寒い日でも身体をしっかりと動かすと暑くなって服を脱いで温度調整したりするものです。汗をしっかりかいた状態で上着を脱ぐと涼しくて一息つくことができますが、そのままの状態で身体を冷やすと必要以上に冷えてしまって慌てて服を着込むことになったりします。
もしも汗をかいてしまったら、服を脱ぐのと一緒に汗をタオルなどで拭き取るようにしてください。汗を拭くことで身体の乾燥が保たれ、必要以上に熱が逃げることを防ぐことができます。
また、なるべく風に当たるのを避けることも大切です。
最悪なのは汗をかいた状態で冷たい風に当たってしまうことで、へたをすると低体温症まっしぐらになってしまいます。
冬の風は冷たく乾燥していて熱をいくらでも持って逃げてしまいますから、夏以上に風対策が必要となることに注意してください。
上手に調整しようと思ったら、厚手の服を着るのでは無く、薄い服を重ねて着ることです。体温調整もしやすいですし、服の間に空気の層ができますから厚手の服を着るよりも暖かくなります。
一番外側に着るものが風を通さない素材だと、冬でも非常に快適に活動をすることができます。
一番良いのは、肌着と一番外側の服を発汗製素材にしておくことです。そうすることで、肌に当たる部分が濡れるのを防ぎ、ある程度までは水分を外へ放出できます。
低体温症になると、自分一人ではまず対策は不可能です。
そうならないために、自分に最適な重ね着の方法を作っておくといいと思います。
カテゴリー: BCP
【活動報告】高津小学校様の避難訓練を見学させていただきました
去る10月29日、高津小学校様で実施された避難訓練を見学させていただきました。
想定は地震が発生、その後津波が来襲するということで、校外の安全な高台にまで全学年で避難をするというものでした。
地震では、机の下に隠れることになっていますが、サイズや作り方がばらばらのため、うまく隠れることのできない子どももいたようです。
その後、放送に従って校内からまずは校庭へ。校庭で一度安否確認した後に最寄りの高台である高津中学校まで駆け足で避難を行っていました。
やってみると、道路のあちこちに危険な場所があったり、避難経路が計画と異なったり、移動速度の違いから距離が空いたり詰まったりといろいろなことが起きていました。
ただ、初めてやられた訓練としては素晴らしくよくできたのではないかと見させていただきました。
大がかりではありますが、こういった訓練は必要なものですし、今後も取り組みが進むことで安全が確保できればいいなと感じます。
見学の許可を快く出してくださいました担当の先生、校長先生や教頭先生他、教員の皆様、そして参加した生徒の皆さんありがとうございました。
そしてお疲れ様でした。
いざ本番の時にも、今回と同じように整然と避難ができることを願っています。
同行避難と同伴避難
ここ最近の避難せずに救助されることとなった人の理由の中にペットを置いていけなかったという事例が増えてきているそうです。
そのため、最近では原則としてペットと一緒に避難所へ避難せよという方向になっていて、環境省が「人とペットの災害対策ガイドライン」を出し、各方面に向けて飼い主・ペット一緒の避難について呼びかけを行っています。
ただ、避難所の受け入れ体制が必ずしも整っているわけではなく、ガイドラインでも同行避難と同伴避難というややこしい書き方がされているため、避難所でトラブルが起きる元となっています。
今回はこのペットの同行避難と同伴避難の違いについて考えてみます。
1.同行避難
同行避難とは、災害時に避難する飼い主とペットが一緒に避難することです。
ただ、避難した後の取り扱いが異なり、飼い主とペットが一緒に過ごせる場合、ペットが別の空間に分けられる場合があります。
収容能力が低い避難所では、避難してきたペットは野ざらしか特定の屋外のスペースにいろいろな動物が一緒くたにされてしまうこともあり、ペットのえさや排泄処理などは自己責任の範疇です。
ケージなどの狭い空間に押し込められることになるので環境も悪く、せっかく避難したけれど見るに見かねて元の家に戻ってしまうような飼い主・ペットもいます。
2.同伴避難
同伴避難は、災害時に避難する飼い主とペットが一緒に避難し、避難所で一緒に生活することができる状態です。
飼い主とペットにとっては一番の理想型ですが、家庭毎に部屋が割り当てられることは殆ど無く、動物の種類毎に部屋が割り当てられる状態なので、しつけがきちんとできていないと他の人のペットとの諍いが発生したりします。
実際のところ、同行避難と同伴避難の境界はかなり曖昧なので、避難してみたら同行避難が同伴避難になったり、その逆も起きたりします。
もともと人の避難所の数が足りていないという現実があり、一緒に避難してもペットが苦手な人やアレルギーを持っている人、糞尿や鳴き声の問題などいろいろと解決しなければいけない問題が多いですから、あらかじめペットの扱いについてきちんと避難所で取り決めておかないと発災後すぐに大きな問題となってきます。
ちなみに、聞いた話ですがペット対策を考えているある地域ではペットお断りの避難所とペットと一緒の避難所に、避難所を物理的に分けて運用しているところがあるそうです。そういうのも一つの解決方法かもしれません。
ともあれ、同行避難にしても同伴避難にしてもペットに対しては飼い主が全ての責任を負うことになります。ケージの準備、えさや水、糞尿の始末、しつけ、予防接種などの前提条件がありますから、問題がないように飼い主の責任はきちんと果たしておかないと自分が困ることになります。
また、ペットを連れての避難は、自分の非常用持ち出し袋だけでなく、ペット用の非常用持ち出し袋も持って行かなければなりません。
そう考えると、ペットと一緒に避難をしたいと考えている人は普通の人よりも早めに避難行動を開始した方がよいかもしれません。
また、ペットと一緒に避難する人は普段から地域の防災情報をしっかりと知り、地域防災計画にもペットの問題を提起してしっかりと関与しておく方が安心です。
まだまだ始まったばかりのペットと一緒の避難行動。犬や猫だけでなく、さまざまな動物がペットとして飼われています。
それらへの対策をどのようにしていくのか。普段から地域でしっかりと話をしておきたいですね。
非常用持ち出し袋あれこれ
地震や大雨、津波などで避難しなければいけないとき、自分の命を繋いでくれるのが非常用持ち出し袋です。
仕事や学校等で家にいないことも多いかもしれませんが、できれば普段自分が居るところには何らかの形で置いておくといいと思います。
持って歩けるのであればそれが一番いいのですが、普段使いするにはなかなかかさばるものですのでそのあたりはあなたの都合に合わせて準備しておけばいいと思います。
ところで、この非常用持ち出し袋への詰め方について考えたことがありますか?
普段から山歩きやハイキングなどでリュックサックを使っている人には割と常識なのですが、底には軽いもの、上には重たいものを入れます。
重心が体に近く上にある方が重さを感じにくいので、できれば背中側が重たくなるようにしておくと非常に背負いやすいと思います。
中に非常用持ち出し品を収めるときには、濡れては困るもの、特に下着や着替え、タオルなどはビニール袋に入れておきます。完全防水のリュックサックならともかく、普通のリュックサックでは防水仕様でも長時間水にさらされるとファスナーから水が少しずつ染みこんできますので、安心せずにしっかりとした対策をしておくことです。
ビニール袋は、できればかさかさと音のしないものを選んでください。避難所でのかさかさ音は、気にする人にはものすごく気になる音のようで、このかさかさ音がトラブルになることもあります。
非常用持ち出し品についてはいろいろなところでいろいろなものが書かれていますので、あなたの都合と袋の容量を考えながら用意していただければと思います。
もしも準備するときに悩んだら、優先順位は排泄、給水、体の乾燥の順番で準備をしてください。食事は、無理に非常食では無く、自分が楽しんで食べられるものを準備しておいた方がいいです。
その上で余裕があればカセットコンロや石けん、無水シャンプーなどの衛生用品、バケツ、ラジオなどを入れていくといいでしょう。
普段の生活を考えて、なるべく質を落とさなくて済むようなアイテムを揃えておくといいでしょう。
最後に、非常用持ち出し袋には非常時に使うものを詰めておくわけですが、アイテム類の使い方をしっかりと覚えておいてください。
どんな便利なアイテムであっても、使えなければないのと一緒です。
アイテムは使いこなしてこそその存在が重要視されるということを忘れないようにしてください。
企業や施設におけるBCPで考えておくべきこと
大きな災害が続くと、企業や施設などの防災対策に注目がされるようになります。
その中でも、BCPと呼ばれる事業継続化計画についてはある程度までは簡単にお金をかけずにできることからそれぞれの企業や施設で準備されてきているようです。
ただBCPを作成するときによく忘れられているものの一つに「利用者にいかに不便を感じさせないか?」というものがあります。
企業や施設において、利用者がいなくなることは致命的な問題を生じさせますから、利用者の確保は通常時、被災時を問わず大切な問題となっています。
利用者を確保し、利用し続けてもらうために作成するのがBCPの重要な役割の一つであることは間違いありません。
そして、自分のところの復旧を急いで利用を再開してもらうことは重要ですが、利用者が可能な限り早く利用再開ができる手段も講じておく必要があるのです。
利用者目線で見れば、あくまでも利用が再開できることが重要なのであって、利用先がどこなのかということはそこまで大きな問題にはなりません。もし利用先にこだわっている人であれば、説明できれば再開まできちんと待ってくれています。
自分のところの復旧が遅れそう、もしくは再開の目処が立たないときに利用者をどのようにするのか。つまり利用者の扱いを決めておくかどうかでその後の流れが変わってきます。
企業や施設が利用者よりも先に自分のところの状況を説明し、代替手段を提供できれば、利用者が自分のところが再開したときには戻ってきてくれる可能性が高くなります。でも、利用者自身が新たな利用先を見つけて動いた場合、自分のところが再開しても利用者が帰ってきてくれないでしょう。
利用者は放置されたという負のイメージに加えて、新しいところを見つけるという自分がかけた手間が正しいと感じるからです。
もし自分のところが利用先を紹介し、再開時にはまた案内すると言っておけば、利用者も納得しますし紹介した利用先もそれなりに配慮してくれるはずなので、誰も不幸にならない選択肢が選べます。
つまり、BCPの中には自分のところの復旧、復興用件だけで無く利用者に対してどのように情報提供し、どのように利用再開してもらうのかという視点も必要になると言うことです。
災害対策に関して言えば、ライバル企業やライバル施設であってもお互いに協力できる体制作りをしておかなければいけません。
自分のところを守るためにライバルと協調するというのは不思議な気がするかもしれませんが、大切なのは利用者の利益を確保することです。
そこのところに注意してBCPを作成しておきたいですね。
可能な限り体験してみる
今年度はコロナ禍でさまざまな行事やイベントが中止の憂き目に遭っています。
災害関係のイベントも例外では無く、コロナウイルスの流行が始まってから9月くらいまではほぼ全てといっていいくらい中止の話ばかり耳にしていました。
10月に入って少しずついろいろな防災の研修会やイベント、体験会が増えてきてはいますが、必須ではありますが見方によっては不要不急な内容でもあり、ちょっとずつ様子を見ながらの開催になっていくのかなと感じています。
ところで、防災に限りませんが、さまざまな行動が可能になるのは頭だけで無く実際に身体にしみこませているからだと考えています。実際に災害を体験した人は、しばらくは素早く動くことができることから考えても、しっかりと身についていると考えて良いと思います。
そのため、体験型の研修会が増えてきているのですが、あなたはこれまでにどれくらいの防災関係の研修会に参加されたことがあるでしょうか。
「対策しても役に経たない」「訓練に参加するのはかっこわるい」「必要だと思わない」「理解できているからやらなくていい」など、やらない理由はさまざまですが、やることを知っているのと実際にやってみるのとではかなり感じが異なります。
やってみないとできるかどうかがわからないというのが、さまざまな防災の研修会や訓練に参加してきた筆者の乾燥です。
例えば火事のとき「なるべく低い姿勢で呼吸は浅く移動しましょう」ということは消防署などの研修では必ず教わります。でも、そこで理解できたことと、人為的に作った「煙避難トンネル」を実際に経験してみるのとでは感じることが全く異なります。
幸いにして、防災訓練は殆どがただかただに近い値段で開催されるものです。
もし見かけたら、全部出なくて良いので少しでも参加してみてください。知っていることを行動に移すことがどれ位大変か、一度やってみると理解が可能だと思います。
災害対策はやろうと思えば一人でもできます。ある部分はキャンプみたいなものなので、ハイキングやキャンプと同じ感覚でやってみればいいと思います。
思わぬものが必要になったり、必要だと思っていたものが全く必要なかったりと、一度やるだけでもいろいろと出てきます。
訓練や研修を重ねていくと、自分にとって必要な防災対策がわかってくるので無駄な備えや作業をしなくても済むようになります。せっかくあちこちで開催されている防災訓練なのですから、できる範囲で構いませんから、参加していろいろなことに気づいて欲しいと思います。
水を持って歩こう
自分の水筒を持って歩く人をよく見かけます。
新型コロナウイルス対策や経済的なもの、好みの飲み物を手軽に飲みたいなど、さまざまな理由があると思いますが、防災という視点から見るととてもいいことだなと感じます。
災害が発生すると、一番最初に困るのがトイレ、そして次に困るのが水の確保です。汗や尿など水分が身体から出ていくことを止めることはできませんから、身体が失った分の水分をなんらかの形で補給してやらないと脱水症状を起こしてしまいますが、そんなときに自前の水筒が一つあると精神的に落ち着きますし、脱水症状に悩まなくてもすみます。
自動販売機やコンビニエンスストアなどで買えば良いじゃ無いかと言われることも多いのですが、災害が起きると水分の確保が必要と言うことは割とよく知られているようで、一番最初に姿を消すのが水、そして次がお茶というのが災害後のいつもの風景になっているなと感じています。
それを考えると、自分の持ち歩くカバンに水筒があるというのは安心感があります。
中はできればお水またはお茶がよいのですが、中身がなくならないように気をつけていただければ好みの飲み物で十分だと思います。
もっとも、コーヒーや紅茶は利尿作用を起こすカフェインが入っていますので、できれば避難中に飲むことは避けたいところです。そういった飲み物が好きな人は、小さくて良いので別に水のペットボトルを持ち歩くとよいと思います。
重さの問題もあるので、無理のない範囲でということにはなりますが、好きな飲み物で気分を落ち着かせて、身体の渇きは水で対応と考えていただければいいと感じます。
ともあれ、渇きは身体へのダメージが大きいですし、判断力も鈍ります。脱水症状が続けば命の危険の問題も発生します。
自分の水筒には常に飲み物が入っている状態を維持していただいて、災害の時に慌てなくて済むようにしておきたいですね。
おうちの災害対策をやってみよう
単身世帯でも大家族でも災害は等しくやってきますから、日本に住む以上はどんな人でも災害対策は必要です。
定期的に自分やおうちの災害対策について見直し、検討しておきませんか。
例えば、住んでいる家や部屋は、どのような災害になったときに避難をすべきなのかということは確認しておく必要がありますし、避難先についても経路も含めて確認しておく必要があります。
また、避難の時に持参すべきものは準備できているか、劣化や期限切れで使えなくなっていないかなどの点検も定期的にしておく必要があります。
単身者の場合には家においてある食べ物は酒のつまみだけ、飲み物はビールだけなどという人もいらっしゃるかもしれませんが、長期保存水に加えて、避難するときにはおつまみだけでもよいので持って逃げられると避難先で飢えに苦しまなくて済みます。
災害対策はおうちの数だけ異なる準備があります。どんなおうちにもそのおうちオリジナルの災害対策が存在するものです。
例えばアイテム。普段の生活の中でどんなものを使っていてどんなものが必要なのかを確認し、非常用持ち出し品のリストにそれを追加しておいてください。そうすることで、避難先での生活でもある程度快適に過ごすことが可能です。
ちまたで大きな災害が起きると「こんなはずではなかった」となり、災害後には全国的に非常用持ち出し品の売れ行きがよくなります。でも、しばらくしてまた災害が起きたら「こんなはずではなかった」という方が少なからずいるのは、準備だけして安心してしまってそのうち準備したことも忘れてしまうからです。
準備したら、定期的に見直して必要なものを入れ替えたり追加したりすることで、いざというときに非常用持ち出し品を思い出すことができ、持ち出すことも可能になります。買って安心してタンスの肥やしにするのではなく、準備し続けることが大切です。
これ以外にも、ライフスタイルの変化で対策や準備はどんどん変化していきますから、せめて1年に1回はおうちの災害対策として、日を決めて災害対策の見直しをすることをお勧めします。
絆創膏と応急処置
先日とある小学校の防災クラブで応急処置の練習をさせていただきました。
怪我と手当の方法を考えてきてもらったのですが、その中で「擦り傷は洗ってから絆創膏を貼る。持っていなければ人からもらう」というのがありました。
その子自身は絆創膏は持っていないとのことで、ではどれくらいの子が絆創膏を持っているのかを聞いてみると、参加者14人中、持っていたのは1人でした。
ハンカチで止血処置をするということでハンカチを持参してもらうようにお願いしておいたのですが、うまく伝わっていなかったようでハンカチを持っていない子が数人いました。
少し気になったのが、この子達は怪我をしたときにどのように手当をする気なのだろうかと言うことです。
自分が子どもの頃には、絆創膏を普段から持って歩いている子が結構いたように記憶しています。当然それだけ擦り傷や切り傷などの生傷が絶えない状況だったのでしょうが、今の子はあまり生傷に縁がないのかもしれないなと感じます。
怪我をしなければ怪我の手当もする必要はないのですが、怪我をしたときにいざ手当をしようと思っても、手当をするための部材がなければ手当が難しいように感じます。
今回の練習では、ガーゼを用意して傷口の圧迫止血を行い、その後に包帯を巻いて応急処置をするということを行いました。
ガーゼや包帯は普段の生活ではあまり使うことはないと見えて最初はかなり手こずっていましたが、慣れてくるとくるくると包帯を巻き、上手に留めるところまでできていました。
いきなりでは無理だと思いますが、練習していれば本番でもきちんとできるということだなと思っています。
普段の生活ではさまざまな形で守られているので、応急処置についてもあまり意識することはないかもしれませんが、いざというときには誰かに頼ることはできません。
自分が主役となって自分や周囲の人を助けていかないといけないことを考えると、クラブだけでなく学校の授業の一つとして取り組んでみてもいいのかもしれないなと思います。
新型コロナウイルスと避難所運営
新型コロナウイルスの流行は避難所の設営や運営方針についても多くの影響を与えています。
それまで割とあいまいだった避難所への避難か自宅待機かについて、基本は自宅待機、その災害で危険な場所になっている場合には避難所へ避難と明確に指示がされるようになりました。
そして、詰められるだけ詰め込んでいた避難所は、ソーシャルディスタンスを確保するために家族ごとに十分なスペースが与えられることになり、避難所の生活環境も一気に改善されることになりました。ただ、そのぶん避難所の収容人員が減らされてしまいましたので、避難所として使える施設を増やす他にも車中泊やテント泊なども避難所の一つとしてカウントされるようになってきています。
今まで避難所では避難者を受け入れることが重視されすぎていて、衛生環境の維持についてはおざなりにされていました。
そのため被災地に設置された避難所ではインフルエンザやノロウイルスといった感染性の病気が一度発生すると蔓延することがよく起きていましたが、新型コロナウイルスの流行のおかげで、避難所に感染症患者の隔離場所が作られることになり、衛生環境が改善されてきています。世界保健機関(WHO)が推奨している難民キャンプの基準であるスフィア基準にようやく追いついてきたといった感じでしょうか。
トイレの問題についてはまだまだ検討する余地があるとは思いますが、それでも災害が起きるたびに改善や改良がされてきており、悪くなってはいないでしょう。
ただ、新型コロナウイルスの影響で避難所の設営や運営方法も以前と比べてずいぶんと変更が加えられていますが、それに対応した訓練や資機材の準備が追いついていません。また、新しい避難先の周知についても避難すべき住民がまだまだ理解できていないということもあります。
新型コロナウイルス騒動がいつごろ収まるのかがわかりませんが、避難所運営に関して言えば、治まったから以前のすし詰めに戻すのでは無く、このまま新型コロナウイルス対策がなされた基準で設置して欲しいなと思っています。
余談ですが、内閣府防災が新型コロナウイルス対策で避難所運営についてのポイントを整理した動画を作成しています。
興味のある方はご覧いただき、参考にしていただければと思います。
新型コロナウイルス感染症対策に配慮した避難所運営のポイントについて(内閣府防災情報のページへ移動します)