ペットシーツを使った冷却材を作る

暑い時期に少しでも涼を取ろうとして、いろいろと工夫している方も多いと思います。
暑いけれど冷やしすぎたくはないときや、停電時に涼しくなりたいときには、給水ポリマーを使った冷却材を作ってみてはいかがでしょうか。
作り方は簡単。
ビニール袋にレギュラーサイズのペットシーツ(紙おむつでも可)を入れ、ペットシーツが給水できるぎりぎりまで水を含ませた後、水が漏れないようにしっかりと口を縛って振り回すだけ。
振り回しているうちに、気化熱で袋の中のペットシーツが冷たくなりますので、体の冷やしたい部分や体全体がほてっている場合には、首筋やわきの下、鼠径部など大きな血管のある部分を冷やすことができます。
ぬるくなってしまったら、また改めて振り回せば、水が蒸発しない限りは何度でも使うことができますので、非常に経済的でもあります。
ペットシーツの中の吸水ポリマーに吸われた水が空気に当たることで冷える原理を利用していますが、しっかりと冷えるので非常時の涼を取る方法としては結構いいと思います。
ペットシーツでもおむつでも、あるのなら吸水ポリマーそのものでもできる方法なので、お手元にあるのなら、一度試してみてください。

おしりふきと制汗シート

 暑い時期に汗をかくとそのあとの臭いが気になる方も多いのではないでしょうか。
 最近では制汗シートもさまざまなものがあって、これで肌を拭くとすっきりとして気持ちがいいものです。特に汗でべたべたしているときにこれを使うとさっぱりしますので、筆者のカバンの中にも入っているのですが、先日それで肌を拭いたら、少しぴりぴりとしました。
 肌が少し日焼けして若干痛んでしまっていたようです。
 ほてりを冷ますためのカーマインローションを塗るほどではないのですが、それでも拭くたびにお肌はぴりぴり。
 使っていた制汗シートは冷却効果を感じるためにミント系のものが使われていましたので、それと制汗シートを湿らせているアルコールがぴりぴりの原因だったようです。
 こういうときにさっぱりしたいと思ったら、赤ちゃん用の水だけ染み込ませてあるおしりふきがとても便利です。
 制汗シートと違って量が多く、持って歩くのがかさばるのが難点ですが、刺激性がまったくないので、お肌にもやさしく、肌を拭いたら、制汗シートほどではありませんがさっぱりとします。
 制汗シートもおしりふきも使っている不織布は厚手で丈夫なので、一枚で結構体を拭くことができるので、お風呂に入れないときでも体の衛生を保つことができます。
 肌のダメージがありそうな季節は両方用意しておいたほうがいいのかなとも考え、一応筆者の非常用持ち出し袋には両方入れてはあるのですが、あなたならどう考えますか?

新型コロナウイルス感染症と備蓄品

アルファ米の五目御飯、各メーカーの食べ比べ。かなり味が違っていて面白い。

 新型コロナウイルス感染症がまたまた蔓延していますが、あなたの体調は大丈夫ですか。
 当研究所のある島根県では、県が感染した時の自宅療養に備えて、5日分程度の生活物資の備蓄を呼び掛けていますが、どれくらい効果が出ているのかは不明です。
 ただ、もしも非常用持ち出し袋などが準備してあって自宅療養をしなくてはいけなくなったら、非常用持ち出し袋に入れてある防災食を食べてみてください。
 防災食にも当然賞味期限がありますから、それまでには消費しておく必要があります。もしも自宅療養になると、買い物に出るわけにもいかなくなりますので、準備してある備蓄品を使って、その使い心地をしっかりと確認しておいてください。
 アルファ米でも缶詰でも、同じ名前のものでもつくっている会社が異なると当然味も違います。こういったときに備蓄をしっかりと食べてみて、あなたの口に合うかどうか、そしてどうすると食べやすくなるのかなどを調べておくと、いざ本番のときにも安心できます。
 また、ウェットタオルや消毒なども備蓄品には入っていると思いますので、そういったものを活用してプチ避難生活を試してみるといいと思います。
 もちろん体調が悪い、または気が乗らないときに無理にやる必要はありません。
 ただ、せっかく自宅に閉じ込められているのですから、同じような条件になる非常用持ち出し袋を使っていろいろと試してみると本当にさまざまな発見があると思います。
 もし中身を使ったら、使った分はしっかりと補充。そして自分の好みにあった食料品でいざというときをしのげるようにしておいてくださいね。

バリアフリーを考える

技術の普及や周囲の理解もあってか、日常生活に支援が必要な人でも地域で暮らすことができるようになってきています。
生活の支援といってもさまざまですが、自分で自分が生活する場所を選ぶことができるようになったことは非常に喜ばしいことだと思っています。
ただ、生活の支援がいる人は、全てを自力でできる人たちに比べると、どうしても避難の判断や準備、行動が遅れがちになってしまうので、対策としては事前に決められることを全部決めて、いざというときにすべてが自動で動くようにしておく必要があると思います。
さて、今回のお題のバリアフリーですが、避難所におけるバリアフリーというと、どうしても車いすや足の不自由な人が移動しやすいようにスロープや傾斜を準備するというのが最初にイメージされることが多いようです。
でも、バリアフリーというのは、そもそもがバリア、つまり「障害」がフリーの状態、障害がない状態といった意味合いになりますので、一般的に思い浮かぶような物理的なものだけではないはずです。
一般的には、生活するときのバリアには4種類あるそうで、「物理的バリア」「制度的バリア」「文化情報面のバリア」「意識上のバリア」がそれにあたります。
災害時には普段のあれこれが先鋭化してしまいますので、どうしても生活に支援が必要な人たちには厳しい状態になりがちですから、事前にさまざまなケースを考えて想定し、備えておく必要があります。
先ほどのスロープ一つとってみても、健常者が考えるスロープと必要な人の考えるスロープでは出来上がりが違うかもしれません。
同じように、避難所に掲示される情報が難しく書かれていてわからない人がいるかもしれません。
状況がわからず、一人一つの配給品をたくさん取ってしまう人がいるかもしれません。
できあがった仮設トイレが使えない人や、仮設トイレがわからない人がいるかもしれません。
そこで生活する人たちがお互いの家庭の文化が可能な限りぶつからず、必要最小限のストレスで済むような避難所にするためには、開設してからさまざまな人の意見を吸い上げる仕組みを作ることも大切ですが、事前にバリアを持っている人たちに参加してもらって実際の避難や避難所の設営や運営で気づいた点を教えてもらい、改善を続けていくしかありません。
バリアはストレスに直結しますし、へたをするとバリアを感じる人の生死にも影響してきます。
その地域に住む人たちがどのようなバリアを持っていて、どのように支援すればとりあえずの生活が確保できるのか。
避難所のバリアフリーはそういうことをしっかりと考えることが大切です。

母乳とストレス

 災害時には母乳が出なくなって乳児にあげられなくなるという話をよく聞きますが、これは正しくないようです。
 母乳はどんな状態であっても作り続けられていて、ストレスなどにより体が警戒することで、母乳が出なくなっているというのが実際のところのようです。
 つまり、まずはお母さんと乳児を安心できる環境にすることで、ストレスが軽減して母乳が出るようになるということで、できるだけ普段の生活環境に近づけることで、体の警戒態勢を緩めてやることで、母乳はきちんと乳児に与えることができるということになります。
 例えば避難所であれば、しっかりとした目隠しや仕切り、できれば人ごとに仕切られた授乳室を作ることで体の警戒態勢を緩めることができると思います。
 母乳がでなければミルクを与えるのも手ですが、ミルクが嫌いだったり、諸般の事情でミルクを受け付けない子もいますので、母乳を出すための周辺環境を整えてやることが重要だと思います。
 また、ストレスを与えないという視点で見れば、自宅や親兄弟の家といった行きなれていて見慣れた人たちがいる場所を避難先として選ぶといいと思います。
 場合によっては、被災地外に出て状況が落ち着くのを待つという方法も選択肢に入れたほうがいいと考えます。
 乳児を抱えての避難所生活はかなり大変です。
 支援体制がきちんと整っている乳児向けの福祉避難所、または避難所ではない避難先を平時に決めておいて、いざというときに途方にくれないようにしたいですね。

AEDは機械の指示をしっかりと聞く

 AEDは現在ではかなりメジャーな救命器具となりましたが、あなたは使ったことがありますか。
 AEDは自動体外式除細動器といい、心臓を動かす電気信号がおかしくなっているのを正常に戻すための道具で、現在の救急救命法の講習会では、ほとんどの場合、心臓マッサージと併せてこのAEDの取り扱いを実施しています。
 複数回、違う主催者の訓練で使われた方はお気づきかもしれませんが、AEDはさまざまなメーカーから発売されていて、それぞれに特長があります。
 そして、AEDの作られた時代によっても扱い方が異なりますので、AEDを使ったことがあるからと教わった手順でAEDを被害者に取り付けても、そのAEDと手順が違うことも起こりうるのです。
 ただ、AEDは機械が起動すると、すべて作業手順を機械が教えてくれるようになっていますから、その手順通りに作業すればAEDは正常に仕事をしてくれますから、どんなに慌てていてもAEDの手順をしっかり聞いてそのとおりに作業を行うことがもっとも重要なことになります。
 慌てずに、AEDの指示をしっかりと聞いてそのとおりに手順を行っていくこと。そうすることで、AEDは最大限の効果を発揮します。
 まずは電源を入れる。あとはAEDの指示通りに作業する。
 この手順を忘れないようにしてください。
 ちなみに、最近のAEDはAEDが収まっている入れ物の蓋を開けると自動で電源が入り、電極パッドの設定が終わると自動で電気ショックを与えてくれるものも出てきています。
 逆に電源ボタンを人が押さない限り起動しないAEDもまだまだ残っていますので、電源が入るかどうかだけは機械を気を付けてみてほしいと思います。

体温調整には血管を使う

 体温の調整システムがうまく機能しなくなると、体にさまざまな障害が発生します。代表的なものだと、熱中症は体の排熱調整がうまくいかなくなって熱がたまってしまい発生するものですし、低体温症は体の熱生成機能がうまく働かなくなって熱を作れなくなってしまい発生するものです。
 どちらもそのまま放っておくと死に至ってしまうかもしれない危険な状態なので対処をしなければいけないのですが、すぐに病院に搬送ができないときには、血管を使って体温の調整をしてみてください。
 体の中のおおきな血管を冷やしたり温めたりすることで、体の体温がある程度調整できますので、緊急時に打つ手の一つとして知っておいて損はありません。
 大きな血管は首やわきの下、鼠径部といった場所で体表に近いところに露出しています。そこに向けて熱中症であれば冷たいものを、低体温症であれば暖かいものを置いてやることで、外部から効率的に体温の調整ができます。
 もちろん体内の温度は簡単に変動しませんので、冷たいものや暖かいものを飲む必要はありますが、外部からと内部からの両方で体温調整をしてやることで、本来持っている体の恒常性を取り戻すことができるのです。
 余談ですが、低体温時には体で熱を作ることが難しくなっていますので、例えばエマージェンシーシートや毛布などで体を覆っても体温は上がりません。
 もしも体が濡れていればすぐに乾いたものに着替えさせること、そして外部から暖かな熱を与えることが必要になりますので、対処するときには気を付けてください。

アイススラリーってなんだろう

熱中症のニュースを連日聞くようになって結構立ちますが、あなたは熱中症対策にどのようなことをしていますか。
いろいろとあると思いますが、最近の考え方では、体表温度と身体の奥の深部温度の両方を下げないと危険な状態になることがあるということのようです。
体表面は水浴びをすれば取りあえずは下がりますが、身体の奥の深部温度はなかなか下げるのが難しいようです。
アイスクリームや氷菓子などを食べて体温を中から下げるのはいい手なのですが、氷が溶けながら体内に入っていくので、身体の奥ではすっかり常温になって、思ったほどの冷却効果は期待できません。
また、冷たい飲み物も同様で、飲み過ぎると胃の温度が下がって深部温度が下がる前にお腹が下ってしまうようなことも起こります。
そこで登場してきたのがこのアイススラリーなるものだそうで、直訳すると「泥状の氷」といった意味になりますが、細かく破砕した氷と冷やしたドリンクを混ぜ合わせることで氷が深部まで届き、効果的に冷やすことができるそうです。
このアイススラリー、メーカーとしては大塚製薬が「ポカリスエットアイススラリー」というものを、主に通販で取り扱っているようですが、手間を惜しまなければ自分でも作ることができます。
おおざっぱに書くと、凍らせたスポーツドリンクをかき氷器などで細かく粉砕し、冷やしたスポーツドリンクを注ぐというもの。氷が2~3に対して液体が1の割合だと飲みやすいと思います。
飲んでみるとわかりますが、お腹の中が涼しくなる感覚がはっきりとわかります。
飲み過ぎるとお腹が急降下しますので、経口補水液と同じように、ちょっとずつ飲むのが正解のようですが、その辺りに放置するとあっという間に常温になってしまいますので、持ち歩く場合にはしっかりとした魔法瓶に詰めてください。
夏、身体の表面温度を下げる工夫はいろいろすると思いますが、体内温度を下げる工夫も、考えてみると楽しいと思います。
ただ、繰り返しになりますが、お腹が冷え過ぎると下痢で苦しむことになりますので、冷やしすぎにはご用心ください。

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屋内での熱中症に気をつけて

お手製の経口補水液を作っておくのもよい。その時は砂糖の量を調整すること。

 暑くなってきましたが、あなたの体調に変わりはありませんか。
 屋外での作業時には、小まめな休憩や補水を意識するものですが、熱中症は屋内でも起こりますし、案外と屋内で熱中症で倒れている人は多いようです。
 政府からは節電要請が出ていますが、節電した結果、熱中症で倒れてしまっては何にもなりませんので、しっかりとエアコンの冷房を効かせておくようにしてください。
 どうしても節電に協力したいという方は、午前中の涼しい時間に図書館などにでかけて夕方まで過ごすようにすれば、節電と熱中症の両方の対応ができます。
 また、コンクリート住宅では、日中熱せられた外壁がなかなか冷えずに、屋外が涼しくなったからといってエアコンを切ってしまうと、あっという間に室温が上がってしまいますので、気をつけて下さい。
 室温は28度を超えたとき、湿度は70%を越えたときがエアコンを起動させる一つの目安になります。
 そして、エアコンを使うのと同時に、水分補給を忘れないようにしてください。
 のどが渇いたときに飲むのではなく、2時間間隔くらいで時間を決めて、しっかりと取るようにしてください。また、飲むときにはコーヒーや紅茶、緑茶などの利尿作用のあるものやジュースなどの糖分の高いものは避け、水や麦茶といったものにしてください。
 家の中にいると、他人の目が届かない分倒れるとかなり危険です。屋内にいるときにも、熱中症対策をしっかりと取るようにしてください。

魔法瓶は必ず持っていこう

 小さい子ども、特に乳児のいるご家庭では、非常用持ち出し袋には必ず魔法瓶を入れておき、災害が起きて避難するときには、できればその魔法瓶にお湯を詰めて避難して下さい。
 ご存じとは思いますが、ミルクやお尻拭きの温め、湯たんぽに使うお湯など、お湯があるだけで乳児の快適さはかなり違ってきます。
 普段母乳が出る人でも、避難による緊張や不安で充分に母乳が出ない場合もありますので、乳児のいるご家庭では母乳の子でも飲めるミルクを調べておいた方がいいです。
 仮に発熱剤やガスコンロを持っていたとしても、お湯の準備は必要です。
 避難する状況はさまざまですが、常にお湯が手に入る環境にいるとは限りません。
 火気厳禁の避難所もありますし、発熱剤が使わせてもらえない場合もあります。
 お湯は手に入るときにしっかりと手に入れておくことが、乳児がいるときの避難の鉄則になります。
 また、お湯があるといろいろと使えて安心ですので、可能であるなら魔法瓶にお湯を入れることを忘れずに準備するようにしてください。