災害になって慌てても遅い

 台風や大雨による越水、氾濫などによって自宅などが浸水したときになってから、慌てて市町村や消防、警察などの行政機関に救援を求める人が相変わらず多いです。
 特に「水に浸かるはずがない」とか「うちは絶対大丈夫」といった根拠に基づかない楽観論で構えていた人ほど慌てるようです。
 そういった災害時には、行政機関は被災地域での被害をできる限り小さくすべく頑張っているわけですが、その中で避難遅れによる「助けてくれ」の連絡はあらゆる仕事の邪魔になります。
 自分の住んでいる場所は自分で選択しているわけですから、本来はその場で発生することが予測される危険性は知っておかないといけないですし、いざというときの対応もきちんと考えておかないといけません。
 助けてもらおうと電話する人は、被災者が自分だけと思っているのですが、そういった人達が大量に発生することが殆どですので、救助の手は非常に遅くなると考えてください。
 身の安全は自分で確保しておく必要があるのです。
 そのためのハザードマップであり、避難訓練や防災研修会だったりするのです。
 災害時に慌てて避難先を行政機関に電話して聞くような愚かなことはしないでください。
 もしも避難が必要な場所に住んでいるのであれば自分の避難先や避難方法、避難開始判断の鍵はきちんとわかるようにしておいて、災害が発生してから慌てることがないようにしておきたいですね。

【終了しました】防災マップ作成会を開催します

 毎年当研究所が行っている小学生向けの防災マップ作成会を開催します。
 期日は9月25日10時~12時。場所は高津地区です。
 今回は損保協会様のぼうさい探検隊マップコンクールからタブレット端末をお借りしてデジタルマップによる防災マップ作成をやりたいと考えています。
 集合場所や具体的な防災マップ作成エリアなど、詳しい内容につきましては、当研究所メールからお問い合わせ下さい。
 また、見学についても若干名ですが受け入れ可能です。
 興味のある方のご参加もお待ちしております。
 なお、今回作成したマップは損保協会様主催のぼうさい探検隊マップコンクールに応募することになりますので、ご了承いただければと思います。
 それから、防災マップを作ってみたいとお考えの方がいらっしゃいましたら、そのお手伝いもできると思いますので、ご連絡いただければ幸いです。

非常用持ち出し袋にはマスクを一箱入れておく

呼吸器はマスク、目はゴーグルで守るようにしよう。

 非常用持ち出し袋には、個包装された使い捨てマスクを一箱入れておくことをお勧めします。
 新型コロナウイルス感染症を含む感染症対策と言うこともありますが、一番の理由は災害後に呼吸器官系のトラブルから身を守るためです。
 というのも、地震や洪水と言った災害の後では細かい粉塵が舞っていることが非常に多いです。
 この粉塵を吸い込んでしまうと、咳や鼻水、ぜんそく、肺炎といった呼吸器系のトラブルが発生する可能性があります。
 特に子どもは早めに着用させる必要があります。
 地震で舞い上がる粉塵は50cm~1mくらいとされていますので、例えば地震後の避難時には子どもはマスクを着用しておかないと粉塵を吸い込んでしまいます。
 子どもは大人に比べると呼吸器の防御機能が弱いので、呼吸器系のトラブルが非常に起きやすくなります。
 マスクが無い場合には、ハンカチやタオルを使って口や鼻を守るようにしてください。また、粉塵を生活空間に持ち込まないということから、外から帰ってきたら使っていたマスクは密閉できる袋に入れて処分するようにします。
 呼吸器系からくる健康被害を防ぐためにも、マスクは忘れないようにしたいですね。

防災アプリを使ってみよう

 ちょっと前になりますが、益田市が防災アプリの提供を始めました。
 鹿足郡は地元のケーブルテレビ局であるサンネットにちはらが提供しているアプリ内で防災情報の提供がされていますので、これで益田・鹿足郡の防災情報がスマホアプリで提供されることになりました。
 いずれのアプリもその地域に住んでいる人であれば非常に使い勝手がいいと思いますので、気になる方はリンク先からご確認ください。
 ただし、鹿足郡のサンネットにちはらのアプリは、iOSはリンク先は出していますがアプリのバージョンなど、内容は未確認ですので、申し訳ありませんが、ダウンロードされる際には自己責任でお願いします。
 また、防災アプリがセットできない方向けに、島根県の防災メールサービスのご案内もしておきます。
 以下のリンク先から内容をご確認ください。

益田市防災アプリのご案内(益田市のウェブサイトへ移動します)

サンネットにちはらアプリ(津和野町・吉賀町(アンドロイド向け:GooglePlayへ移動します))

サンネットにちはらアプリ(津和野町・吉賀町(iOS向け:AppleStoreへ移動します))

島根防災メール登録のご案内(島根県のウェブサイトへ移動します)

避難所に入る順番

 災害では避難者が二種類にわかれます。
 一つは元気で避難後の生活の復旧も早い人。もう一つは年齢や障がいなど何らかの理由で生活再建に支援の居る人、いわゆる生活弱者といわれる方です。
 自主防災組織や自治会が機能している地域だと、水害や台風と言った予測される災害時には事前に生活弱者の方を避難所あるいは福祉避難所に搬送して事前に安全を確保する光景が見られます。
 地域のつながりがしっかりとしているところも、比較的早めに生活弱者の方の避難は早いような気がしています。
 おおざっぱになりますが、事前に予測できる災害の場合だと、生活弱者→健常者の流れで避難所に人が増えていく構図です。
 ですが、これが地震になると光景が逆転します。
 発災後、まず最初に避難してくるのは健常者の方。そしてこういった人達が避難所を埋めたころ、生活弱者の人達が避難してくるといった光景になります。
 それがいけないというわけではないのですが、避難所に避難できる、または入れる順番を決めて地域で共有しておかないと、元気で声のでかいおっさんが避難所の一番いい場所で多くの面積を確保し、支援のいる人は避難所に入れないという光景が発生してしまうことになります。
 こういった光景は、田舎よりも都会で見られることが多いような気がします。
 顔見知りであればそれなりに遠慮や譲り合いもありますが、見知らぬ人であれば何の関係もありませんので、お互い様という意識も沸いてこないかもしれません。
 災害時にその場に居た人は誰もが被災者です。その被災者の中でも、生活への支援がないと生きていけない人もいて、そういう人達が避難所に優先して入れるような環境が作れるといいのですが。

耐震補強、しないとどうなる?

 地震が頻発する日本では、大きな地震が起きるたびに耐震化の必要性が言われています。なぜなら、他の災害と違って、地震は起きたときには勝負がついているからです。
揺れ始めてから慌てても耐震化工事は絶対に間に合いません。
 そのため、事前に揺れても家がつぶれないように耐震化工事をきちんとしてくださいということが言われているのです。
 新築される建造物については、よほどの手抜き業者でない限りは耐震補強がされた状態で建設されているはずですが、古い建物だとどのように作られているのかがわからないので耐震補強が必要だと考えた方がいいでしょう。
 では、耐震強化をしなければどうなるのか。
 それについて、防災科学技術研究所が同じ建物で耐震補強された場合とそうでない場合の比較を実物を使って実験していますのでご確認下さい。

 この実験から言えるのは、一階よりも二階の方がいくらかは安全と言うことでしょうか。
 耐震補強する気が無い、またはしたいけれどすぐには無理という場合には、寝るところだけでも二階にしておくと、それなりに命が守れそうです。
 とはいえ、古い建物はメンテナンスをしないと劣化が進みます。その作業のついでに、耐震強化も考えてみるといいのではないでしょうか。

まずは身の安全の確保から

机の下でダンゴムシ
机の下でダンゴムシはお約束です

 地震が起きたとき、その後どんな行動をしていたのかを体験者に尋ねると、割と高確率で帰ってくる返事が「その場で何が起きたのかを確認した」というものです。
 慣れっこになっている地域だと、「ほうきとちりとりで片付けを始めた」や「家の点検をした」といった答えが返ってくることもありますが、本当はまず自分の安全確保をすることが最初の行動になっていないと困るのではないかと思います。
 もちろん、何が起きたのか分からないから状況を確認して行動を決定するというのは非常に大切なことです。また、復旧対応をすることも悪いことだとは思いません。
 ただ、情報収集もお片付けも点検も、身の安全を確保ができていないと非常に危険です。普段から意識していて、自分の居る場所が安全だと分かっている場合には情報収集はしても問題ありませんが、安全かどうか分からない場合には、一度確実に安全な場所まで待避して状況を調べる習慣を作っておきましょう。
 以前、緊急地震速報がその場にいた人の携帯電話から一斉に流れ出し、筆者も含めた全員が携帯電話を確認しているうちに揺れ始めたことがありました。
 緊急地震速報の音は覚えておいて、もしそれが鳴ったら取りあえず安全確保するように習慣づけておかないと、緊急地震速報があまり役に立たないなと自分で反省したことを覚えています。
 普段意識していない身の安全かもしれませんが、もし地震が起きたらどう行動するのかを、その場所に応じて考えて、いざというときに行動できるようにしたいものですね。

【お知らせ】防災研修会を開催します【終了しました】

 最近よく耳にするようになった「災害」という言葉ですが、あなたはこの言葉でどんな状況を想像しますか?
 今回は「災害」という言葉に注目し、災害と、その災害のとき、どのようにしたらあなたの命が守れるのかについて一緒に考えていきたいと思っています。
 災害について漠然としたイメージしか無い方や、災害対策と聞いて何をしたらいいのか分からない方、何かヒントがつかめるかもしれません。
 興味のある方のご参加をお待ちしております。

開催日時:2021年 9月18日(土)18:30~20:30
開催場所:益田市市民センター第103会議室(益田市元町)
募集人員:10名
募集方法:事前申し込み。定員になり次第締め切りとします。

参加費:会員 300円(資料代)
    一般 500円(会場使用料、資料代)

開催内容:1.災害とはなんだろう?
     2.その災害で身を守る方法
     3.助けられる人から助ける人へ
講師:石西防災研究所・伊藤(防災士)

消火器を備えていますか

 火災の時にとても大切だと言われているのが初期消火です。
 どんな火でも最初は小さいですから、他に燃え移る前に消せれば火事になることを防ぐことができます。
 消火方法はいろいろと言われていますが、誰にでもできて確実に消そうとすると消火器が一番確実です。
 後片付けの問題はありますが、火事でさまざまなものを失うことを考えれば許容範囲だと思いますが、あなたの家には消火器が備えてありますか。
 また、備えている消火器の使用期限は大丈夫ですか。
 使用期限を過ぎたり、外観が痛んでいるものは速やかに交換をしてください。
 最近では消火器を取り扱っているホームセンターなどでも回収してくれるみたいですから、更新するときに相談してみてもいいと思います。
 そして、使い方も覚えておきましょう。
 慣れると簡単なのですが、間違って消火剤を撒かないように、消火器はその手順を守らないと消火剤を発射できないようになっています。
 備えて使えるようにしておくことで、おうちの安全を高めることができますから、一家に一本、備えてみてはいかがでしょうか。

地震の時には頭上に注意

吊り天井の内部。

 地震の時に怖いのは、とにかく落下物です。
 頭は非常に重たい上に支えている首は細いので、何か重たいものが頭に当たるとそれだけで首が折れてしまいます。
 また、頭に怪我をするとその後の避難判断や行動にも支障が出てきますので、とにかく頭を守る行為をしておくことが大切です。
 手持ちにカバンなどがあれば頭の上にかざして頭を守るようにし、ない場合には、手で守るようにします。
 揺れ始めたら頭上を最初に確認し、ものが落ちてきそうにないことを確認してからダンゴムシのポーズなどの防御姿勢を取るようにして下さい。
 ちなみに、ビルなどでは天井が吊られているつり天井になっていることがありますが、この場合天井が落下してくることが予測されますので、充分に注意して下さい。
 必ずとはいえませんが、天井に点検口が作られていたり、照明が天井に埋め込まれている場合にはつり天井であることが多いので、一つの目安にしてみてください。
 劇場や映画館など、天井が高い建物では落下する速度もつきますのでより危険になります。その場合には、座席の間に身を隠すなどして、落下してくる天井の直撃を避けるようにしてください。