子どもに伝えておく災害時の対応

 親や大人がいないときに地震にあったらどうするかについて、こどもと話したことはありますか。
 こどもには「ここで遊ぶときはここへ避難してね」といった感じで伝えているのでは無いかと思いますが、安全になるまでそこにいて欲しいと思っていても、こどもは親を探しに危険を押して移動します。
 ですから子どもには「お父さんやお母さん、おじいちゃんおばあちゃん、家族みんながそれぞれ避難するから、あなたも避難して安全だとわかるまではそこにいてください」と、家族もきちんと避難すると言うことを伝えておいてください。
 できれば、安全が確保されてから家族が集合すべき場所を具体的に決めておくとより安心です。集合すべき場所は、津波などの影響がありそうなら影響を受けない高台や避難所の場所を、そうでないなら自宅などを目印にしておくといいでしょう。
 そして安全とはどういう状態なのかについてもきちんと教えておく必要があります。抽象的ないい方だと、子どもはうまくイメージできないことが多いですから、例えば「波が完全にこないとわかるまで移動しない」とか「ラジオやテレビで安全だとわかるまで移動しない」など、わかりやすくイメージしやすい言葉で伝えておきましょう。
 親が子どもを心配するように、子どもも親を心配します。だから、こどもに「あなたが避難してくれていると思うから自分は避難できる」ということをしっかりと伝えてください。
 逃げないといけないときには、何をしていても逃げること。みんなちゃんと避難するから、あなたも避難すること。あなたが避難してくれると思えないと、自分が心配であなたを探しに行くことになり、災害に巻き込まれてしまうかもしれないことを伝えてください。
 一人一人がそれぞれに自分の命に責任を持ち、自分の命を守るための行動をしっかりととること。いざというときだけでなく、日頃からしっかりと話をしておかないと、思いはうまく伝わりません。
 迷ったときにはより安全な方を選ぶこと。大人がなんと言おうと、自分の命を守るための行動を取れるようにしておきましょう。
 東日本大震災で多くの児童が犠牲になった大川小学校では、子ども達の裏山への避難判断を教師が邪魔したうえに避難させなかったという話もあります。命を守るための判断は、子どもだけで無く大人もしっかりと身につけておく必要があります。
 過剰なくらいの安全確保でちょうどいいのです。「子どもだから大人が100%守る」というのは大人の思い上がりでしかありません。自分の命を自分で守る判断をさせることは非常に大切なことですから、折を見てしっかりと判断能力を育てるようにしましょう。