大規模災害が起きると、そのたびに笑うことが不謹慎だという扱いを受けることが多くあります。
東日本大震災などでは、発生してから当面の間は漫才や落語、コントといった俗に言う「お笑い」は自粛せざるを得ない状況になっていましたが、私自身は、そんなときにこそ笑いのチカラを活用すべきなのではないかと思っています。
笑うことと言うのは、人間の精神衛生上欠かせないとても重要な行為です。
笑うことで負の感情がリセットされます。笑うことでヒトらしい気持ちを取り戻せるのだと思います。
もちろん笑いならなんでもいいというわけではありません。ちょっと前からお笑いでよくある内容になっている「いじり」や他人を馬鹿にして笑いをとるなどを被災地でやると、おそらく笑ってもらうことはできないでしょう。
精神的にひどい状態だからこそ、素直に笑えて気持ちが浮き上がるような王道の「お笑い」が必要となってくるのではないでしょうか。
毎年毎年どこかで大きな災害が起きていて、おそらくこの状況はしばらく変わらないのではないかと思っていますが、老若男女問わず笑えるような内容というのは一朝一夜でできるものではありません。普段からヒトをしっかりと観察してそれを笑いに変えるだけの技術と能力が必要なのです。
被害が起きてすぐに笑うことは難しいかもしれません。でも、頑張る気持ちはいつまでも続くわけではなく、そのうちに緊張の糸が切れてしまうことがあります。
そんなとき、笑うことで緊張の糸を張り直し、もう少し頑張ろうと思ってもらえるような気持ちにもっていくことは可能なのでは無いでしょうか。
「被災地に笑いは不謹慎」では無く「被災地にこそ笑いを」と考える世の中になるとよいなと思っています。
投稿者: 所長@管理人
避難とペット
もしあなたがペットを飼っていたら、災害からの避難時にそのペットをどうするか決めていますか。
最近では高齢者の方が屋内犬や猫などを飼っているケースが多いようなのですが、そのペットをどうするのかということでいろいろと騒動が起こっていると聞きます。
人によってはペットを避難所へ連れて行けないからと危険な地域なのにもかかわらず自宅に残るという選択をされる方もあるようです。
では、ペットは本当い避難所に連れて行ってはいけないのでしょうか。
結論から言うとあらかじめ避難所の運営者と詰めておかないと揉めることになるということは知っておいてください。
ペット連れで避難される方の中には「環境省がペットの同伴避難を認めている。受け入れはどこでしてる?」などと言ってトラブルになる場合もあるとか。
確かにペットの同伴避難は認められていますしできるだけ同伴避難するようにとされてはいるのですが、これにはいくつかの条件もくっついていることを忘れないで欲しいと思います。
大切なことは、事前に避難所を運営する人達と一緒にその避難所でペットの受け入れができるのか、受け入れるならどの場所にするのかといった細かな調整をしておく必要があります。
というのも、避難者の中には動物嫌いな人や動物アレルギー持ちの人など、動物と一緒に過ごすことができない人がいるからです。
避難所は人命救助が最優先ですから、避難している人と動物のどちらが優先になるのかというと、当然人になります。つまり、動物を避難させる場所を別に作っておく必要があると言うことです。
次に、動物はできるだけ種類ごとに分けておいた方がトラブルが少ないので、避難してくる種類のぶんだけ場所が必要となります。
見知らぬ犬と見知らぬ猫を一緒の部屋に置くとどうなるかは、なんとなく予測がつくのではないかと思いますが、ここの部分をしっかりと詰めておかないと、飼っていない人から見た、「ペット」という大きなくくりで一緒にされてしまうことになるので注意が必要です。大型犬、小型犬、猫、鳥など、ペットにもさまざまな種類がありますから、ある程度予測して場所を決めておく必要があると思います。
地域によってはペット同伴避難所を避難所とは別に開設するところもありますが、地域で揉めないようにするためには一つの解決策なのかなと思っています。
ちなみに、どんな避難所であれ、基本的にペットにとって必要なものは全て自分で持参しておく必要があります。
少なくともペットの食事と飲み水、トイレの準備だけは絶対に必要となります。屋外犬だからその辺ですれば良いという人もいるのですが、その辺を誰が通るかわかりません。散歩と同じで、ペットがした糞はきちんと回収しなければなりません。場合によっては尿もその辺でさせるなということになるかもしれません。
周辺環境を汚さずに避難生活を送るためには、衛生環境を維持するための道具は絶対に持っていってください。
避難所は人が避難することが前提で準備されるので、ペットはトラブルになりがちな問題です。自分と家族の一員であるペットが安心して避難できるように、普段からどのようにすればいいのかについて意識して周りと相談しておいて欲しいと思います。
籠城の準備は大丈夫か
災害が起きるとき、常に家にいるとは限りません。
日中であれば、多くの人は職場や学校といった場所で被災するのではないでしょうか。災害が発生した後、すぐに家に帰ることができれば良いのですが、実際のところは職場や学校で一夜を過ごすという事態も起こりうると思っています。
では、あなたはそんなときに一晩無事に過ごせる装備を持っているでしょうか。
職場のロッカーや自動車のトランクなどに、あなたが一晩過ごせるだけの装備が入っていますか。お腹が減るのは我慢できても、のどが渇いたりトイレにいきたくなったり、寒さをしのぐのはかなり難しいことなのではないかと思います。
できれば非常用持ち出し袋、駄目でも防災ポーチくらいは備えておいて、自分の命を守れるようにしておきたいですね。
そういえば、小学生や中学生では余計なものは持ってこないように指導されており、例えば防災ポーチなども「余計なもの」に分類することも多いと聞きます。
では代わりに一晩越せるものがきちんと学校に置かれているのかというと、指定避難所になっている学校でもせいぜい「毛布」というお寒い状況ですから、通常の学校にはまず装備は無いと考えて良いと思います。
ではどうすればいいのか。どうやったら自分の身が守れるのかを考えておかなければ、いつになっても身体を寄せ合って暖を取る過酷な籠城から脱出することはできません。
命を守るためにどうすればいいかをしっかりと考えて、何を用意しておいたらいいのかについて検討し、あなた自身の命を守る準備をしておきたいですね。
新型コロナウイルス騒動と避難所の環境改善
各地の災害発生によって避難所が開設されていますが、新型コロナウイルス感染や蔓延を警戒して収容する人数を絞っているという話を聞きます。
ソーシャルディスタンスを確保しようと思うと、従来のような詰め込めるだけ詰め込めという感じの避難者受け入れはできなくなるわけで、今後は自分が避難所に避難すべきなのか自宅避難すべきなのか、それともどこか違う別の場所へ避難すべきなのかについてしっかりと考えておく必要が出てきていると言ってもいいと思います。
現在の避難所の設計は一人あたり横1m×縦2mのスペースが確保できればという感じでなされていますが、ソーシャルディスタンスを確保しようとすると、避難者同士の距離を2m開けることになります。
その結果、避難者同士のプライバシーの保護もしやすくなり、人の視線も気にすることが少なくなって避難所ストレスが軽減できるような事態が発生しています。
おかしな話になるのですが、新型コロナウイルスの影響で避難所の収容状況が改善されるという状況になっているのです。
この先、喉元過ぎれば熱さを忘れるにならないように、あなたの避難計画についてしっかりと見直しをかけてみてください。
どのようになったら避難所へ避難するのか、それとも自宅避難でいいのか、はたまた被災地域外に高飛びするのか、それぞれケースバイケースだと思いますので、災害が起きる前にしっかりと行き先を複数決めておいてください。
また、その行動を起こすための鍵についてもしっかりと整理して決めておくようにしたいですね。
ボランティアと相互扶助
あちこちで大きな被害を出している雨ですが、通常なら全国から集結するはずの災害復旧ボランティアも、新型コロナウイルスの影響で被災地が近くの人以外はお断りという状態になっています。
被災区域で困っている被災者は割と高齢の方が多いですので、万が一を考えると少しでも感染の可能性の少ない地域に限定してボランティアに入ってもらうというのは一つの選択だと思います。
ただ、水害の被災地ではまずは建物の泥出しと洗浄が最優先され、これは人海戦術で取り組まなければあっという間にカビや雑菌の温床が床下にできてしまい、そうなると衛生的に問題が発生しますし、泥の撤去が終わってもにおいが取れなくなってしまいます。
そんなときは被災者同士の相互扶助で順番に片付けていくしかありません。我が家だけ片付けば良いのでは無く、地域や集落として住民が一気に作業をしてしまわないと地域や集落の中に遺恨を残すことになります。
地域で優先すべき場所や優先すべき家屋を選定してそこから順番にやっていくことで、それぞれが作業に当たるよりも効率よく早く洗浄ができます。
優先すべきは水源が近くに確保できて泥出しが済めば人の生活が再開できそうな家屋から。全壊判定されるような家屋は解体するだけですから後回し。水が手に入りにくいところも時間がかかるので後回し。
地域で顔が分かっている人なら、安心して作業ができると思います。気苦労はするかもしれませんが、自分もできることで参加すればいいのです。
現状では、ボランティアは自分が感染していると地域に影響が出ると考え、様子を見ている人が大勢います。
条件をきちんと整備し、感染の確率ができるかぎり下がる状態でボランティアに入ってもらうこと。そしてそれまでは地域の人達がお互いに助け合って復旧を進めていくこと。
通常の災害対応に加えて新型コロナウイルス対策も織り込まなければならないので関係機関はかなり大変なようですが、被災地の掃除ができるかぎり早くできるように検討をしていただければなと思います。
エリアメールの怪
今日は地元の高津川が氾濫危険水位まで上昇し、一時は避難勧告まで出たそうです。
「そうです」と伝聞調になってしまっているのは、益田市の防災メールでも県の防災メールでも、益田市の避難勧告に関するメールは一切来なかったから。
避難勧告はエリアメールで流されたそうで、筆者自身は市外にいましたのでエリアメールを受け取ることができませんでした。
エリアメールというのは大手の携帯電話会社と契約している人が携帯電話網を使って特定のエリアに発せられた警報などの情報を強制的に受け取らせるサービスです。
益田にいた吉田地区、高津地区の人達はエリアメールを受け取ったそうですが、当然それ以外の地域の人にはエリアメールでは届きません。
市外に勤めている方もいらっしゃると思うのですが、避難勧告などの重要な情報がエリアメールだけで配信されるとエリア外の人に届かず迎えなどの対応が後手に回ってしまいます。
エリアメールは便利なのですが、エリア外にいるけれどそのエリアの情報が必要な人に対しても情報を提供して欲しいなと思いました。
ちなみに、益田市の防災メールでも県の防災メールでも、県の防災ポータルの避難情報でもレベル4の避難勧告は出たことになっていないのですが、避難勧告のエリアメールが配信された理由はよくわかりません。
まさか防災メールや防災ポータルへの登録漏れではないと思うのですが、結局よく分からないまま避難情報は解除されました。
結局、何が本当だったのかは筆者にとっては謎のままです。
お鍋でご飯を炊いてみよう
先日、ご家族の災害備蓄品についてどのようなものがいるのかについてご質問をいただきました。
さまざまな場所で非常用持ち出し袋や備蓄品についてのお話を聞いておられる方は多いと思いますが、具体的な準備と言うことでさまざまなお話をさせていただきました。
その中でキーポイントとなるのが水とご飯です。副食は缶詰やレトルト、食べられる山野草や野菜があるのでなんとかなるとして、水の備蓄とご飯の備蓄についてどの程度必要なのだろうかということになり、少し考えてみました。
その方のご家族は3名ですので、飲料水の分量を考えると一日6リットル。3日で18リットル、7日だと42リットルが必要となります。市販品のペットボトルの2リットルの水が一箱6本ですので2日分。4箱あれば間に合うという計算になります。
次にご飯、つまりお米をどうするかという話になり、アルファ米で計算すると一日3食食べるとして3人で9食。3日では27食、7日で63食が必要となります。
ただ、アルファ米は日常生活ではあまり登場しないということとお金がかかるということで、備蓄を2日分、残りは普通のご飯を炊くという提案をしてみました。
電気がないのにご飯が炊けるのかと聞かれましたのでお鍋でご飯を炊けますよと説明したところ、登山用品の鍋や飯ごう、メスティンなどの特殊な道具を用意した方がいいのかを尋ねられました。
水害や土砂災害に遭う確率が殆ど無く、地震でも地盤改良してある最近建てた平屋建てということなので、建物が倒壊する可能性はないと判断して普通の土鍋や鍋でご飯は炊けますよと言ったらかなり驚かれてしまいました。
確かにやったことがなければできるかどうかもわかりません。本番で初めてやって失敗したら間違いなく気力が無くなりますので、何も無い平穏なときに自分が普段使うお鍋でご飯を炊いてみることをお勧めしました。
災害時には電気やガス、水道は止まってしまって復旧に時間がかかることが多いです。でも、とりあえず数日から1週間程度電気やガス、水道がなくても何とかなる状態を作っておけば、気分的には安心できるのではないかと思いましたので、一度カセットガスを使った卓上コンロでご飯を炊いてみることを体験してもらうことにしました。
普段はなかなか時間がとれなくていろいろな文明の利器に頼ってしまうことも多いのですが、たまには昔に戻って料理をしてみるのも面白いのでは無いかと思います。
おうちでできる防災訓練の一つとして、ぜひ試してみてください。なお、ご飯の炊き方はさまざまな流派があるのでyoutubeなどを参考に確認してみてくださいね。
1階では寝ないようにする
日本の一戸建の多くは平屋または二階建てだと思いますが、あなたのうちは何階建てですか。
アパートやマンションなどのある程度の高層階はともかく、二階建ての一戸建てに住んでいる方は、寝る場所は二階にすることをお勧めします。
足が悪かったり階段が急で上ることが困難という場合もあると思いますが、できる限り一階では寝ないようにしてください。
最近続いている水害では、多くの高齢者の方が1階で就寝中に氾濫した川などの水に呑まれて亡くなっていますが、もしも二階で寝ていたとしたら、少なくともいきなり水に呑まれるようなことはなかったでしょう。
水害だけではありません。地震の時に仮に建物が耐震強化していない状態でも、二階部分は割と形が残っていることが多く、助かる可能性が一階よりも格段に高くなります。
巨大な地震試験装置であるイーディフェンスを使って耐震補強の有無で家がどうなるのかについて実験をした映像があるのですが、この映像で倒れた建物も二階部分は形が残るような倒れ方をしていました。
むろん二階にいれば確実に助かるというわけではありませんし、普段の生活で考えると、二階に移動するのはいろいろな意味で大変になると思います。
ただ、災害という視点で見ると生存確率を上げるためにはなるべく一階で寝ない方がいいことははっきり分かっていますから、普段の生活とのバランスを考えながら寝る場所を決めておいてほしいと思います。
余談になりますが、災害対策を行うときの基本的な考え方の一つに、「とっさに動けない状況になる場所の補強を優先する」というのがあります。
寝ているとき、風呂に入っているとき、トイレに入っているとき。
これらは危険だとわかっていてもすぐに行動に移せない状態になっている場所ですから、ここにいて安全が確保できるような対策をしっかりとしておくといいと思います。
また、備蓄品や非常用持ち出し袋は玄関や勝手口などに置くことが多いと思いますが、家がつぶれたり水没したりすると使えなくなってしまうので、一部は二階に補完しておくことをお勧めします。
ちょっとしたコツを積み重ねて、災害なんかで死なないようにしたいですね。
災害時の危険ってどんなこと?
防災関係でよく言われる言葉に「災害が発生しそうなときに危険だと思ったらすぐに避難してください」というのがあります。
命を失いかねない状況になることだと考えると、「避難=命を守る」ということになりますので、命の守り方をしっかりと理解していないといけません。
では、災害で起きる命を失いかねない状況を考えてみましょう。
まずは大雨。大雨になると水路や地面が水を裁ききれなくなって越水や水没、土石流、地すべり、土砂崩れなどの土砂災害が発生し、それに巻き込まれることによって命の危険が生じます。
対策はというと、海抜高度の低いところや川の周囲、又は川の跡、土砂災害の起きそうな場所には住まないことが一番です。とはいえ、実際のところはそこまで考えて住んでないと思います。
ではどうするかと言えば、危険なときにだけそれらの危険のない、海抜高度が高くて土砂災害の起きない場所に逃げておけば危険を避けて命を守ることができます。
台風も同様で、これに風対策が追加になります。家の周りのものが飛ばないように、他からものが飛んできても被害が出ないように、例えば植木鉢やバケツなどは屋内にしまっておく、屋根の修理は早めにしておく、窓には飛散防止フィルムを貼っておくなどの準備をした上で、水の被害が起きそうなら、やはり水に対して安全な場所に逃げておくことで命を守ることができます。
風が強いと停電になることが多いので、ランタンや懐中電灯といった照明具やカセットガスといった調理器具の準備も必要になるかもしれません。
最後は地震。いきなり来るとは言え、大きな揺れだけでは心臓の悪い方以外で危険を感じる方はいないと思います。
問題になるのは揺れによって発生するさまざまな被害です。例えば、家屋の倒壊、土砂災害、高いビルだと長周期振動も問題になりそうです。
対策としたら、家屋の耐震調査をし、必要があれば耐震補強すること。家具が人のいる場所に倒れないようにしておくこと、なによりも危険な場所には住まないことです。
「三十六計逃げるに如かず」という言葉もありますが、危なければ危なくないところへ逃げれば良いだけなのです。そして、その情報を得るためにハザードマップが存在します。
ハザードマップを過信してはいけませんが、一つの目安になるものであることは間違いありません。自治体が配っているハザードマップにしっかりと目を通して、避難所以外でも危険がなさそうな場所も探しておいてくださいね。
低体温症を救うには
大雨や台風の中を安全な場所へ避難しようとすると、多くの場合全身がずぶ濡れになってしまいます。
雨風にさらされたこともありますし、道路や田畑を流れる濁流の中を移動することで、たとえ夏であっても身体は冷え切ってしまっていると思います。
雨などの水に当たらない場所で身体の水分をしっかりと拭き取り、乾いた服に着替えれば大抵元気になっていくのですが、長時間に渡ってずぶ濡れの状態でいると、身体の熱が服についた水分の蒸発で持っていかれて体温が下がっていきます。
身体を触ると冷たい状態が続くようであれば、低体温症を疑って対応をするようにしてください。特に高齢者や乳幼児では周囲の注意が必要です。
がたがたと震えているようであれば、身体を動かすことで熱を作り出そうとしています。温かい飲み物を飲ませ、携帯カイロや湯たんぽを血管の集中している脇の下や鼠径部などに置いて加温してください。
震えが止まっても意識がはっきりしない状態であれば、毛布などにくるんで周囲を暖めて安静を保ちます。
また、低体温症が悪化すると心肺停止を招くことがあります。その場合には救急車の手配を行い、心臓マッサージをして命を繋ぐようにしてください。
いずれにしても、可能な限り暖がとれる状態にしておく必要があります。
よくすぐエネルギーに変わる非常食としてチョコレートがあげられていますが、低体温症の人にはチョコレートの油を溶かす熱量がないことと、分解に水分が必要とされるため脱水症状を引き起こしやすくなります。
もし与えるのであればココアなど温かな甘い飲み物を飲ませるようにしてください。
最後に、たばこは末梢の血管を収縮させる働きで低体温症が悪化します。アルコールも同様で皮膚の血管を広げる働きが熱を奪う効果を起こしてしまいます。
安心すると嗜好品が欲しくなるものですが、嗜好品はしっかりと元気になってから適量を楽しむようにしてください。
低体温症は意識していれば悪化を防ぐことのできる病気です。避難をする際にはできるだけ身体は濡らさない。もし濡れたら安全な場所ですぐに拭き取り・着替えを行うよう心がけてくださいね。