台風の勢力を知ろう

 大きな台風10号が近づいていますが、あなたのおうちの台風対策は完了していますか。
 地震と違って、あらかじめ来ることが分かっている災害ですので、周囲に被害が出ないように、そしてあなたが遭難しないように状況を見て命を守るための行動を取ることが大切です。
 家を守れない、または被災するかもしれないと心配であれば、お近くの丈夫な宿泊施設に宿を取って待避するか、もし行政が避難所を開設しているようであれば、そちらへ避難することをお勧めします。
 ところで、今更ながらなのですが台風の勢力はどのように見るのかご存じですか。
 今回の台風10号では、令和2年9月6日16時時点で「大型で非常に強い」という表現がされています。
 この台風の表現、予報官がノリと勢いで勝手に決めているわけでは無く、気象庁が定めるルールに従って発表されていますが、そのルールは以下の表になります。

この表で考えると、今回の台風10号は「大型で非常に強い」なので「風速15m/sの範囲が500~800kmで、最大風速44m/s以上54m/s未満の風が吹いている台風」ということになります。
ただ、そう聞いてもピンと来ない方もいると思いますので、イメージがつきやすいように気象庁が作成した「風の強さと吹き方」を見てみてください。

 この表で見ると、瞬間最大風速44m/s以上54m/s未満なので、一番右側の「おおよその瞬間最大風速」の欄の「40」のところを見ます。
 すると、人への影響は「屋外での行動はきわめて危険」、屋外・樹木の様子は「細い木の幹が折れたり、根の張っていない木が倒れ始める。看板が落下・飛散する。道路標識が傾く」、走行中の車では「走行中のトラックが横転する」、建造物では「固定の不十分な金属屋根の資材がめくれる。養生の不十分な仮設足場が崩落する」となっています。
 もっともひどい54m/sくらいになるといろいろなものが飛散し、倒壊していくように書かれています。
 このような状況下で、家が壊れそうだから避難所へ避難しようとしても、その避難がかえってあなたの命の危険を招くことになってしまいます。
 避難経路をハザードマップで確認しておくのはもちろんですが、家に不安があるようなら、早めに近くのしっかりした宿泊施設に自腹で宿泊するか、行政の開設する自主避難所に避難することをお勧めします。
 もしも家で待機するのであれば、風の強い場所にある窓は割れないように補強をしっかりとしておいてください。
 また、今回の台風では雨のことはあまり触れられていませんが、雨を表現する用語も決まっていて、それは次の表のとおりになります。

台風が襲来すると、抜けるまでは何もできませんので、運を天に任せる状況になる前に早めに自分の命を守るための行動を取ってください。
 余談ですが、自主避難所は場所貸しだけですので、自分の食料や就寝具といった生活に必要なアイテムは自分で持ち込む必要があります。生活に自信の無い方は、自腹で安全と思われる宿泊施設に宿泊避難されることをお勧めします。

 上記の表が見づらい場合には、下記リンク先から内容をご確認ください。

気圧配置・台風に関する用語(気象庁のウェブサイトへ移動します)

風の強さと吹き方(気象庁のウェブサイトへ移動します)

雨の強さと降り方(気象庁のウェブサイトへ移動します)

台風に備える

 台風が日本にやってくるシーズンに入りました。
 今年もかなり暑いので、やってくる台風は勢力がさほど落ちずに来るのでは無いかと思っていますが、台風に備えた準備はできていますか。
 台風で備えるのは風と雨。いつ頃襲来するのかは分かっていますから、そういう意味では非常に対応がしやすい災害だと思っています。
 大きな台風が来たとき、最終的にどのような被害を被るのかは正直なところわからないところがありますが、それでも備えておくことで、ある程度までの被害を防ぐことが可能です。
 今日は台風シーズンに入る前にやっておいた方がいいことについて考えてみたいと思います。

1.台風対策、まずは掃除から

 台風がやってきて問題になるのは、溢れてくる水とそれに流されるもの、そして風で飛ばされてくるあれこれです。
 ですので、水を可能な限り排水させるために側溝や水路の掃除をしておきましょう。また、周囲に側溝などに詰まりそうなものがあれば、あらかじめ撤去しておくことも大切です。
 それから家の雨樋。ここの掃除もしっかりとしておくことで、排水能力の確保や貯まった水による雨樋の破壊を防ぐことが可能です。
 あと、見落としがちなのがテレビアンテナ。強い風雨にさらされると、劣化したテレビアンテナが壊れて落下したり飛んだりすることが起きます。
 筆者の家でも、何度かの台風でテレビアンテナがぼろぼろに壊れてしまったことがありますので、シーズン前に電気屋さんに点検してもらい、破損が起きないようにしておくことが大切です。
 家の周囲にも注意を向けておきましょう。
 風が吹くと落ちたり飛んだりしそうな場所に、物干し竿や植木鉢、プランターなどは置いていませんか。
 大風が吹くと、一見大丈夫そうな場所に置いてあるものでも簡単に飛んでしまいます。物干し竿などは飛びそうにないように見えますが、過去には物干し竿が飛んでよその家の窓ガラスを割ったというような礼もあります。
 飛びそうなものは、屋内に入れておくか、もしくは風が通らない場所に置いてください。
 家庭ゴミなども同じで、飛んだり散ったりするとあちこちでトラブルが起きます。これらも屋内または風や雨の当たらないところにおいてください。

2.おうちの対策をしておく

 瓦屋根のお宅では、風で瓦が飛んだりしないように点検をしてもらっておきましょう。またトタン屋根などではめくれている部分や破損している部分がないかどうかを点検しておき、できれば修繕しておきましょう。
 窓は飛散防止フィルムが張ってあればいいのですが、そうでない場合には、ガラス窓にはガムテープなどで飛散防止対策をしたうえで厚手のカーテンを引き、ガラスが飛散しないようにしてください。
 側溝や水路に面しているお宅では、状況によりますが土のう袋が必要な場合もあるかもしれません。あふれそうな場所があらかじめ分かっているときには、土のうを作って置いておくのもいいと思います。
 停電に備えて、乾電池式のランタンや懐中電灯、およびそれらに使う乾電池も準備しておきましょう。また、オール電化のおうちでは、念のためにカセットガスコンロも準備しておいた方がよさそうです。
 非常用持ち出し袋の点検をし、着替えや靴なども準備しておきましょう。また、断水に備えてお風呂などに水をためておくことも忘れずにやっておきましょう。

3.台風の進路の情報収集しておく

 台風の進路は、昔に比べると読みづらくなってきています。そのため、前の日の予想進路と今日の予想進路が変わっていることが起こりえますので、天気予報は定期的に見ておいてください。
 台風の強さと家の状況によっては、台風の勢力圏に入る前に安全と思われる避難所に避難してしまうことも検討しておきましょう。
 また、状況によっては学校や会社に行けても帰れなくなる可能性がありますので、天気予報を見た上で、場合によっては自主休業・自主休校することも視野にいれておいてください。
 どうしても出社や登校しなければならない場合には、職場や学校で待機しなくてはならないことを想定して非常食を用意しておくことをお勧めします。
 台風そのものは、1日程度あれば勢力圏から抜けることが殆どですから、その期間が凌げるだけの準備をしてあれば大丈夫です。

4.情報共有しておく

 家族のいらっしゃる方は、当日は誰がどこにいるのかをお互いに確認しておきましょう。
 いざというときにどんな行動を取るのかについて確認しておき、例えば最悪家に子どもだけしかいなくても大丈夫なような準備をしておくことが大切です。
 非常食、避難所に行けない場合どうするのか、連絡手段をどうするかなど、しっかりと詰めておきましょう。

 災害対策はいくら準備をしてもしすぎるということはありません。
 幸い、台風は進路予測ができますから、それに対応して準備をすることが可能ですから、直撃したときに自分や周囲に被害がないように、あらかじめしっかりと準備しておきましょう。

大雨などで溝に溺れる理由の一考察

 水害の時、田や川の様子を見に行くといって出かけた方が水死体となって発見されることがあります。
 素人では無く、長年田を作ったり、川の様子を見てきた人が溺れてしまっていることが、正直なところ筆者には理解ができませんでした。
 離れて見ていれば落ちることなどはいはずなのに、いったいどうしてなんだろうと不思議に思っていたのですが、先日ふと流れの速い溝を覗いていてその原因がわかったような気がしました。
 試しに、その時の画像を見てみてください。

 この流れの速さを見ていると、なんとなく吸い込まれてしまいそうな気がします。
 ある程度距離を置き、足場を確保して動かない状態の筆者でさえそう感じるのですから、近くを移動したり、側溝をのぞき込んだ人が中に吸われても不思議ではないなと感じたのです。
 筆者だけの感覚なのかなと思い、その場にいた当所の研究員に側溝を覗いてもらったのですが、やっぱり吸い込まれそうな気になったと言っていました。
 何かの錯覚が引き起こしている現象だと思うのですが、こういったものに巻き込まれないように、見慣れた場所であっても意識して注意して、充分安全な距離を取って様子を確認するようにしないといけないのだと思いました。

水風呂で暑さをしのぐ

 どうしたことか、これだけ暑い夏なのに、夏には付き物の入道雲と夕立を今年はあまり見ていない気がします。夕立が一降り来ると一気に地表の温度が下がってくれるのですが、夕立が降らないので夜も暑いまま。かくして気温が上がっていくのではないかと疑ったりしています。

 こんな暑いときには水遊びをしたくなるものですが、今年はコロナ禍で海や川、プールと言った場所は結構閉鎖されているところが多いです。そして、子どもに水遊びさせてやろうと思っても、団地やマンション、アパートなどに住んでいると子ども用のビニールプールを出すことが結構難しかったりします。
 また、汗をかいたときはシャワーを浴びるというのが定番ですが、汗を引かせるということを考えると、シャワーだと一時のしのぎにしかなりません。すぐにもわっとした暑さに包み込まれてしまいます。
 そこで水風呂はいかがでしょうか。水風呂と言っても本当に冷たいお水からお風呂よりも少し冷たいくらいまで、水の温度はお好みにして、ゆっくりと入って身体に溜まった熱を水に抜くとかなり快適な状態になります。
 世の中忙しい方も多いですからそこまでじっくり水に入っていることは難しいかもしれませんが、やってみると身も心も妙にすっきりとします。
 水風呂から上がった後で残り水の温度を見て、思っていたよりも熱が溜まっていたことに驚くかもしれません。もし時間がとれるなら、お気に入りの本を持ってゆっくり入れば、ちょっとしたリゾート気分を味わえるかもしれません。
 暑いときには涼しく過ごす方法をいろいろと考える必要がありますが、水風呂が難しくても、足を冷水に浸すだけでも感じる暑さはずいぶんと変わります。

 子どもから見ると、いつものお風呂の冷たいバージョンですが、いつもお風呂では許してもらえないいろいろなことをやってみると、それだけでも目線が変わって喜んでくれるのでは無いかと思います。
 エアコンだけで無く、さまざまな方法で涼をとることができないか、いろいろと考えてみるのは大切なことだと思います。もう少し続きそうな暑い夏を、あなたはどんな風にして乗り越えていきますか。

災害時の危険ってどんなこと?

 防災関係でよく言われる言葉に「災害が発生しそうなときに危険だと思ったらすぐに避難してください」というのがあります。
 命を失いかねない状況になることだと考えると、「避難=命を守る」ということになりますので、命の守り方をしっかりと理解していないといけません。
 では、災害で起きる命を失いかねない状況を考えてみましょう。
 まずは大雨。大雨になると水路や地面が水を裁ききれなくなって越水や水没、土石流、地すべり、土砂崩れなどの土砂災害が発生し、それに巻き込まれることによって命の危険が生じます。
 対策はというと、海抜高度の低いところや川の周囲、又は川の跡、土砂災害の起きそうな場所には住まないことが一番です。とはいえ、実際のところはそこまで考えて住んでないと思います。
 ではどうするかと言えば、危険なときにだけそれらの危険のない、海抜高度が高くて土砂災害の起きない場所に逃げておけば危険を避けて命を守ることができます。
 台風も同様で、これに風対策が追加になります。家の周りのものが飛ばないように、他からものが飛んできても被害が出ないように、例えば植木鉢やバケツなどは屋内にしまっておく、屋根の修理は早めにしておく、窓には飛散防止フィルムを貼っておくなどの準備をした上で、水の被害が起きそうなら、やはり水に対して安全な場所に逃げておくことで命を守ることができます。
 風が強いと停電になることが多いので、ランタンや懐中電灯といった照明具やカセットガスといった調理器具の準備も必要になるかもしれません。
 最後は地震。いきなり来るとは言え、大きな揺れだけでは心臓の悪い方以外で危険を感じる方はいないと思います。
 問題になるのは揺れによって発生するさまざまな被害です。例えば、家屋の倒壊、土砂災害、高いビルだと長周期振動も問題になりそうです。
 対策としたら、家屋の耐震調査をし、必要があれば耐震補強すること。家具が人のいる場所に倒れないようにしておくこと、なによりも危険な場所には住まないことです。
「三十六計逃げるに如かず」という言葉もありますが、危なければ危なくないところへ逃げれば良いだけなのです。そして、その情報を得るためにハザードマップが存在します。
 ハザードマップを過信してはいけませんが、一つの目安になるものであることは間違いありません。自治体が配っているハザードマップにしっかりと目を通して、避難所以外でも危険がなさそうな場所も探しておいてくださいね。

避難情報の再確認

 避難情報は現在は「レベル」で表示されるようになっています。
 数字が大きくなるほど危険が差し迫っていることがわかるようになっていて、過去の災害で「避難勧告」や「高齢者避難開始」といった言い回しがよくわからないという意見を反映したものですが、結果としてレベルだけでは緊急性が高いのか低いのか一般の方には理解されず、現在はレベルと発表情報の併用で情報が発信されています。
 ただ、この言い回しもちょっと難解な感じがするのでもっと簡単ないい方ができないのかなと考えてみました。
 一番問題になるのは、レベル3の「避難準備・高齢者避難開始」情報で、この情報、発表されて次のレベルに上がるまでには非常に間隔が空いています。
 内容は「このままの状態だと逃げる必要がある場合もありますので逃げる準備してね」という意味なのですが、この次の「レベル4 避難勧告・避難指示(緊急)」になるともう一部地域では災害が起きている状態なので、起きるか起きないかの境界線がレベル3ということになります。
 実際のところ、レベル3が出るとレベル4も出る場合が多いので、レベル3がでたら「逃げる準備して安全な場所へ移動開始」と考えると余裕のある避難ができると思います。
 このあたりはそれぞれの判断になりますのでこうしろとは言えない部分ですが、早めに逃げてしまえば少なくとも自分の命は確実に守れると言うことだけは確かです。
 避難所の開設は各市町村の防災担当課によって判断が異なるために一概に言えませんが、もしあなたが安全だとされている避難所に避難するときには、市町村の防災担当課に連絡しておくと避難所の入り口が開けてもらえることが多いようです。
 できれば緊急連絡先にお住まいの市町村役場の防災担当課の電話番号を書き加えておいてください。
 ちなみに、レベル4になると災害対応でてんてこまいになりますので、電話はまず通じません。同じ現象は消防でも警察でも起きますので、逃げ遅れたら行政機関に連絡して助けてもらうという発想は捨てた方がいいです。
 早めに行動を開始して、空振りでも怒らない。100回逃げて何も無くてもいいんです。逃げるのはあくまでもあなたの命を守るため。面倒くさいとか、今まで起きなかったからといった感覚的な逃げない理由を探さないでください。
 そういえば避難する場所についてですが、現在は新型コロナウイルスのことがあって大規模な避難所でも収容人員を押さえる方針が採られています。
 避難所はあくまでも行き場のない人に利用してもらい、つてや経済力のある人は知り合いのいる高台のおうちやホテルなどの宿泊施設を使うようにして3密を避けるようにしてください。
 また、自然災害は一度に一つしか起きないという保証はありません。
 一度に複数の災害が起きるかもしれないと考えて、それでも安全な場所を確認し、早めに避難行動を開始するようにしてください。

水の災害で持って避難してほしいもの

 大雨による水害や台風、高潮など水の災害ではいかに安全な高台に避難するかが生死をわけるといっても過言ではないと思います。
 自宅が完全に水没してしまう場所や平屋建てなどにお住まいの場合には、場合によっては雨と水の中をかき分けて安全な場所に避難するような場合も出てくると思います。
 その際、避難先に絶対に持っていってほしいものをいくつかご紹介しておきます。
 これらは安全な場所に避難が完了して初めて役に立つものですが、これがないとせっかく安全を確保できたのにその後に起きてくる問題で死んでしまうことにもなりかねません。

1.乾いた大きなタオル

 避難のタイミングでは全身がずぶ濡れになっていることがあると思います。その時に一番怖いのは水分蒸発で身体の体温を持っていかれてしまうこと。
 たかが濡れているだけと思われるかもしれませんが、長時間にわたって濡れた状態でいると、身体の体温が蒸発する水によって奪われて低体温症を引き起こすことになります。
 安全が確保されたなら、まずは乾いた大きなタオルで全身をしっかり拭くことが非常に大切です。

2.乾いた長袖長ズボンへの着替え

 身体を拭き終わったら、速やかに乾いた服に着替えることが必要です。
 プール也海などで身体が冷え切ったときのことを考えていただければわかりやすいと思いますが、まずは身体の水気を拭き取ること、そして乾いた服に着替えること。
 これだけで身体がずいぶんと温まったのではないでしょうか。
 大雨の中での避難でも一緒で、ずぶ濡れになったらまずは水気を拭き取ること.次に乾いた服に着替えることが必要です。
 手足の先まで暖かい血を循環させてやる必要がありますから、まずは長袖長ズボンで身体を温めることを意識してください。
 女性の場合にはスカートでもいいのですが、できるだけ暖かい空気の層を身体に近いところに作ってやった方がいいですので、スカートを着用するのであれば、その下に暖まるまででいいので長ズボンを着用するようにしてください。

3.携帯カイロ

 冷えている身体を外部からの熱で温めることは命を守るための生命線になります。
 携帯カイロは、身体を温めるだけでは無く、後述する飲料水を人肌程度に温めたり、非常食を暖めたりと、さまざまなものを暖めるのに使うことが可能です。
 小さくて身体等に貼り付けることができるようになっているものを数個、持っていくようにしてください。

3.飲料水

 必死になって避難をするときには気がつかないことが多いのですが、さまざまな理由から身体から水分が結構消費されていることが多いです。
 そのため飲み水を準備しておきましょう。スポーツドリンクは糖分が高く、避難直後に飲むのであればいいのですが落ち着いてくると余計な糖分がのどの渇きを産むことになってしまいます。また、紅茶やコーヒーは利尿作用が高いですので、飲むと逆に脱水症状を起こすこともありえます。
 そのままで飲め、飲むこと以外にもいろいろと使える飲料水を準備しておきましょう。政府の推奨は一人一日二リットルですが、ご自身の体力や水を飲む量などを考えて、持って移動できるくらいの量にしておいてください。

4.非常食

 水害で避難した場合、すぐに水が引くことはあまりなく、少なくても半日以上は避難を続ける必要があります。
 どうしてもお腹がすいてきますから、何らかのお腹に貯まる非常食を準備しておきましょう。
 アルファ米やシリアルバーだけでなく、パンやインスタント食品でも構いません。
 ただ、水でも戻せるものであることが大切です。二食分くらいあれば、とりあえずはひもじい思いをしなくてすむと思います。

5.携帯ラジオ

 水害発生時には状況が刻一刻と変化していきます。リアルタイムの情報は難しいかもしれませんが、耳だけで聞き取れて避難中でも動きを止めなくてすむ携帯ラジオはぜひ準備しておいてください。
 携帯テレビやスマートフォンではどうしても画面を確認するために動きを止める必要があるので、避難行動中は安全な場所以外で画面を確認するのは止めるようにしましょう。

6.エマージェンシーシート

 名称だけではなんのことかわからない人も多いと思いますが、銀色や金色の薄い素材でできていて身体に巻き付けることができる道具だと考えてくだされば結構です。
 これは断熱効果がありますので、首から下の身体を覆うことができれば、身体の熱を逃がさずに暖かく過ごせる優れものの道具です。
 本来は空気を貯め込めて床に敷いても上にかけても包まれても大丈夫な毛布をお勧めしたいのですが、濡れてしまうと役に立たないという致命的な問題があるため、軽くて保温力があるエマージェンシーシートを持っていくことをお勧めします。

7.新聞紙

 新聞紙は水気を取ったり暖を取ったりするのに非常に役立つアイテムです。
 また、床に敷けば簡単な断熱材としてもクッション材としても機能してくれます。
一日分から二日分あると、いろいろなことに使えて非常に便利です。

 他にもさまざまなアイテムがあれば避難した先での生活は非常に快適になっていきますが、とりあえず今書いたものがあれば、避難した先でも安全を確保することはできると思います。
 ここで書いたさまざまなアイテムは、水害に限らずさまざまな災害でもきっと役に立つことは間違いないです。
 非常用持ち出し袋の中身、人によっていろいろと異なるのは当然ですが、何に使うのかをしっかりと考えた上で準備しておきましょう。

「災害時に便利なアプリとWEBサイト」を紹介するリーフレットのご紹介

リーフレットで紹介されているアプリの一つ「Safety tips」の日本語版の画面。
天気や避難所案内だけで無く、災害とは何かを学べる「事前学習」や
簡単なコミュニケーションができるコミュニケーションボードもついていて便利。


 他の国から来て地域に住んでいる人が、地域活動に参加されることも増えてきました。日本に住む以上さまざまな災害と無縁ではいられないのですが、顔見知りになったとはいっても、お互いの意思疎通というのは、以前ご紹介した「voicetTra」などの翻訳ソフトを使っても、なかなか難しいところもあります
 とはいえ、災害時などの緊急事態には、どのような情報をどこで見たらいいのかくらいはきちんと伝えておきたいですよね。
 このたび内閣府防災が災害時に情報を集めることのできるスマートフォンアプリとWEBサイトを紹介するリーフレットを作成しました。
 内容は、本当にアプリとWEBサイトの紹介なのですが、その国の方が使っている言語があれば、このリーフレットを渡して説明していくと理解がしやすくなるのではないかと思います。
 また、災害に対する備えが勉強できたり、コミュニケーションボードが搭載されているアプリもあって、いざというときに途方に暮れなくてもすむかなと思えるくらいのないようにはなっています。
 どこの人であれ、災害なんかで死んでいい人はいません。情報がうまく伝わらなくて逃げ遅れてしまったと言うことが起きないように、地元の集まりのときなどに、こういったリーフレットを配って、地域の安全につなげていただければと考えます。

災害時に便利なアプリとWEBサイト(多言語)」(内閣府防災情報のページに移動します)

災害時の危険ってどんなこと?

 防災関係でよく言われる言葉に「災害が発生しそうなときに危険だと思ったらすぐに避難してください」というのがあります。
 命を失いかねない状況になることだと考えると、「避難=命を守る」ということになりますので、命の守り方をしっかりと理解していないといけません。
 では、災害で起きる命を失いかねない状況を考えてみましょう。
 まずは大雨。大雨になると水路や地面が水を裁ききれなくなって越水や水没、土石流、地すべり、土砂崩れなどの土砂災害が発生し、それに巻き込まれることによって命の危険が生じます。
 対策はというと、海抜高度の低いところや川の周囲、又は川の跡、土砂災害の起きそうな場所には住まないことが一番です。とはいえ、実際のところはそこまで考えて住んでないと思いますから、危険なときにだけそれらの危険のない、海抜高度が高くて土砂災害の起きない場所に逃げておけば危険を避けて命を守ることができます。
 台風も同様で、これに風対策が追加になります。家の周りのものが飛ばないように、他からものが飛んできても被害が出ないように、例えば植木鉢やバケツなどは屋内にしまっておく、屋根の修理は早めにしておく、窓には飛散防止フィルムを貼っておくなどの準備をした上で、水の被害が起きそうなら、やはり水に対して安全な場所に逃げておくことで命を守ることができます。
 風が強いと停電になることが多いので、ランタンや懐中電灯といった照明具やカセットガスといった調理器具の準備も必要になるかもしれません。
 最後は地震。いきなり来るとは言え、大きな揺れだけでは心臓の悪い方以外で危険を感じる方はいないと思います。
 問題になるのは揺れによって発生するさまざまな被害です。例えば、家屋の倒壊、土砂災害、高いビルだと長周期振動も問題になりそうです。
 対策としたら、家屋の耐震調査をし、必要があれば耐震補強すること。家具が人のいる場所に倒れないようにしておくこと、なによりも危険な場所には住まないことです。

 「三十六計逃げるに如かず」という言葉もありますが、危なければ危なくないところへ逃げれば良いだけで、その情報の一つとして自治体のハザードマップが存在します。
 ハザードマップを過信してはいけませんが、一つの目安になるものであることは間違いありません。
 自治体が配っているハザードマップにしっかりと目を通して、避難所以外でも危険がなさそうな場所も探しておいてください。

 また、ものの特性を理解しておくこと。例えば、水は高いところから低いところへ必ず流れていきますので、水の通り道を避けて高いところへ移動すれば安全は確保できます。粘土質な土地なら、土石流や地すべりが起きやすいかもしれませんので、早めに逃げておく方がいいかなという予測ができます。

 災害なんかで死なないために、自分の身を守るための行動基準を作ることはとても大切なことです。いろいろなことを検討しながら安全に逃げられるやり方を見つけてくださいね。

大雨特別警報「解除」が「切り替え」に言い換えられた理由

 先頃、「大雨特別警報の解除」を「大雨警報への切り替え」と言い換えるという内容がNHKニュースで報道されていました。
 何を当たり前のことを言っているのだろうと思っていたのですが、これは気象情報の発表の仕方に起因するものだと言うことに気づいて「そういうことか」と考えてしまいました。
 気象に関する情報を見ていると、「注意報」→「警報」→「特別警報」という流れを伝えるときに「~が発表されました」といういい方をします。
 そして解除に進む場合には「~が解除されました」といういい方をします。
 この解除といういい方がくせ者で、実際には殆どの場合「特別警報の解除」=「警報の発表」となっています。普段こういった警報などあまり気にすることのない人がこの「特別警報の解除」を聞くと「命が危険な状況は終わったと感じてしまうのではないでしょうか。緊張し、不安な状態が「解除」という言葉で状況が終わったと捉えてしまい、その後に続く「警報の発表」は耳に入らない状況になることは当然あり得ると思います。
 同じ内容、例えば大雨注意報と大雨警報と大雨特別警報は同時に出ることはありませんから、どうせやるのであれば、注意報、警報、特別警報の各ステージの変更時に「~に切り替えられました」といういい方にした方がすっきりすると思うのですが、本当に危険を招きかねない言い回しの変更だけでもされたことは誤解を防ぐ意味ではとても大切なことだと思います。
 ところで、なんでこんな変更が入ったのだろうかと調べてみると、気象庁が設けている「防災気象情報の伝え方に関する検討会」の令和2年3月9日の議事の中で特別警報が解除になったときの伝え方について「解除」という言葉が適切かどうかという話が出ていました。
 最終的に出された「令和元年度報告書」の中では「特別警報の解除」を「警報への切替」と表現すべきされ、「可能なものから取り組む」と概要では書かれています。
 その後のプレスリリースには記事が出ていませんが、大雨による出水期を迎え、気象庁はこれに沿って特別警報については解除ではなく「警報への切り替え」という表現に改めたようです。その準備ができたので各報道機関に依頼を行った結果、今回のNHKの報道のようなことになったのではないかと思われます。
 対象が国の河川だけというところが気になるところですが、これにより一人でも勘違いをする人が減るといいなと思います。
 参考までに今回の資料の飲用先を記載しておきますので、気になる方はぜひご確認ください。

NHKウェブサイト内「NEWSWEB」

「大雨特別警報「解除」を「切り替え」に 氾濫の警戒呼びかけへ」(2020.6.16付)

気象庁ウェブサイト内

「防災気象情報の伝え方に関する検討会」