お薬手帳とかかりつけ

お薬手帳の表紙
お薬手帳だけでは過去の副作用はわからない。

 かかりつけ医とかかりつけ薬局を持とうということで、健康保険組合がさまざまなところでPRをしています。
 防災の目から見ると、持病を持っている人はかかりつけ医とかかりつけ薬局は持っておくべきだと思っています。
 というのが、かかりつけ医やかかりつけ薬局を作ると、過去にどのような病歴があってどのような薬を使い、その結果どのような問題が発生したのかについてがきちんと記録されるからです。
 非常用持ち出し袋にはお薬手帳の写しを入れておくようにと言われていますが、情報は変わっていくものですから、薬や量の変更などがあったときにはきちんと写しも変更しておかないといけません。
 最近ではデジタルお薬手帳というのも普及してきてはいますが、お薬手帳では投与された薬や量はわかるのですが、使った結果発生した過去の副作用まではわからないのが現実です。
 そんなとき、かかりつけ医やかかりつけ薬局を持っていると、過去にどのような薬でどのような副作用の記録が残っていますので、その時にその薬が無い場合の代わりの薬で使ってはいけないものがはっきりとわかります。
 最悪、広域避難となって避難先で巡回医による診察でも、そういった情報があれば的確な診断を下すことが可能になりますので、かかりつけ医やかかりつけ薬局はできる限り持つようにしましょう。

常識の共有化をしておこう

 避難所運営において一番問題となるのは、正しいと思っていることと正しいと思っていることのぶつかり合い、常識同士の喧嘩です。
 例えば、避難所におにぎりが避難者の半分しか配られなかったとします。
 あなたは避難所の運営者として、これをどういう風に取り扱いますか。
 老人から渡すという人もいるでしょう。一つを半分にして全員に配るという考え方もあります。子供や妊婦、病人に優先するという見方もあれば、元気な若い人に優先するという考え方も、全部捨ててしまうと言う考え方もあり、千差万別になると思います。
こういったときには、運営者の間で激しくもめることになってしまうことがあります。言っている話は、誰の話もきちんと理解できるもので、お互いの常識がぶつかり合っている状態になっているのです。
 非常時にこういった事態になると、もめたあとはずっとしこりを残すことになり、あまり良い状況を生み出すとは思えませんから、平時に避難所の運営方針について基本ルールを定めておく必要があるのです。
 避難所には当初予定していない状況の人達が避難してくることがあります。避難所の性格上受け入れないと決めることはできませんから、あらかじめそういった人達が避難してきたときにどのように対応するのかを決めておくことが重要なのです。
 さまざまな大規模災害では、必ず何らかのトラブルが起きていて、毎回異なった考え方で解決がされてきていますから、そういった事例を収集して、自分たちだったらどうするかということを話し合っておきましょう。
 時間の関係や情報の集め方などで難しいなと感じるのであれば、クロスロードゲームというのがありますので、これで考え方を整理していくのもいいかもしれません。
 クロスロードゲームは実際に起こった出来事を追体験し、その処置が正しいと思うか他の処置ができたのではないかという意見を出し合うもので、そこから考え方を掘り下げていくとさまざまな意見を擦り合わせることもできると思います。
 あなたの常識が全ての人に通用するわけではありませんし、誰もがあなたと同じように考えているわけではありません。
 自分の常識は他人の非常識、それくらいの気持ちで他人の意見も傾聴できる避難所運営体制も組み立てていきたいものですね。

クロスロードゲームとは?」(内閣府防災担当のサイトへ移動します)

笑いでストレスを飛ばそう

 災害に遭うと、さまざまな不安からどうしても暗い表情になってしまいます。
 日本には空気を読む文化がありますので、大規模災害ともなると、日本中が一様にくらーい雰囲気に包まれてしまってどうにも居心地が悪くなってしまいます。
その上「笑うことは被災者に失礼だ」と、お笑い芸人などにクレームをつける自粛警察の方々が出てくると、笑いを届ける人達が萎縮してしまっていつまでも笑顔が戻ってこない状況になります。
 でも、災害やその後のさまざまな心理的負担に耐えるには、笑うことが重要です。
 笑うことでストレスをはねのけ、気分を切り替え、精神的な元気を維持することは、被災地の復旧復興のためにはなくてはならないことなのです。
 被災地で笑いを届けることは不謹慎だという方もいらっしゃいます。被災地の中でさえ、そういったことをいう方もいらっしゃいます。
 確かに、被災直後に笑えというのは無理な話だと思います。でも、災害との戦いはほぼ長期戦になりますので、難しい顔ばかりしていると身が持ちません。
 笑うことで不安を一時的にでも忘れ、心の均衡を取り戻すことは非常に大切です。
 別に面白い話を聞いて笑わないといけないということではありません。大きな声で笑うこと。大事なのはそこです。
 どうにもならないときには、人目につかないところで大きな声で思いっきり笑ってみてください。おかしくなくてもいいのです。とにかく笑い声をあげること。
 何がどう変わるわけではありませんが、気分的にすっきりします。笑ったという事実が心を軽くするのです。
 被災後に限りません。悩んだときや困ったときなどにも、一度だけで良いので大きな声で思い切り笑うことを試してみてください。特に現在コロナ禍で最近笑ったことのない人がやると大変効果的です。
 本当にすっきりとしますよ。

眼鏡は予備を準備しておこう

 視力矯正具を必要とする人が眼鏡を作りに行ったとき、予備の眼鏡を進められたことはありませんか。
 あれは万が一のとき、あなたが困らないように進めてくれているのですが、あなたは予備の眼鏡がわかるところにしまってありますか。
 というのも、災害はいつもあなたが起きているときに起きるとは限りません。過去の災害を見てみると、寝ているときや明け方などに起きているものも多いのです。
 つまり、眼鏡やコンタクトレンズを外している状態で被災することもあり得るわけですが、そんなとき、あなたの眼鏡やコンタクトレンズがすぐに使える場所に置いてありますか。そして、それらが駄目だったときに備えて、非常用持ち出し袋などに予備のものがしまってありますか。
 いざというときに、物がきちんと見えている場合と見えていない場合では、行動がかなり変わってくると思います。
 視力矯正具なしでは行動が制限されてしまいますし、避難後のさまざまな情報は文字や映像で提供されることが多いので、非常に困ることになります。また、知り合いなどを探したりすることも困難でしょう。
 そして、被災地で新たに眼鏡を作ろうとしても、恐らくは相当な期間待たされることになると思います。
 そう考えると、普段使いしている眼鏡に加えて最低もう一つ、異なる場所に眼鏡を保管しておいた方がいいと思います。
 ちなみにコンタクトレンズしか使わない方の場合でも、被災地では衛生的な水が手に入りにくいですから、必然的にある程度の期間は眼鏡に頼らざるを得ない状況になりますので同じように予備の眼鏡を作っておいた方が安心です。
 最近ではデザインや能力を考えなければずいぶんと安く眼鏡を作れるようになっています。あなたの安全を守るためにも、まだ持っていないのであれば、眼鏡屋さんで予備の眼鏡を作っておくことをお勧めします。

ヘルプマーク・ヘルプカードをご存じですか

 見た目では判断がつかない身体の内部の障害や難病の人、妊娠初期の人など、援助や配慮が必要だが見た目ではわからない人が身につけ、周囲に援助や配慮が必要であることを知らせるためのものです。
 東京都が考案して全国に普及されてきているそうですが、残念ながら筆者自身はまだ本物を見たことがありません。ただ、調べてみると島根県でも障がい福祉課がこのヘルプマークやヘルプカードの普及を行っているようです。
 ヘルプマークは、赤地に白い字で十字マークとハートマークが掲載されています。そして裏面には、その人がどういったことで援助や配慮が必要なのかという記載がされています。
 ヘルプカードも同様で、このカードの中に支援が必要な内容が書かれていますので、もし障がいのある人からこれらのものが提示されたら、記載されている内容に沿って支援をして欲しいとのこと。
 また、これらが併用される場合もあるようですので、もし提示されたらマークの裏側やヘルプカードの有無を確認をしてください。
 災害時には情報がうまく伝わらない・伝えられないことが数多く発生しますので、こういったことを知っておいて、いざというときにその人を助けることができるといいなと思います。
 内容など詳しいことについては、島根県障がい福祉課のウェブサイトをご確認ください。

ヘルプマーク・ヘルプカードについて」(島根県障がい福祉課のウェブサイトへ移動します)

デマと真実

商品の無くなった棚は不安感をあおる。

 何か大規模な災害が起きると「○○が足りなくなる」という情報が飛び交います。
 今年の上半期に新型コロナウイルスが流行したときにも、トイレットペーパーが無くなるというデマが流れて、店頭から品物が消えました。
 ここまで読んで矛盾を感じた方がいらっしゃるかもしれませんが、トイレットペーパーが無くなったことが事実なのではなく、トイレットペーパーが無くなるという話が店頭からトイレットペーパーをなくしてしまったということです。
 新型コロナウイルスの流行とトイレットペーパーとの間には何の関係もないのですが、流れを追うとこんな感じになります。

1.トイレットペーパーがなくなるという噂が出る。
2.噂を聞くと、心理的にあるうちに買っておかないと買えなくなるという不安感が起こる。
3.お店でトイレットペーパーを見かけると、噂を思い出し、あるうちに買っておこうと考えて、すぐには必要がないのにたくさん買い込んでしまう。
4.買い込む人が多いと、いつも売れる量以上に売れてしまうので、お店の在庫がなくなる。
5.いつも以上の生産能力を要求された工場ではトイレットペーパーの生産が間に合わなくなる。
6.店頭から在庫が消える。

 ここで気をつけたいのは、大量に買い占めたからと言って使う量が爆発的に増えるわけではないと言うことです。
 この後どうなるかというと、こんな感じになります。

7.店頭に無くなったためにトイレットペーパーを増産しろという世間の圧力がかかる。
8.やむを得ずメーカーが増産する。
9.結果的に消費量は変わっていないので、ある程度充足すると売れなくなる。
10.メーカーやお店がトイレットペーパーが売れなくて困ることになる。

 今回のコロナウイルスの流行では、製紙メーカーが生産はしており流通も動いているため買い占めなくても大丈夫というアナウンスを何度もしていたのですが、マスメディア的にはトイレットペーパーが無くなった絵の方がインパクトがありますので、そういった放送を繰り返し、それを見た人達が慌てて買い占めに走り、という悪循環の輪が広がりました。
 冷静に考えれば新型コロナウイルスが流行したからといってトイレットペーパーがなくなる理由にはならないのですが、店頭から在庫が無くなったことが心理的に不安を抱えている人達の後押しをすることになりました。
 消毒用アルコールでも同じようなことが起こり、日常生活で消毒用アルコールが必要な人達を困らせることになりました。ちょっと不思議だったのは、自分用の消毒ボトルを持って歩いている人が店頭や施設の入り口でそこに備え付けてある消毒液を使っていたことです。他所の消毒液を使う気なら、消毒液を自宅に大量に買い占めた意味はなんだったのでしょうか。普通の人であれば、石けん+流水で手洗いをしっかりと行えば大丈夫ということが理解できていれば、こんなおかしなことにはならなかったでしょう。
 マスクの場合は少し事情が異なっていて、生産国である中国が国内を優先したために入荷がなくなり、多くの人が買い占めに走ってしまいました。マスク不足を解消すると称して、アベノマスクなどと揶揄された政府公認で配布する布マスクが出てきたりしましたが、現在は生産が追いつき、以前よりも安くなっているものも出てきています。アベノマスクも、結果だけ見ると大金を使って役に立たないマスクが配られたという、ある意味ではデマに踊らされたような形になってしまいました。
 デマはどのような大規模災害でもついて回るものですが、それを見抜く力がないとデマが結果的に真実を生み出すことになってしまいます。
 マスメディアの偏向報道は今に始まったことではありませんが、SNSでも自分が見たい情報ばかりが整理されて集まってくるため、デマをデマと見抜けなくなっていることが増えてきています。
 まずは因果関係を考えること。そして、それが無くなるとしてどれくらいまでは耐えられるのか、また、必要とされる量は1日どれ位なのかなど、その物品に関する自分の消費情報をしっかりと整理しておくことです。そして、1週間なり10日なりの数量が確保できていればそれでよしと考えることです。どこまで買い占めればいいのかという終わりを決めていないと、消えない不安によりいつまでも買い占めを続けることになってしまいます。
 最後に、自分の信じようとしている情報とは真逆の情報を読んでみることです。
 情報には正の情報と負の情報の両方が存在しているはずですから、自分の思っていることと反対の主張を読むことである程度客観的に物事を見ることができるようになると思います。
 大規模災害ではさまざまな流言飛語が飛び交います。出所不明のデマもたくさん出てきます。それらの情報を鵜呑みにせず、いろんな角度から考えてから行動することを習慣にしたいものですね。

社会的弱者こそ自己防衛する

 小はアレルギーから大は人工呼吸器まで、日常生活を送る上において何らかの支援や配慮を必要とする人がいます。
 普段の生活ではそこまでの苦労はされていないと思いますが、災害時にはこういった人達に対する支援や配慮は無くなってしまいます。
 ある程度復旧して人心が落ち着いてくればそうでもないのですが、被災直後の混乱の中では社会的弱者に対する支援や配慮は忘れ去られてしまうことが多々あり、社会的弱者の人は精神的にも物理的にも悲惨な状態になることもあります。
 そういう人達は、あらかじめ自分で対応策を準備しておかないと救助や支援の流れから取り残されてしまうことになります。
 大規模災害における支援活動は、大多数の人を救済することが主となりますので、さまざまな理由で少数派になっている人達に対する支援はどうしても遅れてしまいます。
 一例を挙げてみると、食物アレルギーを持っている人は、普段の生活ではアレルゲンを排除した食生活をしていると思いますが、被災後に何も用意が無ければ、アレルゲンが入っているかもしれない食事を食べるか食べないかの判断の要求されることになってしまいます。
 避難所で支給される弁当にはアレルゲン表示がある場合もありますが、食べない、食べられないという選択をした場合には代わりに食べられるものが存在しないのです。
 そういったとき、自分でアレルゲン除去してある食事を持っていれば、ひもじい思いもいちかばちかの悲惨な選択もしなくて済みます。
 普段の生活で透析が必要な人はどうでしょうか。自分だけでは対応が難しいかもしれませんが、いざというときにかかりつけの代わりに透析してくれる病院をあらかじめ紹介しておいてもらえば、被災後にその病院へ移動して継続して透析を受けることができるでしょう。
 社会的弱者は、災害からどのように身を守るのかということについては、そうでない人よりも真剣に対応策を考え、準備しておかなければなりません。
 災害時には人間関係が先鋭化します。その時に生け贄にされないためにも、自分で身を守るための対策を普段から考えておきたいですね。

災害後のトイレ、使えるか使えないか。

 唐突ですが、あなたのいる場所のトイレはどういった汚物処理をしているかご存じですか。
 大きく分けると、くみ取り型、浄化槽型、そして下水型にわかれると思いますが、それぞれの処理方法によって災害後に使う方法が異なるので注意が必要です。

 いちばんシンプルなのはくみ取り型で、この場合には例えばくみ取り槽に水や汚泥が溜まってしまうような水害でも、くみ取り槽に溜まった汚泥や水を吸い出せばすぐに使えるようになります。
 また、他の災害でも水があればくみ取り槽へ流すことが可能なので、トイレに関して受けるダメージは少なくて済みます。
 もちろん最終的な点検は必要になりますが、とりあえず水さえあれば簡易トイレなどを使わなくてもトイレを使うことが可能です。

 次は浄化槽型。水害で汚泥などに浸かった場合には浄化槽の整備と点検が必要になりますので、それが終わるまでは使うことはできないと思ってください。
 浄化槽自体が水に浸からなければ、曝気槽のポンプに通電することで浄化槽の機能事態は維持することが可能ですので、流す水とポンプを動かす電源があればトイレを使うことは可能です。

 最後に下水型ですが、これは基本どんな災害でも使えなくなっていると思ってください。
 下水管は非常に詰まりやすいので、水で汚物を流し込むと途中で詰まってしまいます。そうすると大規模な修繕が必要となってしまうので、下水管の点検が終わるまでは全面的に使用禁止になります。
 また、マンホールトイレなどもありはしますが、下水処理の構造上あまり汚物を落としすぎると詰まってしまうので、マンホールトイレを設置する場合には設置しても良い場所をあらかじめ選定しておく必要があることを覚えておいてください。
 被災後、点検が終わるまでは携帯トイレや簡易トイレを使うようにしましょう。

 おまけですが、集合住宅のトイレでは、2階以上のトイレは使用不可です。もしも上層階でトイレを使った場合、途中の汚水管が破損していると破損した場所から汚物が噴き出して大惨事が起こります。
 そういった事態になった場合、汚物が噴き出した場所の住人から汚物を送り込んだ住人が訴えられたりすることがありますので、集合住宅の場合は処理方法を問わず、点検完了まではトイレは使用禁止です。
 トイレに関するさまざまな情報はありますが、まずは自分の住んでいる場所や普段でいるしている場所の環境を確認し、災害後に自分が汚物で二次被害を出さないように充分気をつけてくださいね。

誰でもできる感染症対策

 新型コロナウイルス感染が広がっているようで、連日マスコミが騒いでいますが、新型コロナウイルスに限らず、感染症対策の基本は手洗いになります。
 石けんと流水を使って手をしっかり洗うこと。これが感染症対策の基本となります。
 あとはマスクの着用。これは周囲にウイルスをまき散らさないために必要なものです。また、気休めですが防除できるかもしれません。
 この二つがしっかりとされるとどうなるのかを表した図があります。
 国立感染症研究所のインフルエンザ流行レベルマップの2018~2019年と2019~2020年(現時点では「今シーズンの動き」にあります)の流行状況を比較してみてください。
 新型コロナウイルス対策が叫ばれ始めてから、インフルエンザの感染者数が明らかに減っており、収束も早くなっていました。
 このことを考えると、手洗いをしっかりとすること、そしてマスク着用が有効であることがわかると思います。感染対策としては、できればフェイスシールドで顔を覆えば、飛んでくるウイルスの顔への付着を防ぐことができますのでより安全になるのではないかと思います。
 また、飲み会の席で酒が入ればどうしても大声で騒いでしまうことになりますので、飲み会では無く食事会にし、食べている間は静かに食べて、それから、マスクをつけてゆっくりおしゃべりをするようなスタイルだと安心できると思います。
 これからまたインフルエンザや感染性胃腸炎などが流行る季節になります。
 新型コロナウイルス対策だけで無く、冬に流行するさまざまなウイルス対策として、石けんと流水での手洗い、マスク着用、できればフェイスシールドの着用をして感染しないようにしたいですね。

参考:インフルエンザ流行レベルマップ(国立感染症研究所のウェブページへ移動します)

支援物資の物流について考える

 災害後の復旧が速やかに進むかどうかは被災者の安心をいかに獲得するかにかかっています。
 必要なものがきちんと手に入る、衛生環境が確保できるといった条件が満たせれば、とりあえずの混乱は防ぐことが可能です。
 そのためには、支援物資を輸送するための物流網を確保する必要があります。
 大量に支援物資を運び込み仕分けをして被災地へ輸送する物資集積拠点、そして被災地内で小分けし、各避難所へ配送する物資集積基地、最後は避難所にできるデポ。
 これらが上手につながることが必要となってきますが、こういった物流網を行政が設計・管理することは、人的にもノウハウ的にもほぼ無理です。
 立て続けの災害のおかげで、物資集積拠点や物資集積基地の指定や運用は運送業者さんに任せた方が効率的だと言うことが認識されてきたようですが、物資集積基地からもよりのデポ、そしてデポから被災地の住民に物資が渡る部分が現在うまくつながっていないところが多いです。
 運送屋さんが避難所まで持ってきた物資をいかに早く確実に必要とされる人の手に届けられるのかというところは、被災前にどれくらい物流について真剣に考えてきたかに比例しますから、避難所運営委員会がそこまで考えて運営設計をしているかどうかが鍵になります。
 避難所は物資と情報の両方が集積する場所ですから、それらを避難所への避難者だけではなく、被災地域の人達に物資や情報を届ける必要があります。
 災害対策のラストワンマイルと呼ばれる避難所から地域の被災者への物資や情報の伝達方法を、一度検討してみて欲しいと思います。