母乳とミルクと備え方

 災害時、一般的に生活環境が劣悪になればなるほど母乳の威力が発揮されるなと感じています。
 ミルクはある程度衛生的な条件が整わないと雑菌等で赤ちゃんのお腹が下ったり病気になったりすることもあります。
 これは液体ミルクを使用する場合でも状況はあまり変わらず、ミルク育児をしている人にとっては子どものミルク関係の衛生維持はかなり優先度と重要度の高い問題にあると言えるでしょう。

ミルクの場合道具の衛生管理がきちんとできるかどうかが鍵となる

 解決策としては、使い捨てのほ乳瓶&乳首を1週間から10日分程度備蓄しておくか、煮沸消毒等、ほ乳瓶や乳首を衛生的に保つための水や道具の確保を行うことになります。

 最近災害時にはカップとスプーンで飲ませる方法が推奨されているようですが、それにしても汚れたものは使うわけにいきませんので、やはり備えをしないといけません。
 家庭環境や状況にもよるのでどの方法が一番良いかということは断言できませんが、衛生環境を確保するにはそれなりの備えが必要だと考えてください。
 では、母乳なら災害時でも大丈夫かというと、一般に言われるほど気楽に構えていることはできないみたいです。
 母乳の場合には、いかに母親の生活環境を維持できるかという問題があります。
 精神的なショックで母乳が一時的に出なくなったり、充分な水分が取れないために必要な母乳の量を身体が作り出せない場合もあるのです。

母体の健康管理が母乳育児を続けられるかどうかの鍵になる

 そのため、いかにそれまでの生活水準を維持するのかが母乳育児を続けることができるかどうかの鍵となります。
 例えば、避難所に避難して配給される弁当は、食中毒対策のために味が濃かったり油ものが多かったりしますが、そうなると乳腺炎が起きやすくなります。
 また、母乳の味が変わるためか、赤ちゃんによっては飲まなくなる場合もあるようです。
 普段食べているものをしっかりと食べ、必要な水分をしっかり取れること。
 そのための環境を整えられる準備をしておかないといけないと思います。

 直接の災害ではありませんが、私にもこんな経験があります。
 私は「赤ちゃんにも母体にも魚がよい」と聞いて、一時期食事には毎食お魚を出していました。
 すると、ある瞬間子どもが母乳を飲まなくなったのです。
 なんでだろうと思ったら、子どもが戻した乳からほのかに魚油の香り・・・。原因は脂ののった青魚の食べ過ぎでした。
 このときは笑い話で済みましたが、災害時に配給されるお弁当は値段や製造先の問題もあってほぼ同じものが毎食出されます。
 もしも災害時に元気なはずの赤ちゃんが突然母乳を飲まなくなったら、自分が食べているものを疑ってみてください。
 そして、なるべくさまざまなものが食べられるように保存食や非常食を準備しておくとよいと思います。
 発生する災害を親子で元気に乗り切れるように、そのための備えをしっかりしておくとよいですね。

デリケートゾーンの衛生管理

 デリケートゾーンの衛生管理はいろいろと大変ですよね。
 災害だからといって体の機能が変わってくれるわけでもありませんが、生理用品などには目が行きますが、「洗い流す」ということについて準備は大丈夫ですか?
 携帯用ビデもありますが、肝心の「衛生的な水」を手配できなければ使うことができません。
 なんかないかと探してみたら、「おしりシャワシャワ」という使い切りアイテムを見つけました。

中を開けてみると、一つずつパッキングされています。

中を出すと、後ろが手押しポンプになっていて、そこに水が入れられています。分量は1本16ml。


噴き出し口はねじ切って開封するようになっています。

手押しポンプを押してみると、簡単に水が噴き出します。押し方によって強弱の調整も簡単にできます。

中身は精製水なので、デリケートゾーン以外にも、例えば傷口や目を洗うことも可能です。また、おいしくはありませんがいざとなったら飲用にも使えます。
災害時にもっとも手に入りにくいのは衛生的な水です。こんな風にパックされたものがあれば、多用途に使えて便利そうです。
また、そこまでの大きさはないので、持ち歩くのも難しくはなさそうです。
防災グッズの一つとして、あなたの非常用持出品セットの中に加えてみてはいかがでしょうか?
興味のある方は、以下のリンクを見てみてくださいね。

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お菓子でおかずを作ってみた2

ポテロングの巻

じゃがりこで作るポテトサラダは結構有名なのですが、それじゃ他の同じようなものでもできるのではなかろうか。
そう考えて、今回は森永製のポテロングで試してみることにしました。

前回と同じように、まずはアレルギーを確認します。ここで自分が食べられないものが入っていないかを必ず確認します。

蓋を開けると、スティック状になったおいもが覗いています。当然これで食べてもおいしいですよね。

じゃがりこサラダと同じように、まずはスティックを潰して粉にします。箱でやるとぼろぼろになりそうなので、ビニール袋に取り出します。

袋の上からすりこぎで粉々になるまでたたき、 粉々になったら容器に戻します。

で、お湯を注ぎます。

下3分の1くらいまで注いだら、まぜまぜします。

・・・なんだこれは?
ぽくぽくしたおいもの塊では無く、なにやらどろっとした白いぬめぬめが・・・。
お湯、入れすぎたかな?

 もっていたじゃがりこ(期間限定しょうが味)を潰してここに投入。水の分量間違いならこれで大丈夫のはず。

・・・なんだろ、これ?
できあがったのは、ぽくぽくじゃがいもの塊とそれを包む白いどろどろしたもの・・・。
味は、ポテトサラダと・・・、糊だ。
昔懐かしい、デンプン糊の味。
ポテロングの成分表示を確認してみましょう。

 ・・・成分、芋以外にいろんなものが混じってる。原因はこれらしいですね。思った以上にお芋の分量は少ないようです。
 というわけで、今回のポテロングはとてもおかずにはなりえない状態になってしまいました。
 できあがったものですか?
 人様には食べさせられないお味だったので、作った人が責任もって全部食べました。

ちなみに上がじゃがりこの原材料表示です。メインは芋で、他のものでかさ増しはされていないみたいですね。だから、じゃがりこだとポテトサラダができるのかと納得してしまいました。

とりあえず、災害時で無くて良かったです。災害時にこんなもん食べることになったら、絶対に気力がた落ちです・・・。

■お菓子でおかずを作ってみる1

じゃがりこポテトサラダの巻

 お菓子をおかずにしようとしたとき、あまりにも定番過ぎるのがこのじゃがりこです。
 ちょっとした災害体験や登山経験のある人なら、作ったことはなくても聞いたことくらいはあるのではないでしょうか。
 今回はこのじゃがりこを使ったポテトサラダを作ってみることにします。

 まず最初はアレルギーの確認です。アレルギーのある人だけでなく、作る人も絶対にこの成分表を確認してください。

 次に蓋を開けます。スティック状のジャガイモが詰まっています。これで食べてももちろんおいしいです。

 次にお湯を加えます。お湯が確保できない時には、先に砕いてからお水を加えても大丈夫です。
 分量は容器の3分の1くらい。
 1~2分でじゃがいもがしんなりしてきますので、お箸やスプーンでかき混ぜます。サラダの堅さはこのときにお湯を足すことで調整します。

 できあがりです。しっかりと味がついているのでこのままでも食べられますが、お好みでマヨネーズやケチャップなどを混ぜてもおいしいですよ。
 災害で入れ歯を無くしてしまった方でも、こうすることによって食べることが可能になります。
 注意点としては、お菓子として食べられる性格上、味付けが濃いので離乳食に使うときには最初にさっと水で洗うといいかもしれません。
 また、高血圧の方も食べ過ぎには要注意です。
 じゃがりこにはさまざまな味がありますので、いろいろと試して我が家の味を見つけてみてください。
 余談ですが、忙しいときの一品としても使えますよ。

乳幼児の食事を確保する

 母乳育児や手作り離乳食を毎食作るという方も多いと思いますが、それを食べている子どもさんの非常時の食事について考えてみたことがありますか。
 災害が発生すると、お母さんの精神状態によっては母乳が出なくなることがよくあります。また、電気やガス、水道が使えなくなると手作りの離乳食を作ることが難しくなることもあります。
 そんなときに粉ミルクや市販の乳幼児食が使えたとしたら随分助かるのではないかと思いますが、そのストックは準備してありますか。
 我が家では子ども達は母乳で育てていましたが、万が一に備えて母乳を冷凍したものやスティックタイプの粉ミルク+ペットボトルの水(軟水)を数回分それぞれ用意していました。
 また、離乳食も手作りしていましたが市販品の離乳食も数回分準備して備えていました。
 冷凍母乳は母親が授乳できないときに積極的に使うことで常に新鮮なものをストックしていましたし、粉ミルクも母乳に代わって時々あげていましたが、その時には眉間にしわを寄せてほ乳瓶から飲んでいたことを思い出します。
 その後、離乳食の段階では、お出かけしたときに備蓄品を持って出て食べさせていましたが、うちの子達はこれが3食続くと怒って「べー」とはき出してました。
 幸いなことに大きな災害に出会うこともなく通常食に移行してくれましたが、もしも災害になったとき、いきなり「飲め、食べろ」と言われたら、大泣きして抵抗していただろうなという気はしています。
 通常時であればできることも、災害時にはできなくなります。その時にどうすれば自分の子どもが食事をしてくれるのかは、あらかじめやっておかないと、いきなり本番だとお互いに余計な苦労をする羽目になってしまいます。
 粉ミルクにしても離乳食にしてもメーカーによって味が違いますし、子どもにとっても好みの味が異なります。それは試してみないとわからないことなのです。
 「手を抜く」のではなく「子どもを守るために」粉ミルクや離乳食を体験させておくことも、実はとても大切なことなのではないでしょうか。
 余談ではありますが、先日「液体ミルク」について江崎グリコさんから話をうかがうことがありました。3月から4月にかけて発売予定の江崎グリコさんの製品は紙パックに入っているそうですが、ほ乳瓶にいれればそのまま授乳できるように作られているそうです。先の胆振東部地震では海外製品が避難所に配布されて「使え、使うな」という物議を醸したようですが、もし使ったとしても全ての赤ちゃんが飲めるとは限りません。
 味に慣れていないものは、非常時にはのどを通らないことが多いものです。可能であれば一度試してこどもの反応を確認しておいた方がいいでしょう。
 海外製品は、楽天やアマゾンで検索すると1本1,000円近くするんですね。国産品の発売が待たれるところです。

国産液体ミルクが発売されます

 胆振東部地震で安全だ危険だと物議を醸した乳児用液体ミルクですが、このほど江崎グリコさんから国産品の販売がされることになったそうです。
 先日、その説明を聞いてきましたので分かった範囲のことをお知らせしたいと思います。
 その前に、「液体ミルクってなんだ」という方のために少しだけ説明をします。
 乳幼児用の食事として母乳がありますが、なんらかの理由で母乳が使えない場合や量が不足しているような場合、粉ミルクを使うことになります。
 この粉ミルク、作ったことがある方ならよくおわかりと思いますが、とにかく手間。乳児でも生まれてしばらくの間は頻繁にお乳をほしがります。24時間、朝夜関係なく。
 母乳であれば寝ぼけたままでもあげることができますが、粉ミルクは衛生上作り置きができないので、必要とされるたびに作る必要があります。
 お湯を沸かし、粉を入れ、冷まして飲ませる。書くだけなら大したことない作業ですが、これが毎日毎回となると親も消耗します。
 私自身も寝ぼけてお湯をひっくり返してやけどしそうになったり、分量を間違えたまま子どもにあげて子どもが飲めずに口からだらーっとしたようなこともありましたが、液体ミルクであれば、パッケージを開けてそのままほ乳瓶に注ぐだけなので、寝ぼけていてもなんとかなりそうです。
 また、災害時には粉ミルクを作る衛生環境を維持することがかなり困難ですので、その点でも優れていると思います。
 今回江崎グリコさんが作って販売しようとしている液体ミルクは、江崎グリコさんが作っている粉ミルク「アイクレオ」の液体版になるようです。
 遮光性、衛生面に優れた6層のパッケージで作られた紙容器は125ml入っていて、消費期限は半年だそうです。
 取り扱いは、主に乳幼児品を専門に扱う西松屋さんや赤ちゃん本舗さんなどになるとのこと。売価は1本200円くらいというお話でした。
 販売開始時期ですが、早ければ3月半ば、できれば4月中には販売を開始したいとのこと。

今回は残念ながら製品版パッケージの展示はありませんでした。125mlの容器ってこんなものという青色の箱が用意されていました。

 試飲もさせてもらいましたが、味はそのまま粉ミルクのアイクレオでしたので、普段アイクレオを使っている子どもさんなら違和感なく飲めると思います。
 担当の方が「母乳が一番いいのはわかってるんだけど、さまざまな事情で出ないときに活用して欲しい」とこれを作った目的をお話されていたのが印象的でした。
 ただ、災害用と考えると、海外製品にあるような飲み口だけ取り付ければそのまま飲ませられるようなものも必要なのかなとも感じました。

使い捨てのほ乳瓶各種。オレンジのキャップの向こうにちょっとだけ見える青い箱が液体ミルクの容器。

 使い捨てのほ乳瓶も一緒に展示されていましたので、ひょっとしたらセット商品も出てくるのかもしれません。
 他には明治さんがスチール缶製の液体ミルクの承認を取っているそうなので、そちらもひょっとしたらそのうち登場してくるかもしれません。
 議論がいろいろあるのは承知していますが、災害時に困るのは乳幼児とその保護者です。道具でなんとかなるなら、それに越したことはありません。これからもさまざまな選択肢が増えるとよいなと思います。

※2019年3月6日追記:2019年3月5日からグリコダイレクトで通信販売が開始されました。3月11日からはドラッグストアや赤ちゃん用品店などでも順次取り扱いが始まるそうです。

通学路のブロック塀

 小学校の学習発表会を見た後、子どもと一緒の帰り道。ふと気になったブロック塀がありました。
 前からちょっと危ないかなとは思っていたのですが、よくよく見るとブロック塀と一番上に載っている笠木の部分の間に大きな割れ目が入っていました。
じっくり見てみると、笠木はほぼ載っているだけ。そしてコンクリートブロック塀の接合部もあちこちに亀裂が入っています。

部分的に補修はされていますが、劣化に追いついていない感じです。

 試しに横に子どもに並んでみてもらうと頭に当たるくらいの高さ、約130cmくらい。ブロック塀の側は地面が嵩上げしてあるようなので、一応建築基準法はクリアしているのかなと思いますが、一年生くらいだと、崩れたり倒れたりしたときには頭に当たるかもしれません。

頭よりも高い位置にあると、壊れたときに頭を直撃する可能性があります。

 これは危ないなぁと子どもに話したら、彼は無言で上を指さしました。見てみると、そこには大きなお寺の屋根が・・・。
 直下型地震を受けたら確実に瓦が落ちるだろうなという位置に大きな屋根とブロック塀があったので、さてどうしたものかという話を子どもとしたのですが、揺れたら避けるしかないなぁという結論に達しました。
 学校の通学路は指定されているので簡単に変更するわけにもいきませんが、古い町並みを歩くとこういう危ないものが割とあるので、通学路の安全点検は少なくとも親子で一度はやってみる方がよさそうです。
 危険な箇所を認識して、なるべくそこは急いで通るようにすること。危険から身を守る第一歩ではないかと思います。
 そういえば、以前大阪北部地震の時に防災科学研究所の島崎敢さんが危険なブロック塀を絵でまとめておられました。転載可でしたので、ここで改めて掲載しておきます。
 これを元に、子どもの安全確保を考えてみてくださいね。

危険なブロック塀の簡単な点検表。結構該当する塀があったりします。

子どもの避難の格好について考える

 地震が起きると、建物や地面から埃や土煙が舞い上がってきます。
 ただの埃や土煙ならいいのですが、その中にはさまざまな有害物質も混じっています。
 この埃や土煙の舞い上がる高さはおよそ1mくらいなので、小さな子はこのもやもやの中を突っ切って避難することになります。
 その結果、目や鼻、口やのどなどの粘膜にダメージを受けることも起きるようなので、 避難するときには火災の時と同じように、鼻と口を袖口で覆い、なるべく浅い息で移動するようにします。
 粘膜のダメージの他に、埃や土煙をなるべく吸い込まないようにすることで後の体調不良をなるべく防ぐためでもありますので、可能であれば避難時に使い捨てマスクを着用させ、あるならば水泳用のゴーグルを着用しておくと粘膜が守りやすくなります。
また、その手の埃や土煙は身体につかないに越したことはありませんので、使い捨てのビニール製ポンチョや雨合羽などで身体を覆うようにすると、より一層安全だと思われます。

ポンチョタイプはリュックサックごと覆えるのでザックカバーがないときは便利です。

 このビニール製ポンチョや雨合羽はある程度の放射線対策にも使えますので、放射能性のものが降ってくる可能性があると判断される場合には、用意しておくことをお勧めします。
 そして、足下は運動靴か上履きといった履きやすく脱げにくいものを選びます。長靴は少し動きにくいのが難点なのと、万一水が入ったときに歩けなくなるのでお勧めしません。もし水の中を逃げるようなことが起きた場合には、足下はマリンシューズが一番安全です。ただ、靴底が柔らかくて弱いですので、水の中の尖ったものを踏まないように注意する必要があります。
 あと、頭の防護用にヘルメット、または帽子もお忘れ無く。

子どもの指導者は防災対策を知っておこう

 保育園、幼稚園、学童保育、小学校、中学校、高校、塾その他、子どもと関わりのあるお仕事は非常に多いと思いますが、その人達が自分のところの防災対策を把握しているかご存じですか?
 「防災訓練をやっていますから大丈夫です」というお答えを聞くことも多いのですが、その頻度は「子どもが小さくなるほど回数が多い」傾向があります。
 保育園や幼稚園では大抵1ヶ月から2ヶ月に1回程度はされていることが多いようですが、これが小学校に上がると年に2回程度、多いところでも年4回程度になり、中学校で年1回、高校や塾だとまったくしていないところも見受けられます。
 子ども達は災害対応でどのように教えられているかというと「指導者の指示に従うこと」で「自分で判断せよ」ではありませんから、指導者は災害対策の指示が出来るレベルが要求されているのです。
 子ども達を預かっている場所の地形や危険、避難先やその後がきちんと整理されているでしょうか?
 子ども達にきちんと指導ができますか?
 災害対策で指導者が迷っている暇は残念ながらありません。その後がどうなるにしても、何らかの判断を常に求められるのです。
 過去から現在に至るまで「災害は不可抗力」として指導者の罪が問われたことはありませんが、今後災害が頻発するようになると「職務怠慢」で罪に問われるようになるかもしれません。
 そうならないためには、少なくとも子どもを預かっている間に発生した災害については適切に対応できるだけの能力を身につけておく必要があります。
 あなたのところの防災対策は大丈夫ですか?

【活動報告】保育園の避難訓練に参加しました

先日、防災研修で押しかけ講師をさせていただいている保育園様の避難訓練の様子を見学させていただくことができました。
 この保育園では月に一度避難訓練を実施しており、今回の想定は「地震+火事」でした。

子ども達の手はしっかりと頭と首をカバーしているダンゴムシです。

 「地震です」の園内放送を聞くと、子ども達が一斉に部屋の中央部に集まって「ダンゴムシのポーズ」を取り、クラスによっては防災ずきんも被ってじっとしていました。

 その後「火災発生」の園内放送と同時に鳴り響く非常ベル。
 子ども達はさっと立ち上がると騒ぎもわめきもふざけもせずに粛々と列を組んで非常経路に従って避難をし、赤ちゃん組はおんぶ&お散歩車で避難を行い、訓練開始から避難完了までわずか5分で安全圏に避難が完了していました。

脇目も振らず粛々と避難行動をしている子ども達。みんな真剣です。

 小学校や中学校ではもう少し賑やかでドタバタした感じになるのですが、この静けさはすごいなと思い、訓練終了後に園の先生にお話を伺いました。
 それによると「4月に子ども達が入れ替わってすぐの訓練では泣いたり騒いだりすることがありますが、この時期だともう普通に避難ができます」とのこと。
 以前に研修させていただいたことを元にして津波からの避難訓練も実施されたそうで、避難開始から高手の避難所までの避難が17分だったことも伺い、かなり素早いなと感心しました。
 普段から訓練することで避難という行為に慣れることができ、その結果として安全を確保することができるということを教えていただきました。
 後日、見た内容について修正点があれば教えて欲しいということでしたので、また気づいた部分をお話しさせていただこうと思っていますが、災害時に保育園での死傷者が少ないという理由がちょっとだけわかったような気がしました。
 惜しむらくは、これだけしっかりとした訓練が日常に組み込まれている保育園から小学校に行くと、途端に訓練回数も内容も貧弱なものになること。
 どのように働きかければうまくいくのだろうかと、少々考えさせられる体験でした。貴重な経験をさせていただいたすみれ保育園の園長先生を始めとする先生方に厚くお礼申し上げます。