大雨特別警報「解除」が「切り替え」に言い換えられた理由

 先頃、「大雨特別警報の解除」を「大雨警報への切り替え」と言い換えるという内容がNHKニュースで報道されていました。
 何を当たり前のことを言っているのだろうと思っていたのですが、これは気象情報の発表の仕方に起因するものだと言うことに気づいて「そういうことか」と考えてしまいました。
 気象に関する情報を見ていると、「注意報」→「警報」→「特別警報」という流れを伝えるときに「~が発表されました」といういい方をします。
 そして解除に進む場合には「~が解除されました」といういい方をします。
 この解除といういい方がくせ者で、実際には殆どの場合「特別警報の解除」=「警報の発表」となっています。普段こういった警報などあまり気にすることのない人がこの「特別警報の解除」を聞くと「命が危険な状況は終わったと感じてしまうのではないでしょうか。緊張し、不安な状態が「解除」という言葉で状況が終わったと捉えてしまい、その後に続く「警報の発表」は耳に入らない状況になることは当然あり得ると思います。
 同じ内容、例えば大雨注意報と大雨警報と大雨特別警報は同時に出ることはありませんから、どうせやるのであれば、注意報、警報、特別警報の各ステージの変更時に「~に切り替えられました」といういい方にした方がすっきりすると思うのですが、本当に危険を招きかねない言い回しの変更だけでもされたことは誤解を防ぐ意味ではとても大切なことだと思います。
 ところで、なんでこんな変更が入ったのだろうかと調べてみると、気象庁が設けている「防災気象情報の伝え方に関する検討会」の令和2年3月9日の議事の中で特別警報が解除になったときの伝え方について「解除」という言葉が適切かどうかという話が出ていました。
 最終的に出された「令和元年度報告書」の中では「特別警報の解除」を「警報への切替」と表現すべきされ、「可能なものから取り組む」と概要では書かれています。
 その後のプレスリリースには記事が出ていませんが、大雨による出水期を迎え、気象庁はこれに沿って特別警報については解除ではなく「警報への切り替え」という表現に改めたようです。その準備ができたので各報道機関に依頼を行った結果、今回のNHKの報道のようなことになったのではないかと思われます。
 対象が国の河川だけというところが気になるところですが、これにより一人でも勘違いをする人が減るといいなと思います。
 参考までに今回の資料の飲用先を記載しておきますので、気になる方はぜひご確認ください。

NHKウェブサイト内「NEWSWEB」

「大雨特別警報「解除」を「切り替え」に 氾濫の警戒呼びかけへ」(2020.6.16付)

気象庁ウェブサイト内

「防災気象情報の伝え方に関する検討会」