が避難して人がいなくなると、どこからともなく空き巣が登場しますので、これまた安全とは言えないです。
できるのは、しっかりとした施錠をしておくことくらいでしょうか。急いで避難する必要のある場合でも、家の施錠だけは確実に行うようにしてください。
あとは避難区域への侵入を防ぐような警備体制をとるくらいしか手がありません。非常時ですので、こういったときの窃盗に対する罪は相当厳しくしておく必要もあると思います。
ただ、こうやって考えていくと、財産のある人は銀行などの貸金庫を利用するのが一番安全かもしれません。
大規模災害時の被害などは防げないかもしれませんが、家に置いておくよりも安全ではあります。
貸金庫を借りるのは、金融機関によってさまざまな条件があるようですので確認してみるといいかもしれません。
いずれにしても、貴重品はできるだけ避難所には持っていかないことが、避難後の生活を守るためには必要になると考えられますので、準備については気を付けるようにしてください。
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眼鏡の確保
視力の悪い人にとって視力矯正具は生活するのにかかせないアイテムです。
それが眼鏡の場合もコンタクトレンズの場合もあると思いますが、どちらにしろ、寝ているときには外していると思います。
自分の安全を確保するためには視力の確保は必須となりますので、寝るときに眼鏡をしまう場所は何かあったときに備えて、無くならないような場所にしてきましょう。
枕元に置いている場合が多いと思いますが、それだと地震の時に揺れると飛んで行ってしまいます。破損を防ぐために、眼鏡ケースにしまうことと、できるなら眼鏡ケースに夜光塗料のついたシールなどを貼り、夜でも所在がわかるようにしておきましょう。
できるなら、眼鏡は複数個用意しておき、寝室だけでなく、非常用持ち出し袋や玄関などにも準備しておくと安心です。
災害後の衛生環境の悪い状態では、コンタクトレンズは使うのをやめたほうが賢明だと思いますので、普段眼鏡を使わない人でも、準備をしておいてください。
ものが見えないというのは、非常に生活しずらいものです。
使わなくなった古い眼鏡でもないよりはマシですが、できるなら視力がきちんと出ている眼鏡を複数個準備しておいてください。
避難所と人目
何らかの理由で避難所生活をしなければならなくなった場合、いろいろと困ることが起きてきますが、その中でも他人の目については対策を講じておく必要があります。
普段の生活では、例えば家にいたり、自分の部屋に入ったりすれば他人の視線を防ぐことができるのですが、避難所ではそういうわけにいきません。
24時間常に人目にさらされる生活を送ることになりますので、それが嫌な場合にはしっかりとした対策を用意しておきましょう。
具体的には、安いものでいいので自立型のテントを一張準備しておきましょう。それがあるのとないのでは、自分の中の安心感がまったく異なります。
テントがあれば、最悪避難所以外でも安全な場所があれば、そこで張って生活する場を作ることができます。
行政が避難所に届けてくれる目隠し用の壁は、数が少ない上に視線を遮るのには中途半端な高さであまりあてにはなりませんので、当座の安全な場所として、自立型テントを非常用持ち出し袋に入れておくことをお勧めします。
虫対策と救急用品
暖かくなってきてさまざまな虫が登場する季節となってきました。
自分の家であれば何らかの虫対策をしていると思うのですが、災害後の避難所では、この虫対策は結構深刻な問題になります。
避難所となる施設に網戸があればいいのですが、学校の体育館等にはそういった虫よけの装備を持っていない施設もたくさんありますし、持っていても災害で壊れてしまっている場合もあるでしょう。
そうすると個人での虫よけ対策を行うことになるのですが、避難時に持って出る非常用持ち出し袋などに虫よけを入れている人がどれくらいいるのかと考えてしまいます。
救急用品に入れるものとして、虫よけと虫刺されの薬は入れておいた方が安心だと思います。避難所によっては蚊取り線香を焚いたり、虫の寄らないスプレーを出入口に撒いたりすることもあるのですが、体質的にそういったものがダメな人もいるので、最終的には個人的な装備に頼ることになります。
また、虫刺されの薬も避難所に置かれていないことの多いアイテムの一つですので、一緒に準備しておくといいでしょう。
非常用持ち出し袋の救急用品には何を入れるのかについてはいろいろと考えることも多いのですが、普段は気にならないようなそういった部分も考えて準備しておくといいと思います。
備蓄の種類
災害時に備えるべきアイテム類は3日から1週間程度準備して備蓄しておくように国からは情報発信がされています。人によってはひと月程度準備しろと言っている方もいるようですが、都会地や消費地で生活している人の場合には、支援物資がどれくらいで届くのかまったく予測ができないので、国が言っているよりは長めに準備しておいた方がいいのかなとも考えます。
ただ、どんなに少ない量でも1週間分のアイテムをリュックサックに詰めるのはかなり至難の業で、非常用持ち出し袋が嫌がられるのには物理的に無理だという誤解や錯覚があるのかもしれないと思うこともよくあります。
もともと、備蓄には三種類あると筆者は考えています。
一つ目は普段から持ち歩く防災ポーチ。本当の緊急時に自分の命をつなぐために必要な最低限のものが入っています。
二つ目は、大雨や台風時などに1泊から2泊程度の生活必需品を詰めて避難に使う非常用持ち出し袋。
最後は文字通りの備蓄で、5日から1週間程度家や倉庫などに保存してある状態の生活必需品となります。
家に備えておく備蓄については、普段生活に使っているさまざまなアイテム類を少し多めに準備しておけば大丈夫です。特に食事と水に関しては普段使いである程度保存がきくようなものを重視して買い物をするようにしておけば、そんなに難しい話ではないと思います。
住んでいる環境によって備えるべきものがかなり異なるので、家に置く備蓄品については各個人や家庭でそれぞれ備えるべきものを準備しておくようにしてください。
避難に使う非常用持ち出し袋については、車などをお持ちの場合には、家と車の中の両方に準備しておけばかなり安心です。
その際、車の中はかなり温度差が激しい空間ですので、クーラーボックスなど温度変化を緩やかにしてくれるような容器にいれておくといいと思います。
そして、普段使いのカバンなどには、防災ポーチを入れておいてください。
防災ポーチと飲料水が確保されていれば、一日程度は生命の維持が可能になります。
一口に備蓄しろと言ってもさまざまな形がありますので、それぞれの目的に応じた準備をしておくことをお勧めします。
災害用トイレは使えますか
災害が起きると、断水や停電、浄化槽や下水道管の破損などでトイレが使えなくなるケースが結構多いです。
トイレが使えない状態なのに無理やり使うと、トイレの中は大惨事になってしまいますので、できるならトイレがちゃんと使えることが確認できるまでは使用を禁止するようにしてください。
そうなると必要になってくるのが仮設トイレや携帯トイレ。
ただ、個人や自治会、自主防災組織などで準備はしていても、これを組み立てたり使ったりすることはほとんどないのではないでしょうか。
普段使っていないものは、いざというときにも使えませんので、防災訓練のときには実際に使ってみてください。
また、避難所で設営が必要な仮設トイレは、訓練のたびに出して組み立て、使いかたをしっかりと確認しておくことはとても大切です。
トイレは我慢ができません。そのあたりに穴を掘ってすることにしてしまうと、周囲の衛生状態に深刻な問題が発生します。
災害時のトイレ設営は最優先されることの一つなのです。
いざというときに慌てなくて済むように、携帯トイレの準備、そして実際に使ってみること。
仮設トイレは実際に組み立てて、これも使ってみること。
この部分の訓練は手を抜かないようにしたいですね。
備蓄する飲料水のサイズ
非常用持ち出し袋や備蓄品を用意するときに悩むのがお水のことです。
一日2~3リットルの飲料水を準備するとなると、それだけで2~3kgの重さになりますので、非常用持ち出し袋に入れて歩こうと考えると結構大変です。
とはいえ、水は生き延びるために必須のものですから、非常用持ち出し袋だけでなく、普段使いのカバンや車の中、職場のロッカーなどにも準備しておきたいところです。ただ、よくあるのが、2~3リットルだからといって1リットルや2リットルのペットボトルで準備してしまうこと。
分量的には問題ありませんが、持ち歩くときや飲むときに大変なのであまりお勧めしません。
300mlから500mlの容器で複数個持ち歩くようにすると、非常用持ち出し袋の中でもおさまりがいいですし、飲むときも楽です。
また、一度封を切ってしまうと一日もたつと飲料不適の水になってしまいますので、小分けすることで飲めない水の大量生産も防ぐことができます。
家の備蓄品などで料理などに使用するのであれば2リットルでも問題はありませんが、直接の飲料用は持ち歩けるサイズにしておきましょう。
また、お茶やジュースではなく、あくまで水を持ち歩くようにしてください。
水なら傷口の洗浄や手洗いなど、ちょっとしたことにもいろいろと使えます。お茶やジュースだとこうはいきませんので、もしお茶やジュースを持ち歩くのであれば、それとは別にお水も用意しておいてください。
ほんのちょっとした工夫ですが、これを意識するかしないかで本番ではかなり変わってきます。
備蓄する水の量とサイズ、少しだけ意識するようにしてください。
カサカサとボソボソ
避難所など人が集まっているところの夜に起きるトラブルが「音」です。
その中でもポリ袋の「カサカサ」という音は非常に不快感を与えてしまうようで、避難所以外、例えば山小屋など多くの人が就寝している場所でトラブルになることがあります。
非常用持ち出し袋などの防水対策としてポリ袋を使う人も多いと思いますが、できればかさかさしないタイプのポリ袋を使うことをお勧めします。
また、たくさんの人が集まって就寝している場所では、緊張しているせいか寝ていない人のぼそぼそとした小さな話し声も気になるものです。
アイマスクや耳栓など、周囲の光や音を押さえる道具もあるのですが、善意の人ばかりではありませんので、確実に安全が確認されていない場合には、そういったものを使うのもどうかと思います。
対策としては、音が出ないようにすることと、人の声を気にしなくても済むような小型の自立型テントを持ち込むくらいでしょうか。
しっかりと眠れないと、気力はどんどん失われていきます。
あなた自身が他の人に被害を与えないように、そして周りから被害を受けないためにも、避難が必要な人は事前準備をしっかりとしておきたいですね。
小銭が必須なわけ
災害後に停電が起きると、電子マネーやクレジットカードは一切使えなくなります。
そうなるとお店での支払いは現金になるわけですが、お札は釣銭が難しいことからお店で販売を拒否される場合も出てきます。
非常用持ち出し袋のアイテムの中に「小銭」が入っているのは、公衆電話を使うときだけでなく、手近なものをお店で購入するときにも必要だからなので、数十円ではなく、ある程度まとまった硬貨を準備しておく必要があります。
出先で被災するときに備えて普段からある程度の小銭を持って歩いておきたいところですが、せめて100円玉1枚、50円玉1枚、10円玉5枚の合計200円は準備しておきたいところです。
これだけ準備しておけば、飲み物を1本と、公衆電話での電話くらいはできますし、持ち歩きにもさほど邪魔にはならないと思います。
小銭はいろいろなところであると重宝します。ちょっとでもいいので普段から持ち歩くようにしておきたいですね。
とりあえず試してみること
災害後の生活では、さまざまな人がさまざまな代替品・代替手段の情報を提供していますが、その代替品や代替手段を実際に試してみた人はどれくらいいるでしょうか。
例えば、トイレ問題。
トイレが使用できない場合には大人用のおむつをつければ安心です、といった話を見ることがありますが、実際につけてみたところ、吸収した後の状態がかなり気になって気が散り、筆者自身は何かに集中することはちょっと難しかったです。
むろん全く気にならない人もいると思いますのであくまでも個人的な意見ですが、それを体験したことにより、筆者自身は便器につけられる簡易トイレを数日分準備することにしました。
ちゃんとしたおむつでもかなり気持ち悪く感じるのですから、赤ちゃんのおむつの代用品としてよく紹介されているタオルとポリ袋などは、赤ちゃん大泣きまっしぐらになると思います。
タオルとポリ袋の組み合わせは、普通の布おむつと同じ状態なので、赤ちゃんが排せつするたびに替えてやる必要があります。でも、被災直後にそれだけ衛生的なタオルを準備できるのであれば、最初から紙おむつを準備しておけという話になります。
試してみると意外なことがわかることは他にもたくさんあります。
いろいろとやってみている筆者ですが、印象としては普段の生活で使用しているものはできる限り普段通りのものが使えるように準備し、そうでないものについては代替品や代替手段を知っておくことがいいようです。
代替品はあくまでも代替品。代替手段はあくまでも代替手段。
とはいえ、代替品や代替手段でも自分は大丈夫かもしれません。それを確認するためには、平時にいろいろと試してみること。
そうすることで自分に必要な準備が見えてくると思います。