発電機と延長ケーブル

 大規模災害ではよく停電が起こりますが、そのための備えはできていますか。
 蓄電池や発電機を備えている方も多いと思いますが、一つ注意しておいてほしいのが、発電機は屋外で使うということです。
 太陽光パネルは屋外の日当たりの良いところに置かないと意味がありませんが、ガソリンや灯油、ガスといったエンジン式の発電機も家の中では絶対に使わないでください。
 当たり前のことではあるのですが、エンジン式の発電機が動くためには燃料とそれを燃やすための酸素が必要となります。
 燃料と酸素は、燃えたあとは二酸化炭素になりますが、屋内では燃やすための充分な酸素が取れなくなるため、酸素が足りなくなってきて不完全燃焼が起き、一酸化炭素が発生します。
 一酸化炭素は無味無臭で非常に強い毒性を持っています。そのうえ、吸った人がおかしいと気がついた時には全身が中毒症状となって動けなくなってしまっていて、そのままだと死んでしまいます。
 不完全燃焼しなければ一酸化炭素は発生しないので、十分な酸素が供給できる屋外で使う必要があるのです。
 特に、最近の家は気密性が高いので、家の中でエンジン式の発電機を動かすとあっという間に一酸化炭素が発生しますから、絶対に屋内での使用はやめてください。
 過去には玄関で動かしていた発電機による一酸化炭素中毒で一番遠い場所にいたそのおうちの方がなくなったという事例もあります。また、毎年停電が起きるとこの発電機による一酸化炭素中毒が起きています。
 ただ、屋外に設置して発電すると使いたい電気器具までコンセントが届かないということも起こります。
 それに備えて、延長ケーブルもきちんと準備しておきましょう。
 延長ケーブルもなんでもいいというわけではなく、供給できる給電量がケーブルによって決まっていますので、その延長ケーブルで自分が使いたい電気を送ることができるのかどうかをきちんと確認しておいてください。
 発電機はどこに設置して、どの電気器具に電気を給電するのか。そのためにはどれくらいの長さの延長ケーブルが必要となるのか。
 何も起きてない普段のときに、おうちの給電計画を作って、実際にうまくいくかどうかを試しておいてくださいね。

【活動報告】高津小学校の防災クラブを開催しました。

 2022年9月21日に益田市立高津小学校で第3回目の防災クラブを開催しました。
 本当は7月に開催する予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の蔓延により中止となり、9月の開催となってしまいました。
 今回は前回に引き続いて応急処置法と搬送について行いました。
 応急処置は心肺蘇生法に次いで大切な処置で、傷の種類や手当の方法について説明し、実際に包帯を巻いてみてもらいました。

直接圧迫法が基本であることを理解して包帯を巻いていく。

 最初は手こずっていたようでしたが、要領がわかると一人で自分の手に上手に巻いた子もいました。
 それから、毛布を使った搬送法、そして担架を使った搬送法を行いましたが、全体を上手に見て声をかけるリーダー役がなかなか難しかったようです。

力を合わせて担架で搬送します。

 災害時に怪我をしたとき、大人子ども関係なく、応急処置できる人が対応をする必要があります。
 こういった技術は使わないに越したことはありませんが、万が一に備えて、しっかりと覚えておいてほしいなと思います。
 今回参加してくれた子供たち、そして担当の先生、支援に来てくれたスタッフに感謝します。

アイススラリーってなんだろう

熱中症のニュースを連日聞くようになって結構立ちますが、あなたは熱中症対策にどのようなことをしていますか。
いろいろとあると思いますが、最近の考え方では、体表温度と身体の奥の深部温度の両方を下げないと危険な状態になることがあるということのようです。
体表面は水浴びをすれば取りあえずは下がりますが、身体の奥の深部温度はなかなか下げるのが難しいようです。
アイスクリームや氷菓子などを食べて体温を中から下げるのはいい手なのですが、氷が溶けながら体内に入っていくので、身体の奥ではすっかり常温になって、思ったほどの冷却効果は期待できません。
また、冷たい飲み物も同様で、飲み過ぎると胃の温度が下がって深部温度が下がる前にお腹が下ってしまうようなことも起こります。
そこで登場してきたのがこのアイススラリーなるものだそうで、直訳すると「泥状の氷」といった意味になりますが、細かく破砕した氷と冷やしたドリンクを混ぜ合わせることで氷が深部まで届き、効果的に冷やすことができるそうです。
このアイススラリー、メーカーとしては大塚製薬が「ポカリスエットアイススラリー」というものを、主に通販で取り扱っているようですが、手間を惜しまなければ自分でも作ることができます。
おおざっぱに書くと、凍らせたスポーツドリンクをかき氷器などで細かく粉砕し、冷やしたスポーツドリンクを注ぐというもの。氷が2~3に対して液体が1の割合だと飲みやすいと思います。
飲んでみるとわかりますが、お腹の中が涼しくなる感覚がはっきりとわかります。
飲み過ぎるとお腹が急降下しますので、経口補水液と同じように、ちょっとずつ飲むのが正解のようですが、その辺りに放置するとあっという間に常温になってしまいますので、持ち歩く場合にはしっかりとした魔法瓶に詰めてください。
夏、身体の表面温度を下げる工夫はいろいろすると思いますが、体内温度を下げる工夫も、考えてみると楽しいと思います。
ただ、繰り返しになりますが、お腹が冷え過ぎると下痢で苦しむことになりますので、冷やしすぎにはご用心ください。

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避難訓練は失敗が大事

避難訓練を計画している人から見るととんでもない話かもしれませんが、避難訓練は何か失敗が見つかる方がいいと、筆者は思っています。
避難訓練が完璧にシナリオ通りに終わったとすれば、イベントとしては成功ですが、訓練としては失敗だと考えて下さい。
訓練でさまざまな想定をすると、実際に本当にいろいろなトラブルが発生します。
そのトラブルは、当然本番でも起こり得ることなので、対策を考えて手を打っておくことで、本番ではトラブルをできるだけ減らすことができるのです。
「訓練はうそをつかない」という言葉がありますが、さまざまな想定を経験しておくことは、本番のときに必ず役に立ちます。
体験していないこと、経験していないことはどうしても行動や判断に時間がかかってしまいますから、状況によっては致命的なミスが発生することもあり得ます。
イベントとしての避難訓練はさまざまなところで行われていますが、それでもやらないよりはずっとマシですので、やる意味自体はあると思います。
ただ、本番に備えた訓練ならば、いくら対策を準備していてもそのとおりになるとは限らないような想定を用意し、「意地悪だ」といわれるくらいひどい結果のものをやってみてほしいと思います。
そこから得られる教訓は、絶対に無駄にはなりません。
避難訓練はあくまでも訓練ですから、本番と同じような条件で行動し、問題点を洗い出すものだと思ってやってみてほしいと思います。

【活動報告】第1回高津小学校防災クラブを開催しました

去年よりも人数が増えてかなり賑やか

去る5月25日に益田市立高津小学校で令和4年度の第1回防災クラブを開催しました。
今年度は約20名の児童と一緒に防災について学習していきます。
今回は、手始めに地震について一緒に考えてみました。
普段の授業でやっている学習が反映しているのか、いろいろな意見を出してくれて非常に面白かったです。
地震のときには机の下に入るという子ども達に、なぜ入るのかを聞いたところ、「頭を守るため」という答えが返ってきて、きちんと考えて行動しているのだなと頼もしく感じました。


最後には、台車に学習机を載せたぐらぐらくん1号で実際に横揺れの中でどうやって机を支えるかという体験をしてみてもらいました。
これから1年間、一緒に活動をしていくわけですが、いざというとき、少しでも一緒に学習する子ども達が自分で判断し、自分で自分の命を守る事ができるようになってほしいと思っています。
参加してくれた子ども達、担当の先生、そして支援に入ってくれた当研究所の会員の方に、厚くお礼申し上げます。

暑熱順化しておこう

 だんだんと暑くなってきましたが、暑いのが苦手だったり、暑いのが嫌な人は、割と早めにエアコンを使っているのではないでしょうか。
 普段であればそこまで問題にならないかもしれませんが、暑さに慣れておかないと、屋外へのお出かけ時や、もしも災害で停電してしまったときには暑さに耐えられずに熱中症になってしまうので注意が必要です。
 無理をする必要はありませんが、暑さに身体を慣らすことで身体の熱ストレスへの耐性があがり、熱中症になりにくくなります。
 これを暑熱順化といいますが、ちょうどだんだん暑くなってくる今の時期に暑さを身体に慣らしておくと、その後の夏がある程度過ごしやすくなると思います。
 暑さへの身体の慣らし方としては、軽い運動をすることです。
 暑熱順化は、身体の冷却機能を身体に思い出させる作業なので、身体を動かすことで汗をかいたり血流による体温調整がしやすくなったりし、結果的に熱中症を防ぐ効果が期待されます。
 本格的に暑くなってくるこれからに備えて、運動をして熱に強い身体を作る、暑熱順化をしておくようにしてくださいね。

判断力を養う

 災害が発生したときに学校や学童クラブなどにいたときには、「子ども達は先生の指示に従いなさい」という教育をされています。
 これは子ども達よりも大人である教員などの方が正しい判断ができるということなのでしょうが、それは本当でしょうか。
 通常時はそれで問題ないと思うのですが、災害発生時には、とっさの判断と迷わない行動が必要になります。
 この判断や行動はそれまでその人がどうやって生きてきたかという人生に直結する話なので、自分で決めたことがない人にとっては判断も行動もできないということになります。
 ましてや、責任問題がついて回ることを考えると、どれくらいの大人が正しい判断をすることができるでしょうか。
 普段から行動基準を決めているのであればそれに従えば良いのですが、学校長や教頭、主幹教諭などの指示を受ければいいと考えている人では、まともに動くことすらできないでしょう。
 逆に、普段から防災教育を真面目に取り組んでいる子ども達の方が正しい判断ができると確信しています。
 判断と行動ができない人が指揮を執るとどうなるかは、東日本大震災のとある小学校の悲劇を考えればわかると思います。子どもも大人も関係ありません。普段から災害時にはどんな行動をすればいいのかを一緒に考え、話しておけば、いざというときにそれぞれが安全確保の行動をとることができます。
 もしあなたに子どもがいるのであれば、「いざというときには先生のいうことを聞くんだよ」ではなく、「いざというときには自分が安全だと思う行動を取るんだよ」と教えて下さい。
 自分の命を守るのは自分しかありません。
 過剰に大人に判断を任せるのではなく、子ども達も一人の人として自分の命を守る行動が取れるように、普段から意識するようにしてください。

仮設トイレと簡易トイレと携帯トイレ

これは仮設トイレ。おうちのトイレほどではないかもしれないが、それなりに快適。

 イメージがごっちゃになっているかもしれませんが、仮設トイレは現場事務所に置かれているような、独立したトイレのことです。
 くみ取りもでき、移動もできて災害後の避難所では結構よく見るトイレです。


 仮設トイレは、便器はあるが排泄物の処理をその都度行わないといけないトイレです。汚物を流したり貯めたりするのではなく、一回ごとに汚物袋をセットして、用を足したら凝固剤を入れ、汚物袋の口を縛って処分し、新しいものに取り替えるものです。
普段使っているトイレが使用禁止になってから仮設トイレが届くまで、さまざまな形で利用されます。
 そして携帯トイレは、便器はなく、消臭袋と凝固剤が一体になっていて簡単に持ち運びのできるもの。
 ざっくりとしたイメージになりますが、仮設トイレは行政などが手配するちゃんとしたトイレなのに対して、簡易トイレや携帯トイレは行政だけでなく、個人や自治会などでも準備しておく必要のあるものと考えてもらえばいいと思います。
 で、目隠しテントと簡易トイレを展示しておくと、よくいただく質問に「簡易トイレを持って避難するのは難しい」というものがあります。
 確かに、少しでも荷物を減らしたいときに簡易とはいえ便座まで持って避難しろというのはかなり難しい話です。
 ただ、ここで書いておきたいのは、避難のときに便器までは準備しなくてもよいというものです。
 あなたがトイレを使う頻度を考えてもらえればわかると思いますが、頻繁に使うのは小さい方で、大きい方は下痢でもしていないかぎり1日に数回程度ではないでしょうか。そうすると、数の多い小さい方に備えておけばいいということになります。
 小さい方はそこまでの場所をとりませんから、便座がなくても排泄は可能です。汚物袋と凝固剤さえあれば、とりあえずの排泄はできるわけです。

携帯トイレの例。男女兼用とかかれていても、大小兼用は少ないので注意が必要。

そして、簡易トイレは、大きい方でも小さい方でも、一回ごとに汚物袋を取り替えなければいけません。すると、小用まで避難所の備蓄品で対応しようとすると少々汚物袋を準備していてもあっという間に備蓄が底をついてしまいます。
そのため、携帯トイレを準備して、少しでも簡易トイレに負担をかけないようにしておく必要があるのです。
簡易トイレは大きい方用、携帯トイレは小さい方用と考えてもらえば良いと思います。
実際、携帯トイレとして売られている商品は殆どが小専用となっていて、大に対応しているものはごく少数です。そして、小専用は軽くてコンパクト。
女性は慣れないと使えないと思いますが、簡易トイレほどの設備がいらないので、非常用持ち出し袋にある程度入れても邪魔になりません。
避難する人が各自で小用を1日分持参すれば、それだけでも備蓄の消費量にはかなりの好影響を与えますし、避難中にもよおしても我慢せずに使うこともでき、精神的に落ち着けると思います。
もちろん、大小兼用の携帯トイレもありますので、それを持っていればより安心なのは間違いありません。
非常用持ち出し袋を作るときには、とりあえず1日分の小用携帯トイレを意識して準備しておくことをお勧めします。

子どもの避難と保護者のお迎え

 学校やスポーツクラブ、学童クラブなどにいた子ども達が災害にあったら、子ども達をどのようにして保護者に引き渡すのかをルール化して保護者と情報共有ができているでしょうか。
 災害で避難した子ども達は、恐らくみんな不安になっていると思います。
 保護者の顔を見るとほっとするのではないかというのは、なんとなくイメージができるのではないでしょうか。
 ただ、知りうる限りの施設では、避難や避難先は内部で共有されていますが、保護者や外部には公表されていないのか、いざというときにどこに避難していて、迎えにいけばいいのかを把握してる保護者はすくないような気がします。
 これは少しだけ困った話で、子どもを引き取る保護者側はこどもがどこにいるのかさっぱりわからずに被災地内を駆け回ることになってしまいます。
 学校もそうなのですが、できる限り保護者も避難訓練に参加してどのような訓練をしているのかをきちんと確認しておいた方がいいと思います。
 そうすれば、どこに避難する可能性があるのかがわかりますので、こどもの居場所も予測しやすくなるはずです。
 被災後は、できるだけ早めに子ども達を保護者に引き渡さなければならない。
 そのことを念頭において、さまざまな会議や文書で保護者には知らせておいて欲しいなと思います。

トイレの問題を考える

簡易トイレの汚物の処分はどうやってやる?

 災害が起きて断水すると、多くの場所ではトイレが使えなくなります。
 流すのに水が必要ないくみ取り式や、少量の水で済む簡易水洗であればともかく、充分な水の確保ができなければ原則としてトイレは使用禁止にせざるを得ません。
 避難所の衛生環境が確保できるか否かの一番最初は、このトイレの問題となるのですが、多くの場合、運営者の手が回らずに、トイレの封鎖を行う前に汚物でてんこ盛りになっている状態になってしまいます。
 現在の災害対策支援では、早ければ3日後くらいには仮設トイレが届き始めるそうなので、発災から3日後までのトイレをどうするのかという問題があります。
 防災のワークショップなどではこのトイレづくりも取り上げられたりしていますが、実際に作るとなると、手間と時間、それに臭いの問題が発生してきます。
 簡易トイレで出した汚物は、出した先のビニール袋に凝固剤や消臭剤を投入して口を縛り、燃えるゴミなどに出すことになりますが、時間の経過と共に腐敗して臭気がただよい、精神的にも衛生環境的にもよくありません。
 また、できる限り小まめに汚物の回収を行わなければなりませんが、そういった作業をしたがらない人や、できない人も多くいます。
 避難所での最優先課題はトイレだと思いますので、地震による下水管の破断や断水時のトイレの封鎖、簡易トイレの設営、使い方、汚物処理について、あらかじめしっかりと取り決めておく必要があります。
 避難所だけでなく、あなたのおうちでも、自宅避難を行う場合に備えて、準備しておくことをお勧めします。