水平避難と垂直避難

 九州の方では大雨に見舞われて大きな災害が起きました。被災された方にはこころからお見舞い申し上げます。ただ、現在梅雨前線がまだまだ暴れそうな予報も出ているので引き続き注意が必要です。被災地を含めて、どうぞ警戒を続けていただきたいと思います。
 そこで今回は改めて水平避難と垂直避難について確認をしておきたいと思っています。本来は、水に浸からないような場所に住まいを求めるのが一番なのですが、普段の生活を考えるとそうも言っていられません。
 そのため、気象情報には敏感になっておくことが必要です。

1.水平避難

被害が起きる前にあらかじめ高台など安全が確保できる場所へ避難しておく。

 水平避難は屋外避難を行う場合の基本的な避難です。
 できうる限り安全な場所へ移動が安全にできる間に避難して、災害が起きている間はそこで身を守ること。
 例えば大雨とそれによる水害であれば、大雨警報が出た段階で水害が起きても水に浸からない、そして山が崩れたりしない安全な場所に避難してしまえば、仮に家が水没してもあなたの命を守ることができます。
 極端な話、被害が起きない地域、例えば海外などに移動して災害をやり過ごすという方法もあるのです。
 一番安全な方法ですが、移動中に被災してしまう場合もあるので、確実に安全が確保されている状態、最悪でも災害発生前には移動を完了しておく必要があります。

2.垂直避難

垂直避難は事前準備はあまりいらないが、逃げられるのは自宅の屋根の上までと言う高さ制限がある。
それを超えると流されていくことになるのであくまでも緊急避難として考える。

 垂直避難は屋内避難の場合が殆どになると思います。
 何らかの事情で水平避難ができない状態の人や、タイミングを逃して逃げ遅れた人などが、迫り来る水から逃げるため、水に襲われないであろう上層階に避難することを言います。
 この場合、避難できるのは自宅の屋根の上までになるので、それ以上水に浸かると流されてしまいます。そのため、垂直避難をすることがあらかじめわかっているのであれば、より高い位置に避難できるような準備を整えておいた方がよさそうです。

 少し前までの水害では、せいぜい数メートル浸かるといった感じでしたが、ここ最近は地球温暖化の影響があるのか、短い時間で極端な雨が降る場合が非常に増えています。
 地元のお年寄り達がよく言う「過去にはここは浸からなかった」は通用しない状況になっているのです。
 幸い、最近は気象情報がかなり充実してきています。気象庁発表を待たなくても、雨雲レーダーやアメダス、河川水位情報など、自分で判断できる情報がいろいろと公開されています。
 それらの情報を使って、ことが起きる前に安全な場所へ避難を完了しておくようにしてください。
 また、もし行政の指定する避難所や避難場所に移動するのであれば、その避難所が安全であるかどうか、そして避難所と避難場所の違いについても理解しておいてください。
 最後に、あなたの命を守るのはあなたしかいないことを忘れないでくださいね。

「災害時に便利なアプリとWEBサイト」を紹介するリーフレットのご紹介

リーフレットで紹介されているアプリの一つ「Safety tips」の日本語版の画面。
天気や避難所案内だけで無く、災害とは何かを学べる「事前学習」や
簡単なコミュニケーションができるコミュニケーションボードもついていて便利。


 他の国から来て地域に住んでいる人が、地域活動に参加されることも増えてきました。日本に住む以上さまざまな災害と無縁ではいられないのですが、顔見知りになったとはいっても、お互いの意思疎通というのは、以前ご紹介した「voicetTra」などの翻訳ソフトを使っても、なかなか難しいところもあります
 とはいえ、災害時などの緊急事態には、どのような情報をどこで見たらいいのかくらいはきちんと伝えておきたいですよね。
 このたび内閣府防災が災害時に情報を集めることのできるスマートフォンアプリとWEBサイトを紹介するリーフレットを作成しました。
 内容は、本当にアプリとWEBサイトの紹介なのですが、その国の方が使っている言語があれば、このリーフレットを渡して説明していくと理解がしやすくなるのではないかと思います。
 また、災害に対する備えが勉強できたり、コミュニケーションボードが搭載されているアプリもあって、いざというときに途方に暮れなくてもすむかなと思えるくらいのないようにはなっています。
 どこの人であれ、災害なんかで死んでいい人はいません。情報がうまく伝わらなくて逃げ遅れてしまったと言うことが起きないように、地元の集まりのときなどに、こういったリーフレットを配って、地域の安全につなげていただければと考えます。

災害時に便利なアプリとWEBサイト(多言語)」(内閣府防災情報のページに移動します)

防災とヱヴァンゲリヲンのコラボレーション

 「新世紀ヱヴァンゲリヲン」というアニメ作品をご存じの方がいらっしゃるでしょうか。
 東日本大震災では、節電を呼びかけるためにこの作品になぞらえた「ヤシマ作戦」が盛り上がっていたのを思い出しましたが、あの世界をモチーフにした防災ネタが面白くなってきています。
 まずはゲヒルンというセキュリティー企業が配信しているアプリ「特務機関NERV防災アプリ」。
 自然災害の情報や気象情報などが配信されて便利です。最近では専用車両も用意して、災害時には被災地で情報配信サービスができるようになっているのだとか。
 そして、先日は日本気象協会がヱヴァンゲリヲンの字体や雰囲気を取り込んだ防災パンフレットを作成しました。題して「防災知識補完計画」。
 知っている人から見るとタイトルだけでにやりとするかもしれませんが、中身は非常に真面目に作られています。が、結構世界観が馴染んでるなぁという印象を受けました。
 普段、防災について考えるのがいろいろと面倒な方でも、こういった何かとのコラボレーションによるものであれば興味を持ってもらえるかもしれません。
 また、防災に興味のある人が作品を見に行くという効果も期待できると思います。
 あの作品に出てきたセカンドインパクトが起きてはたまりませんが、いざというときに我が身を守るため、防災アプリや防災知識補完計画などで情報や知識をしっかりと手に入れておいてほしいと思います。

特務機関NERV防災アプリ」(特務機関NERV防災のウェブサイトへ飛びます)

防災知識補完計画」(日本気象協会「トクする防災」のウェブサイトへ飛びます)

「新世紀エヴァンゲリオン」って何?という方のためのリンク
新世紀エヴァンゲリオン」(wikipedhiaの該当ページに飛びます)

災害時の危険ってどんなこと?

 防災関係でよく言われる言葉に「災害が発生しそうなときに危険だと思ったらすぐに避難してください」というのがあります。
 命を失いかねない状況になることだと考えると、「避難=命を守る」ということになりますので、命の守り方をしっかりと理解していないといけません。
 では、災害で起きる命を失いかねない状況を考えてみましょう。
 まずは大雨。大雨になると水路や地面が水を裁ききれなくなって越水や水没、土石流、地すべり、土砂崩れなどの土砂災害が発生し、それに巻き込まれることによって命の危険が生じます。
 対策はというと、海抜高度の低いところや川の周囲、又は川の跡、土砂災害の起きそうな場所には住まないことが一番です。とはいえ、実際のところはそこまで考えて住んでないと思いますから、危険なときにだけそれらの危険のない、海抜高度が高くて土砂災害の起きない場所に逃げておけば危険を避けて命を守ることができます。
 台風も同様で、これに風対策が追加になります。家の周りのものが飛ばないように、他からものが飛んできても被害が出ないように、例えば植木鉢やバケツなどは屋内にしまっておく、屋根の修理は早めにしておく、窓には飛散防止フィルムを貼っておくなどの準備をした上で、水の被害が起きそうなら、やはり水に対して安全な場所に逃げておくことで命を守ることができます。
 風が強いと停電になることが多いので、ランタンや懐中電灯といった照明具やカセットガスといった調理器具の準備も必要になるかもしれません。
 最後は地震。いきなり来るとは言え、大きな揺れだけでは心臓の悪い方以外で危険を感じる方はいないと思います。
 問題になるのは揺れによって発生するさまざまな被害です。例えば、家屋の倒壊、土砂災害、高いビルだと長周期振動も問題になりそうです。
 対策としたら、家屋の耐震調査をし、必要があれば耐震補強すること。家具が人のいる場所に倒れないようにしておくこと、なによりも危険な場所には住まないことです。

 「三十六計逃げるに如かず」という言葉もありますが、危なければ危なくないところへ逃げれば良いだけで、その情報の一つとして自治体のハザードマップが存在します。
 ハザードマップを過信してはいけませんが、一つの目安になるものであることは間違いありません。
 自治体が配っているハザードマップにしっかりと目を通して、避難所以外でも危険がなさそうな場所も探しておいてください。

 また、ものの特性を理解しておくこと。例えば、水は高いところから低いところへ必ず流れていきますので、水の通り道を避けて高いところへ移動すれば安全は確保できます。粘土質な土地なら、土石流や地すべりが起きやすいかもしれませんので、早めに逃げておく方がいいかなという予測ができます。

 災害なんかで死なないために、自分の身を守るための行動基準を作ることはとても大切なことです。いろいろなことを検討しながら安全に逃げられるやり方を見つけてくださいね。

雨の降り方と気象情報の表現方法

 テレビやラジオの気象情報などで「強い雨がふるでしょう」や「激しい雨にご注意ください」といった雨の強さの表現をお聞きになることも多いのではないでしょうか。
 実はこの言い回し、気象予報士さんが勝手に言っているわけではなく、予報用語としてこういう予報のときにはこう言いましょうというルールが決められていて、同じ雨量であれば同じ表現が使われるようになっています。
 気象庁のホームページには雨の強さと降り方についてまとめた表があるのですが、そのまま借用するわけにいかないので当研究所で作成したものを貼っておきます。
 1時間雨量と予報用語はそのままですので確認しておいてください。

 ところで、ここに書かれた1時間雨量。言葉としてはわかるのですがうまくイメージができるでしょうか。
 参考までに、日本気象協会が作成した画像をリンクしておきますので、興味のある方は確認してみてください。

動画でみる「〇〇ミリの雨ってどんな雨?」(tenki.jpのウェブサイトへ)

 以前のようにひたすらシトシトした雨が降るうっとうしい梅雨ではなく、晴れるときはからっと晴れて、降るときにはドカッと降るような妙な梅雨になっていますが、気象情報には気をつけて、行動が必要な時には早めに開始するようにしてくださいね。

大雨特別警報「解除」が「切り替え」に言い換えられた理由

 先頃、「大雨特別警報の解除」を「大雨警報への切り替え」と言い換えるという内容がNHKニュースで報道されていました。
 何を当たり前のことを言っているのだろうと思っていたのですが、これは気象情報の発表の仕方に起因するものだと言うことに気づいて「そういうことか」と考えてしまいました。
 気象に関する情報を見ていると、「注意報」→「警報」→「特別警報」という流れを伝えるときに「~が発表されました」といういい方をします。
 そして解除に進む場合には「~が解除されました」といういい方をします。
 この解除といういい方がくせ者で、実際には殆どの場合「特別警報の解除」=「警報の発表」となっています。普段こういった警報などあまり気にすることのない人がこの「特別警報の解除」を聞くと「命が危険な状況は終わったと感じてしまうのではないでしょうか。緊張し、不安な状態が「解除」という言葉で状況が終わったと捉えてしまい、その後に続く「警報の発表」は耳に入らない状況になることは当然あり得ると思います。
 同じ内容、例えば大雨注意報と大雨警報と大雨特別警報は同時に出ることはありませんから、どうせやるのであれば、注意報、警報、特別警報の各ステージの変更時に「~に切り替えられました」といういい方にした方がすっきりすると思うのですが、本当に危険を招きかねない言い回しの変更だけでもされたことは誤解を防ぐ意味ではとても大切なことだと思います。
 ところで、なんでこんな変更が入ったのだろうかと調べてみると、気象庁が設けている「防災気象情報の伝え方に関する検討会」の令和2年3月9日の議事の中で特別警報が解除になったときの伝え方について「解除」という言葉が適切かどうかという話が出ていました。
 最終的に出された「令和元年度報告書」の中では「特別警報の解除」を「警報への切替」と表現すべきされ、「可能なものから取り組む」と概要では書かれています。
 その後のプレスリリースには記事が出ていませんが、大雨による出水期を迎え、気象庁はこれに沿って特別警報については解除ではなく「警報への切り替え」という表現に改めたようです。その準備ができたので各報道機関に依頼を行った結果、今回のNHKの報道のようなことになったのではないかと思われます。
 対象が国の河川だけというところが気になるところですが、これにより一人でも勘違いをする人が減るといいなと思います。
 参考までに今回の資料の飲用先を記載しておきますので、気になる方はぜひご確認ください。

NHKウェブサイト内「NEWSWEB」

「大雨特別警報「解除」を「切り替え」に 氾濫の警戒呼びかけへ」(2020.6.16付)

気象庁ウェブサイト内

「防災気象情報の伝え方に関する検討会」

筆記具とメモ帳

 災害発生後にさまざまなことを記入しておく備忘録として用意しておきたいのがメモ帳です。
 メモ帳と一口に言っても、大きいの、小さいの。耐水性のあるもの、字が書きやすいものなどさまざまですが、伝言メモや張り紙といったことにも使うことを考えると、耐水性のあるものがよさそうです。
 では筆記具はどうするかというと、やはり耐水性のことは重要ですが、それ以上に書いたものがにじんだりかすれたりせずきちんと読み取れる状態になっていることが大切です。
 その条件で考えると、鉛筆、油性ペン、ダーマトグラフ、クレヨンといったところが候補になります。
 それぞれ一長一短あるので一つあればいいということにはならないと思いますが、メモを取るのなら鉛筆がいいでしょうし、油性ペンならガラス以外のものなら殆どしっかりと書き込むことができ、なかなか消えないのが強みです。
 ダーマトグラフやクレヨンはガラスなど油性ペンが苦手なところにもしっかり書けますし、不要になればすぐ消せるという強みがあります。
 筆記具とメモ帳、案外と使うことが多いので、非常用持ち出し袋だけでなく、防災ポーチなどにもいくつか種類を変えて揃えておくといいのではないでしょうか。
 ちなみに筆者の非常用持ち出し袋には、キャップ付き鉛筆と油性ペン、それにダーマトグラフが入れてありますが、先日使おうとしたら鉛筆の芯が折れていました。
 鉛筆を持って歩くときには、鉛筆削りなどの鉛筆が削れる道具もわすれてはいけないなと感じました。

大雨の警報基準をおさらいしよう

 梅雨に入るのを待ちかねていたように県内では激しい雨が降るようになってきました。一部の地域では「大雨警戒レベル3」が発表されたところもありましたが、一口にレベルと言っても何をしたらいいのかピンと来ない方もいらっしゃると思います。
今回は現在の警戒レベルと以前の警戒名称、そしてそれにより住民が期待されている行動についておさらいをしてみることにします。

報道発表がレベル表示だけになったので、この警戒レベル表が頭に入っていないと訳がわからなくなる。

1.レベル1

 これはあまり意識しないと思いますし、報道発表などでもレベル1はでてこないと思っていいと思います。
 気象庁が大きな災害が起きそうだと判断したときに発表する「早期注意情報」がレベル1の基準となっています。
 これが発表されたら、家の周りのお片付けや雨樋、溝などが詰まっていないか確認し、できれば掃除をしておくといいでしょう。
 また、非常用持ち出し袋や備蓄品のチェックを行って、足りないものがあれば買い足したり交換したりするようにしてください。

2.レベル2

 気象庁発表の大雨注意報や洪水注意報がこれに当たります。
 避難経路の確認や避難所開設の時期の確認、避難に必要な資機材や車の燃料などを確認しておきましょう。
 また、大雨警報や洪水警報が発表されると、レベル3が発表されるかもしれないことを念頭に置くようにしてください。

3.レベル3

 以前の「避難準備・高齢者等避難開始」に該当します。避難準備とは言いますが、自宅や避難経路が崖崩れや水没の危険がある場所にあるようなら、準備ができ次第安全だと思われる場所に避難を開始してください。
 また、高齢者や要支援者など避難に時間がかかったり避難先に特定の資機材が必要な人は準備が完了次第安全な場所へ避難します。

4.レベル4

 以前の「避難勧告」「避難指示(緊急)」です。これが出るともうどこかで災害が発生していると考えても問題ありません。
 安全な場所への避難が難しくなっている場合には、自宅で上層階に避難する垂直避難を検討しましょう。可能な限り安全な場所へ避難してほしいという情報です。

5.レベル5

 「災害発生情報」で、これがもし発表されるとしたら、もう大規模な災害が発生していると考えて間違いありません。
 自分の周囲を確認し、現時点よりも安全が確保できる方法で、自分が生き残ることを最優先に行動しなくてはなりません。

 こうやってみると、レベル3とレベル4が重要な意味を持つと考えてよさそうです。
 レベル3とレベル4の違いははっきりとしないのですが、もしも避難所があなたや自治会の判断で開設できるのであれば、レベル3が出る前に避難所の開設をしておくことをお勧めします。また、逃げ込む場所が空けられていないと避難してきた人が途方にくれることになりますので、もし自分たちで開設が決められない場所が避難先になっているときには、避難所の開設時期について自分たちで明確に確認しておくことをお勧めします。
 これからの時期、大雨や大風が起こる可能性は高いです。
 気象庁や自治体が発表する警戒レベルを意識して、早めに行動するようにしておいてくださいね。

大雨の時に気をつけておきたいこと

上流部の大雨で増水した高津川。

 地震や大風はその場所でそれとわかるような揺れや音などの現象が起き、今災害が起きているかもと実感させるような内容がついてきます。
 ただ、雨の場合は必ずしも目の前で大雨が降っていないからといって安全だと言えないことが多くあります。
 例えば、その場所が晴れていても上流部で大雨が降った場合には河川の氾濫が起きる可能性があるので要注意です。
 殆どの河川では、本流に流れ込む大小様々な支流がありますが、この支流の水が増えると本流が受け止めきれなくなって、ある地点で堤防が決壊したり水があふれ出したりします
 また、水かさが増した本流からの支流への逆流を防ぐための堰がもうけられているところもあるのですが、この堰を閉めると本流に出られない水が堰の内部で滞留を始め、堤防はなんともないのに堰の周辺が水没したりすることになります。
 いずれにしても、周辺の水かさに気をつけておかないと、気がついたら家の周りが水没していたと言うことになりかねません。
 もしも自分の住んでいるところが低地だったり、堰の近くだったりする場合には雨の状況に応じて高いところに避難する計画を作っておいた方が安心です。
 また、避難先は複数確認しておいて早めの避難をすること。それにより避難した先が人でいっぱいでも、他の避難所に移動するだけの時間を確保することができます。
 たとえ雨が降っていなくても、河川に関する情報が出た場合には速やかに避難するような練習をしておいたほうがよいと思いますから、普段の気象情報で、自分が住んでいる地域の川の上流がどうなっているのかについても意識しておいてくださいね。

ハザードマップを確認しよう

2019年に実施した当研究所の防災マップ作りの一シーン。ハザードマップを確認するだけで無く、実際に歩いてみないとわからないことも多い。

 そろそろ梅雨の声が聞こえてくる時期になりました。
 ここ数年は毎年どこかで大雨による災害が発生していますが、あなた自身の備えはできていますか。そして、安全な場所の確認はできていますか。
 自分が長時間過ごすところ、例えば自宅や職場、学校がどのような場所にあってどこに避難すれば安全なのかを知る一つとしてハザードマップがあります。
 浸水害、土砂災害の危険区域が色分けされていて、その場所でどのような危険があるのかが見ればわかるようになっています。
 もし自分のいる場所が安全を確保できない場所であるなら、安全を確保できる場所、例えば指定避難所までの安全な道順を確認してください。
 もしも浸水害や土砂災害の危険地帯を避けて避難することが無理なら、どのタイミングで避難を開始するのかについて決めておきましょう。
 災害は必ずしもハザードマップのとおりに起きるとは限りませんが、ある条件下で災害が起きそうな場所について一目で分かるようにしたものですから目安にはなります。
ハザードマップに普段の生活で感じている危ない場所を書き込んでいくことで、より安全な自分だけのハザードマップを作ることができます。
 大雨が降る前に、一度ハザードマップを確認し、念のために避難経路を一度歩いてみてください。
 災害は待ってくれません。安全なときに自分の安全を確保するようにしましょう。