エアコンの室外機にご注意を

台風だけで無く、地震や水害などでも被害に遭いやすいエアコンの室外機。写真のような状態だとどちらのエアコンも使う前に点検が絶対に必要となる。(写真はそなエリア東京の展示物)

 災害の後で家の片付けをするとき、もしもエアコンの室外機がそれまで置かれていた場所から動いていた場合には不用意に触れないようにしてください。
 エアコンの室外機には冷却用のガスが収められていて、これを屋内のエアコン本体に送ることで冷却効果が出ているのですが、定位置から動いている場合には本体と室外機を繋ぐパイプが破損している可能性があり、もし動かすと破損箇所から冷却ガスが噴き出して思わぬ事故が起きることがあるからです。
 まずは電気屋さんに点検をしてもらって、エアコンの状態に問題がないかどうか確認してください。
 問題が無ければ電気屋さんが室外機を定位置に収めてくれると思いますので、その後にエアコンを使うようにしてください。
 なお、エアコンの点検は建物が通電していないとできません。点検が終わるまでは、エアコンと室外機は「動かさない」「触らない」を忘れないようにしてください。

参考
災害時の困りごとと対処法」((株)ダイキンのウェブサイトへ移動します)

地震と噴火の発生確率

わかりにくいが、島根県内で観測対象となっている活火山の三瓶山。
普段は観測されておらず、何らかの異常が確認された時点で観測が開始される。

 さまざまな災害が起きるかどうかを表すものに「発生する確率」というものです。
 南海トラフ地震や首都直下地震、富士山など火山の噴火の予測でよく週刊誌などに出てくるのですが、この数値は一般的に私たちが考えるような数値ではないことに注意が必要です。
 例えば、2016年に発生した熊本地震。これを起こしたのは布田川断層の布田川区間だと言われていますが、国の地震調査研究推進本部地震調査委員会の出していた主要活断層等で発生する地震の長期評価では、今後30年以内に起きる確率は0~0.9%とされていたそうです。
 最大で0.9%と聞いてあなたはどう感じましたか。起こる確率は高いと感じましたか、それとも低いと感じましたか。
 おそらくこの数値を聞いた人は、あまり心配しなくてもいいと感じたのではないでしょうか。ただ、主要活断層等の長期評価では、0.1%を超えると「やや高い」となるそうなので、実際には起きるかもしれないという数値を表していたことになります。なんとなくすっきりしない気はするのですが、そんなものと割り切るしかありません。
 ちなみに宮城県沖地震は今後30年以内に発生する確率は99%、東海地震は87%(参考値)となっており、こちらの数字はよく週刊誌やスポーツ新聞等で騒がれているものです。
 何が言いたいのかというと、地震にしても火山にしても、その災害が起きる可能性が0%なのかそうでないのかを確認しておくということ。0.1%でも発生確率がやや高いとされているわけですから、0%でないならば、基本的にはいつ起きてもおかしくないということを教えていると思えばよさそうです。
 「いつ」というのは、現在の技術では確実なことはわかりません。火山の場合には、低周波地震や山体の膨張などで数日前には予測ができるとも聞きますが、専門の研究家も少なく、観測態勢が脆弱ですので有名な山以外では観測がされていないのが実情ですから、こちらも突然来ると考えておいた方が精神衛生上は良さそうです。
 地震が起きたらどれくらいの揺れが来そうなのか、身近に火山がある場合、噴火するとどれくらいの影響が出るのかを知ることは、災害対策を考える上で非常に大切なことだと思います。
 大切なのは平時の準備です。もしかしたら30年経っても何も起きないかもしれませんが、ひょっとすると次の瞬間に災害が発生しているかもしれません。
 起こりうる災害を考えて、しっかりとした備えをしておきたいものですね。

子どもに伝えておく災害時の対応

 親や大人がいないときに地震にあったらどうするかについて、こどもと話したことはありますか。
 こどもには「ここで遊ぶときはここへ避難してね」といった感じで伝えているのでは無いかと思いますが、安全になるまでそこにいて欲しいと思っていても、こどもは親を探しに危険を押して移動します。
 ですから子どもには「お父さんやお母さん、おじいちゃんおばあちゃん、家族みんながそれぞれ避難するから、あなたも避難して安全だとわかるまではそこにいてください」と、家族もきちんと避難すると言うことを伝えておいてください。
 できれば、安全が確保されてから家族が集合すべき場所を具体的に決めておくとより安心です。集合すべき場所は、津波などの影響がありそうなら影響を受けない高台や避難所の場所を、そうでないなら自宅などを目印にしておくといいでしょう。
 そして安全とはどういう状態なのかについてもきちんと教えておく必要があります。抽象的ないい方だと、子どもはうまくイメージできないことが多いですから、例えば「波が完全にこないとわかるまで移動しない」とか「ラジオやテレビで安全だとわかるまで移動しない」など、わかりやすくイメージしやすい言葉で伝えておきましょう。
 親が子どもを心配するように、子どもも親を心配します。だから、こどもに「あなたが避難してくれていると思うから自分は避難できる」ということをしっかりと伝えてください。
 逃げないといけないときには、何をしていても逃げること。みんなちゃんと避難するから、あなたも避難すること。あなたが避難してくれると思えないと、自分が心配であなたを探しに行くことになり、災害に巻き込まれてしまうかもしれないことを伝えてください。
 一人一人がそれぞれに自分の命に責任を持ち、自分の命を守るための行動をしっかりととること。いざというときだけでなく、日頃からしっかりと話をしておかないと、思いはうまく伝わりません。
 迷ったときにはより安全な方を選ぶこと。大人がなんと言おうと、自分の命を守るための行動を取れるようにしておきましょう。
 東日本大震災で多くの児童が犠牲になった大川小学校では、子ども達の裏山への避難判断を教師が邪魔したうえに避難させなかったという話もあります。命を守るための判断は、子どもだけで無く大人もしっかりと身につけておく必要があります。
 過剰なくらいの安全確保でちょうどいいのです。「子どもだから大人が100%守る」というのは大人の思い上がりでしかありません。自分の命を自分で守る判断をさせることは非常に大切なことですから、折を見てしっかりと判断能力を育てるようにしましょう。

「災害時に便利なアプリとWEBサイト」を紹介するリーフレットのご紹介

リーフレットで紹介されているアプリの一つ「Safety tips」の日本語版の画面。
天気や避難所案内だけで無く、災害とは何かを学べる「事前学習」や
簡単なコミュニケーションができるコミュニケーションボードもついていて便利。


 他の国から来て地域に住んでいる人が、地域活動に参加されることも増えてきました。日本に住む以上さまざまな災害と無縁ではいられないのですが、顔見知りになったとはいっても、お互いの意思疎通というのは、以前ご紹介した「voicetTra」などの翻訳ソフトを使っても、なかなか難しいところもあります
 とはいえ、災害時などの緊急事態には、どのような情報をどこで見たらいいのかくらいはきちんと伝えておきたいですよね。
 このたび内閣府防災が災害時に情報を集めることのできるスマートフォンアプリとWEBサイトを紹介するリーフレットを作成しました。
 内容は、本当にアプリとWEBサイトの紹介なのですが、その国の方が使っている言語があれば、このリーフレットを渡して説明していくと理解がしやすくなるのではないかと思います。
 また、災害に対する備えが勉強できたり、コミュニケーションボードが搭載されているアプリもあって、いざというときに途方に暮れなくてもすむかなと思えるくらいのないようにはなっています。
 どこの人であれ、災害なんかで死んでいい人はいません。情報がうまく伝わらなくて逃げ遅れてしまったと言うことが起きないように、地元の集まりのときなどに、こういったリーフレットを配って、地域の安全につなげていただければと考えます。

災害時に便利なアプリとWEBサイト(多言語)」(内閣府防災情報のページに移動します)

災害時の危険ってどんなこと?

 防災関係でよく言われる言葉に「災害が発生しそうなときに危険だと思ったらすぐに避難してください」というのがあります。
 命を失いかねない状況になることだと考えると、「避難=命を守る」ということになりますので、命の守り方をしっかりと理解していないといけません。
 では、災害で起きる命を失いかねない状況を考えてみましょう。
 まずは大雨。大雨になると水路や地面が水を裁ききれなくなって越水や水没、土石流、地すべり、土砂崩れなどの土砂災害が発生し、それに巻き込まれることによって命の危険が生じます。
 対策はというと、海抜高度の低いところや川の周囲、又は川の跡、土砂災害の起きそうな場所には住まないことが一番です。とはいえ、実際のところはそこまで考えて住んでないと思いますから、危険なときにだけそれらの危険のない、海抜高度が高くて土砂災害の起きない場所に逃げておけば危険を避けて命を守ることができます。
 台風も同様で、これに風対策が追加になります。家の周りのものが飛ばないように、他からものが飛んできても被害が出ないように、例えば植木鉢やバケツなどは屋内にしまっておく、屋根の修理は早めにしておく、窓には飛散防止フィルムを貼っておくなどの準備をした上で、水の被害が起きそうなら、やはり水に対して安全な場所に逃げておくことで命を守ることができます。
 風が強いと停電になることが多いので、ランタンや懐中電灯といった照明具やカセットガスといった調理器具の準備も必要になるかもしれません。
 最後は地震。いきなり来るとは言え、大きな揺れだけでは心臓の悪い方以外で危険を感じる方はいないと思います。
 問題になるのは揺れによって発生するさまざまな被害です。例えば、家屋の倒壊、土砂災害、高いビルだと長周期振動も問題になりそうです。
 対策としたら、家屋の耐震調査をし、必要があれば耐震補強すること。家具が人のいる場所に倒れないようにしておくこと、なによりも危険な場所には住まないことです。

 「三十六計逃げるに如かず」という言葉もありますが、危なければ危なくないところへ逃げれば良いだけで、その情報の一つとして自治体のハザードマップが存在します。
 ハザードマップを過信してはいけませんが、一つの目安になるものであることは間違いありません。
 自治体が配っているハザードマップにしっかりと目を通して、避難所以外でも危険がなさそうな場所も探しておいてください。

 また、ものの特性を理解しておくこと。例えば、水は高いところから低いところへ必ず流れていきますので、水の通り道を避けて高いところへ移動すれば安全は確保できます。粘土質な土地なら、土石流や地すべりが起きやすいかもしれませんので、早めに逃げておく方がいいかなという予測ができます。

 災害なんかで死なないために、自分の身を守るための行動基準を作ることはとても大切なことです。いろいろなことを検討しながら安全に逃げられるやり方を見つけてくださいね。

子どもの通っている場所の避難計画を知っていますか

 地震やら大雨やら、毎年さまざまな災害が続いているわけですが、あなたの子どもさんが通っている学校や保育園、習い事教室と言った場所や施設の避難計画はご存じですか。
 それぞれが、発災時には子ども達の命を守るための対応を取ってくれると思いますが、そういう場所や施設は、最終的には保護者に引き渡すことが前提の計画となっていると思います。
 では、保護者はどんな状態の時にどこへ迎えに行けばこどもと無事に合流することができるのでしょうか。
 避難計画で発災後に子どものいた場所や施設に迎えに行くという計画の場合には、その場所や施設があらゆる災害から安全であるという前提がないといけません。
 まずはその場所や施設にいる人たちの安全を確保することが優先されますから、場合によっては他の場所に避難することもあり得ると思います。
 その時の避難先がどこか知っていますか。
 多くの施設はそういうときの避難先を決めていて保護者にその情報を開示していると思いますが、保護者の側はさまざまな通知に紛れて覚えていないのではないでしょうか。また、習い事などの場合には、どこへ逃げるのかについて保護者が教えてもらっていない場合もあると思います。
 そして、その場所や施設がどのような設備や資材を持っていて子ども達がどこまでなら安全に過ごすことができるのかについてもきちんと確認していますか。
 避難訓練は人の集まる施設では必ず義務づけられていますが、保護者はいつ訓練をやっているのか知っていますか。そして、その風景を見学をしたことがありますか。
 保護者が自分の安全を確保するためには、子どもの安全が確保されていることに自信が持てることが大切です。
 子どもの通っているさまざまな場所や施設の避難計画について、一度確認してみてくださいね。

非常用持ち出し袋の保管場所

非常用持ち出し袋。左は昔からあるナップサックタイプだが、実用性は「?」。
準備するなら左側のようなリュックサックタイプがおすすめ。

 災害に備えたさまざまな品物は持ち出しやすい順番に「防災ポーチ」「非常用持ち出し袋」「備蓄品」に備えることになります。
 もちろん普段から持ち歩けるのならば防災ポーチではなく非常用持ち出し袋でまったく問題ないのですが、水や食料品その他非常用のアイテムを普段からあちこちと持ち歩くのはなかなか難しいなと思います。
 そうすると、普段から持ち歩くのは日常品+αの防災ポーチ、長時間いることの多い場所に非常用持ち出し袋をそれぞれ準備し、備蓄品は家の安全な場所に置くことになると思います。
 日常的な移動に自家用車を使うことの多い田舎だと、非常用持ち出し袋は、家と職場、そして車の中にでも置くことになるのではないでしょうか。
 家と職場はいざというときにすぐ持てる場所に、車の中は高温にならない場所にそれぞれ置くことで、最低でも一つ、うまくいけば3つの非常用持ち出し袋が確保できますから、いざというときに余裕を持った被災者生活が送れることになります。
 3つも管理するのは大変だと思いますが、昼食やお出かけ先の食事などで非常食を消費すれば、案外とうまく消耗品をローテーションできると思います。
 一番いいなと思うのはキャンプなどのアウトドアで実際に使いながら非常食を入れ替えていくことで、この場合には擬似的な被災生活も体験することができます。
 ところで、非常用持ち出し袋は作ったら必ず目につくところに保管してください。押し入れの奥や普段目につかないところに置いてしまうと、意識の中から非常用持ち出し袋の存在そのものが消えてしまいます。
 意識にないものは存在しないのと一緒。常に目につくところに保管しておいて、いざというときに探さなくても持ち出せるようにしておきたいですね。

地震で人が死ぬ理由

 日本は地震大国であり、大地震が起きると何らかの犠牲者がほぼ確実に発生しますが、その犠牲者はどんな理由で犠牲になったのでしょうか。
 地震で多くの人が犠牲になると言っても、実は地震の揺れそのもので死ぬ人は殆どいません。心臓が悪い方がびっくりした拍子に心臓が止まってしまうくらいでしょう。
 問題になるのは地震の揺れでは無く、揺れにより発生する建物倒壊や崖崩れ、または地震が原因となる津波や火事で、これらが人的な被害を引き起こします。
 東日本大震災では判明している多くの人の死因は溺死ですし、熊本地震では圧死、阪神大震災では圧死と発生した火災が死因の多くを占めていました。
 逆に考えると、溺死、圧死、焼死を防ぐことができれば多くの人は犠牲にならなくて済むと言うことです。
 溺死を防ぐためには、発生した津波から逃げることが必要で、できるだけ高いところに避難しろということになります。
 圧死は、建物やブロック塀、自動販売機の倒壊を防いだり、家具の固定を勧めることで圧死の原因を減らすことができます。
 焼死は、身近に消火器を置いたり、感震ブレーカーなどを装備することで不用意に発生する火災を小規模または未然に防ぐようにすれば、大規模火災を押さえられますから犠牲者が出なくて済みます。
 そう考えると、対策をきちんととれば地震もさほど怖いものでは無いということに気づけると思います。
 地震が発生することは止められませんし、精度の高い予報をすることも現時点では難しいですが、地震が起きても被害を最小限に食い止めることはできると思います。
 あなたが地震で死なないために、地震が原因で発生するさまざまな死亡原因の元を無くしておくことが必要となるのではないでしょうか。

リスク管理と危機管理

 災害対策としてたまに出てくる言葉に「リスク管理」と「危機管理」がありますが、この違いをご存じですか。
「リスク管理」は、災害が発生する前に災害という「リスク」が起きないよう、さまざまな問題を洗い出して「管理」することです。
 ここでいうリスクというのは「危険性」であり「事前に想定されうる好ましくないこと」と定義しています。
 「危機管理」は、災害発生という「危機」で発生してくるさまざまな問題を整理し「管理」していくことです。
 つまり、リスク管理は”災害発生前”、危機管理は”災害発生後”に問題に対応することを表していると考えてください。
 リスク管理では想定されるリスクの評価をまずは行っていきます。これは「与える(受ける)被害×発生する可能性」により対応すべき優先度を決めるもので、あまりに深刻な状態が予測されるようなら「やらない(やめる)」というリスク回避も検討の一つになります。
 リスクは殆どの場合限りなく0に近づけることはできても完全に0にすることはできません。そのため、発生する可能性のあるリスクをどうやって自分が認めることのできる範囲に押さえることができるかを考えていきます。
 リスクで発生する被害を押さえる、または発生する確率を下げる、あるいは被害を押さえながら発生確率を下げる。それにより被害を受けてもなんとかなる状況に落ち着かせる。この事前準備がきちんとできていると、受けるダメージを軽減したり、復旧速度を上げたりすることができます。また、災害発生後の危機管理もかなり楽に素早く対応ができることになります。

 危機管理は、今目前で同時に発生しているさまざまな事態に対してどう対応していくかを決めていく作業ですから、守るべきものの優先順位を即座に判断して対応していくことになります。
 必ず序列がつくことになりますので、普段から「何を犠牲にしても守るべきもの」を整理して決めておかないと対応ができなくなりますが、リスク管理の段階で「守るべきもの」の優先順位がきちんと整理されていれば、守るべきものをどうやって守るのかに集中できるため、安全で効率よく対応を行うことができます。

 このリスク管理と危機管理をセットで考えていくのが事業継続化計画、いわゆるBCPというものになります。
 ご家庭であればFCP(家族継続化計画)、学校ならSCP(学校継続化計画)というような呼び方もされているようですが、さまざまな事態を想定して対策や誰がどう動くのかなを決めてお互いに確認しておくことで、それぞれの安全を確保できます。
 リスク管理と危機管理、一度整理してみると案外と面白い結果が見られるかもしれませんよ。

こどもと通学時に発生した災害での避難場所を確認しておく

 こどもというのは基本的に素直なものですから、登校時に地震などの災害にあっても、学校に行くと決めたならなんとしても学校に行こうとします。
 こどもに限らず、日本人はそういった習性があるのか、大阪北部地震では通勤・通学途中の多くの人がそのまま仕事場や学校に行こうとしてあちらこちらで渋滞やバスタクシーを待つ行列ができていました。
 ただ、地震とそれに伴う津波が発生した場合にはできる限り早く安全な高い場所へ避難する必要がありますし、津波が起きない場合でも、余震が相次いだりしたときに安全な空間がどこにあるのかを知っておくことは大切です。
 では、こどもにどのような指示を出しておいたらいいのでしょうか。
 さまざまな方法があると思いますが、ここでは大きく3つにゾーニングして一緒に通学路を移動して確認してみる方法を考えてみます。
 自宅周辺、学校周辺、そしてその道中。バスや汽車通学の場合には乗降する駅やバス停を境にして考えることにします。歩きの場合には、概ね1km程度で分割するといいと思います。
 最初は自宅周辺にいた場合。この場合で家が安全地帯にある場合には自宅に引き返すようにします。
 二つ目は、学校周辺にいた場合。この場合は学校に移動するようにします。
 三つ目は、どちらからも遠い場合。この場合には、通学路周辺の安全を確保できる場所へ待避するようにします。
 待避する場所は、あらかじめ家族で通学路の点検をして安全な空間がどこにあるのかを家族で確認し、何かあったらそこへ待避、そして保護者がそこへ迎えに行くようにしておきます。
 そうすることで、少なくとも子どもの安全は確保することができますし、探しに行く場合でも逃げるポイントが分かっているので合流するのはさほど難しくはありません。
 学校の避難訓練では教員や大人が子どもの行動基準を判断して全てを指示するようになっていますが、実際の災害では大人が近くにいない場合も考えられます。
 子ども達が自ら考えることができるように、通学時の避難場所や避難方法についても家族で現地確認をし、どうするかを話し合っておくことをお勧めします。